連載

teramuji (テラムジ)

※この記事は取材した2010年のアーカイブです。最新情報ではありません。

TEXT & PHOTO:北村響介

「ロック酒場探訪記」第7回は、オールジャンルの小さなロックバー「teramuji (テラムジ)」をご紹介します。目黒駅(東京)と日吉駅(神奈川県横浜市)を結ぶ“東急目黒線”の武蔵小山駅にお店はあります。駅から1分ほど歩いた路地裏の角に位置しています。武蔵小山といえば、最近は“住みたい街ランキング”の上位に名を連ねるほど人気のある街の一つです。駅周辺は、綺麗に整備された駅前、賑やかな商店街パルム、古くからの飲み屋街…これらが上手く共存しています。

さらに新しい駅ビルがオープンするなど、今、非常に活気に満ち溢れている魅力的なエリアが武蔵小山。そんな武蔵小山に降り立ち、BEEAST独自の視点から、今回の「ロック酒場探訪記」をお届けしたいと思います!「teramuji」に集う武蔵小山の音楽好きに興味を持ちながら、小さなロックバーへ到着です。にこやかに店長とオーナーが出迎えてくれます。さっそく店長にお話しをうかがってみましょう。

Photo店長 佐藤 勝(まさる) プロフィール

北海道札幌市出身。大学時代に札幌で出会った音楽仲間たちと、東京の武蔵小山にて、2008年にロックバー「teramuji」を開店。今年30歳という若さで、すでに店長としてお店を切り盛りしている。自身の音楽活動も続けていて、スタジオミュージシャンとして活躍する他、アマチュアバンドの結成や音楽イベントへの参加など、幅広く活動している現役ドラマーでもある。

— お店のオープンはいつ頃ですか?

Photo佐藤:2008年8月8日、覚えやすい888です(笑)ちょうど北京五輪の開会式が行われた日だったと思います。おかげさまで今夏に2周年を迎えることができました。今では幅広い世代の音楽好きたちが常連さんとして来てくれています。

— お店を始めるきっかけを教えてください。

佐藤:僕ら(佐藤店長とオーナー)は大学時代に札幌のライブハウスで出会った古くからの音楽仲間なんです。ちょうど就職の頃を境に、同じ時期に上京していたので、そのまま東京でも付き合いが続きました。僕自身は音楽活動を続けるために東京へ、他の仲間は就職で、といった感じです。このお店が生まれたのは、仲間内のお酒の席で「ハードロックが流れているバーをやりたいね」と話していたのがきっかけでした。

— 現在30歳とのことですので若くして開店されたんですね。

Photo佐藤:そうですね。でも武蔵小山は(若くてお店をしている人が)結構多いんです。ここ3年位でしょうか、ロックを看板にしているお店は「teramuji」だけかもしれませんが、若い世代の方が小さめの飲食店などを出店するケースが増えています。お客さんたちや近所でお店をやられている方々も巻き込みながら、音楽の力で街を盛り上げていきたいと思っています。

— お店で聴くことができる音楽はハードロックが中心なのでしょうか?

佐藤:僕らは学生時代にハードロックのバンドを組んでいたので、今でもハードロック~へヴィメタルが好きですね。僕(佐藤店長)はRainbowで、彼(オーナー)はDream Theaterかな。それにSKID ROWOzzy OsbourneAerosmith…挙げていったら限りないです(笑)。テラムジも最初は80年代のハードロック~へヴィメタルを中心にスタートしました。でも、70年代ロックもよくかけますし、お客さんのリクエストにもできるだけ応えたい。そうこうしているうちに、気付いたらオールジャンルになっていました。Guns N’ RosesMetallicaが流れていたかと思えば、松田聖子吉田拓郎が流れていることもあります(笑)

— オールジャンルだと客層も幅広そうですね。

Photo佐藤:幅広いジャンルの音楽好きの方々が来てくれていますね。バーなのでコアな年齢層は30代~50代くらいでしょうか。ロックが好きな方はもちろん、常連さんの中にはジャズやブルースが好きな方もいらっしゃいます。現役ミュージシャンの方も少なくありません。僕らも含めて、皆に共通しているのは、音楽が好きなこと。店員もお客さんも一緒になって、昔好きだったバンドとか、今面白いバンドとか、情報交換や意見交換をできるのが楽しくて。

— 常連さんとはかなり仲良しなんですか?

佐藤:本当に仲良くさせてもらってます。お花見に行ったり、旅行に行ったりもしますよ(笑)。あと、うちの店が主催で『テラムジロックフェスティバル(teramuji Rock Festival)』というイベントも開催しているんです。『テラムジロックフェスティバル』では、店員たちとお客さんたちが一緒にバンドを組んで演奏します。普段お店で「こういうのやってみたいね」とか、「ドラムやってくれない?」とか…そういった会話が実際に一つの形になるイベントをやってみたくて。現在は年2回の定期で、すでに3回開催しています。

— 今月は『PLUGINN』というイベントも開催されるのですよね?

Photo佐藤:はい。この辺りでは唯一のライブカフェ「Live Cafe AGAIN」で、武蔵小山にゆかりのあるバンドを集め、武蔵小山ミュージックフェスティバル『PLUGINN』を開催します。地元の2店舗との共催で実現することができました。僕自身はバンドを組んで演奏にも参加します。メイン会場以外のお店でもUstream(ユーストリーム)で生中継する予定です。お近くの方は是非いらしてください。

— それでは、お店のお薦めメニューのほうも教えてください。

佐藤:基本的にはお客さんの要望に沿ったものをできる限り揃えられるようにしています。一押しはハートランドの生ビールと、ウィスキーですね。ウィスキーは美味しいのを常時15種類位は並べています。あとは日替わりで色々と。例えば「日本酒とハードロック」をテーマに、好きな方が集まって飲み比べ&聴き比べをしてみたり(笑) 音楽もお酒も、気軽にリクエストしていただければと思います。

— 最後に、読者へコメントをいただけますでしょうか。

Photo佐藤:そうですね~。東急沿線ってライブハウスとか、ロックバーのような、音楽と触れられるお店がわりと少なかった気がするんです。でも、音楽好きの方やミュージシャンの方はとても多いはずなんですよ。この不思議なギャップはお店を始める前から何となく考えていたことでもあり、お店を始めてから音楽好きのお客さんたちと出会って実感したことでもあります。武蔵小山を発信源として、音楽や文化の活性化に少しでも力になれたら嬉しいなと思っています。いずれは音楽をメインにしつつ、アートや大道芸なんかも加えたイベントもやりたいですね。

佐藤店長は30歳と、バーの店長さんにしてはまだ若いながら、大きく明確なヴィジョンを持ってロックバーの経営やイベントの運営などにも積極的に取り組まれているタフで明るい方でした。親切で話しやすい人柄だったのも非常に印象的です。お店に取材へうかがった日は休業日だったのですが、お店の灯りに引き寄せられた常連さんが、取材中に“サプライズゲスト”として登場する一幕も…。気軽に立ち寄れる温かい雰囲気のお店ですので、是非皆さんも一度足を運んでみてください。

Photoなお、「teramuji」佐藤店長も出演する武蔵小山ミュージックフェスティバル『PLUGINN』は11月13日(土)に開催されます。今回、佐藤店長はsheep#101というバンドで参加されるそうです。武蔵小山でバンドの生演奏を観る&聴くことができる貴重な機会ですので、お近くにお住まいの方はお見逃し&お聴き逃しのないように!!

武蔵小山ミュージックフェスティバル『PLUGINN』も、オルタナティブ・J-Pop・バンドsheep#101も、それぞれの公式サイトから最新情報をチェックすることができます。

2010年11月13日
★武蔵小山ミュージックフェスティバル「PLUGINN」

◆PLUGINN 公式サイト
http://www.pluginn.jp/
◆sheep#101 公式サイト (※出演する佐藤店長のバンド)
http://www14.ocn.ne.jp/~sheep101/

ロックバー teramuji テラムジ)<閉店>

営業時間:20:00~25:00 [月曜定休]
〒142-0062 東京都品川区小山3-20-2
TEL:03-3781-6903

mail:teramuji.bar@gmail.com
公式サイト:http://teramuji.dum.jp/

Photo

東京都品川区小山3丁目20−2




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