連載

※この記事は取材した2012年のアーカイブです。最新情報ではありません。

セレクション15(東京)「J ROCK CAFE」代表 Kyosuke
TEXT:桜坂秋太郎 PHOTO:N-yukano

大人気連載「ロック酒場探訪記」、今回は赤坂にあるハードロック・ヘヴィメタルファンの間では有名なお店「J ROCK CAFE」をご紹介しましょう!店名にJ ROCK(ジャパニーズ ロック)とある通り、そのものズバリなお店です。しかも赤坂見附の駅からすぐという、驚きの好立地!

駅から、あっという間に「J ROCK CAFE」の入るビルへ到着。エレベーターで5Fへ。扉が開いた瞬間、そこはもうJ ROCKの香りが充満した空間が登場!壁や天井に貼られたレアなポスター、壁にサイン入りで飾られているギター、細かい装飾までがロックテイストで、これは好きな人にはたまらない!

会社が多く、大人の街というイメージが強いエリアに、こんなにロックしたお店があるなんて!ふと窓の外を見ると、最近話題のフーターズ赤坂見附店の長い行列が見えます。ビルの5Fというシチュエーションは、解放感を感じる素敵な空間。代表自らミュージシャンであるというこの「J ROCK CAFE」、どんなお話が聞けるのか楽しみです!

代表 Kyosuke プロフィール

愛媛県出身。ミュージシャンを目指し、大学入学をきっかけに上京。大学在学中にLEGENDレジェンド)にヴォーカリストとして加入。年間60~70本のLIVEをこなしメジャーデビュー。
バンド解散後、実家の割烹にて料理の修業を8年間積む。再び上京し、2007年の1月に「J ROCK CAFE」をオープン。音楽と料理の二兎を追い、現在はBeel-ze-Bulベルゼブル)のヴォーカリストとして活動中。


— お店のオープンは2007年からとのことですが。

Kyosuke:はい。今年の1月で5周年でした。今は6年目です。

— ライヴイベント開催が結構ありますが、開店当初からそうだったのですか?

Kyosuke:いえ。元々イベントをお店でやるつもりはありませんでした。飲食で勝負したかったので、むしろイベントってどうなのかな?というくらいでした(笑)

— 今では結構入っていますね。

Kyosuke:ありがたいことに、僕からアプローチをしなくても、色々とお話を頂きます。僕がやはりバンドマンということもあって、アーティストさん経由でお話を頂くことが多いですね。

— なるほど。例えばどのようなパターンがありますか?

Kyosuke:LEGENDで一緒だったMASAKI(ex JACKS`N`JOKER・ex SHY BLUE・ex アニメタルCANTA地獄カルテットDAIDA LAIDA)が出てくれたり、彼を通じて小林信一(ex R-ONE・ex BLOOD IV地獄カルテット)ライヴがありますね。あとは昔よく対バンしていた練馬マッチョマンからの付き合いで、さかもとえいぞうANTHEM・ex 練馬マッチョマン・ex アニメタル・ex JAM ProjectEIZO Japan)ライヴ。夜叉にいた山本征史(ex 夜叉・ex Zi:LiE-YA・ex AKIMA&NEOS和嶋工務店三宅庸介SBLらいぶらSTAND)など。

— すごいラインナップですね!

Kyosuke:その他にも、EARTHSHAKERの関係者がお店に来てくれて、SMCSharaMarcy・Collection)ライヴもあります。本当にありがたいですね。

— ライヴイベントは土日開催ですか?

Kyosuke:基本はそうですが、やりたい日があれば、平日でもやっています。何もイベントが無くても、土日は遠方から来てくれるお客さんがいますね。

— 赤坂という街を選んだ理由を教えてください。

Kyosuke:予算の問題です(笑)。本当は新宿や渋谷が良かったのですが、何せ家賃が高くて。金額が半端じゃないので、到底個人で手が出せる物件じゃなかったです。結果的に予算に収まるこの場所に落ち着きました。確かにロックな街というイメージはありませんが、近くに赤坂BLITZもあるし、結果は良かったと思っています。

— お店のコンセプトは最初からJ ROCKですか?

Kyosuke:自分でやるならHard Rock Cafeみたいな飲食スタイルがやりたかったので、カウンターだけのロックバー的なイメージは無かったですね。日本のロックに特化した店というイメージも最初からありました。僕自身がジャパニーズメタルを経ているから、そっち系の色が濃いですけど(笑)

— お客さんはこのロック色を、すんなり受け入れてくれました?

Kyosuke:正直、お店がお客さんを拒んでいるようなところもありまして(笑)。やはりこの内装ですし、かかっている音楽もそれなりですから(笑)。でも赤坂はオフィス街なので、手頃な値段で美味しいランチを探している方が多くて。ウチもランチをやっているのですが、おかげ様でロックに関係なく食べに来てくれます。

— オフィス街ならではのランチ風景ですね。

Kyosuke:そうですね。平日のランチは会社勤めの方だけですね。夜は逆に客層が変わりまして、ランチの人達は来ません(笑)。美味しい物を食べながら、飲んでロックな話がしたい方がメインですね。それでも、オフィス街なんで終電前には皆さん帰りますし、すごくやりやすい場所です。

— お客さんの男女比率を教えてください。

Kyosuke:圧倒的に女性ですね。7割くらい女性です。今までやってきて、お客さんが男性しかいないのは一度だけです(笑)

— すでに有名なお店ですが、We ROCK誌の付録DVDの撮影会場にもなっていますよね。

Kyosuke:はい。We RCOK誌の収録は、2ヶ月に一度のペースで撮影しています。お店の宣伝になってありがたいです。

※雑誌「We ROCK」(旧ロッキンf):http://rockinf.net/

— ご出身は愛媛の松山ということですが、上京の話を聞かせてください。

Kyosuke:僕は18歳で上京しました。東京でロックバンドがやりたくて、その口実で獣医大学行きまして(笑)。周りは皆、獣医を目指しているのに、僕だけ違うみたいな(笑)。学科は畜産系のところに食品がありまして、そこに行ったのですが。元々実家が割烹なので、料理に関係する物にはまったく抵抗がなかったですね。

— 上京してすぐにバンド活動をされるわけですね。

Kyosuke:そうですね。音楽がやりたくて出てきたので。大学在学中にLEGENDに入って、年間60-70本くらいライヴやりました。その後バンドがなくなり、事務所にお世話になりながら、一人で色々とやったのですが、結果は泣かず飛ばず(笑)。ちょうど実家から帰って来いと言われたのもあり、いったん帰りました。

— いったん帰るということは、また東京に出てくるつもりだったのですか?

Kyosuke:はい。4年くらいで東京に戻るつもりでした。でも何だかんだで8年ほど実家の割烹にいまして(笑)。その間に自分の知らなかった飲食業のビジネス的な部分を勉強させてもらいました。

— そのまま割烹にいるという道もあったと思いますが、東京に戻るというのはどのような判断で?

Kyosuke:やはりロックがあきらめきれなかったということです。どうしてもあきらめきれずに、東京へ戻って音楽活動をやろうと。でもロックシーンから8年も離れていたし(笑)、バンドで食うというのは考えにくい感じでしたね。

— 以前のバンド仲間との交流は続いていたのですか?

Kyosuke:何となく続いていましたが、すでにデビューしているヤツはプロで食っていますし、そうじゃなければ、もう音楽活動を止めていますね。

— 確かに若い頃とは違いますね。

Kyosuke:なので、いきなり音楽活動というよりは、お店を開こうと考えていました。音楽と飲食の両方をできる人間ってなかなかいないと思いますが、僕にはそれができる。それが強みだなと。お店をやりながら、おいおいバンドは出来るだろと考えて(笑)

— そして今のバンドBeel-ze-Bulですね。どのくらいの活動頻度ですか?

Kyosuke:月に一度は、目黒鹿鳴館でライヴをやっています。普段のリハーサルは金曜の夜、お店が終わってから朝4時までやっています(笑)。今は時間を削ってでも、音楽活動をやりたい!と思っています。

— 料理と音楽の二つをコラボされているわけですが、理想はどちら側ですか?(笑)

Kyosuke:どちら?と聞かれたら、音楽をやりたいです(笑)。でも生活があるので(笑)。結局、今はどちらもやりたいことができているので、すごく良い環境ですね!

好きなヴォーカリストについて聞いてみると「Graham Bonnetが好きで、あの人が行くバンドを全部追っていきました(笑)」。ロックへのキッカケは「中学生から洋楽を聞き始めましたが、最初にハマったのはRainbowかなぁ。高校生の頃はLAメタルの大ブームで、俺はコレになりたい!なるぞ!って思いました(笑)」。80年代が青春だった人なら思わずうなずいてしまう話です。

飲食業と音楽業、両方とも深く知っているからこそ「J ROCK CAFE」は成り立っていて、多くのファンを得られたのだと思います。ランチは会社員でにぎわい、夜はロック好きでにぎわう。そして互いに相反することなく、コラボレーションの成功事例という感じでしょうか。

最後にお薦めのフードを聞いてみると「味噌チリビーンズと特製カラッと唐揚げが、絶対的にお薦めできる一品です!」とのこと。これはもう「J ROCK CAFE」の一押し鉄板メニューを食べに、行くしかありません!私も次回はプライベートで来て、必ず注文したいと思います!

麺ダイニング&マクロビオテック
J ROCK CAFE

営業:11:30~16:00(昼)
17:00~24:00(夜)~03:00(金のみ)
定休:日曜
住所:〒107-0052 東京都港区赤坂3-9-8 篠原ビル5F
TEL:03-3582-0696

J ROCK CAFE 公式サイト:http://jrockcafe.xxxxxxxx.jp/
Beel-ze-Bul 公式サイト:http://www.beel-ze-bul.com/

東京都港区赤坂3丁目9−8



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