連載

国際教養大学 AIU軽音楽部

TEXT:鈴木亮介

4月になりました!春ですね!新年度ですね!新入生の皆さん、入学おめでとうございます。去年の今頃は派手な入学式が全国的に自粛されていたことを思うと、こうして今年も春が来たことをかみしめ、桜を愛でられるのは本当に恵まれていることだなぁと思わずにはいられません。ちょっと説教臭くなってしまいますが、当たり前が当たり前であることへの感謝を忘れてはなりませんね。

さて、ロック版箱根駅伝こと「キャンパスロック図鑑」、第17回目の今回は東北・秋田から国際教養大学が登場します。2004年に設置された公立大学法人で、設置10年に満たないピカピカの新設校です。起業家リーダーシップ研究育成センターや地域環境研究センターなども設置されており、グローバルな人材育成のため語学力などを重視したカリキュラムが特長の単科大学です。

そんな国際教養大学から今回ご紹介するのは、AIU軽音楽部です。「AIU」というのは国際教養大学の英表記の頭文字を取った略称です。東北・秋田ではどのようなキャンパスロックが展開されているのでしょうか。バンドではベース担当、国際教養学部2年生の石川青澄代表に話を聞きました。

— まずはじめに、AIU軽音楽部の特長を教えてください。

Photo石川:私達軽音楽部は学年の壁がなく、1~5年生まで皆で楽しく活動しています。初心者も多く、音楽を楽しみたい人なら誰でも大歓迎です。国際的なのも特徴で、この大学は1年間の留学が必須なので、様々な留学先で音楽を学んで帰ってくる先輩方や、留学生の部員もいて、個性的なメンバーが集まっています。ジャンルはJ-ROCKが多いですが、洋楽、ジャズ、メタル、パンク、ポップス、アニソンやボカロをコピーするバンドもいますし、オリジナルバンドもあります。バンドはライブごとに組んだり、もちろん長期的に活動することもあります。OB・OGの先輩も現役部員とバンドを組んでライブに出演したり、遊びに来てくれたりします。というのも、部員はほぼ全員大学の敷地内にある寮やアパートに住んでいるので、頻繁に集まることができ、仲が良いという点も影響しているかと思います。

— 部員数やバンド数はどのくらいでしょうか? また、主な活動についても教えてください。

Photo石川:部員は約80人と、この大学にある部の中では最大となっています。大勢いる部員の意見をまとめたり、活動内容について決めたりするために、週1回ミーティングをしています。これはたいてい和やかな雰囲気でみんなでわいわいしながら行っています。バンド数は変動があるのですが、1回のライブに大体20数バンド出演します。これは学内ライブがほとんどで、学生会館というイベントスペースを使って開催しています。普段の練習は学内にあるスタジオで行います。朝8時半から夜中の2時まで無料で使用可能で、予約はネットから行うようになっています。ライブが近くなるといっぱいになり、充分に入れないバンドは深夜に学内のカフェテリアで自前の機材などを使って練習しています。これも、ほとんどの部員が学内在住の国際教養大学だからこそできることだと思います。

— ライブやイベントにはどのようなものがありますか?

Photo石川:学内ライブは月に1回開催しています。部員は毎回企画装飾、音響、照明、撮影、広報班に分かれてそれぞれが得意分野で活躍しながらライブを作り上げています。毎月のライブとは別に、有志が集まってアコースティックライブを開催することもあります。これはキャンドルファイヤーが灯ったカフェテリアで、温かい飲み物を片手にお客さんがゆったりした雰囲気の中で音楽を楽しめるような工夫をしています。また、学祭でも野外メインステージと屋内のステージでパフォーマンスを行っています。メインステージに立つにはオーディションに通る必要があり、このオーディションライブには皆いつもに増して力を入れて臨んでいます。学内で言えば、イベント委員会という団体が主催するハロウィンパーティーやクリスマスパーティーに出演してイベント全体を盛り上げるバンドもいます。学外ではライブハウスで秋田大学、秋田県立大学と合同ライブを行うこともあります。

— 活動の苦労や困ったことなどがあれば教えてください。

Photo石川:私が部長になって最初のミーティングで、バンド数制限などについて話し合わなければいけなかったときは大変でした。当時バンド数の増加が目立ち、ライブ開催に様々な支障をきたすということでこの話し合いになったわけですが、部員が多くて意見もばらばら、まして1年生の私が上級生の意見をうまくまとめていくのは大変なことで、ミーティングが終わってからも様々な反響を受けて悩んだこともありました。また、ライブを開催する場は軽音部だけのものではないので、周りの施設に迷惑がかからないようにしなければいけないし、他の行事や活動とかぶっては困るので上手く折り合いがつくよう交渉をしなければいけないというのが毎回大変です。しかし、他の幹部が優秀なことに加え部員皆協力的なのでとても助かっていますし、この部のためになるのなら苦になりません。

— 石川代表にとってAIU軽音楽部はどのような存在ですか?

Photo石川:私にとってこの軽音部は大学生活に必要不可欠な存在です。私は神奈川出身で、高校から軽音楽部に入り、よくライブハウスで演奏していました。しかし秋田にはライブハウスが2つしかなく、電車も1時間に1本と交通アクセスも悪くなかなか外ではやりにくい状況で、以前のように気軽にライブハウスに立ち寄ったりすることが出来ず入学当初は戸惑いがありました。しかしこの部に入って、ステージから皆で作り上げるライブをし、回数を重ねるごとにまた違った音楽の楽しみ方を見つけていったような気がします。何より、ここの人たちとの出会いは本当にかけがえのないもので、色々なことを学ばせてもらったし、本当に濃い時間を共に過ごせました。もしこの部に入っていなかったらこんなに楽しく充実した学生生活にならなかったと断言できます。それほど私にとって軽音部は大切なものです。

— 最後に、今後の目標を教えてください。

Photo石川:私が個人的に考えている事ですが、外部との交流を盛んにすること。今までも学内の他の団体のイベントに参加したり、逆にこちらの企画に出てもらったりとありましたが、今後も色々なことに積極的に参加していきたいです。というのも、学内に住む私達国際教養大学の学生は、毎日ほとんどを同じ景色を見て過ごしています。そんな中でこの部がいつもと違った空間を作って何か刺激になったり大学全体を盛り上げたりしていけたらと思います。また、他大学との交流の機会も増やせたらと考えてきます。さらに課題となっているのが、留学生にとってより活動しやすい部にすること。彼らのノリを取り込んで、集客にもつなげられたらいいなと思っています。今後も皆で音楽を楽しむ姿勢は変えず、更に色々な面から盛り上げていけるよう、頑張りたいと思います。

※国際教養大学よりメッセージ

Photo国境を越えて多面的な交流が進むグローバル化の時代には、多様な価値観や世界観を互いに認め合い、諸問題の解決に努めながら、それぞれが未来を切り拓いていく力が求められます。こうした認識のもと、国際教養大学は「国際教養(International Liberal Arts)」という新しい教学理念を掲げ、英語をはじめとする外国語の卓越したコミュニケーション能力と豊かな教養、グローバルな専門知識を身に付けた実践力のある人材を養成し、国際社会と地域社会に貢献することを理念としています。 すべての授業が英語、1年間の留学が義務など、特色のある教育カリキュラムが国際教養大学の持ち味です。

◆AIU軽音楽部

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これから新学期を迎え新歓ライブから始まり、どんどんライブを開催していく予定ですのでぜひ遊びに来てください!
また、新入生も在校生も、ここを見ている国際教養大学生は音楽に興味があったらぜひ私達と一緒に活動しましょう!初心者も経験者も大歓迎!
パートごとに練習会を設けたりもしていますので気軽に参加してください。
今後も軽音部の応援をよろしくお願いします。
 

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◆国際教養大学プロフィール
・ 大学住所
〒010-1292 秋田市雄和椿川字奥椿岱
・ 創立年
2004年
・ 学生数(2012年4月現在)
835名
・ 大学HP
http://www.aiu.ac.jp/japanese/

○国際教養大学 平成24年のイベント等
オープンキャンパス:
7月15日(日)/9月16日(日)/10月7日(日)
大学祭:10月7日(日)、8日(祝)
◆ビースト推薦文
全学生が必ず1年間留学するというのは他校にない特長ですね。海外で吸収した異文化の知識や経験がきっと音楽にも反映されているのでしょう。そして、神奈川出身の石川代表にとっては秋田での大学生活もまた、ある意味「異文化」ですよね。「回数を重ねるごとにまた違った音楽の楽しみ方を見つけていった」という言葉の通り、様々な音楽に触れ、それを後輩たちに伝えていってほしいと思います!