「ニセモノが本物を越える」そんな勢いすらあったイベントが2013年9月1日、渋谷のO-WESTにて開催された。その名も「ニセモノロックフェス」。イベントに登場したのは、伝説のロックバンドQUEENのサウンド完全再現を目指すコピーバンドGUEEN、そしてBEEASTのニュースでも神出鬼没、その強烈なアピールでロックファンをにぎわせている北欧からの刺客、METALLIC SPIN。コピーを行う一方で、強烈な個性を発揮するという行為は一見矛盾しているが、この両バンドはその常識を覆し、バンドとして存在する意味を見事に表している。今回はこの強力な個性を持った2バンドのイベントの模様を、PHOTOレポートにてたっぷりレポートしよう。
 
先に登場したのはGUEEN。ルックス的にまったく似ていないはずのメンバー。しかしその見事なパフォーマンスとプレイを披露することで、「まるでQUEENがここに現れたようだ」と思わせるような不思議な魅力を放った。その中でも、コピーバンドにありがちな恥じらいなど一切見せないFREDDIE HATAEのパフォーマンスは圧巻だ。QUEENの楽曲はその重厚なコーラスワークに特徴があるが、それをステージ上で見事に再現。特に名曲「Bohemian Rhapsody」は、全編にわたって展開も豊富、非常に難易度の高い楽曲だが、ほぼ完璧に近い状態で完奏、観衆を魅了した。
 
続いて登場したのはMETALLIC SPIN。BEEASTのニュースにて先日報じた「【ピックアップ！】あの笑劇?衝撃再び!?「METALLIC SPIN 2013 Style」！」の通り、新たなボーカリストプリンス・ティアラを迎え、よりパワー感を増した構成でステージを展開。途中、前任ボーカリストのキーフ･リチャードがステージに乱入するというハプニングも観衆には嬉しい誤算。ティアラと息の合ったツインヴォーカルでさらにステージを盛り上げた。
 
JUDAS PRIESTのロブ・ハルフォードを思わせるハイトーンボイス、「ティアラ」という名、そしてキーフがステージに水を差そうとした瞬間に吐いた「オカンムリダヨ！」という言葉と、ティアラ自身のキャラクターに何かを匂わせたステージ。彼のパフォーマンスはそのコミカルさも手伝って観衆を大いに沸かせた。
 
アンコールではMETALLIC SPINの面々にキーフ･リチャード、そしてFREDDIE HATAEを迎えQUEENの「Keep yourself Alive」を熱演。コピーバンドならではの「名曲をプレイする楽しさ」をその表情にたたえて息ピッタリのステージを展開。彼らだからこそ出来る「本物を超えたニセモノ」ならではの楽しいプレイで観衆を楽しませた。

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