連載

※この記事は取材した2012年のアーカイブです。最新情報ではありません。

セレクション17(東京)「Live Bar X.Y.Z.→A」スタッフ 赤間ディオけん
TEXT & PHOTO:桜坂秋太郎

大人気連載「ロック酒場探訪記」、今回は八王子にある「Live Bar X.Y.Z.→A」をご紹介しましょう!X.Y.Z.→Aは、二井原実橘高文彦和佐田達彦ファンキー末吉が在籍するスーパーバンド。店名にある通り、そしてそのメンバーが経営するお店です。X.Y.Z.→Aといえば、BEEASTでも『X.Y.Z.→A IS BACK → THE ROAD #2』ツアーファイナルをレポートしたばかり。

さて、久しぶりに八王子へ来ましたが、若い人の姿が多く、街もにぎわっています。事前に聞いていた道順を歩き、近くまで来たものの、看板がありません。一度行き過ぎて、戻ってくると、ビルの中のフロア案内に、「Live Bar X.Y.Z.→A」の文字を発見!表を歩いているだけでは、とてもLive Barがあるとはわからない状況です。

わざと看板を出していないわけではなく、どうも看板を付けられない、ということのようです。「Live Bar X.Y.Z.→A」でも、その点は考慮されているようで、八王子駅からお店までの道のりの店歌を作り、映像で案内をしています。そのPV(プロモーションビデオ)を本連載の記事にも貼っておきましょう!それでは赤間ディオけんスタッフへ、インタビューしたいと思います!

スタッフ 赤間ディオけん プロフィール

東京都出身。バンドRE-ARISEのヴォーカリストとして2012年メジャーデビューが決定。バンドマン生活とカタイ仕事の二足のわらじ生活が長いが、転職等のタイミングで、Live Bar X.Y.Z.→Aのオープニングスタッフへ起用された。現在は店舗運営と自身のバンド活動で充実した日を送っている。

RE-ARISE  http://sound.jp/rearise/

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Live Bar X.Y.Z→Aのテーマ曲


— LiveBar X.Y.Z.→Aは、5Fと6Fがありますが、この違いを教えてください。

ディオけん:はい。最初は5Fからスタートしました。その当時、6Fは違う店が入っていました。5Fのお店は当初から、金土日の週末にライヴやるつもりでオープンしました。しかしふたを開けてみると、お客さんというか誰も来ない(笑)。なので毎日ライヴを入れるようにしました。毎日ライヴを入れたら、少なくともアーティストは来るだろうと(笑)

— 確かにそれはおっしゃる通りです(笑)。そして5Fだけでは足りなくなって、6Fも追加?ということでしょうか。

ディオけん:はい。毎晩演奏をするようになった頃に、ちょうど上の6Fが空きまして、同じ店を6Fに作ってしまいました。

— たぶん、これは実際に来店しないとわからないと思うのですが、5Fも6Fもほぼ同じ作りですよね。

ディオけん:そうです。イメージもデザインも材料もほとんど同じです(笑)。サイズが6Fの方が少し大きいかな。営業的には、6Fは毎日ライヴをやっていて、5Fの平日は、元THE GOOD-BYE衛藤浩一がバーテン務めるなど、現状不定休ですが、今後は5Fも毎日BAR営業していきたいと考えております。

— 住み分けはできているわけですね。

ディオけん:6Fがライヴのメインなのですが、うちの店は基本が飲み屋なので、楽屋とかないんですよ。だから6Fの出演者が、5Fを楽屋がわりに使ったりもします。あとはアマチュアの方のアコースティックとかセッションなんかも、5Fではやっていますね。

— Live Bar X.Y.Z.→Aは、その名の通りX.Y.Z.→Aのお店なのですよね。

ディオけん:X.Y.Z→Aのメンバーが中心、さらに言うとファンキー末吉が中心になって開店しました。飲み屋をやるなら演奏もできた方がいいだろうと、Live Bar形式になりましたが、あくまでベースは居酒屋のような感じですね。

— メニューを見るとしっかりした居酒屋さんですよね。

ディオけん:ウチのメニューは写真がなくて、1枚にただ羅列しているだけなんですけど、品数で言えば普通の居酒屋より多いですね。沖縄出身の店長の“あ~ちゃん”が、料理はしっかりと作っていますので、美味しいと評判です。

— お薦めの品はありますか?

ディオけん:何でも美味しいです(笑)。中でも沖縄の料理がやはりお薦めですね。それから私自身、ビールが大好きなので、生ビールは美味しく飲んでいただけるよう特に気を使ってます。焼酎では、田倉、薩摩茶屋、白玉の露あたりが私のお薦めですね。

— お休みはありますか?

ディオけん:休むのは正月だけです。3.11の震災時も開けていました。地震の次の日は、二井原実のライヴがあったので、かなり悩みました。でも、家にいると不安でたまらないという人が多かったので、その人たちのために店を開けました。

— キャパ的にはどのくらい入りますか?

ディオけん:着席でざっと50席です。年に1,2回、オールスタンディングでやったりしますが、120名とか入ると、もう凄い状況になります。ビルが揺れますね(笑)。

— やはりX.Y.Z.→Aのファンの方が多いですか?

ディオけん:X.Y.Z.→Aのファンはもちろん、X.Y.Z.→Aのメンバーが在籍しているバンド、爆風スランプ筋肉少女帯LOUDNESS、それぞれのバンドの聖地のような感じになっていますね。あとはよく出演してくれるゼノン石川関係で、聖飢魔IIのファンも結構来てくれます。

— 日本を代表するロックバンドばかりですね。確かに聖地かもしれません。

ディオけん:ただ、多くの方は都内から来るので、実は結構早く帰ってしまいます(笑)。遅くまでいたい方は車で来てしまうから、逆に飲めないとか。そういうジレンマはありますね。

— お店は何時までですか?

ディオけん:24時です。ライヴが終わってアーティストが帰った後くらいです。アーティストさんが残って飲んでいる場合は、そのまま開けています。

— ここでライヴをやるメリットはお客さんとアフターですぐ飲めることでしょうか?

ディオけん:まさにその通りです。ファンキー末吉自体が、お客さんの中にどんどん入って、そして一緒に飲んじゃうので(笑)。傾向としては、アーティストが飲む人だと、お客さんも飲む人が多いですね(笑)。

— Live Bar X.Y.Z.→Aが、他店と違うところを教えてください。

ディオけん:あくまでベースは居酒屋というか飲み屋さんなので、ライヴはやっていても、通常のライブハウスとは根本が違いますね。極端な話、お客さんは例えば3000円を払っていても、アーティストにいくら渡っているのかわからないですよね。Live Bar X.Y.Z.→Aでは、チャージは全部アーティストに渡るので、100%自分が払ったチャージが渡っているというのがあります。

— 100%アーティストへということだと、お店の方はどのような形ですか?

ディオけん:チャージとは別に、飲食代で1000円のチケットを買ってもらいます。それがお店の料金です。明朗会計です。1000円分の飲食を超えたところはキャッシュオンです。

— ライヴ中のオーダーは大変そうですね。

ディオけん:ロック系だと曲間のMC中に注文がバンバン入ったりしますね(笑)。まぁ、アーティストによっては、音楽が静かなところでも「ビールちょうだい!」みたいに注文がきたりします(笑)。ライヴが終われば、そのままお客さんとアーティストがコミュニケーションを取ることができるのが、一番のウリですね。それが好きな方は、この店を好きになってくれると思います。

— それにしても出演者が凄いメンツですね。

ディオけん:確かにそうですね。普通はないブッキングが多くあります。やはりファンキー末吉ブッキングも大きいですね。凄いメンバーのありえないセッションなどは、本当にファンキー末吉がいなければ実現しない物ばかりです。音的にはロックだけでなく、ジャズやブルースもあります。

— ライヴを体験しましたが、サウンドがとてもダイレクトですね。

ディオけん:さっきも話しましたが、基本は居酒屋なので(笑)。演奏ができる居酒屋と思えば、この機材でも許してもらえるのかなと。本来であれば、この機材じゃ演奏してもらうにどうなの?というプロの方々が、この機材で演奏してくれるわけで。逆にその生音が聴ける機会ってないですよね。

— それは確かにないですね。

ディオけん:例えるならば、スタジオ練習を見ているかのような感じかもしれません(笑)。音だけなら、ライヴハウスの方が絶対に良いのは間違いないのですが、生音に価値を見出してくれるファンも、結構多いのかなと思います。

5Fをオープンしたのが2009年5月。そして6Fをオープンしたのが2010年2月だそうです。上下のフロアで、ほとんど同じ作りのLive Barというのは、全国的にもレアなお店です。おそらく日本では、ここ「Live Bar X.Y.Z.→A」だけだと思います。普通に考えると、5Fから6Fへは“移る”という発想ですが、そこはX.Y.Z.→A、両フロアでやってしまえ!というのはさすがです。

聖地化している「Live Bar X.Y.Z.→A」ですが、どうも地元には知られていない様子。確かに外に看板もないので、普通に営業しているとわからないかもしれません。赤間ディオけんスタッフいわく、「全国の音楽ファンには割と知られているのですが、意外と八王子の人が知らないのがネックなんですよね」とのこと。今後は、地元のお客さんを増やしていきたいと語ってくれます。

本当に演奏がある居酒屋さんという言葉がピッタリの「Live Bar X.Y.Z.→A」。凄いアーティストの生音を目の前で聞きながら、美味しい料理とお酒が飲める。こんな贅沢な空間はありません。八王子へ行くことが楽しくなること間違いなし!です。私も毎晩でも通いたい!と思う、そんな雰囲気の素敵なLive Barです。まだ行ったことがない読者の方は、ぜひお気に入りのアーティストの生音ライヴを観に、足を運んでください!

Live Bar
X.Y.Z.→A

営業:18:30~24:00
定休:なし
住所:〒192-0081 東京都八王子市横山町7-6 東亜建設第七ビル5・6階
TEL:042-656-0910

Live Bar X.Y.Z.→A 公式サイト:http://www.livebarxyz.com/

東京都八王子市横山町7−6



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