連載

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TEXT:鈴木亮介

Photo今年は全国的に桜の開花が早いようですね。読者の皆さんはもうお花見に出向かれましたか?

さてロック版・箱根駅伝ことキャンパスロック図鑑、32校目となる今回は四国の松山大学が登場します。愛媛県松山市内にキャンパスを構える松山大学は松山高等商業学校を前身とし、四国最古の私立文系大学として開学。経済学部、経営学部、人文学部、法学部のほか、2006年には薬学部医療薬学科も設置されました。

女子駅伝部が強豪で、アテネ五輪、北京五輪と女子マラソンで2大会連続出場した土佐礼子さんがこの学校の出身ですが、運動部に限らず文化系のサークルも活動がさかんとのこと。そんな松山大学から今回ご紹介するのは、松山大学フォークソング部!部長を務める、経営学部経営学科3回生の横山裕也さんにお話を伺いました。

— まずはじめに、松山大学フォークソング部の部員数やバンド数はどのくらいでしょうか? また、主な活動についても教えてください。

Photo横山:現在、現役の部員だけでも約110名在籍しています。引退した先輩方も活動することもあるので実際にはもう少しいます。バンド数ですが、学外でライブをするオリジナルバンドが4つほどあるのに加えて、イベントごとにコピーバンドを組み直したりしているので、平均60ほどになります。部室では、毎週木曜日に部会を開いており、部員が一堂に会して連絡事項や自分たちが出演するライブの告知をしています。部会の時間以外はオリジナル、コピー、各バンドの練習時間にあてていて、バンド仲間の都合がいい時間で練習しています。空いた時間は自主練習でき、部員ならだれでも使用可能です。
 

— 松山大学フォークソング部の特長を教えてください。

横山:僕たちフォークソング部は、フォークソングという名前は付いていますが、ジャンルはフォークソングだけに留まらず、J-ロックやJ-POP、メタル、アニメソングなど邦楽、洋楽問わず扱っています。この部活の一番の特徴といえば自分たちのオリジナルの曲を作り活動できるオリジナルバンドが組みやすく、周りも応援してくれる環境にあることです。1年生同士で組んでいる部員もいれば、引退された先輩と組んでいる部員もいます。「オリジナルは経験者じゃないと難しいな」と思うかもしれませんが、そんなことはないです!部員の中には初心者も多いです。自分もそんな一人です。そんな自由な場で音楽を楽しめるからこの部活は面白いのだと思います!また、有名なアーティストではSuperflyさんやジャパハリネットさんも活動していました。
 

— ライブやイベントにはどのようなものがありますか?

横山:ライブは年間で5本開催しています。合宿が夏、冬2回あります。ライブ内容は5月の新入生歓迎ライブ、9月の夏の定期演奏、11月の学祭、2月の冬の定期演奏、3月の卒業ライブを毎年企画しています。新入生歓迎ライブは部室で、夏と冬の定期演奏は学校の大きなホールを借りて、学祭は学校の教室で行っており、卒業ライブは卒業するフォークソング部の先輩が企画し、ライブハウスを借りてライブしています。ライブ以外にも去年初めて5月に運動会、12月にはクリスマス会を企画しました。部員数が多くなかなか全員と関わる機会が少ないので、こういったコミュニケーションのできる活動も案を出し合って行っています。
 
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— 活動の苦労や困ったことなどがあれば教えてください。

横山:苦労したことは、やはり部員数の多さですね。イベントごとに練習の時間割を決める際も、60バンドもあると60通りの意見があり、なかなか決まらないのです。部会も全員がそろうことも難しいのでスケジュールなど伝達が回ってないこともあります。コミュニケーションが十分に取れてないことだって多々あります。時間割を曜日別に決めたり、新入生と交流を深めるための運動会など企画しますが効率的にできるように変えてもまた別のところで綻びが出てくるので苦労しています。人をまとめることの難しさを知りました。
 

—横山部長にとって松山大学フォークソング部はどのような存在ですか?

横山:僕にとってのフォークソング部とは、「今の自分そのもの」だと思います。この部活に入部当時、先輩に「フォークに入ったら友達できなくなるよ!」といわれました。まさかとは思っていましたが、そのまさかでした。部外の友達といる時間そのものがなく、フォークソング部の人といる時間が圧倒的に多いです。フォークソング部員の大半はそうだと思います。僕は特に先輩といる機会が多いのですが、部室行ったら先輩がいて、ごはん行って、夜中まで遊んでという彼女みたいですけど…そんな毎日が続いてますが、なくなってほしくないと切実に思っています。無くなってしまったら僕という存在が無くなってしましますから!そのくらい重要です!
 
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— 最後に、今後の目標を教えてください。

横山:3代前の部長から受け継がれている「みんなが楽しめる部活」というのを目指していきたいと思います。これをもって楽しめるというのは抽象的で明確な基準は難しいのですが自分が考えるのは、みんな音楽が好きでこの部活に集まってきているわけですから、練習で磨いた技術をライブで最大限に発揮してほしいですね。お客さんが真剣に見てくれる、盛り上がってくれる、拍手をくれると楽しくないわけがないでしょう!お客さんが同じ部員でもそうだと思います。そのようなことをもっと味わってほしいです。110名の部員がいるわけですから、相性の合う合わないはあると思います。音楽を通してそれすらも乗り越えられるようになってほしいですね。その環境づくりをするのが部長の仕事です。
 

※松山大学よりメッセージ
5月、8月にはオープンキャンパス。11月には「熟田津祭(にぎたつさい)」と言われる大学祭があります。
また、2013年は松山大学創立90周年を迎え、さまざまな行事を予定しています。
詳細は随時ホームページ等でご案内します!是非ご覧ください。

◆松山大学フォークソング部
http://70.xmbs.jp/mufc/
 
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夏と冬の定期演奏や学祭は入場料を取っていません。なので、「見てみたいな」と思ったら、是非来てください!毎日懸命に練習した成果を発揮しています。メンバーの募集というか部員の募集なんですが、松山大学に近い方はどの大学でもフォークソング部に入部することが可能です。実際、別の学校から来ている部員も数名います。経験者、初心者は問いません。音楽が好きな人だったらだれでも可です。様々なジャンルの音楽も聞けて、音楽の多様性が広がると思いますよ。
 
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◆松山大学 プロフィール
・ 大学住所
愛媛県松山市文京町4-2
・創立年
1923年
・学生数(2012年5月現在、大学院含む)
5,881名
・ 大学HP
http://www.matsuyama-u.ac.jp


◆ビースト推薦文
インタビューの中でも話がありましたが、Superflyジャパハリネットはいずれもこのサークルの出身。松山大学の学生はもちろんですが、他大学の学生が参加したり、OB、OGと一緒にバンドを組んでいるというのも、音楽の見識や価値観が広がりそうで、いいですね。
四国最強の軽音サークルと言っても過言ではない彼らの中には、意外と「大学からバンドを始めた」という初心者も多いとのこと。音楽を始めるのに早いも遅いもない、とよく言われますが、初心者も経験者も入り混じったサークルの中で切磋琢磨し、第二のSuperflyジャパハリネットを目指してほしいと思います!


 
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【連載】キャンパスロック図鑑 バックナンバーはこちら
http://www.beeast69.com/category/serial/campus