連載

TEXT:鈴木亮介

Photo10月になり、学園祭シーズンに突入ですね。各サークルとも、練習に余念がないのではないかと思います。高校も大学も、学園祭のライブは普段はあまりライブに行かない…という友人に、音楽の魅力を伝えられるチャンスでもあり、受験生にその学校の楽しさを伝えられるチャンスでもあります。是非、納得いく演奏とパフォーマンスを披露してほしいと思います。

さてロック版・箱根駅伝ことキャンパスロック図鑑。27校目に登場するのは国士舘大学です。サッカーや野球、柔道など、学生スポーツのシーンでその名を全国的にとどろかせている名門。1917年に開学し、これまでに14万人の卒業生を世に送り出してきました。体育学部を筆頭に、政経学部、理工学部、経営学部など7つの学部に10の大学院研究科を設置する総合大学です。

そんな国士舘大学から今回ご紹介するのは、軽音楽研究会!法学部法律学科3年、バンドではドラムスを担当する安藤陽介主将に話を聞きました。

— まずはじめに、国士舘大学軽音楽研究会の特長を教えてください。

Photo安藤:私たち軽音楽研究会の一番の特長は、部員数が約100人と多いことから、趣味や好きな音楽ジャンルも幅広い人たちが集まっていることです。学園祭やライブハウスではバンドのオリジナル曲と共に、ロック、J-POP、メタル、アニソン、ボーカロイド、洋楽、パンク、ジャズなどさまざまなジャンルのカヴァーを演奏しています。部員が大勢いるので、自分の好きなジャンルやアーティストの曲を一緒に演奏できる仲間が必ず見つかるところも魅力だと思います。また、OBの皆さんとの繋がりが強いことも軽音の特徴であり、誇れるところです。3年秋の学園祭を最後に現役は引退しますが、卒業生も出演するライブを毎年企画し、合宿にも大勢で参加してくださいます。また、軽音楽研究会創部35周年の今年は、記念イベントとして下北沢のCLUB251というライブハウスで歴代OBを迎えてのライブを企画しています。このように、軽音を通じた在学生と卒業生の交流は脈々と受け継がれています。

— 部員数やバンド数はどのくらいでしょうか? また、主な活動についても教えてください。

Photo安藤:今年5月現在、100人以上の部員が在籍しています。これほど部員数の多い音楽サークルはあまりないのでは?と思います。毎週木曜日に教室で行う部会では、次回イベントやライブに関する連絡や出演バンドの募集、部員個々のライブ告知など情報交換をしています。毎月行うライブは、約40組のバンドが出演しますが、部員数の関係から2日間かけて開くことが多いですね。一日中ライブという感じです(笑)。軽音のライブイベントの大半はライブハウスですが、大学のホールを一日中貸し切り、部員たちで設営して行うものや、学園祭の大教室でのライブがあります。またそれぞれの企画も多様で、新入生歓迎ライブ、アコースティック・ライブ、他大学との合同ライブなどのほか、部員が独自に企画するものもあります。もちろん活動はライブだけでなく、昼休みには自ずと学食に集まりますし、夏休みのBBQ、冬休みのスポーツ大会などを通して部員間の交流を図っています。

— ライブやイベントにはどのようなものがありますか?

安藤:まず、新入生に溶け込んでもらうための音出しⅠ、町田キャンパスの学園祭(鶴川祭)、音出しⅡ、フレッシュマンライブがゴールデンウィーク明けから続きます。音出しⅠ、Ⅱは大学のホール、学園祭は教室、フレッシュマンライブはライブハウスで行います。大学のホールと違いライブハウスにはプロのPAスタッフの方がいますので、部員たちの意識が高まるライブになっています。BBQや合宿、企画ライブなどを挟みながら、OB中心の追いコン・卒コンを2月と3月に実施しています。この二つは3年生、4年生が中心のライブで、追いコンライブは引退する3年生がこれまでの活動で培ったものをすべて発揮しようという意気込みで臨んでいます。卒コンライブでは卒業する4年生が感極まって涙をこぼすなど思い出に残るライブといえます。

Photo合宿では、在学生にOBを合わせると100人以上が参加します。河口湖近くのスタジオが12室あるホテルで、5泊6日の日程で親睦を深め技術の向上を図ります。それまであまり関わりのなかった部員同士が合宿で意気投合し仲良くなることも多いですね。なんといっても合宿の醍醐味は、期間中に行う軽音のベストバンドを決めるライブにあります。ここでベスト8に入ったバンドが翌年2月の選抜ライブに出演することができるのです。みんなここを目指して日々、切磋琢磨しているからこそ選ばれたうれしさや落選した悔しさなど凝縮された想いが交錯する軽音最大のイベントですね。

— 活動の苦労や困ったことなどがあれば教えてください。

安藤:苦労したことは、やはり人間関係です。主将になりたての頃は、100人の大所帯の部員一人一人と密接にコミュニケーションを図らなければならないと考えていました。しかし、現実的に100人と向き合うことは難しいものです。軽音に馴染めない後輩をそのままにしていては辞めてしまう可能性もあります。そんな理想と現実のギャップに悩んでいる時に、同期やOBの皆さんからたくさんのサポートや助言をもらえたことは非常にありがたかったです。そういった経験を重ねながら、最近はなんとかクラブという大きな枠で指示を出しながら、部員みんなとの繋がりが実感できるようになりました。合宿でのエピソードをひとつお話ししたいと思います。合宿時は24時間スタジオに入り放題なので、寝る時間を惜しんでスタジオに入りまくったまではよかったのですが……翌日(当日?)の選抜ライブの出演者を決めるライブで丸一日司会をしている時にどうみても体力の限界を超えてるなと感じ…疲れ過ぎてあまりその日のことを覚えていませんでした(笑)。

—安藤主将にとって国士舘大学軽音楽研究会はどのような存在ですか?

Photo安藤:これまでの自分の世界を変えてくれたかけがえのない存在です。苦労もありますが、それをはるかに超えるほどの楽しさ、心地よさがあります。そして今、この大好きな軽音楽研究会の部長を務めています。今しかできない経験です。自分の大学生活を語る時、一番はじめに軽音が出てくるのは間違いありません。それくらいこのクラブが大好きです。残念ながら部員一人一人とじっくり話す機会はなかなか持てませんが、部員全員と共にこの軽音を支えていると思っています。新たに加わった新入生たちにも自分のように軽音での楽しい思い出をたくさん作ってもらいたいと願っています。それによって国士舘大学軽音楽研究会はさらに発展すると信じています。

— 最後に、今後の目標を教えてください。

安藤:これまで以上にこのクラブを盛り上げていくことです。部員のほとんどは仲良く活動していますが、中にはわだかまりがある人もいるようです。そういった部員たちの不満やわだかまりを少しでも解消できたらと考えています。また、創部35周年という節目を迎え、OBの皆さんとの関係もこれまで以上に深めていきたいです。昨年は震災の影響でライブの自粛や中止が続きました。今年は震災復興への気持ちを込め、例年よりも多くのイベントを開催する予定です。開催ごとに信頼が高まるよう部長として成長していけたらと考えています。
 

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Photo※国士舘大学よりメッセージ

学びの多様性を備えた7学部・10研究科を擁する国士舘大学は、夢を実現する力を育み、一人ひとりの夢を応援する大学として、これまでに14万余名の卒業生を輩出してまいりました。2017年に迎える創立100周年記念事業の一環として、健康とコミュニケーションをテーマに温水プール、フィットネスジム、美容室、ラウンジなどを備える複合スポーツ施設の建設を進めています。学生の心と体を育て、地域の人々が集う施設が2012年秋に完成します。学園祭やオープンキャンパスなど盛りだくさんのイベントを用意し、皆さんのご来場をお待ちしています。見て・聞いて・体験して本学の魅力を感じていただければ幸いです。

■学園祭「楓門祭」(世田谷キャンパス)11月2・3日
     「多摩祭」(多摩キャンパス)11月10・11日

■オープンキャンパス情報はこちら↓
http://www.kokushikan.ac.jp/admission/opencampus/032000_0085.html
 

◆国士舘大学軽音楽研究会
 
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◆国士舘大学 プロフィール
・ 大学住所
〒154-8515 東京都世田谷区世田谷4-28-1
・ 創立年
1917年(大正6年)
・ 学生数(2012年5月1日現在)
13,818名
・ 大学HP
http://www.kokushikan.ac.jp/

◆ビースト推薦文
歴代OBを集めたライブというのは楽しそう!35年の歴史を誇る部ならではの試みですね。そして、冬休みのスポーツ大会で交流を深めたり、スタジオに24時間入ったり…といったエピソードは、さすが国士舘!と感じずにはいられません。「部長」や「代表」でなく「主将」というのも国士舘ならではですね。100名以上の大所帯をしっかりと支えつつ、楽しいキャンパスロックライフを十二分に満喫してほしいと思います!


 
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【連載】キャンパスロック図鑑 バックナンバーはこちら
http://www.beeast69.com/category/serial/campus