演奏

ZIGGY TOUR 2010 赤坂

TEXT:Ucchy PHOTO:株本和美

2010年11月20日、待ちに待ったZIGGY復活ツアーが赤坂BLITZから始まる。先立って行われた8月の新横浜SUNPHONIXでのライブのウワサを耳にしていたので、胸踊らせ地下鉄赤坂の駅から地上に上がると、すでにBLITZ前にはこの日を待ちわびたファンが大勢集まっている。リアルタイムに初期ZIGGYから聴いてきたであろうファンに混じり、若いファンも目につく。若い世代にもZIGGYのスピリットが受け継がれていると思うと、一ファンとして嬉しくなってニヤっとしてしまう。

今回のツアーのメンバーは森重樹一(Vocal:以下森重)・戸城憲夫(Bass:以下戸城) ・宮脇”JOE”知史(Drums:以下JOE)そしてサポートで元BEAT CRUSADERSTARO(Guitar)が参加。ファンとしては何よりも森重戸城JOEの3人でのZIGGYが約10年ぶりに観れるというのが涙モノだ。初日の赤坂BLITZのチケットが早々にSOLD OUTになったのもうなずける。そしてTAROの弾くギターがどのように3人に絡み、ZIGGYとしてのステージを観せてくれるのかも興味深い。

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会場に入るとフロアはあっという間にオーディエンスで埋め尽くされていく。取材用のノートとペンを持つのもままならない程だ。客電が落ちDavid Bowieの「Ziggy Stardust」が流れ出す。今回が復活ライブのZIGGYにとってはうってつけのSEである。イカシタ演出だ。しばらくすると戸城JOETAROが登場!会場から拍手と歓声があがり、戸城JOEはその声援に答えるかのように高々と手を上げ、そしてオーディエンスをあおる。オープニング曲は森重戸城JOEの3人の時期の代表曲でもある「STEP BY STEP」。イントロが始まり、ヒョウ柄のロングコートを身にまとった森重が登場すると、より一層大きな拍手と歓声が上がる。

森重の力強く伸びのある歌声と戸城の唸るベースサウンド、突き上げる様なJOEのパワフルなドラミングに、TAROのエッジの効いたギターが絡み合い会場に響きわたる。続く「月が昇る頃には」では森重がかけていたサングラスをはずし、オーディエンスに向って投げ入れる。こういう仕草がなんとも格好良いのだ。「男が惚れる男」それが“森重樹一”である。

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「こんばんはZIGGYです!!」と森重の一言MCをはさみ始まったのは「SING MY SONG」。イントロのJOEのパワフルかつ流れる様なドラミングに刺激され、オーディエンスのテンションも一気に上がる。サビの「ダイアモンドの~」は恒例の大合唱。確か昔観た武道館のライブでは「SING MY SONG」はライブ終盤にオーディエンスと一体になって盛り上がるといった感じだったのだが、今回はまだ4曲目。なんとも贅沢な選曲である。

TAROのSGから繰り出される軽快なギターリフから始まる「SWEET SOUND OF R&R」では、曲中にTORO戸城が立ち位置を入れ替わりオーディエンスをあおる。サビの2人のコーラスも気持ち良い。アウトロのギターソロでは森重のスキャットが絡み魅せてくれる。この曲に限った事ではないのだが、TAROの太くて甘く、そして軽快なギターサウンドとコーラスは今回のZIGGYにかなりマッチしている。

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ギターのアルペジオのイントロ、そしてブルースハープが雰囲気を盛り上げる「BURNIN’LOVE」では、今までの曲とはひと味違った森重の優しくそして力強いボーカルが会場を包み込む。この歌唱力がやはり森重の魅力だろう。そしてそれを支えるタイトなリズムを刻むJOE、内蔵に響くベースを弾く戸城。このメンバーでしか味わえないZIGGYを感じる事が出来る。

そして今度は一転してアップテンポの「EASTSIDE WESTSIDE」へ。タイトル通りに一気に駆け抜け「I’M GETTIN’ BLUE」と続く。イントロのギターリフに会場は沸き上がり、歌い出しからオーディエンスは森重に合わせ一緒に歌う。ベースソロでは戸城がステージ中央まで出て来てお馴染みのフレーズを奏で、JOEは曲中にスタンディングのパフォーマンスを見せてくれる。先程も言ったがライブもまだ中盤に差し掛かったばかりだというのにホントに贅沢である。

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森重が「TOKYO CITY NIGHT」と曲を紹介すると会場からはどよめきがおこる。僕も初期ZIGGYの中で一番好きな曲なので鳥肌が立ってしまった。アルバム『HOT LIPS』を初めて聴いたときは「TOKYO CITY NIGHTは今までのZIGGYの印象とは何か違う曲」と少し違和感があったのだが、何度か聴いていくうちにそのメロディーと世界観にハマってしまった。「COOLなのにHOT」そんな言葉が似合うこの曲を生み出したZIGGYはホントに凄い!!ステージを照らす青いライトがより一層この曲の世界観を引き立てる。

戸城の「さぁ、やりましょっ!!」の一言で始まった「GLORIA」。この曲でZIGGYを知ったというファンも多いのではないだろうか。僕が学生時代にやっていたコピーバンドでも絶対に外せないのがこの曲だった。曲中に客席にもライトが当たりオーディエンスのテンションも更に上がっていく。「HOW」のオプニングで森重は会場にマイクを向けるとオーディエンスは大合唱でそれに答える。とにかくZIGGYの曲は皆で一緒に歌える曲が多いのでメンバーと共にライブを作り上げている気持ちになれる。このステージと会場との一体感がとにかく気持ち良いのだ。

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ライブも終盤にさしかかりJOEのカウントから始まった「午前0時のMERRY-GO-ROUND」のイントロでは戸城JOEのリズム隊の分厚い音が会場に響き、そして森重の優しい歌声とTAROの繊細なアルペジオ絡み合う。サビでは4人の奏でる音が一気に広がり会場全体を包み込む。壮大なアレンジに思わず聴き入ってしまった。続く「暗流」では迫力のあるJOEのドラムと戸城の地を這うようなベースにTAROのワウギターが絡みつき、森重は妖しく歌い上げる。ステージを照らすグリーンのライトとフラッシュライトがさらに幻想的な世界へと導いてくれる。ラストナンバーの「DON’T STOP BELIEVING」では再び客席にライトが当たりオーディエンスは大合唱!!!

アンコールの「La Vie en Rose」が終わりメンバーがステージから去った後も興奮冷めやらぬ会場内ではしばらくメンバーへの声援と拍手は鳴り止まない。1時間40分のステージはあっという間に過ぎてしまった。このメンバーでのZIGGYをもっと観たい。森重が最後に「また、Zeppで!」と言ったようにZIGGYはこれから全国ツアーに出てZepp TOKYOでファイナルを迎える。このメンバーでの活動は今年いっぱいの期間限定という事らしいが、その先に何かあるんじゃないかと期待ぜずにはいられない。”I don’t stop believing”

◆ZIGGY 公式サイト
http://www.ziggy-gokuraku.com
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◆セットリスト
M01. STEP BY STEP
M02. 月が昇頃には
M03. 光と影
M04. SING MY SONG
M05. MAKE IT LOUD
M06. LAST DANCE はお前に
M07. SWEET SOUND OF R&R
M08. BURNIN’ LOVE
M09. EASTSIDE WESTSIDE
M10. I’M GETTIN’ BLUE
M11. SHOUT IT OUT LOUD
M12. TOKYO CITY NIGHT
M13. 君をのせて
M14. STAY GOLD
M15. GLORIA
M16. 12月の風になりたい
M17. HOW
M18. MAYBE I’M A FOOL
M19. 午前0時のMERRY-GO-ROUND
M20. 暗流
M21. Guilty Vanity
-encore-
M22. DON’T STOP BELIEVING
M23. I CAN’T STOP DANCIN’