今月から連載スタート!「ロック1年生」です。このコーナーでは、バンドブームの世代を親に持つ『No music, No life』な中高生の素顔に迫り、日本のロックの「これから」に迫っていきたいと思います。
今回登場するのは、練馬区の都立高生4人組バンド「ZX(ゼックス)」です。中学の同級生で結成された男性4人組バンドで、普段は4人とも別々の高校に通っています。
午後8時。スタジオ「Sound Shot武蔵関店」を訪ねると、【モンゴル800】の”小さな恋のうた”の力強い演奏が飛び込んできました。翌日のライブに向けて練習中の「ZX」メンバー。
リーダーはボーカル&ギターの枦木(はぜのき)大輔君。1992年(平成4年)6月14日生まれの17歳、都立新宿高校に通う2年生です。
細かいパートまで入念に確認し、メンバーに指示を出していました。演りたい曲目を提案するのは、大抵リーダーの枦木君だそうです。
隣でギターを弾くのは、お父さんがプロのミュージシャンだという稲葉喬之君(都立千早高)。翌日のライブは、お父さんの紹介で出られることになったそうです。
ベースは山下光軌君(都立田無高)。高校でも軽音部の部長を務めているほか、転校前の中学校で組んでいたバンドも含めて3組を掛け持ちし、アクティブに活動しています。
そして、ドラムスは高橋明君(都立産業技術高専)。水泳で鍛えた体格の良さもあり、初心者と思えない手さばきと力強さが印象的でした。
バンドの活動は週1回のスタジオ練習がメインですが、それぞれ違う高校に通っているため、試験期間が異なるなど、スケジュールを合わせるのに苦労しているといいます。そんな彼らに練習後、直撃しました。
枦木:中学時代にギター部で枦木、稲葉、山下の3名が組んでいたのがきっかけです。高校進学後は個々にバンドを組んだりもしたのですが、
やはり中学の同級生であるこのメンバーの方が気心が知れていて楽しく、言いたいことも言い合えるのでやりやすいこともあり、ドラムをしていた高橋を誘って「ZX」を結成しました。
スタジオに入って遊んだりはしていましたが、本格的にバンドとして始動したのは今年4月からです。
枦木:ロック・パンクで、日本のものが多いです。オリジナルも鋭意制作中です。
枦木:中学1年生からギターを始めました。いとこがバンドを組んでいて、ギターをやっていました。
ライブを見に行ってカッコいいなぁと思って、自分もやろうと思いました。
稲葉:最初は音楽にもギターにも興味がなかったのですが、中2の時に友達から【ELLEGARDEN】の曲を聞かされて、興味を持つようになりました。
また、父もギターをやっていたので、これが自分も弾けたらかっこいいなぁと思い、始めました。
高橋:中3の時に、突然「お前ドラムやれ」と誘われたのがきっかけです。ただ、当時はほとんど活動をしていなかったので、
本格的に始めたのは今年からです。全くの未経験でしたが、やってみたら出来てしまって、現在に至ります。
山下:中1の時にバンドを組んで、元々はドラマーだったのですが、バンドのメンバーが変わったりもして、ベースに転向しました。
音楽を始めるにあたって、或いは現在音楽をやっていることに対して、何かアドバイスなどはありましたか?
枦木:両親(父:47歳、母:45歳)は趣味でピアノやギターをやっていたみたいです。
自分がバンドを組んでいることについては、「今しか出来ないこともあるし、バンド活動を通して社交性なども身につけてほしい」と言っていました。
稲葉:父はプロのミュージシャンということもあり、自分たちの演奏については優しくアドバイスをしてくれます。
ギターの技術に関しては厳しい一面も覗かせます。
(ちなみに、彼らの両親は皆40代で、【ボンジョヴィ】をはじめとする80年代の洋楽全般や、【イーグルス】【松任谷由実】【ドリカム】などを好んで聴いていたそうです。)
枦木:中学の頃に全校生徒の前でやっていたこともあり、立つこと自体に緊張はなかったのですが、
「やっと活動し始めたな」という感慨にひたりながら、楽しんでやろうと決意しました。
枦木:いえ、全くうまくできませんでした・・・後に撮った映像を見て、反省点は多々ありました。
枦木:4人とも中学からの同級生なので、気が知れていてしっかりと意見を言い合えるところですね。
山下:技術云々よりも「楽しさ」を大事にしています。
枦木:オリジナルの曲中心で楽しめるバンドにしていきたいです。
稲葉:技術的に難しい曲にも積極的に挑戦していきたいです。みんな前向きで楽しくやっているので、行けるところまで行ってみたいです。
枦木:大会とかで優勝したいです。インディーズでもいいのでCDを出したい。あと、PVも作ってみたい・・・。
高橋:PVは、最初は爽やか系で。
全員:音楽は今後も一生続けていきたいです!
間近でシャッターを切る音にも動じず堂々と演奏する姿と、一方では微細な部分まで入念にチェックし、パフォーマンスの完成度を追究していく姿、その両方が垣間見える、大変印象的な取材となりました。
学業をはじめ様々なこととの両立も迫られますが、「楽しむこと」を極めていってほしいものです。「ZX」の皆さん、ライブ前の貴重な時間をいただきありがとうございました!
8月後半に2日連続ライブ敢行!
8月23日(日)@幡ヶ谷Heavy Sick
8月24日(月)@吉祥寺クレッシェンド
詳細は「ZX」ホームページへ
バンド名「ZX」はメンバー・高橋君の乗っていたバイクの
名前に由来する。
★取材協力
スタジオSound Shot 武蔵関店
http://www.soundshot.co.jp/musashiseki/