演奏

嘉門達夫

TEXT:加藤伸太郎 PHOTO:桜坂秋太郎

2010年7月25日、日曜日ということもあり演奏開始時間が普通のライブに比べチョイとはやい時間に、弊誌ビーストのコラムニストでおなじみ“平成の花咲か兄さん”こと嘉門達夫のライブが幕開けとなりました!会場は満員!でも、テーブルやイスがあって飲み物や軽い軽食をつまみながら、のんびりと楽しめる雰囲気です。と思ったら大間違い!ライブが始まると同時に“曲”と“MC”で息つく暇がなく、ノンストップの笑いの渦に巻き込まれてしまうのでした!

登場は鼻から牛乳のSE。登場するなり「嘉門達夫だーーー!」という雄叫びとともにギターをかき鳴らして“バス”。お客さんは待ってました!と言わんばかりに笑顔で手拍子。立て続けに“自転車”、“家族旅行”とノンストップトークに、笑いが止まらない!そんな勢いの中、名曲「ハンバーガーショップ」!誰もが知ってるこの歌を1曲目に持ってくるとは、このツアーに対する思いも強いのだなと感じてしまう伸太郎です!

客席からも多数の歓声があがって、会場のテンションはあがっていく一方!続いて「誰がそこまでガンバレ!言うた」。テンポが良く、ノリのいい曲。嘉門達夫のお客さんへ一声「二拍でも四拍でも好きなように手拍子よろしくねー♪」の掛け声により、全員が手拍子。それにしても、曲中では早口で歌いながらもきっちりギターを弾きこなす姿には、普通のバンドのギタリストやシンガーソングライターには真似の出来ぬテクニック!ギタリストとしても魅力的な“花咲か兄さん”です。「ええ奴やんか」に入ると途中のオチ的なフレーズではなんともたまらない“タメ”とともに独特の表情がたまらない!早くオチの部分にならないか~と待ってしまう、まさに会場が引き込まれてしまう空間!

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MCでも爆笑を誘う嘉門達夫のトーク。なんでも東京でのワンマンライブは、2003年以来!だそうです。今回行われた全国ツアーも場所によっては9年ぶり。全32公演も旅をしてきたそうです。それに加えて扶桑社よりリリースした小説「た・か・く・ら」が、2時間TVドラマ化決定したり、上海万博での中国デビュー、上海万博ピンバッチ収集などの仕事や趣味と実益を兼ねたワークもこなしながらの全国ツアー。すごすぎる!「小市民」では曲を聴いているとウンウンとうなずき、ニヤニヤ笑ってしまうことばかり。きっと嘉門達夫本人もそうなのであろうと思います。

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そして流行のtwitterの話に。次の曲は「ツイッターコーナー1」と題され、twitterにより集まった替え唄の数々を披露するというものです。ファンからすれば、歌ってもらえるなんて夢のような企画であり、披露されたもののクオリティーの高さには驚かされます。嘉門達夫を聞いて育ったんだもの、そりゃそうか!と納得です。「あったらコワイセレナーデ〜#atakowaバージョン〜」では、twitterで集まった“あったら怖いネタ”が、CDに入っているとか!歌詞の印税は赤十字に寄付されるそうです。「恋愛ホラー〜セレクト」ではカラオケのみでギターを使わずとにかくネタに力を注ぎ込みます。身振り手振りに豊かな表情、ネタが怖いわけでもないのにライトが下から照らされたり、ストロボでチカチカと恐ろしさを演出!

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「理想のタイプ〜2010年度版〜」は、曲の始まりから中盤~サビまで、良質なフォークソングにしか聞こえないのですが、一言「ボケ!」と入るオチでは会場大爆笑。本当に嘉門達夫のライブは、色々な仕掛けがあってまったく飽きないライブです。近況報告のMCがあり、結婚をして事務所も独立され、攻める一方の50代という印象を受けます。そのまま嘉門達夫は「笑う門には福来たる」で満面の笑みを浮かべます。本当に福が寄ってきそうな笑顔です。

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替え唄シリーズは、シングルCDとしては第21弾まで制作されているようですが、とにかく許可取りが大変だとか。今夜は特別に、許可が下りなかった封印ネタを披露!そして数年前から替え唄フルというものを作り、一曲まるまる替え唄にしてしまうネタ「なごり寿司」(※なごり雪)へ。嘉門達夫の言葉遊びに脱帽です。「唄のワンダーランドクラシックのコーナー」では、歌いながら自らっ突っ込む忙しそうないつものスタイル。次の「さくら咲く」への曲の説明では、神社に歌を奉納したり、受験合格ライブなどを繰り広げてきたそうで、自らにも重ね合わせ「50代花咲かせていこう」という言葉がとても印象的です。メロディラインがとても美しく、CDとは違うバージョンのギターとピアノで披露されます。

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コールアンドレスポンスをお客さんと練習して「青春のうた」へ。元気な歌と手拍子で、お客さんのノリも絶好調!さらに「キング・オブ・替え唄メドレー」で会場のテンションは最高潮に。クラシックなネタから、新しいネタまでたくさん織り交ぜられたメドレーは抱腹絶倒。深々とお辞儀をし、ここで本編はひとまず終了。「アンコールの用意してこっと!」と言い残して舞台を去ります。と思いきや、すぐにひょっこり帰ってきた嘉門達夫の頭にはウルトラセブンのお面! 「哀歌~エレジー~ウルトラセブン篇」でアンコールスタート。誰も思いつかない視点のウルトラセブンの歌に、会場はひたすら大爆笑!新しい男女ネタの「新・鼻から牛乳」は、鋭い観察力で目を光らせている嘉門達夫ならでは!「ストーリーランド」の言葉遊びも最高。

そして中国での活動も始めたということで、ラストの「明るい未来」では、一番は日本語で歌い、二番は中国語で歌います。「80歳まで歌い続け、老人シンガーソングライターになりたい!」と自らの夢を公言する嘉門達夫に、いつまでも夢を追い続ける輝く姿を見ました!嘉門達夫のライブスタイルは、ギターの弾き語りとカラオケを使う二通りでありますが、弾き語りの場合などは、特に歌やネタがハッキリ聞こえます。ネタや歌を引き立たせるにはギターをしっかり弾かないとなりません。勢いのあるギターにはリズムの取り方を含め、長年やってきた積み重ねの年輪を感じます。

ライブ終演後、その足で客席を通って物販席に座り、即ファンサービスを始める嘉門達夫。握手をし、サインをし、写真を一緒に撮り、一人一人に話しかけます。お客さんは満足した笑みを浮かべて会場を後にします。客層が実に幅広く、子連れのお父さんや若いカップルなど、世代を超えて愛される嘉門達夫を見ることができました。笑いあり、ホロリあり、感動あり。まるで遊園地のような嘉門達夫のライブ、未体験の読者は、一度ぜひ体験してみてください。損はないですよ!笑いすぎて、あごが痛くなりますけど!


◆嘉門達夫 公式サイト
http://www.sakurasaku-office.co.jp/kamon/

◆インフォメーション
2010年08月31日(火)【大 阪】毎日放送開局60周年記念番組
2010年09月03日(金)【宇都宮】かぼちゃ亭
2010年09月05日(日)【大 阪】上方落語協会「彦八まつり」ゲスト
2010年09月21日(火)【浜 松】窓枠
2010年10月03日(日)【大 阪】umeda AKASO

◆インフォメーション2
▼ジーンズメイトとのコラボレーション!! 「さくら咲く」Tシャツ発売!!
※秋葉原・ジーンズメイト“アキバあそび館”またはネットで買えます!!
http://www.jm24.jp/event/sakura_20090208.html
▼2010年1月〜「Web Rock Magazin“BEEAST”」コラム連載!!
『少年は音楽と恋に同時に目覚める』
http://www.beeast69.com/story/kamon/
※嘉門達夫の少年時代に作られた曲の数々には当時のいろんな思いが詰まっている。歌詞を紹介しながらそんな思いを綴る衝撃(=笑撃)のコラム!!

◆セットリスト
M01. ハンバーガーショップ
M02. 誰がそこまでガンバレ!言うた
M03. ええ奴やんか
M04. 小市民
M05. ツイッターコーナー1
M06. あったらコワイセレナーデ〜#atakowaバージョン〜
M07. 恋愛ホラー〜セレクト
M08. 理想のタイプ〜2010年度版〜
M09. 笑う門には福来たる
M10. なごり寿司
M11. 唄のワンダーランドクラシックのコーナー
M12. さくら咲く
M13. 青春のうた
M14. キング・オブ・替え唄メドレー
M15. 哀歌~エレジー~ウルトラセブン篇(encore)
M16. 新・鼻から牛乳(encore)
M17. ストーリーランド(encore)
M18. 明るい未来(encore)


★読者プレゼント★
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