演奏

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TEXT:桂伸也

一度は落ち着きを見せた嬢メタルブームに、新たな旋風を巻き起こすべく登場したガールズ・メタル・バンドCyntia。今年4月にシングル・リリースと共にデビューを果たした彼女らだが、一部のインストアイベントを除いて、この日のステージまで表舞台でのライブは未実施、メディアでの露出は行われていただけに、リリース後未だにプレイをまだ目にしたことがなく、「Cyntiaってどんなバンド?」という疑問を持つ観衆も少なくなかったに違いない。この日、会場一杯の観客フロアは人、人、人で溢れかえり、その正体を探ろうと意気込む、フロアの観衆の期待感は高まるばかりだった。果たして、彼女らの奮闘振りやいかに?初ライブでいきなりのワンマン・ライブに挑戦した彼女らの、その奮闘振りをたっぷりレポートしよう。
 
◆Cyntia is:
SAKI(Vocal)、YUI(Guitar &Chorus)、AYANO(Keyboards &Chorus)、KANOKO(Drums &Chorus)、Azu(Support Bass:ex.LAZYgunsBRISKY)

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いよいよオープニング。場内BGMは止まり会場が暗転、次の瞬間に会場内に流れたのは、彼女らのガールズトーク。意表を突かれた観衆はあっけにとられたが、そこに表されたCyntiaの表情に、また違った魅力を感じたようにも見えた。そして、最後に流れたKANOKOのキメ言葉「Cyntia!行くぞ!!」「オウ!」という結束を固める叫びを合図に、いよいよ彼女らはステージに現れた。けたたましいKANOKOのドラムとYUIのギターが響く中、キラキラした色彩感を持つAYANOのハーモニーが空間を縫っていく。その全貌を現すスタートに向けて一言、SAKIが叫ぶ。「皆さん、今日は来ていただいてありがとうございます!最高の夜にしていきましょう!!」切り込み隊長のYUI、中央のお立ち台でライブ開始の狼煙を上げ、一発目からキラーナンバーの「Run to the Future」からステージがスタートした。
 
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この彼女の動向には、度胸の強さを感じる。さらにリリースされた音源よりコーラスが際立って聴こえ、フロアはステージにドンドンと引き込まれていく。間髪いれずに続く「Shaman Dance」のヘヴィ・リフに、観衆の歓声もさらに大きくなる。サビ、要所で大きく上がる歓声と振り上げられる右腕。SAKIYUIの絶妙のタイミングによるフロントのアピールがさらに興奮度を盛り上げ、それに反応する観衆の様子を感じ取ったSAKIは、ドンドンと彼女の歌声を強くしていく。2曲を終え、SAKIが叫んだ。「皆さんこんばんは、Cyntiaです!こんなにたくさんの人に集まっていただいて(私達は)幸せです!!」
 
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続けてバスドラとピアノのシンプルな響きが一転、YUIのギターで激しくなる「色葬和音」をプレイ後、この日を迎えた礼と、Cyntiaがこの日を迎えた道程を、SAKIYUIとともに振り返る。それでもプレイへの熱を冷まさず、熱い情熱を傾けるように「Meteor Calling」へと移る。攻撃性十分、攻める様にプレイするKANOKOのドラムの中、ギターとキーボードの安定感は抜群、フロントではSAKIYUIが奮闘。SAKIが堂々としたパフォーマンスで可憐さをアピールすれば、YUIはメタル、ロックっぽい骨太さとセクシーさを前面にだす。その好対照がステージに注目する観衆の興奮をさらにあおっていく。ここまでかなりの攻めの姿勢を見せた彼女らは、クールダウンとして、ポップな「The Endless World」へ。しかしサビのキャッチーなメロディをSAKIがフロアと共有、観衆はさらなる盛り上がりを見せる。自らを歌モノ・メタルバンドと称する彼女らの本分として上々の滑り出しだ。
 
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ステージ半ばに差し掛かり、今回のイベントに際して特別サプライズ企画が飛び出す。今回の記念として、「Through the Fire and the Desire」のライブシーンをPV撮影するという。プレイ自体はアクションが主体だが、その気合いとYUIによるまさかのダメだし演出が功を奏しステージからフロアの盛り上がる様子は迫力十分、完成映像の出来にはかなり期待できそうだ。撮影が終わり、気を取りなおして「Through the Fire and the Desire」。バンドの気合いが音を通して、さらに強く観衆の胸を打つ。その気迫に押されるかのように観衆は衝動に駆られ、フロアではサビでたくさんのタオルを振り回す。その壮観な光景は、先程の撮影時のプレイよりずっと大きな盛り上がりを見せたようにも見えた。
 
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ステージは後半に入り、バラード「Beyond the World」から徐々に「黎明」、そしてドラムのイントロからフロアとの掛け合い「Moonlight Roulette」クライマックスへ向けてステージを上げていく。分厚いコーラスがバッチリ決まり、フロア、ステージの一体感が強まる。
そしていよいよラスト・ソング。観衆の覚悟を確認するかのようにSAKIがフロアに語りかける。「皆さん、体力は残っていますか?」「Yeah!」「表参道!行けるか!」「Yeah!」「行けるか!」「Yeah!」そして、ラストナンバー「幻覚の太陽」へ。YUIからAYANO、そしてKANOKOへとアグレッシヴなソロの見せ場を作り、複雑なコーラスもバッチリ決めた。彼女ら自身が、初めてリリースしたフルアルバムの中で一番のポイントとして語っていたこのナンバーは、ある意味このワンマンを成功させるための試金石となっていたに違いない。その困難な壁を、フロアの観衆の助けと共に、バンドのメンバーがプレイしきることで見事に乗り越えた。その礼を告げるかのごとく、SAKIが最後に叫ぶ。「ありがとうございました!」その一言を残し、5人はステージを降りた。
 
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再びアンコールに登場する5人。これまでの軌跡を辿りながら、ここでCyntiaの、本当のスタートの日が来たことに感謝の言葉を語り、思わず感極まるSAKI。ロック、メタルのヴォーカリストとしての経験のない彼女にとって、ここまでの道程はきっと平坦ではなかったはず、経歴の違いはあれど、それはバンドのメンバーそれぞれ同じ思いをしていたに違いない。そんな、ステージに立つという壁を乗り越えた彼女らに、観衆より賞賛の拍手と歓声が送られた。パフォーマンスは熱くもシャープでクールな部分を見せていたSAKIだが、このアンコール1曲目で見せた「Voice」の情感豊かな声は、それとは違う内に秘めた情熱の深さを表しているようにも見えた。そして、それまでの重圧を振り払うかのようなグルーヴィーな「Bittersweet Nightshade」へ。そしてまたステージを降りながらも再びステージに呼び戻され、最後の決めとしてCyntiaの正に未来への疾走を表す「Run to the Future」を力いっぱい披露、観衆の賛辞を浴びながら、この日の幕を閉じた。
 
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再びアンコールに登場する5人。これまでの軌跡を辿りながら、ここでCyntiaの、本当のスタートの日が来たことに感謝の言葉を語り、思わず感極まるSAKI。ロック、メタルのヴォーカリストとしての経験のない彼女にとって、ここまでの道程はきっと平坦ではなかったはず、経歴の違いはあれど、それはバンドのメンバーそれぞれ同じ思いをしていたに違いない。そんな、ステージに立つという壁を乗り越えた彼女らに、観衆より賞賛の拍手と歓声が送られた。パフォーマンスは熱くもシャープでクールな部分を見せていたSAKIだが、このアンコール1曲目で見せた「Voice」の情感豊かな声は、それとは違う内に秘めた情熱の深さを表しているようにも見えた。そして、それまでの重圧を振り払うかのようなグルーヴィーな「Bittersweet Nightshade」へ。そしてまたステージを降りながらも再びステージに呼び戻され、最後の決めとして再び「Run to the Future」を力いっぱい披露、観衆の賛辞を浴びながら、この日の幕を閉じた。
 
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◆ 公式サイト:
http://cyntia.jp/

◆セットリスト:
M01.Run to the Future
M02.Shaman Dance
M03.色葬和音
M04.Meteor Calling
M05.The Endless World
M06.Through the Fire and the Desire(カラオケ、PV撮影)
M07.Through the Fire and the Desire
M08.Beyond the World
M09.黎明
M10.Moonlight Roulette
M11.幻覚の太陽
Encore
E01.Voice
E02.Bittersweet Nightshade
2nd Encore
E03.Run to the Future

全力疾走で駆け抜けたワンマンステージ。例えばCyntiaのイメージは「彗星のように現れ、輝く宿命を背負わされた運命に、果敢に立ち向かう少女達」と、言葉で表せばドラマチックだが、この日を迎えるまでの道程は、そんな生易しいものではない、苦しい上り坂だったことだろう。メタル・バンドのヴォーカリストとしては初のライブ・ステージを堂々と、華麗にプレイしきったSAKI、彼女がアンコールで見せた涙が、その真実を語っていた。そして同時に、仲間と作り上げたその集大成、その喜びを表していた。まだ荒削りだが、確かにそこに光は存在した。ファン達はこの日のステージで、その光はさらに強く、美しく輝いていくことを確信したことだろう。あとは「Run to the Future」、まさしく未来に向けて駈け抜けていくだけ、そこになにが待ち受けていようと。
 

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