演奏

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TEXT:桜坂秋太郎

 
ハードロックの音楽は根強いファンに支えられ、そのシーンは熱い。特に昨今は、1970年代や1980年代のカヴァーバンドがアクティブな活動をしている。バンドの演奏力のレベルも高く、観ていて楽しい。しかし、さらなるハードロックシーンの盛り上げには、今を生きるバンドの登場が必要だと思う。2010年代の今、進行形でクリエイティブな活動をしているバンドは、そう多くない。それは国内だけでなく、海外も同じ状況だ。
 
常々そのようなことを考えていた私は、RE-ARISEというバンドと巡り合った。メンバーは、DIOKEN(Vocal)・志村PUNKY広司(Guitar)・横山“SOHGO” 壯五(Bass)・佐々木聡作(Keyboard)・赤間慎(Drums)の5人による、極上のハードロックバンドだ。2012年12月19日にクラウン徳間からデビューアルバムをリリースし、翌日にレコ発LIVEがあるということで、その様子をレポートしてみたい。(※今夜は都合により佐々木聡作が参加できず、森藤晶司が代役を務めている)

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会場となった渋谷ASIAのフロアには、今夜を楽しみにしていたオーディエンスが開演の時を待っている。生粋のハードロック好きが集まり、RE-ARISEのレコ発を祝うLIVE。盛り上がらないわけがない。幻想的なシンセサイザーのSEが流れ、RE-ARISEのロゴがステージスクリーンに浮かび上がる。照明が輝きを増して強くなり、その明かりがロゴを隠す頃、メンバーがステージへ登場。
 
ドラマティックな演出から1曲目「Never」がスタート。デビューアルバム『RE-ARISE』の1曲目のナンバーだ。まず耳を奪われるのは、DIOKENの歌声。声質がハードロックにマッチしているだけでなく、こんなにもエモーショナルに歌うことができるシンガーは、そういない。ハードロックが好きな人で、彼の声が嫌いな人は居ないのではないか?と思うほど。ハードロックを歌うために生まれてきたと言っても過言ではない。
 
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2曲目は「Galaxy」。アルバムでは5曲目に収録されているナンバーだ。RE-ARISEは、ギターとキーボードのアンサンブルがサウンドの特徴だが、それを支える極太のリズムがたまらない。ハードロックはボトムがしっかりしているからこそ、メロディが生きてくるのだ。そんな当たり前のことを再確認させてくれる。激しい照明で始まった3曲目は「A Light In The Dark」。アルバムでは2曲目に収録されている静から動への躍動感が醍醐味のナンバーだ。
 
バンドのリーダーはギタリストの志村PUNKY広司。メンバーのあふれる才能を上手に取りまとめて、バンド RE-ARISEを一つ束ねている。今夜はRE-ARISEのメジャーデビュー記念ということだが、メンバーはフレッシュな新人さんではない。それぞれにキャリアを長く積んできた実力派のバンドマンが揃っている。耳の肥えたロックファンならば、彼らの音源やライヴで、それが即わかるだろう。
 

RE-ARISE
 
ex.東京X-Ray,ALKALOIDのリードギタリストPUNKY渾身のオリジナルバンドRE-ARISEリ・アライズ
 
“今”を生き続ける男達の、限りなく広がる音の世界

 


 

RE-ARISE ムービー!

 
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大きな拍手の後、メンバー紹介のMCが入る。ドラムはDIOKENの実弟でもある赤間慎。そしてベースの横山“SOHGO” 壯五。リーダーのギター志村PUNKY広司と繋がる。最後はRE-ARISEのプロデューサー的な役割を担うキーボードの佐々木聡作。しかしスクリーンに佐々木聡作の写真が映し出される。実は諸事情により今日のライヴは欠席。代役としてステージ上の森藤晶司が紹介され、そのまま4曲目のキーボード独奏ソロへと突入。美しいメロディが静まり返る会場に響き渡る。
 
5曲目は、まだタイトルも決まっていない新曲を披露してくれるようだ。「Oh Can’t you see」と歌うDIOKENの伸びやかな声に吸い込まれる。無意識にリズムを取ってしまうハードなミドルテンポナンバーは、次作に収録されることは間違いないだろう。そしてクリスマスが近いということで6曲目は「Ave Maria」。言わずもがなのスタンダードナンバーを、特別にRE-ARISEバージジョンでDIOKENがじっくりと聴かせる。これはオーディエンスへの素敵なクリスマスプレゼントだ。
 
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7曲目は「The Red Sky」。アルバムでは3曲目に収録されているナンバーだが、映像がネットに公開されていて、オーディエンスにはすっかりお馴染みといったところ。腕を振り上げる動作も力強い!志村PUNKY広司のギターソロは、まるで魂が燃え上がるかのように身体の中を熱くする!続いてスクリーンに硫黄島が映し出されると、8曲目は「Iwo-Jima」。アルバムでは4曲目に収録されているナンバー。このナンバーは、曲が進むにつれてアグレッシブになっていく構成で、ハードロックの醍醐味を味わうことができる。
 
ここで再度メンバー紹介。それぞれのメンバーのエピソードが面白い。そこから9曲目として披露されるのは志村PUNKY広司のギター独奏ソロ。ギターが歌うという表現がピッタリで、会場中に響き渡るその音色には、酔いしれる以外に術がない。そのままラストナンバーの10曲目「Realize」へ。アルバムでも最後の6曲目に収録されているエンディングナンバーで、12分という大作だ。音と音の間にある、その空間が涙を誘う。静かさの中にある激しさに、人間の内なる感情のようなものが揺れ動かされる。
 
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アンコールの声で呼び戻されたメンバー。すでに『RE-ARISE』に収録している曲はすべて演奏し、かつ新曲まで披露しているとの流れから、アンコールは志村PUNKY広司が以前に在籍していたINCESTの「Burning」!思い残すこと無いよう、オーディエンスも拳を上げまくっている。心の底から「サンキュー!」を連呼するDIOKENRE-ARISEの熱いステージが今、終わりをむかえる。終演後もDIOKENがステージに残り、オーディエンスへ今夜のお礼を伝える。大きな拍手が生まれる瞬間、素晴らしきライヴの余韻に会場が包まれる。
 
RE-ARISEが創りだした『RE-ARISE』というアルバムは、バンド名をそのままタイトルにしたことからも、これぞRE-ARISEだ!という彼らの強い意気込みが伝わってくる。どのナンバーもハードロック好きのツボを刺激する。彼らに何々っぽいという形容詞は不要だ。RE-ARISEが創るハードロックの世界は、彼らにしか創れないサウンドで、新たなる未来を切り開いていくことは間違いない。ハードロック好きを自認するなら、RE-ARISEのステージにぜひ足を運んでほしい。次のLIVEは、2013年4月20日(土)@渋谷VUENOS、そして2013年5月26日(日)@京都MUSEが決まっている!
 
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RE-ARISE 1st Album『RE-ARISE』
収録曲:1.Never、2.A Light In The Dark、3.The Red Sky、4.Iwo-Jima、5.Galaxy、6.Realize

2012.12.19発売 価格3,000円(税込) YZSS-20001
クラウン徳間ミュージック販売/(株)SINGER&SONGER RECORDS
◆RE-ARISE 公式サイト(※リニューアル中)
 http://re-arise/
 
◆RE-ARISE facebookページ
 http://www.facebook.com/rearise.official
 
◆セットリスト
M01. Never
M02. Galaxy
M03. A Light In The Dark
M04. キーボードソロ
M05. 新曲(無題)
M06. Ave Maria
M07. The Red Sky
M08. Iwo-jima
M09. Rearize
M10. Burning(encore)


 

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