演奏

TEXT:金井孝介 PHOTO:ナリタアオ

Photo「ウッドストック・フェスティバル」という、歴史的なイベントがあった。「平和と音楽の3日間」と題されてアメリカ・ニューヨーク州サリバン郡ベセルにて催されたこの野外コンサートは、1960年代のカウンター・カルチャーの集大成であり、ヒッピー時代の頂点を示す伝説と化している。
 
ロックの「あり方」を問いかける、ウッドストックのようなイベントは何もアメリカだけのものではない。11月8日(金)~10日(日)の三日間を使い、新宿・MARZ/Marble/Motionの3つのライブハウスをロックアウトするサーキット型音楽イベント『TOKYO BOOT UP!2013』が開催される。ロックファン垂涎必至なこのイベントは、2010年から続いている。なんともロックなイベントではないか。
 
今回は9月6日(金)に新宿JAMで開催され、-jiji-Lapis Lazuli浮遊スル猫Tokyo Common Senseの4組が出演した、プレイベント第4弾の模様をお届けする。
 

18時30分、新宿JAM。その日のライブハウスは、開演前の落ち着いた雰囲気に包まれていた。ステージ含め、会場全体が浮遊しているかのような、奇妙な感覚に襲われる。嵐の前の静けさといったところなのだろうか。
 
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19時。ステージチェックが終わり、開演の時間。さあ、楽しい時間の始まり……と思った瞬間、いきなり-jiji-のメンバーが登場。始まるか始まらないかの境目を突いた登場に、観客も思わずあっけにとられてしまう。そして彼らは一曲目「メリーの憂鬱」から、イベントのオープニングにふさわしいプレイと音楽を展開する。せり出してくるかのようなPiggy(Vocal)の歌声に、グルーブ感に満ちたSiNPEI(Bass)のベースプレイが乗り、オーディエンスの熱狂はのっけから最高潮に持っていかれる。
 
私の頭の中には「静止しているステージが暴れだす」という言葉が浮かんでいた。嵐が吹き荒れるように「喜びと唄と」まで、5曲を隙間なく演奏し、-jiji-のステージは終了。力強いステージに圧倒されつつ、オーディエンスもほっとした雰囲気に包まれる。
 
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◆セットリスト
M01. メリーの憂鬱
M02. ヒダリテ
M03. 黒いマニキュア
M04. Bit Bit Bite
M05. 喜びと唄と
◆-jiji- 公式サイト
http://www.official-jiji-site.net/
 
◆インフォメーション
・2013年10月11日(金)【池袋】EDGE
・2013年10月31日(木)【浦和】ナルシス

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かと思ったのもつかの間、次はLapis Lazuliのステージだ。しっとりと始まったステージだが、内に秘めた力強さを感じさせるバンドだと感じる。いつ爆発するかわからない爆弾を持っているようだ。
 
「眩青」「ラズライト」「サイセイ」と、3曲を続けて聴いた。音遊びをしているようなサウンドの艶っぽさと繊細さを持ち、それでいて危なっかしさも兼ね備える。音での演出をしているような、素晴らしいライブサウンドを堪能できた。ラストに「向こう側」を演奏し、彼らはステージを終えた。
 
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◆セットリスト
M01. 眩青
M02. ラズライト
M03. サイセイ
M04. reset
M05. 向こう側
◆Lapis Lazuli 公式サイト
http://lapislazuliinformation.wordpress.com/
 
◆インフォメーション
・2013年10月28日(月)【下北沢】CLUB Que
・2013年11月03日(日)【有 明】東京ビッグサイト
 ※デザインフェスタvol.38への出演

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浮遊スル猫のステージも、心地良い雰囲気の中で始まった。前奏で彼女たちが音を出した瞬間、血液がざわっとする感覚を覚える。上手い。思いつきで音を出しているように見せる中に隠された、計算された音の構成。くるくると表情を変える女の子のようなサウンド。やられた、と思ってしまった。
 
「好奇の眼」「惰性と憂鬱」などを、彼女たちはじっくりと聞かせてくる。そしてハウリングさえも、彼女たちのステージでは音楽になってしまう。懐の深さを見せ付けられたように感じた。最後に「少女と悪魔」を演奏すると、私の横にいた観客がため息をついた。私も同様にため息をつく。終始、圧倒されていたのだった。
 
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◆セットリスト
M01. 好奇の眼
M02. 惰性と憂鬱
M03. ダルケ
M04. over
M05. 少女と悪魔
◆浮遊スル猫 公式サイト
http://fuyusuruneko.web.fc2.com/
 
◆インフォメーション
・2013年10月09日(水)【渋 谷】チェルシーホテル
・2013年10月27日(日)【高田馬場】ESP学園
 ※エフェクターの祭典「EffEXPO」への出演
・2013年10月31日(木)【渋 谷】チェルシーホテル
・2013年11月12日(火)【名古屋】CLUB ROCK’N’ROLL
・2013年11月13日(水)【大 阪】北堀江club vijon
・2013年11月15日(金)【静 岡】浜松FORCE

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最後のTokyo Common Senseも他3組と同様に”凄み”を見せてくれた。しっとりと、バラード調で始まる彼らの音楽。決してじめじめとすることなく、ありのままのバラードをぶつけてくる。そして、それは確実に観客の心に訴えかけるだけのサウンドと言葉を確立していた。J-POPらしいさわやかな曲調に絡む、軽快に、しかし確実に響くドラム。音の層の厚さが頼もしいバンドだ。
 
そして新曲であるという「灯台の歌」では、挑戦的なサウンドを響かせる。安住の地にあえて背を向けているような姿勢が頼もしい。最後は「風邪引きの恋人」。演奏が終わると同時に、緊張感、さわやかさ、暖かさが全てやってきた感覚になる。終わってしまうのが本気で寂しいイベントとなった。
 
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◆セットリスト
M01. やさしい飛行機
M02. アジアンビューティー
M03. バイバイブランケット
M04. 灯台の歌
M05. 時計の針は僕のもの
M06. 風邪引きの恋人
◆Tokyo Common Sense 公式サイト
http://www.tokyo-common-sense.com/

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ステージ終了後、新宿まで歩く途中に本誌副編集長・鈴木がポツリとつぶやいた。「良いミュージシャンは、本当は小柄でも大きく見える」。筆者は確かになあ、と思った。大きく見えるミュージシャンに、これからどのくらい出会えるのだろうか。楽しみだ。
 
TOKYO BOOT UP!は、インディーズのバンドの見本市のような意味合いを持つという。アメリカ・テキサス州オースティンで毎年3月に行われる、音楽や映画、インタラクティブの祭典であるSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)の日本版を目指すとされているようだ。
 
才能のあるバンドを、世に知らしめる。これからの音楽業界にとって、非常に意味のある催しとなるだろう。11月のTOKYO BOOT UP!本編もBEEASTにて取材予定なので、注目していただきたい。
 
 

「日本版SXSW(世界最大の音楽見本市)」をスローガンに、「出会いと創造の場」を提供し今年で4年目を迎えるサーキット型音楽イベント「TOKYO BOOT UP!」。今年も11月8日から8日(金)~10日(日)の3日間の昼夜に、新宿のライブハウスMARZ、Marble、Motionの3会場で開催!
タイムテーブルはまもなく発表!詳細およびチケットの問い合わせは以下の特設サイトへ!

 
◆TOKYO BOOT UP! 2013 特設サイト
http://hellotbu.wix.com/tbu2013
◆TOKYO BOOT UP! オフィシャルサイト
http://www.tokyobootup.jp

◆関連記事
【PHOTOレポ】浮遊スル猫 @立川BABEL
http://www.beeast69.com/report/72229
【レポート】counterparts 1st album『edge curve square』Release Party
http://www.beeast69.com/report/63576


 
 
  コラムニスト
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