連載

横浜国立

TEXT:鈴木亮介

Photo本格的な就職活動シーズンが到来しました。今年も相変わらずの不景気で、就職氷河期は続いているようです。最近は就活のための塾が人気だということで、随分時代も変わったものです。

全国の大学・短大・専門学校のロックな部活・サークルを毎月ご紹介するキャンパスロック図鑑。2011年はペースを上げて月2校ずつご紹介していければと思います。そして、これまで都内の大学を中心にご紹介してまいりましたが、9校目となる今回から、満を持して地方”巡業”をはじめたいと思います。その一発目は、横浜国立大学。

明治の開港以来「国際交流の拠点」としても知られる横浜に位置し、国内外の多くの大学と連携した国際研究が盛んな大学です。芸術分野にも多くの著名人を輩出しており、ご存じB’z稲葉浩志、映画監督の岩井俊二、洋楽ロックマニアとしても知られるフリーアナウンサー・高樹千佳子などがその代表です。BEEAST読者にはおなじみ、JYOJI-ROCK審査員でもあるシンガーソングライター・川久保秀一も横浜国立大学のOB。在学中にツインボーカルバンドを結成し、4年生時にバンドメンバーとともに応募したボーカルオーディションを機にデビューしています。

今回ご紹介するのは、横浜国立大学 軽音楽部です。「B’zの後輩」たちはいったいどのようなキャンパスロックライフを過ごしているのでしょうか。前代表の工学部物質工学科3年・篠田翔馬さんに話を聞きました。

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— まずはじめに、横浜国立大学 軽音楽部の特長を教えてください。

篠田:私たちの軽音楽部では主にバンドのコピーを中心に活動しています。バンドはイベント毎に組み直す形式をしていて、そのイベント毎に自分のやりたいバンドに合うメンバーを探して、練習をしてライブをするという感じです。いろいろな人とバンドを組むことができ、また自分の興味のなかったジャンルにも誘われたりするので多種多様な音楽に触れることができます。ジャンルは邦楽、洋楽、ロック、パンク、ハードロック、ヘヴィメタルなどと様々です。近年はアニメソングやシンセサイザーなどを使った電子系も増えてきていますね。しかしここの軽音楽部の一番の特徴的なジャンルといえばメタルでしょうか。常盤祭では「Saturday Metal Night」と称されているメタルやハードコアのコピーバンドを土曜の夜に行う伝統のようなものもあります。OB、OGの方々も数多く学祭に参加していただいており、先輩方の演奏や話などをきいていろいろ勉強もできます。

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— 部員数やバンド数はどのくらいでしょうか? また、主な活動についても教えてください。

篠田:部員は現在1~4年生で60名前後在籍しています。バンドはイベント毎に組み直す形式をとっています。活動は部会を金曜日に設置しており、連絡事項やイベントで組むバンドメンバー探しや雑談などをしています。練習場所として部室が設けられていて、使用している機材も他のサークルと比べると充実しているのではないでしょうか。基本的に練習は部室で行います。部室に作ってある部室練習シフト表に自分たちが練習できる時間を書き込んで埋めていくので、早いもの勝ちですね(笑)ただし、イベント前などシフトが立て込む場合は、幹部がシフトを組んで練習を行っています。

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— ライブやイベントにはどのようなものがありますか?

篠田:ライブは、まず4月に新入生歓迎ライブがあります。ライブハウスを借りて行うものと学校にある大練習場というところを借りて行うもの、さらに学校のメインストリートを借りて昼休みに行うものと新入生をたくさん入れようと必死になっています(笑)。また5月の終わりに清陵祭、10月の終わりに常盤祭と二つの学祭があります。6月と12月には2年生が中心となって企画し1、2年生のみでライブをして評価し合う「二年企画」というものがあり、そこで選ばれたバンド数組が夏、冬休みにライブハウスを借りてライブを行います。さらに12月にはクリスマスライブ、3月には卒業していく4年生が企画するライブもあります。合宿が多いのもうちの特長ですね。6月、9月、2月の計3回、合宿が予定されています。まぁ合宿というよりかはかなり旅行に近い感じになりますが…そのほか個人的に企画したBBQや旅行などもあったりと、イベント盛りだくさんです。

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— 活動の苦労や困ったことなどがあれば教えてください。

篠田:苦労したことといえば、学祭でのライブ場所の確保でしょうか。一時期優先して場所を確保できる権利を失ってしてしまい、ライブをするための大きな教室をとることができず大変でした。交渉の末いろいろな場所を転々としつつなんとか行うことはできたのですが、学祭の際にPAをしていただいている業者の方には迷惑をかけてしまいましたね。来年度からは優先して場所を確保できる権利をもらえることになったので、来年度の幹部にはよりよい学祭になるように頑張ってもらいたいですね。

— 篠田代表にとって横浜国立大学軽音楽部はどのような存在ですか?

篠田:自分にとって軽音楽部はとても居心地のいい空間ですね。それは別に何をするでもなく自然と集まって雑談したり飯食ったり飲み行ったり、何も気にせず接することのできるいいメンバー達がいるからだと思っています。特にライブの時とかみんなが盛り上がっている姿を見ているのが好きですね。もちろん見るだけじゃなく盛り上がるのも好きですが(笑)やっぱり、音楽が好きで集まってきたやつらが音楽を通じて一つになって楽しんでるのを見てるとすごく心が温かくなって、このサークルでよかったなぁと思いますね。部長としてみんなに何もしてあげることができなかったかもしれませんが、すごく大切なものをみんなから得られることができて嬉しく思っています。

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— 最後に、今後の目標を教えてください。

篠田:今後の目標というよりは、もう引退となる身なので個人的な願望になってしまうかもしれませんが…今行っているライブ活動などは身内、学校内に閉じているままのイベントが多い状態なので、もっと開いた活動をしていけたらいいですね。例えば他のサークルとの共同イベントやら他大との合同ライブなどできたらいいと考えています。今年度はそこまでの企画に力が及ばなかったので次期幹部達にはなにか新しい風を吹かせてほしいなと思います。あとはもっと多くの人を魅せることができるライブができたらいいですね。そのための力をつけていってほしいです。引退してもまだ演奏する機会はあるので、そこは自分自身も意識していきたいと思っています!

※横浜国立大学よりメッセージ

Photo1949年の創設から2009年に60周年を迎え、横浜の街と共に育んだ長い歴史と伝統のもと、国際的に通用し、社会に貢献できる実践的な教育を行っています。

更に21世紀が必要とする人材育成の取り組みを充実させるため、2011年度から大幅な改組再編(学部・大学院)を行います。詳しくは大学ウェブサイトをご覧ください。

★2011イベント情報★
2011年05月28日(土)~29日(日):春の大学祭「清陵祭」
2011年08月10日(水)~11日(木):オープンキャンパス2011
2011年11月04日(金)~06日(日):秋の大学祭「常盤祭」

◆横浜国立大学 軽音楽部 HP
http://keionynu.web.fc2.com/


一緒にライブを企画していただける団体の方いましたらぜひお願いします!ホームページよりご連絡ください。

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◆横浜国立大学プロフィール
・ 大学住所
〒240-8501 神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79-1
・ 創立年
1949年
・ 学生数
(2010年5月現在)10,134名
・ 大学HP
http://www.ynu.ac.jp/

◆ビースト推薦文
横浜は全国有数の「音楽の街」。日頃10代20代を取材していても、横浜には素晴らしい才能を持ったミュージシャンの卵がたくさんいるなと感じますし、高校の軽音楽部の活動も都内に比べて活発な所が多いなという印象です。大学でもやはり、それは同じようです。稲葉浩志に続く新たなスター誕生を期待しましょう!