連載

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TEXT:鈴木亮介

Photo列島はすっかり冬一色ですね。北海道では都市部でも積雪が見られるようになり、こうなるとほんの少し前まで疎んでいた夏の暑さが恋しくなるというものです。そこで今回のキャンパスロック図鑑は、一路沖縄に遠征し、誌面上だけでも暖かな風を吹かせたいと思います。
 
ロックの箱根駅伝こと連載「キャンパスロック図鑑」、今回は琉球大学が登場します。琉球大学は1950年に設置された沖縄県に唯一存在する国立の大学で、また日本最南端&最西端の国立大学としても知られています。広大なキャンパス、豊かな自然、歴史・地理的理由から国際交流も活発。法文学部、観光産業科学部、教育学部、理学部、医学部、工学部、農学部と大学院を抱える総合大学です。
 
そんな琉球大学から今回ご紹介するのは、医学部軽音楽部!部長を務める医学部医学科4年次、バンドではボーカル、ギターを担当する中尾槙吾さんと、副部長の友利舞子さんにお話を伺いました。
 

— まずはじめに、琉球大学医学部軽音楽部の部員数やバンド数はどのくらいでしょうか? また、主な活動についても教えてください。

Photo中尾:部員は全体で約60人いて、バンド数は40程度あると思います。1人で10以上のバンドを掛け持ちする人もいれば、1つのバンドに専念している人もいます。部会を毎週火曜日の昼休みに行っており、部室での練習の時間調整をしたり連絡事項を伝えたりしています。部室での練習はバンド・個人問わず平日は17時半から20時まで、土曜日は9時から17時までとなっています。部主催のライブは基本的に月に1回行われていますが、7月は合宿、9月は学園祭、3月は追いコンを部ライブの代わりとしています。部ライブはライブハウスを貸し切って行うのが主ですが、自分達が普段練習で使っている部室でライブを行うという新たな試みもスタートさせました。部ライブ出演にはオーディション等はなく気軽に出演できます。その他、部以外が主催する外部のライブに出演しているバンドもいくつかあります。
 

— 琉球大学医学部軽音楽部の特長を教えてください。

中尾:琉球大学医学部軽音部はポップス、ロック、メタル、アニソンなどなど、様々なジャンルに挑戦してきました。歴史的には、ジャズをメインに演奏していた時代や、メタルだらけの時代もあったようですが、近年はポップスの人気が高くなっています。OBやOGとの交流が盛んなこともこの部活の特徴です。時には10歳以上年の離れている人達とも、同じ音楽を通じて交流し、楽しんでいます。また、私たちの部活には各学年に強烈な個性を持つひとがおり、ただ単に曲をコピーし、演奏するといった活動を一味違ったものにしています。とりわけ、6年次の“KING”が有名です。
 

— ライブやイベントにはどのようなものがありますか?

Photo友利:部のライブは基本的に月に1回のペースで、ライブハウス及び部室にて行っています。その中で行事的に大きいものがいくつかあります。まず4月の新入生歓迎シーズンには、部活オリエンテーションで2年生が1曲披露し、その数日後に部活全体で新歓ライブと称して新入生を迎えます。5月には九山大会があります。九山大会とは、九州と山口県と沖縄県の各大学の医学部軽音部が集まって、それぞれの大学のバンド演奏を披露し合ったり、各大学からパートを輩出した合同バンドを結成して一緒に演奏したりします。また、7月には合宿を実施しています。合宿では音響について勉強し、リハーサルから本番までの流れを把握して、自分達でライブができるような機会を作っています。さらに、3日間共に生活することで、普段バンド単位でしか行動しない部員達が、バンドの垣根を越えて部活全体において交流ができる場にもなっています。
 
中尾:夏休みが終わると9月には学園祭が控えています。琉大祭では音響の調節に加えてステージの開設も自分達で行います。ライブは2日間に渡って行い、代表のバンドは学園祭の野外ステージにも出演します。12月は忘年会ライブをして、一年をしめくくります。3月は卒業生を送り出す留送会を実施します。形式はその年によってライブハウスで行ったり合宿の形にしたりしています。一言で部のライブと言ってもその形式は様々で、アコースティックに限定したアコースティックライブにしたり、優勝者に賞品が贈られる大会形式にしたり、全学部の軽音部と合同でライブをしたりして、その時々で内容を変えています。ライブ以外にも、沖縄で開かれるマラソンに部活単位で参加するなどして交流を深めています。
 
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— 活動の苦労や困ったことなどがあれば教えてください。

友利:部活動で大変だったことはいろいろありますが、やはり沖縄ということで台風には悩まされました。軽音部は主に土曜日に部のイベントを行っているのですが、最近の台風は土日にくる傾向があるので、せっかく時間をかけて準備したのに、台風のせいで台無しに…ということは少なくありませんでした。昨年度は、軽音楽部の最大のイベントである琉大祭も、台風でつぶれてしまいました!前日に琉大祭中止の知らせを受けた時は、絶望でしたね…しかし、琉大には音楽サークルがいくつあります。中止決定後も諦めることなくサークル同士で力を合わせたところ、強行開催することができました!これは前の幹部の時代に起こった話ですが。そんなこんなで、いろんな困難にぶち当たりながらも私達は頑張っています!これからも攻め続けます!
 

—中尾部長にとって琉球大学医学部軽音楽部はどのような存在ですか?

Photo中尾:私にとって軽音楽部は大学生活の大きなウェイトを占めており、なくてはならない存在、場所です。1年生の頃からたくさんのライブやイベントをこの場所で経験し、そのどれもが楽しい思い出になっています。昨年の10月に部長に就任してからは、自分がただ楽しむためだけでなく、いかに他の部員が皆で一緒に楽しめるかということを常に考えて行動してきました。この10ヶ月の間様々な苦労もありましたが、同学年の幹部や先輩後輩達に支えられながら今までになかった新たなイベントを企画し、実行する事ができました。その時に得られる達成感は苦労を楽しさに変え、部活をさらに良いものにしていこうというモチベーションに繋がっています。私を含め結構な数の部員が部活動に力を入れる余り学業を疎かにしがちですが(笑)、こんなにも全員で同じ方向を向いて何かを作っていくという体験は今しかできないことだと思っています。医学部は6年生まであり、部活も6年間と全学の部活やサークルより長く続ける事が出来るので、もうしばらく皆から楽しみをもらい続けたいと思っています。
 

— 最後に、今後の目標を教えてください。

Photo中尾:まず団体の目標ですが、琉球大学内で人気、実力とも一番の部活動になる事です。「琉大の医軽音は上手だし、楽しそうだな」と沖縄にいる方全員が思ってくれる…そんな所までいけたらこれに勝る喜びはないですね。最近、部員の演奏力がメキメキ向上しており、期待は膨らむばかりです。次の部長は決まっていて、とても優秀な子なので、きっと目標に近づけてくれることと思います。個人的な話ですが、今僕が組んでいる「THE・羊ズ」というバンドでオリジナル曲を作っています。一人でも多くの人に聴いてもらったり、ライブに来てもらえるように頑張るのが僕の目標です。琉大祭にも出演予定なので是非遊びにきて下さい!!…沖縄在住の方以外難しそうですね(笑)。

◆琉球大学医学部軽音楽部
 
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今後、Facebook等を活用してライブの写真の掲載や、イベントの告知を行う予定です。
 
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◆琉球大学 プロフィール
・ 大学住所
〒903-0213 沖縄県中頭郡西原町字千原1番地
・創立年
 1950年(昭和25年)
・学生数(平成25年5月1日現在)
 学部生7,336名、大学院生942名
・ 大学HP
http://www.u-ryukyu.ac.jp/

◆ビースト推薦文
沖縄というとゆったりした時間が流れていて、気楽にゆるりと活動しているようなイメージを浮かべがちでしたが、台風などご当地ならではの苦労があるのですね。また、「九山大会」など遠征を通して積極的に他県の大学ともコミュニケーションを取っていることからも、その活動が本格的であることが伺えます。本州にいてはなかなか奏でられない”うちなーロック”で、全沖縄県民に知られる医軽音になってほしいと思います。


 
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http://www.beeast69.com/category/serial/campus