連載

会津大学軽音楽部「keion」

TEXT:鈴木亮介

Photo突然ですが、読者の皆さんは「学食」というとどのようなイメージを浮かべますか?やはり「安くて量が多い」という印象を挙げる人が多いのではないかと思いますが、最近はそれに加えて「質」もだいぶ向上されているようです。ある大学では、有名店とコラボレーションして鉄板ステーキを出していたり、またある大学ではインド人シェフがその場でナンを焼いてくれたり、「レディースメニュー」「メガ盛りメニュー」のある大学もあったり…学生に親しまれる工夫をどの大学もしているようです。

さて、学食もすごいですが軽音も負けてられません。ロック版箱根駅伝こと「キャンパスロック図鑑」、第19回目となる今回も、東北の大学が続きます。登場するのは福島にある公立大学・会津大学です。日本初のコンピュータ理工学専門大学として1993年に設置。当初は日本国内にコンピュータを専門とする学者が少なかったこともあって、全世界から広く教員を募集。その結果、現在でも教員の4割弱は外国人教員で、すべての学位論文に英語での執筆が義務づけられていることも特長です。

そんな会津大学から今回ご紹介するのは、会津大学軽音楽部「keion」!コンピュータ理工学部3年で、バンドではギター&ボーカルを務める田村陽季部長に話を聞きました。

— まずはじめに、会津大学軽音楽部「keion」の特長を教えてください。

Photo田村:会津大学軽音楽部では洋楽、アニソン、ヴィジュアル、J-ROCK、弾き語りなど幅広いジャンルのコピーバンドが活動しています。オリジナルの曲を作っている人もいて、不定期ですが「keion mix」という会津大学軽音学部のオリジナルのCDの製作も行っています。近くの会津短大の人も会津大学の軽音楽部に多く所属しているので、幅広い趣味の人が集まり、いつもにぎやかに活動を行っています!ライブは主に市内の「Bard Land」というライブハウスで行われるのですが、ライブの企画から音響、照明まで部員で行っています。このあたりが会津大学軽音楽部の特長だと思います。ライブの度に卒業して社会人になった先輩が遊びに来てくれたり、バンドを組んで出演してくれたりするのでライブはいつも大盛り上がりです!

— 部員数やバンド数はどのくらいでしょうか? また、主な活動についても教えてください。

Photo田村:部員の人数は現在、全学年で50人前後ですね。活動しているバンド数は10バンドほどあります。去年卒業した先輩の人数が多く、今は部員もバンドがちょっとさみしいのですが、新入部員が入部している途中なので、これからもっとにぎやかになる予定です!活動頻度は、月に一回程度のペースでライブを行っており、1回のライブで出演するバンド数は5~6バンドです。場所はほとんどがライブハウスですが、入学式や大学祭では大学にステージを設営してライブをすることもあります。また、練習は部室で行うことが多く、毎日朝9時から夜9時までの間に2~3時間単位で部室を予約すれば、バンド単位でも個人単位でも部室を使用することができます。もちろん練習以外の場でも部員は集まります。よく部員同士でご飯を食べに行ったり、誕生日会を開いたりもします(笑)

— ライブやイベントにはどのようなものがありますか?

Photo田村:年間でライブは10本前後あります。まず4月には入学式ライブ・新入生歓迎ライブがあります。続いて5月、6月は定期ライブが毎年企画されています。そして夏には「シャッフルライブ」という、パートだけ希望を出してメンバーをランダムで組ませるという面白いライブがあります。夏休みに入ると合宿でのセッションやバーベキューや花火に行ったりします。10月以降は学祭ライブを行います。会津大学と会津短大、毎年どちらの学祭でもライブを行っています。その他、芋煮会や冬シャッフルライブ、卒業生追い出しライブや卒業式ライブがあります。ただし、このスケジュールが絶対というわけではありません。特に「この月はこのイベントをしなければならない!」ということはないので、企画する人がいれば自由にライブをすることができます。ちなみに今年は会津大内の他の音楽サークルと合同で何かイベントをやろうという話も挙がっていたりします。

— 活動の苦労や困ったことなどがあれば教えてください。

Photo田村:一昨年の話ですが、冬シャッフルライブというライブの日にとてつもない大雪が降ってしまったことがありました。会津は雪の多いところなのですが、その年は特に雪が多く、しかも一日でどか雪が降ってしまいました。大学の前で雪かきをしてから機材を運び出し、中には電車が止まってしまったせいでなかなかライブハウスに来られなくなってしまった人たちもいました。自分のバンドもドラムの人が出演時間に来られず、ライブは出られなくなるところだったのですが、奇跡的に夜中に到着でき、ライブハウスでの打ち上げ中に演奏することができました!雪国のおそろしさを知ったライブでした。

— 田村部長にとって会津大学軽音楽部「keion」はどのような存在ですか?

Photo田村:音楽の知識やイベントの動き方など学べることもたくさんある場所ですが、何よりも楽しい場所です。時に、部長としての仕事が大変なこともありますが、それにも増して「楽しい」と感じる瞬間はたくさんあります。部室に行けば、面白いけどやさしい先輩や、個性の強いバンドメンバーや、生意気だけどかわいい後輩がたくさんいます。こんなに楽しくてやりがいがあってたくさんの人と仲良くなれる場所を他に知りません。自分にとってのこの部活は一緒にいろんな思い出を作っていく仲間が集まる「教室」のような存在です。

— 最後に、今後の目標を教えてください。

Photo田村:団体としての目標ですが、最近オリジナルの曲をやるバンドが少ないのでそういうバンドが増えてくれたら楽しいかなと思います。コピーバンドも楽しいですが、部員がどんな歌を作ってくるのか気になりもするので是非オリジナルの曲でライブをやって欲しいです。オリジナル曲が参加条件のライブを企画するのもありかなと密かに思ってます。個人的な目標としては、好きなジャンルだけでなく自分があまり知らないジャンルの曲に挑戦したいです。それと、もっと大きな声で部員に指示が出せるようになりたいと思います(笑)
 
 

Photo※会津大学よりメッセージ

会津大学は、歴史と伝統のあふれる会津若松市にある、コンピュータ専門の大学です。教員の約4割が外国人という国際色豊かな環境で、ITの専門技術を学べることが特徴です。

8月5日(日)にはオープンキャンパスが、10月6日(土)、7日(日)には学園祭が行われます。会津大学の雰囲気を感じ取れる絶好の機会ですので、皆さんぜひ会津大学へお越し下さい。
 

◆会津大学軽音楽部「keion」 ホームページ
http://web-ext.u-aizu.ac.jp/circles/keion/

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会津大学軽音楽部は「keion」で検索すると3番目ぐらいに表示されます!ライブの宣伝などもしているので興味がある方は是非のぞいてみてください!!

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◆会津大学プロフィール
・ 大学住所
〒965-8580
福島県会津若松市一箕町鶴賀字上居合90
・ 創立年
1993年
・ 学生数(2012年4月現在)
1320名
・ 大学HP
http://www.u-aizu.ac.jp/

◆ビースト推薦文
半数近くの先生が外国人ということで多国籍な文化がキャンパス内に広がっていて、音楽の関心も多岐にわたるのではないでしょうか。そして、福島県と言えば遠藤ミチロウ高橋まこと、さらに地元・会津若松からはサンボマスター山口隆など、味のあるミュージシャンを数多く輩出していることでも有名です。是非とも後に続いてほしいですね。
そして、前回に続き福島の大学をご紹介しました。会津地域は沿岸部から離れているので、東日本大震災の被害も比較的少なかったと言われています。しかし、会津大学軽音楽部でも、部員の実家が被災してしまい、練習を重ねてきた卒業ライブが中止になってしまったなど、少なからず震災の被害を受けてしまったそうです。そんな中でも、お互いを励まし合い、困難を乗り越え、日々を全力疾走している大学生たちをこれからもBEEASTは応援し続けたいと思います!