演奏

TEXT:まことZ PHOTO:桂伸也

昨今ガールズバンドの流行の中でも、ヘヴィ・メタル寄りのアーティストの活躍が目立つ。ガールズバンドではなくても、ヘヴィ・メタル界隈には若い女の子のミュージシャンが増えた様だ。話題先行の感もある女性アーティスト(プレイヤー)もいる中、今回紹介するRieはしっかりとした実力を持ったヘヴィ・メタル系ギタリストだ。彼女のプロジェクトバンドであるRie a.k.a Suzakuは、インディーズとはいえワンマンで常に100人200人の動員が可能な有望株。『Messiah』、『Mother Earth』、『Dreaming Eyes』と、3枚のミニアルバムを発表してきたRie a.k.a Suzakuだが、この日は名古屋、大阪と回ってきた『Dreaming Eyes レコ発ライブツアー』の最終日だ。
 
Rie a.k.a Suzaku is:
Rie(Guitar&Chorus)、Dia(Vocal)、Nabe(Bass)、Ryo(Guitar)、Isamu(Drum)、Akane(Guest Vocal)、Ibuki(Guest Vocal)

第一部
 
他のヘヴィ・メタル系ガールズバンドのライブでも感じたことだが、客層は30~40代の男性が目だつ。80年代のメタルブームの洗礼を受けた層だ。四谷Outbreakは200人規模の箱だが、開演間近には満員になった。演者と観客が一体感を得るのに理想的な広さを持つこの空間は、むせる様な熱気に包まれた。
 
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SEが流れ、緞帳が上がる。まだ暗いステージには、Rieが手拍子を促しているシルエットが見える。いよいよだ。Rieの7弦ギターの重低音とNabeのドライブさせたベース音が地鳴りの様に響き、IsamuのツーバスとRyoのリフが相まってオープニングにふさわしい疾走感を作り出した。ニューアルバム『Dreaming Eyes』のタイトル曲である「Dreaming Eyes」だ。やがて照明が上がり、Rieが仮面を付けているのがわかった。20年程前に話題になった仮面のギタリストKUNIを思い出したのは、筆者だけではあるまい。Diaが歌いだし、そのメロディーに会場全体が身震いした。続いて「Last enemy」「Lost」を続けて演奏。Rieは音感も抜群なのでコーラスもバッチリだ。
 
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続いてMC。Rieは演奏してない時はちょっと幼い感じのしゃべり方をする、普通の可愛い女の子。先ほどまで重低音の中、バリバリと速弾きをしていたのが信じられないくらいおっとりした感じだ。演奏中は満員の観客の頭に隠れて気づかなかったのだが、今回Rieは水着の様にかなりセクシーな衣装に身を包んでいた。ちょっと前に流行った、エロカッコいい、というフレーズを思い出す。おっとりとしたキャラクターにエロカッコいい衣装というミスマッチが、ファンの「萌え」ポイントの一つなのかも知れない。
 
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そして、6弦のJacksonのギターに持ち替えて、「Mother Earth」「Chaos」と続けて演奏。続いてインスト曲の「Time Paradox」。プログレッシブな曲調はRieの好むところなのだろう、ものともせずに速弾きしまくっていたのには脱帽した。このあたりに、他の女性プレイヤーとの差が感じられ、やはりRieは「ホンモノ」と呼ぶにふさわしいギタリストといえる。続いて、ボーカルがDiaからゲストのAkaneにチェンジ。彼女は『激撮!万年ナイト~Second Virgin Night!!~』に、自身のバンドVelvet Cherryに参加、今回のアルバムレコーディングにも参加したボーカリストだ。「Desire」「Heaven」「Fly away」の3曲を披露し、伸びやかなハイトーンのボイスを生かし、ドライブ感を増したところで、第一部は幕を下ろした。
 
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第二部
 
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15分程の休憩をはさんで、第二部が始まる。Rieは再び7弦ギターを持っての登場だ。ボーカルは再びDia。最初から飛ばして「End of the darkness」、続けざまに「Grab the Sky」「Blieve」と3曲を演奏。RieRyoのハモりギターがいい。立ち位置を入れ替えたりと、ステージングのコンビネーションも良く、さらに熱く会場を煽るメンバー達。第一部から、よりグルーヴィーになった感覚を覚える。第二部ともなると演者も観客も暖まってきたと見え、ノリがかなりいい。タイトに刻まれたリズムと弦楽器隊の重低音は、観客の脳ミソを揺さぶり、心地よいエンドルフィンの分泌を促していった。
 
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ここでMC後に、Rieが再び6弦のJacksonにギターを換えた。演奏されたのは「Hand in hand with each other」とインスト曲の「Aurora」。この日一番静か目な2曲が連続、観客の高揚感を一度冷まし、再びアクセルを開ける前の準備をさせるにはちょうどいい。そして二人目のゲストボーカルの登場で、DiaからIbukiに交代。前出の2人とまた異なる、厚みのある声で持ち味を歌に発揮し、元気に「Not Escape」「Messia」を演奏、会場全体をマックスに熱狂させ、余韻を残しつつも第二部は終了した。
 
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アンコールではまずインスト曲の「Suzaku」を演奏。プログレッシブな曲を、難なく弾ききるRie。そして最後には、この日登場したボーカル3人がステージに登場し華やかさを演出する中で、「Oblivion」で最高の盛り上がりを作り上げた。ステージの華やかさと、「Oblivion」のサビのメロディから来る印象、そしてそれを観客がコーラスする一体感が合わさって、会場全体がキラキラ輝くような印象を見せたところで、演目の全てが終了した。それは曲調に因る部分もあるし、演者達の出すオーラでもあるし、照明の効果にも因るのだろう。気持ちいい「音」の「残像」を残してクールダウンできたことが、とても心地よく感じられた。
 
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通常はPeaveyのTRIPLE XXXというギターアンプを使っているRieだが、この日は会場の機材とのマッチングで、備え付けのMarshall JCM2000 TSL100を選択したとのこと。低音の再現が得意なTRIPLE XXXから音抜けのいいJCM2000 TSL100への変更は音の性質の違いもあり、違和感が出る可能性もあるのではと思ったのだが、結果、問題なく気持ちのよいサウンドが得られた様だ。TSL100のウルトラチャンネルとオーバードライブの組み合わせで、低音部分もバランス良く出ているように感じられた。
ステージが全て終わって、Rieは物販ブースでファン一人一人と丁寧に親交を深めていた。とても感じがいい。こんなぶっ飛んだギターテクニックを持った女の子が、次の日本のミュージックシーンを作っていくんのではないかと、感慨深く思った。
 
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◆ 公式サイト
Official Web Site :
http://www.poppin.jp/rie_web/index.html
◆セットリスト
第一部
M01.Dreaming Eyes
M02.Last enemy
M03.Lost
M04.Mother earth
M05.Chaos
M06.Time Paradox
M07.Desire
M08.Heaven
M09.Fly away
 
第二部
M10.End of the darkness
M11.Grab the Sky
M12.Blieve
M13.Hand in hand with each other
M14.Aurora
M15.Not Escape
M16.Messia
Encore
E01.Suzaku
E02.Oblivion

 

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