演奏

TEXT&PHOTO:桂伸也

先日のEXTREME AGGRESSION #13のレポートでも紹介したYOUTHQUAKE。この4月に新作『DARKNESS AND LIGHT, STRIFE AND CONFLICT』を発表、結成20周年を超えたその大きな功績もさることながら、その長い歴史の中で、彼らの個性を表す質実剛健の、変わらないポリシーを表わすそのサウンドは、多くの根強いフォロワーを獲得している。自身8枚目となるアルバムのリリースを期に、この日そのレコ発記念イベントを開催した。彼らの2日間に渡り行われたライブ、その最終ステージ(2日目)の模様をレポートしよう。
 
◆YOUTHQUAKE is:
Akira(Vocal&Bass)、Masa(Guitar)、You(Guitar)、Shun(Drums)

 
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いよいよ待っていましたとばかりに開いた幕。その奥には、ステージに立ち尽くした3人の姿が。薄暗いステージの均衡を破るようなドラムとギターが鳴り響く。「THE CRUEL BLACK」でスタートしたステージは、まったく小細工なし、そして引くこともない押し一本のサウンドが、ステージからフロアになだれ込む。ステージ上の彼らのパフォーマンスは、その激しいサウンドとは裏腹に、皆一様にシンプルなシャツとジーンズ、そしてプレイでは僅かに時々のタイミングで頭を振るのみ、後はとにかく直立で黙々と続けるだけというシンプルなものだが、その様子は返って、彼らのサウンドに対するヴィジュアル的な効果としても、更に凄みを与えていく。
 
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まるで浅草の風神、雷神像のように、それぞれのポジションを力強く守るMasaYouShun、その中心で身構えるAkiraの姿からは、タッチダウンを決める宿命を背負ったかのような、一段と強い存在感が伺えた。彼の持ち味は、ベーシストとして、リーダーとしてバンドをしっかりと支えている部分にある。雪崩のように押し寄せてくるサウンドと、バンドの鬼気迫るプレイの中で、彼がその中心に立ち、皆を支えていることがどれ程頼もしいことであるか、それはフロアから見た観衆の誰もが、同じように感じていたに違いない。
サウンドは更に激しくなり、Youのタッピングによるテクニカルでユニークなイントロを交えながらも、その芯にある轟音は全く揺らぐことを知らない。すべてがこの音に集約されるかのような展開で、会場を音の絨毯で敷き詰めていった。
 
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「昨日、ステージで“こんにちは!Aldiousです!”って言ったら、かなり滑ったんですけど(笑)」Akiraがジョークを飛ばし、観衆達をリラックスさせる。こんな一面も、彼らの真実の一つ。そして、こんな一幕も、やはり彼らのサウンドを存分に響かせる為のフックの一つに過ぎない。すぐさま「Are you Ready? Are you fuckin’ Ready!?」と、一転したAkiraの強力な呼びかけが、またフロアを鼓舞し、気持ちを盛り立てた。更に早く、激しくなるリズム。止まることを知らないShunのドラムは、単に2バスをドコドコと鳴らすだけでなく、そこに微妙なパターンや変化を与える等、単に轟音として聴こえる以上の巧技を見せる。その上で激しく鳴り響くMasaYouのギター。時にツインリードになっても、その薄くなりがちなハーモニーを、ドライブ・サウンドでしっかり生めるAkiraのベース。さっと聴き流しただけでは見落としがちな、巧みの技が随所に見られた。
 
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また、二人のギターが織り成すハーモニーが素晴らしい。しっかりとしたトーナリティやメロディを感じさせつつも、YOUTHQUAKEのメタルという色を深く描き出したディープでハードなサウンドは、留まるところを知らない。「UNBEARRABLE LIGHTNESS OF SCENERY」のソロでは、それぞれのギタリストが各々の持ち味を存分に生かした、正に歌うようなメロディを聴かせ、曲に印象的な彩りを与える。それがそのメロディだけが浮き足立っているのではなく、曲として成立する部分に、彼らの作るサウンドの、レベルの高さすら感じられるほどだ。その強い緊張感を保ったクライマックス。見事なまでの安堵感に向けてのドミナントを演出し、彼らはステージを降りた。
 
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鳴り響くアンコールに応え、再びステージに登場した4人。更に輪をかけてハードネス、ヘヴィネスを加え、「THE WINDS OF THE GOD」「BETRAYAL」が立て続けに炸裂した。その応酬に、首がちぎれそうなほどに激しいヘッドバンギングで応えたフロアの観衆。感極まり迎えた終焉、会場いっぱいに響く、「ありがとう!」Akiraの、感謝の念をこめた声。
 
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◆ 公式サイト
http://youthquake.jp/
◆セットリスト
M01.THE CRUEL BLACK
M02.EXTERMINATE WITH EXTREME PREJUDICE
M03.FALLEN FROM THE GRACE
M04.BREAKING MINIMUM ETHICS
M05.FROM THE UNDERGROUND AND BELOW
M06.FACE THE FAITH
M07.UNBEARABLE LIGHTNESS OF SCENERY
M08.INTERNAL STRUGGLE
Encore
E01.THE WINDS OF THE GOD
E02.BETRAYAL

彼らのステージで見られたものは、特別激しいアクションや、奇をてらったパフォーマンスなど微塵もない、ただ一つだけ、彼らの信念とする一つのサウンド・スタイルを実現する為にひたすら黙々とプレイを続けるという姿のみだった。それこそが人々を揺り動かす、YOUTHQUAKEの意志といえよう。そしてそれは、これからも変わらず彼らを支え、そしてそのファンを支え、そしてヘヴィ・メタルという存在を支える一つの力強い柱となって、躍進し続けていくことだろう。その信念に従った彼らの姿勢、その姿をこの日見たファン達が得た満足感こそが、その事実を証明しているようにも見えた。

 

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