連載

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TEXT:鈴木亮介

Photo新年あけましておめでとうございます!昨2012年を象徴する漢字一文字は「金」でしたが、読者の皆様にとって、昨年はどのような「金メダル」「金字塔」があったでしょうか?今年はいっそう、金ピカでキラキラした一年にしたいですね。

さてロック版・箱根駅伝ことキャンパスロック図鑑、29校目となる今回は茨城大学が登場します。茨城大学は1949年に旧制の水戸高等学校・茨城師範学校・茨城青年師範学校及び多賀工業専門学校を包括し、文理学部・教育学部・工学部の3学部からなる新制大学として発足した国立大学で、水戸、日立、阿見の県内3か所にキャンパスを置き、現在は農学部なども含む5学部、4研究科、宇都宮大学や東京農工大学との連携協力体制で運営される博士課程の連合農学研究科などがあります。

そんな茨城大学から今回ご紹介するサークルは、「ファミレド市」!代表ならぬ”市長”を務める人文学部人文コミュニケーション学科3年の安部ゆかりさん(Drums)と人文学部社会科学科3年の根本隆弘さん(Bass)に話を聞きました。

— まずはじめに、茨城大学ファミレド市の特長を教えてください。

Photo安部:いろいろな場所をライブハウスにしてライブを楽しむという「自分達でつくるライブ」というものをコンセプトに、我々ファミレド市は日々活動しています。ジャンルは邦楽・洋楽からオリコン上位の某アイドルグループまで幅広くカバーしています。ファミレド市の名物はなんといってもホールコンサートです。日立市などのホールを借りて機材をレンタルし、自分達で大きなステージを作ります。これがとてもたいへんな作業なのですがライブが始まったときの感動と終わった後の達成感はなにものにも変えられない物だと思います。

受賞歴は4、5年前にある先輩のバンドが「つしまみれ」というバンドのコピーバンド大会で日本一に輝いたことがあります。このサークルはとても人数が多く大学院生も含めると100人を超える大所帯となっています。そのため、いろいろな人がいて個性豊かなサークルです。

— 部員数やバンド数はどのくらいでしょうか? また、主な活動についても教えてください。

根本:現在ファミレド市は水戸キャンパス(人文・理・教育学部)、日立キャンパス(工学部)、阿見キャンパス(農学部)を合わせると約100名を超えるメンバーが在籍しており、茨城大学の4つのバンドサークルのうち最も規模が大きいサークルです。普段はサークル室で週1回のミーティングを行っています。練習はバンドごとにサークル棟練習室やスタジオを借りて行っています。年によって多少バラつきはありますが、年間を通して教室ライブ4回、ホールライブ3回、野外ライブ1回、ライブ合宿4回、そして学園祭などバラエティに富んださまざまな行事があります。そのライブのたびにバンドが組まれるので、バンド数は数えきれません。

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— ライブやイベントにはどのようなものがありますか?

安部:先ほど話した通り、年間を通じて教室ライブが4回、ホールライブが3回、野外ライブが1回、さらにライブ合宿が4回、そして学園祭の、計12回ライブが行われます。自分達の大学はキャンパスが水戸と日立と阿見に分かれていて、ライブは主に水戸で行われ、数回日立で行われるという形です。また、年に数回学年ごとのライブや他のサークルと合同のライブを水戸のライブハウスで行ったりもします。このように年にたくさんライブをする機会があるのでとても楽しくサークル活動を行っています。

— 活動の苦労や困ったことなどがあれば教えてください。

根本:ファミレド市は、先ほども述べたとおり人数の多い大規模なサークルであるため、組織をまとめるのに苦労します。イベントをとり仕切る頭をはじめ、機材係、照明係など各係との連携が非常に大事であり、それらがうまくいかないと、ライブのタイムスケジュールにズレが生じてしまいます。外部の施設(市民ホールなど)を借りてのイベントでは、とくに時間内にすべてを終えなければならないため、タイムスケジュールを綿密に立ててそのとおりに準備をしていくことが必要になります。
また、キャンパスが分かれているため、ライブのたびに離れたキャンパスに機材を運ばなければならないのも苦労のひとつです。機材も重いものが多いので、体力勝負でもあります。しかし、さまざまな苦労があるからこそ団結力が高まりますし、ライブが成功したときの喜びは大きいといえます。

—安部市長にとって茨城大学ファミレド市はどのような存在ですか?

Photo安部:私はサークルが大好きなので、一言でいうとかけがえのない存在ですね。市長という仕事はみんなをまとめたり、いろいろなことを決定して連絡したりとやることはたくさんあって大変な仕事なのですが、その分かなりやりがいのあるポジションだと思います。このサークルに入って友達もたくさん増えたし、好きな音楽の話が出来る機会も増えたので、とても充実した大学生活を送ることが出来ています。とても楽しいいいサークルだと思います。

— 最後に、今後の目標を教えてください。

根本:私たちはサークル棟の教室、講堂、ホールなどをいかにライブハウスのような空間へ近づけられるかということをテーマにしています。ですから、これからもさらにさまざまな努力や工夫を重ね、ライブハウスを超えられるようなライブを作っていきたいと考えています。ほかには、他大学のバンドサークルさんとも交歓イベントなども行いたいです。オリジナルバンドを組む上級者から、まったくの初心者まで幅広いメンバーがいるファミレド市なので、各自が目標とするメンバーを見つけ互いに切磋琢磨していければと思います。

Photo※茨城大学よりメッセージ

たくましく未来を切り開く意欲と専門的な能力を備えた人材を育成します。また、高度で多様な研究の蓄積を世界や地域の文化・学術・産業に貢献し、存在感ある大学を目指しています。

水戸、日立、阿見の3キャンパスがあり、自然に囲まれ恵まれた環境で学ぶことができます。

また、平成23年度「大学地域貢献度ランキング」(日本経済新聞社産業地域研究所)で全国5位に躍進しました。

◆茨城大学ファミレド市
http://blog.livedoor.jp/famiredocity_hitachi/
 
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◆茨城大学 プロフィール
・ 大学住所
〒310-8512 茨城県水戸市文京2-1-1
・学生数(2012年4月現在)
8,446名(大学院含む)
・ 大学HP
http://www.ibaraki.ac.jp/

◆ビースト推薦文
前回福井大学の「研究所」に続き、今回は「市」が登場です。3キャンパスにまたがる大所帯のサークルですが、「大学の様々な空間をいかにライブハウスのような空間へ近づけられるか」追究している…というその活動姿勢には共感!楽器と仲間を持ったら、いつでもどこでも、そこはライブハウス。日頃の練習も熱心に活動している様子がインタビューから伝わってきます。楽しく、上質な音楽を奏でてほしいと思います。

ところで、茨城は東日本大震災で大きな被害を受けた県の一つ。茨城大学では現在、津波で流出した文化財「岡倉天心記念 五浦六角堂」の復興プロジェクトを推進しており、復興基金への寄付を募っています。詳細は以下HPをご覧ください。
http://www.ibaraki.ac.jp/donation/


 
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【連載】キャンパスロック図鑑 バックナンバーはこちら
http://www.beeast69.com/category/serial/campus