連載

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※この記事は取材した2015年のアーカイブです。最新情報ではありません。

セレクション33(大阪)「Vampire」櫛野秀子(ねーさん)&Roki
TEXT & PHOTO:桜坂秋太郎

01大人気連載「ロック酒場探訪記」。今回は、大阪の守口市駅そばにあるハードロックバー「Vampire(ヴァンパイア)」をご紹介しましょう!大阪といえば、濃いロック酒場があるエリアですが、今回はどのようなお店でしょうか。

京阪本線の守口市駅を降り、お店へ向けて歩き始めます。飲み屋街のようなイメージをしていたのですが、まったくそれらしい景色が出てきません。住所を頼りに到着すると、マッサージ店に挟まれたビルの1階に、「Vampire」を発見!

道をはさんだ反対側は、マンションというシチュエーションです。路面店で、赤い看板が目立ちます!駅からは徒歩3分程度なので、とても近いですね。

「Vampire」には、ハードロックバーと書いてあります。出迎えてくれたのは、オーナーの櫛野秀子さん(ねーさん)、そして週末にお店をお手伝いしているRokiさん。ロックな香りがプンプンします!挨拶を済ませ、さっそくインタビューを始めたいと思います!

Z櫛野秀子(ねーさん)&Roki プロフィール

櫛野秀子(ねーさん)
大阪守口市出身。守口で生まれ育ち、現在も在住。80年代はライブハウスのスタッフを経験し、子育て期間のブランクを経て、ロックな世界にカムバック!
Roki
大阪守口市出身。Vampireのお客さんとして来店していたが、ねーさんと小中学校が同じ事からスカウトされ、週末だけお手伝いを開始。

02— お店のオープンはいつですか?

ねーさん:昨年(2014年)の3月です。一年半くらい経ちました。

— 19時から2時と、お店の終わりは遅めな時間ですね。

ねーさん:一応終わりは2時までなんですけど、お客さんがいれば、もう少し開けています。だいたいの目安が2時くらいです。

— Rokiさんは、週末だけお店に?

Roki:はい。僕は週末だけお手伝いにきています。平日は違う仕事をしています(笑)。

— お店はやはり週末が混むのでしょうか。

ねーさん:実はバラバラなんです。月曜日に大勢くる時もあります。金曜日は、飲み会の後に寄ってくれる方が多いです。

— お店をオープンする前は何をされていましたか?

ねーさん:私は主婦をしていました。ちょうど離婚をして、お店をしたいと思って始めました。

— この守口市駅という場所を選んだ理由を教えてください。

ねーさん:私は住んでいるところも守口なんです。なので、近い場所でちょうど良い物件があったのが理由です。

— お店を始めようとして、物件はすぐに見つかったんですね。

ねーさん:はい。本当にトントン拍子に話が決まりました。お店を始めようと物件のことを友達に聞いたら、良い場所あるよって教えてもらったんです。

— それはラッキーですね。

ねーさん:実はその友達自身が、お店をやろうと思って、チェックしていた物件を教えてもらいました。

— なるほど。物件がすぐに見つかるのはラッキーですね。

ねーさん:友達には本当助けてもらいました。お店の仕入れの酒屋さんも紹介してくれましたし、店内に置くギターとかも持ってきてくれました。

03— 内装は何か手を加えましたか?

ねーさん:スナックの居抜きで、そのまま使えるものばかりでしたので、内装はカウンターとボトル棚を黒く塗ったくらいです。すぐ開店できました。

— そうなると、オープンして最初に集まってくれたのは、やはりご友人関係ですね。

ねーさん:そうです。友達がよく来てくれました。音楽の友達が多くて、以前からお店でもやらないと、もったいない!って言われていたんですが、タイミングよかったです。

— 音楽関係というと、どのような繋がりですか?

ねーさん:私は昔、30年近く前ですが、ライブハウスで働いていました。なので、その頃からの知り合いとか。最近再会した人もいます。

— 音楽業界とはずっと繋がっていたのですか?

ねーさん:いえ、結婚している間、20年くらいはライブから離れていました。その間は子育てしていました。ライブも行けませんでした。

— そうなんですね。確かに両立は難しいですね。

ねーさん:離婚してお店しようって思ったときに、今のライブハウスってどうなってんだろう?と思って、また足を運ぶようになりました。最近では、facebookで繋がった人のバンドを、よく観に行きます。

— お店に置いてあるギターは弾けるのですか?

ねーさん:アンプ繋いで弾けます。最初に来た時、ちょっと弾く人は多いけど、何度か来たら、おしゃべりメインですね(笑)。でも割と演奏する人も多いので、店内で時々、アコースティックライブもやっています。

— トイレに昔のフライヤーなどが貼ってありますね。

ねーさん:私が80年代のライブハウスで働いていた時のチケットやフライヤーです。トイレにたくさん貼ってあるので、皆さんトイレに行ったらなかなか出てこないんです(笑)。

04— 友達以外のお客さんは、どのような方が多いですか?

ねーさん:Facebookで繋がっている人が多いです。遠方の方も、大阪に来た時に寄ってくれます。

— お店の宣伝はFacebook中心ですか?

ねーさん:あとはライブを観に行った時に、バンドさんに許可を得て、お店の名刺を配っています。

— いわゆるジャパメタ系が好きな方が大半?

ねーさん:そうでもないです。最近は、スラッシュメタルが好きな人が多いですね。

— お店を始める時に接客の不安などはありませんでしたか?

ねーさん:私は一度、友達のバーでバーテンダーの経験があったので、何とかなるというか、イメージはできたので大丈夫でした。

— お薦めのメニューを教えてください。

ねーさん:このお店にはガスの設備がないので、フードはレンジでチンだけなんです(笑)。でも、お酒はバドワイザーの生ビールを置いているので、それがよく出ます。

— バドワイザーの生ビールは珍しいですね!

ねーさん:はい。なのでお客さんは皆さん、生ビールです(笑)。ほとんどそれですね。あとは年齢層が高めなので、焼酎などですね。

Roki:複数の銘柄の瓶ビールを、一時置いてみたのですが、誰も頼みません(笑)。本当に皆さんバドワイザーの生ビールですね。あとは、黒ビールを飲むお客さんがいるので、それを置いているくらいです。

— 大型スピーカーは店内のライブ用ですか?

ねーさん:いえ、お店の音楽を流すスピーカーです(笑)。ちょっと大きさがおかしいですよね。普通に音楽を流すのに使っています。

05— それは驚きです!

ねーさん:オープンの時に、バンドをやっている人が色々とパンフレット持ってきてくれて、よくわからないので選んでもらったら、これになりました(笑)。そこには、運動会も文化祭も大丈夫!って書いてあって、体育館で使うようなものを、お店で使っています。

— 音量は、大きめに流しているんですか?

ねーさん:普段はそんなに大音量でもないです、お話できるくらいのレベルです。

— 流す音楽はどのようなものをチョイスしていますか?

ねーさん:お客さんが好きなバンドを、かけるようにしています。

— お客さんは一人で来る方が多いですか?

ねーさん:そうですね。一人で来る人が多いと思います。なので、おしゃべりがメインですね。

— お客さん同士でお話も?

ねーさん:はい。一人できたお客さん同士で、よく話をされてます。どんなの聴いてるんですか?とか。

— ロケーションというか、周りがすごいですね、マッサージ店。

ねーさん:このビルにはスナックも入っていて、うちの隣は居酒屋なんですが、ビルの両隣はマッサージ店です(笑)。

— このロケーションは、なかなかないですね。どう思われました?

ねーさん:もう、絶対イヤ!と思いました(笑)。マッサージのネオンがチカチカしているし、なんか怖そうだし。でも駅の表側に比べて、ここは裏手なので、家賃などがまるで違うんです。そこでハードロックバーなら、怪しいところでいいかって、考え方を切り替えました。

— 実際はどうでした?

ねーさん:そんなに柄も悪くないし、警察も見回りに来てくれる場所でした。そうそう、隣(の居酒屋)に挨拶しに行った時のエピソードがあるんです。

— ぜひ教えてください!

ねーさん:60歳代のご夫婦が居酒屋をやられているんですが、私がハードロックバーをやります、と挨拶したら、大喜びでした(笑)。お父さんの方は、BON JOVIめっちゃ好きやねん!と言われて、KISSのバンTを着てました(笑)。今まではカラオケスナックだったから、下手な歌が響いてきてイライラしていたとか。店でBON JOVIをかけていたら、もっと大きくかけて!みたいに言われました。

06— 何か縁を感じますね。

ねーさん:はい。本当にお店をここにして良かったと思いました。同じビルのスナックの方も、何かあったらすぐ言ってねと言ってくれましたし。週末はRoki君がいますが、平日は私一人なので、周りの人が結構心配してくれます。

— Rokiさんはいつからお手伝いを?

Roki:1年くらい前ですね。昨年の8月からです。オープンの時から来ていて、家が近所なので、お手伝いすることになりました。

ねーさん:私と同じ守口で、偶然小学校と中学校が、私と同じ学校でした(笑)。初めてお客さんで来てくれた時に、そんな話になって親近感が湧いてお店を手伝ってもらっています。

— お休みは日祝ですか?休みの日は何をされてますか?

ねーさん:はい。日曜と祝日です。でも祝日は開けている時もあります。ゴールデンウィークとか。開いてる?って聞かれたら、じゃぁ開けるわ!って(笑)。お店が休みの日は、他のロックバーへ飲みに出かけたり、ライブを観に行ったりしています。

— 元々、守口市なんですか?

ねーさん:生まれも育ちもそうです。結婚していた時も守口です。逆に、守口から出たことがないです(笑)。他に住むのは考えられないですね。今は両親と子供たちと一緒に住んでいますが、やはり守口です。

— お店をやる上で、家庭のご理解については、どうでしょうか。

ねーさん:両親には、お店をやりたいんけどと相談したら、今まで我慢してた分、やりたいことやり!って言ってくれました。子供たちは上が高校生で下が小学生なのですが、両親にお世話もお願いできています。

— それはお店をやる上では、とても恵まれた状況ですね。

ねーさん:家族も友達も色々と協力してくれて、本当に助かりました。物件もある、親の協力も得て、子供たちも納得している。もう、どうぞやってください!というような状況でした(笑)。
 

07今回は、取材のために店内を明るくしてもらいましたが、普段はとても暗い感じの照明だそうです。どのくらい暗いのかを聞いてみると、RokiさんいわくCDを入れ替えるのがちょっと大変(笑)!だとか。

名前の“ねーさん”というのは、高校生のころからのニックネームらしく、店名の「Vampire」の由来は、噛み癖が“ねーさん”にあるので付けたそうです!何でも以前勤めていたバーで、お客さんに噛みついて(※甘噛み)いたというエピソードが!

これから2年目、3年目へ向けて盛り上がっていく「Vampire」。お近くの方はもちろん、大阪へ出張されるハードロック好きの方は、守口市駅から徒歩3分のVimpireへ足を運んでください。そしてご自身で、噛み癖が本当かどうか、ぜひ確かめてください!

Hard Rock Bar Vampire

営業:19:00-2:00(日曜・祝日定休)
住所:〒570-0038 
 大阪府守口市河原町12-8 富士林プラザ六番館1F
TEL:06-7506-6162

 
Facebook Page:https://www.facebook.com/Vampire
食べログ:http://tabelog.com/osaka/A2707/A270701/27086926/
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