連載

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

Photo夏の大会や秋の文化祭シーズンも終わり、3年生はもう引退した、という部活も多いのではないでしょうか。いやいやクリスマスライブに向けてこれから盛り上がって行くんだ!という部活もあることでしょう。それぞれが各々の道をしっかりと進んでほしいと思います。

さて今回は札幌から、女子高生4人組バンドRu:kiss(ルーキス)が登場します。メンバーは写真左から加藤綾乃(Drums)、清水すみれ(Guitar)、松館里奈(Bass)、重本美月(Vocal & Guitar)。道立札幌平岡高校の同級生で2011年6月に結成し、そのわずか8か月後には、1年生ながらYAMAHA主催の「Music Revolution」北海道大会でグランプリを受賞した実力派!今後が楽しみな4人に、札幌中心地区に位置するJOEDOWNスタジオに来てもらい、話を聞きました。

---まずはバンド結成の経緯を教えてください。

加藤:私たちは去年の6月に結成しました。1年生の時4人とも同じクラスで、軽音楽部に入って仲良くなり、「ガールズバンドをやりたいね」ということで、この4人でバンドを結成することにしました。

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---4人とも軽音志望だったのですね。パートは初めから決まっていたのですか?

重本:いえ、ドラムの加藤は当初ギター志望だったのですが、でもこの4人でやりたいよね、ということで、ドラムに転向しました。

---なるほど。それぞれ皆さんが音楽を始めたきっかけを教えてください。

加藤:高校受験の頃、通っていた塾の先生がロック好きで、ONE OK ROCKを教えてもらったのがきっかけです。聴いたらすっごくかっこよくて、自分もバンドをやってみたいと思うようになり、軽音楽部が有名な平岡高校を受験しました。最初はギターがいいと思って買ったのですが、バンドメンバーにドラム志望者がいなくて、このメンバーでやりたかったので私がドラムをやることにしました。最初は手足バラバラに動くなんて考えられなくて不安だったのですが、やってみたらすっかりハマってしまって、今はドラムが一番大好きです!

清水:父(44)が趣味でギターをやっていて、私も小さい頃からそれを少しかじる程度ですが弾いていました。中学生時代はSCANDALのコピーをしていました。高校に入ったらガールズバンドを組みたいなと思っていたら、ちょうど、いたので(笑)

Photo重本:幼いころから歌うことが好きで、特に習ったりはしていませんでしたが漠然とやりたいなぁと思っていました。そんな時、平岡高校のオープンキャンパスに行った時軽音の先輩たちの演奏を見て、「絶対ここに入ってバンドやってボーカルやりたい」と強く思い、平岡高校を受験しました。軽音楽部で「1年生は必ず楽器もやる」という決まりがあったこともあり、ボーカルに加えてギターも高校から始めました。

松館:中学の時に吹奏楽部でコントラバスをやっていました。私の場合特に軽音は意識せず平岡高校を志望し入学したのですが、部活見学の時にガールズバンドの先輩の演奏を見たらとてもかっこよくて、自分も軽音楽部に入りたいと思うようになりました。当初はギターを志望していましたが、この4人で組むと考えた時に、ギター志望は他にもいるし、じゃあベースでもいいかな、と(笑)

---活動の頻度はどのくらいですか?

加藤:週5日部活で練習をしています。うちの軽音楽部は人数も多く、練習場所は、大きめのアンプが使える場所が限られていて、じゃんけんで負けて入れないこともあります。

Photo清水:演奏する曲は毎回固定というわけではなく、様々なものをやっています。結成当初はSCANDALのコピーから始めて、FLiPチャットモンチーなど、色んなコピーをやりました。

---女性ボーカルのカバーが多いですね。オリジナルもやっていますか?

重本:はい。今レパートリーは2曲あります。みんなで作りました。1曲目はまずテーマから考えました。軽音楽部で東日本大震災の被災者に向けたエールとなる曲を作ろうということが決まって、(清水すみれが歌詞を持ってきて、ちょっとギターのフレーズも考えてきて、メロディを考えて、あとは楽器隊みんなで肉付けしていきました。

清水:出来上がるまで1ヶ月ほどかかりました。それが出来たのが大会前の11月~12月頃なので、バンドを結成してから半年後ですね。

---初めてライブに出たのはいつ頃ですか?

松館:初ライブは1年生の8月です。平岸高校との交流会で、オーディションに受かって、出演できました。

加藤:最初は学校の定期ライブのオーディションを目標に練習を重ねました。1年生枠は1組しかないので、それに向けて頑張ったり…1年生の後半からは大会にもエントリーするようになりました。

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---大会でも大活躍した!ということも事前に伺いました。その辺りも詳しく教えてください。

重本:今年の2月、Music Revolutionの北海道ファイナルでグランプリを受賞しました。そもそも入賞するとは思っていなかったので端っこの方で座って「誰かなぁ~」とおとなしくしていたら、呼ばれて!

松館:自信のなさがヤバかったよね!

加藤:「え?聞き間違い?」みたいな感じで。だから呼ばれてもすぐに前に出なかったんですよ(笑)

重本:審査員の方からは「昭和チックだね」「ボーカルが相川七瀬に似ている」「昔の匂いがする」といった評価を頂きました。

---グランプリを獲ったことで、周囲の反響も大きかったのではないかと思います。その後の活動に何か変化はありましたか?

Photo重本:グランプリを獲って、HIT STUDIOでレコーディングをしました。その後、ライブハウスからお誘いもあり時々出演するようになりましたが、活動の中心は学校の部活という所は変わりません。

松館:大変だったのは「2曲目の行き詰まり」です。1曲目のオリジナルがスムーズにできた反面、2曲目はメロディができていたものの難しいイメージにしてしまったので、楽器隊が思うようにいかなくて…大会の前日にどうにか完成しました!

清水:スタジオに何回も入ってね。大変だった!

---自己分析すると、Ru:kissの持ち味、魅力は何でしょうか?

加藤:うーん、何だろう(笑)

松館:1年生の時は常に4人一緒だったよね。部活もクラスも同じで、朝からずっと、ご飯も、トイレも、体育のペアも、常に一緒!

重本:そうだね。仲良しというのが持ち味。あとはギャップ!「演奏したら違うね」「想像したのとは違った」とは良く言われます。おとなしそうに見られるので。

Photo清水:激しくパフォーマンスするというわけではないのですが、「かわいい曲を作る」という感じでもないので、それがギャップ…なのかな?

---4人で遊びに行ったりもするのですか?

清水:部活が忙しくて…本当は遊びたいんですけどね。

松館:いっつも食べ物の話題で盛り上がったり…打ち上げは重要だよね(笑)

重本:何を食べるがすごく悩む!

---特に最近ハマっている食べ物はありますか?

一同:アイス!!

松館:この前の大会の打ち上げもアイスです!地下鉄の(地上を走る南北線の高架下の)椅子に座りながら4人で同じアイスを食べたりね(笑)

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---そんなアイス好きな皆さんですが(笑)バンドや個人の今後の目標を教えてください。

重本:パフォーマンス力をもっとつけて、オリジナルを増やしていくのが目標です。私個人としてはボーカルとしての表現力をもっとつけることが目標です。お客さんにどう伝えるかということや表情などを、東京事変椎名林檎さんなどプロのボーカルの方を見て研究しています。いい歌詞を書けるようになり、いいメロディが思いつくようになりたいです。

加藤:部活の先輩やONE OK ROCKTomoyaさんなど、憧れのドラマーのビデオを見て研究したり練習を積んで、「魅せられるドラマー」になるのが目標です。自分の演奏を動画で見返すとまだまだかっこいい叩き方ができていないので、「魅せる」を追究したいと思います。

清水:もう二度と寝坊はしない!ということと(笑)、あとは技術を上げて、余裕を持ってかっこ良く魅せられるギタリストになりたいです。

松館:ライブはまだ必死感があるというか、緊張して慣れないので、もっとお客さんを楽しませるライブができるようにしたいです!ライブで「あそこのベーシストかっこいいな」と言われるように頑張ります。

音楽に関することと同じくらい、食べ物に関して目を輝かせて答えてくれた4人!打ち合わせもなしに代わる代わる質問に答えたり、互いの話に耳を傾けている時の屈託のない笑顔からも、仲の良さが伝わってきます。また、4人とも共通して「かっこよさ」を追究していることや、身近な目標として軽音楽部の先輩を挙げていたことが印象的でした。

インタビュー後、ナキワラ!2012全国ライブに北海道代表として出場することも決まったRu:kiss。結束力をいっそう高めて、”北海道を代表するガールズバンド”となるほど活躍してほしいと思います!

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◆Ru:kiss ホームページ
http://x83.peps.jp/ruikiss4/
 
◆インフォメーション
ナキワラ2012!全国ライブ 出場決定!
・2012年12月09日【名古屋】Zepp Nagoya
 
 

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【取材協力】
JOEDOWN STUDIO
http://www.joedown.co.jp/

 
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