演奏

本田恭章 30周年記念Live

TEXT & PHOTO:ヨコマキミヨ

永遠のロック美少年、再び!「ヴィジュアル系」という言葉が出来る以前から、その端正な顔立ちでお茶の間の人気を博した美少年、本田恭章。1981年に俳優デビューし、シブがき隊らと並んで一躍大人気に。その翌年に歌手デビューを果たした。

デビュー当時の人気ぶりについての説明は本誌で取材したデビュー28周年ワンマンライヴの記事をご参考にしていただくとして、その時のライブからさらに2年、今年2012年にデビュー30周年を迎えた本田恭章のアニバーサリーライブが、渋谷CLUB CRAWLで行われた。28周年ライブに引き続き、偶然にも私は再び彼の姿をカメラに収めることになった。

 


 


5月25日、金曜日。もう梅雨入りしたかのような小雨が降る中、30年来であろう熱烈なファンたちが、早くも会場の入口付近に集まり始めていた。そして18時となり、開場。とびきりのお洒落をした女性たちが続々と入場していく。メイクや服装などその力の入れ具合からも、祝福の気持ちが伺える。客席の8割方は女性だろうか。ミラーボール輝くフロアーには香水の香りが漂い、瞬く間にウキウキした華々しい雰囲気に包まれてゆく。ステージには、差し入れだという「Congratulations」「Happy 30th」と書かれた風船が飾り付けられ、一層きらびやかだ。

 


 


19時になり、ついに30周年ライブがスタート!まずは今宵のバンドメンバーである松本タカヒロ(Guitar/AM☆PM)、ハル.(Bass)、ナカジマノブ(Drums/人間椅子)が続々とステージへ。松本タカヒロは6月30日のBEEAST主催『39LIVE 第4回 AMPM(永井ルイ)』AM☆PMの一員として出演が決まっているほか、俳優としても活動の幅を広げており、6月公開の映画『あんてるさんの花』に出演している。そして、いよいよ本日の主役・本田恭章登場!オーディエンスが湧き立つ。

 


 


ステージに立った本田恭章は、デビュー当時と全く変わらないキラキラとしたまぶしいオーラを放っている。長髪を振り乱し、ためらいなくギターをかき鳴らすその姿は、まさに王子!紛れもなく、ジャパニーズロック界のプリンスと言えよう。「OK!Thank you!All right!」勢い良いかけ声と、絶妙なギターのハーモニーとともにノリのいいロックンロールにアレンジされた、デビュー曲「0909させて」からスタート。

そのまま流れるように、2曲目はHanoi RocksAndy McCoy作詞・作曲による「Keep Our Fire Burning」に突入。キャッチーなメロディーの歌声は、発表された当時より、むしろ今のほうがセクシーさを増しているように聴こえる。3曲目、「LAST DANCE」はミディアムテンポのバラード。過ぎ去った恋を振り返るような歌詞は、30年間の想いと重なり合うのだろうか。噛み締めるように歌う本田恭章。それに合わせ一緒に口ずさむオーディエンスも、どこか感慨深げだ。

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バックを務める松本タカヒロハル.ナカジマノブの3名は、28周年ワンマンライブのときと同じメンバーだ。よりガッチリとチームワークを固め、しっかりと本田恭章をサポート。全員オンマイクによりハーモニーにも磨きがかかり、息もぴったりと合って、もうすっかりファミリーといった感じだ。重厚ながら、小気味好い軽快なリズムを刻むハル.のベース。屈託のないスマイルも相変わらずだ。奥行きと広がり、そこに美しさを兼ね備えたサウンドを奏でる松本タカヒロのギターは、本田恭章の艶やかさをより一層に際立たせている。そして80’sの王道のごとく、タイトさと華やかさをキッチリを使い分けてくれるナカジマノブのドラムは、全ての間合いにしっかりとマッチして実に爽快。軽妙な口調のMCもステージを盛り立てる。

 


 


ヘヴィかつ、グラマラスでセクシーなナンバーが続く。……カッコイイ!!そう80年代当時、本田恭章が和製David Sylvian(デヴィッド・シルヴィアン)と呼ばれていたことを思い出した。繊細でミステリアス、妖艶でいて不思議な透明感は今もなお健在である。当時、アイドルでありながら、ニューウェーヴやグラムロックを趣向した、アーティスト性の高い本田恭章はひときわ異色で、バリバリのロック少女だった私にとっても密かに目が離せない存在だった。クラスのロック好きな男子でさえ、「本田恭章いいよな」とささやいていたっけ。

 


 


さらにニューアルバム「NEXT ONE」からの新曲「NEXT ONE」「激情」「WONDER」と3曲続けて披露。激しさの中にも、これまでの深い想いや、そして「まだまだこれからやってやるぜ!」という気持ちがガツンと伝わってくる。フロアーいっぱいギュウギュウに埋め尽くされたオーディエンスは、いよいよ盛り上がりを増す。タイミングを見計らってステージ前に入って撮影しようと企んでいた私だが、既にカメラを入れる隙間もない。やむを得ず、用意した2台のカメラのうち望遠レンズを付けた1台がメイン機となった。熱気で幾度もファインダーが曇り、額に汗が流れる。

 


 


懐かしい曲も織り交ぜながら、ガンガンなハードロックでラストスパートをかけ、「AGAINST THE WALL」でエンディング!あっという間の17曲だ。

そしてアンコールは「SAKE & SAKEパラダイス」と「☆BOY」、再び懐かしいノリノリの2曲。ステージも客席全体も弾けに弾けまくって、爽やかな余韻を残したフィナーレとなった。

 


 


終演後行われたCD即売サイン会で、本田恭章は1枚1枚丁寧にサインを入れながら、1人1人と言葉を交わし、しっかりと握手。アクティブなステージ上のイメージとは違って、終始穏やかでニコニコと笑顔が絶えない。ファン同士も仲が良いらしく、お互いに携帯で写真を撮り合ったりと、まるでクラス会のよう。和やかで、ほんわかした空気が会場いっぱいに満ちあふれていた。

アンコールのMCで自ら「山あり谷あり谷あり・・・またちょっと登って・・・」と語っていたように、アイドルとしてデビューしながらも、アーティストとして独自の道を切り開いてきたこれまでの30年は決して平坦な道のりではなかったはず。それでも尚こうして愛され続けるロックプリンスの魅力は、実はこの温厚な人柄の中にあるのかもしれない。30年という長い時間を見守り続けたファンの想いほどには及ばないが、いつまでも輝きを失わず、次の時代へと走り続けるその姿を、できることならまた10年後もカメラを向けたいと思った。

 

 

◆セットリスト
M01. 0909させて
M02. Keep Our Fire Burning
M03. LAST DANCE
M04. Dreaming Traveling
M05. CRAZY FOR YOU
M06. ONE NIGHT HEAVEN
M07. PARADIGM
M08. HOW
M09. NEXT ONE
M10. 激情
M11. WONDER
M12. All or Nothing
M13. Do It All Again
M14. SHOOTING STAR
M15. KISS THE GALAXY
M16. Fire Night
M17. AGAINST THE WALL
-encore-
M18. SHAKE & SHAKE パラダイス
M19. ☆BOY

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆本田恭章 公式サイト
http://yasuakihonda.com/

◆インフォメーション
New Album 『NEXT ONE』
2012/5/25~本田恭章公式サイトにて発売中!



 
 
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