演奏

TEXT:鈴木亮介 PHOTO:ossie

今や小学生の将来なりたい職業ランキングの上位にユーチューバーが入るほど、YouTubeというメディアの影響力は大きくなっている。そうした中で、YouTubeから人気に火が付いたり、活躍の場を広げるミュージシャンが増えている。ガールズバンド・SORAMIMI(現在は活動休止中)のドラマーtmtmこと、むらたたむも、その一人だ。X JAPANの「紅」やBABYMETALの「ギミチョコ!!」などを叩いた動画が「笑顔で叩くドラマー」として注目を集め、2017年5月現在で公開した動画の総再生回数は1000万回を超えている。
 
2017年2月に行われた自身初のソロライブでは、ファンを公言するお笑いコンビ・千鳥ノブがゲスト出演し話題に。同年4月には『NAONのYAON 2017』に出演。さらに、TAMAとエンドース契約を結ぶなど、勢いに乗るむらたたむ。2017年5月15日(月)に東京・TSUTAYA O-WESTにて自身2度目となるワンマンライブ『むらたたむドラムライブVol.2~Go!行こう!の日だよ~』を開催した。
 
この日のライブの目玉は、にゃんごすたーとの初共演だ。にゃんごすたーとは、青森県黒石市出身の非公認ゆるキャラで、特技はドラム!HR/HMをこよなく愛し、ラウドな楽曲を激しく叩く様がYouTubeにアップされ、話題となっている。一時期、”中の人”がむらたたむなのではないかとネット上で噂されるほど、その実力は目を見張るものがある。
 
そんな”夢の競演”が見られるとあって、平日月曜日の開催にも関わらず、この日のチケットはソールドアウト。フロアには次世代のドラムクイーン・むらたたむの登場が待ちきれない超満員のファンで既に熱気を帯びている。
 

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そして午後7時半、暗転とともに歓声が上がる。むらたたむが一人、笑顔で登場し着座すると、オケに合わせてすぐさま演奏を開始。観客も手拍子で答える。1曲目はBruno Marsの「24K Magic」。体を揺らしながら軽快にたたく。「シンバルが爽快」なんて表現は音楽的に誤りかもしれないが、そんな雰囲気のステージが作られる。
 
「はじめましての人は、はじめまして。いつもいる人はいつも、こんにちは…」演奏とは対照的な緩いトーンで、来場者に挨拶するむらたたむ。「すごい感動しています、なぜかと言うと、顔だらけだから…」そして写真を撮って「ライブなう」とTwitterでつぶやくと(参照:https://twitter.com/tamu_murata_dr/status/864080809057067009))、2曲目へ。BABY METALの「KARATE」。一つずつの腕の振り、脚の踏みがダイナミック!バスドラムがずしずし響く。「かっこいいですよね、ひたすらソイヤソイヤ戦うんだというテーマが私にぴったりなんじゃないかと」とMCで話した通り、この曲はドラマー・むらたたむのプレイスタイルにすごくマッチしている。
 
3曲目は軽快なファンクナンバー、Brecker Brothersの「Some Skunk Funk」。ハードな2曲目とはメリハリを利かせ、楽しませる。それにしても音数の多さ!わずか3曲で個性をしっかりと出しきると、後攻のにゃんごすたーにバトンをつなぐ。

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神妙なイントロが流れる中、にゃんごすたーが一人、登場。ANGRAの「NOVA ERA」から演奏開始。そこらのゆるキャラとは格の違いを見せつける!とばかりに、気迫あふれるプレイ。安定感とメリハリ、右手のスピードが凄まじい。間髪入れずにすぐ次の曲へ。Disturbedの「Ten Thousand Fists」。左右のシンバルを交互にしばく。観客は自然と体を揺らしている。圧倒から、いつのまにか安心へと変わる。
 
ようやく一息。水を器用に飲むと、観客からなぜか手拍子が。肩で息をついて、疲れてるジェスチャーを見せるなど、曲間に観客を楽しませることも忘れない。続く3曲目はBABY METALの「紅月~アカツキ~」。ツインペダルの高速ドリルで駆け抜けると、誰もが知るイントロが流れ、歓声があがる。VAN HALENの「JUMP」だ。BPMは下がるが熱量は下がらない!最後はだんだんとフェードアウトし、再び歓声を呼んだ。

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「かわいいですねー。顔色を一つも変えずに、すごーい!」むらたたむもステージに再登場すると、幾つか質問タイム。「私の実際に会っての印象は?」「ドラマーとしてのこだわりは?」むらたたむからの質問に、スケッチブックを使って筆談で答えるにゃんごすたー。「(むらたたむは)ドラムの音圧がすごい!と絶賛したところで、ファンお待ちかねのドラムバトルに。
 
2人アイコンタクトをとると、にゃんごすたーのバスドラから叩き合いの開始!むらたたむもバスドラを踏みながらスティックを頭に叩きつける仕草を見せるなど、にゃんごすたーのプレイスタイルを意識したパフォーマンスで会場を沸かす。
 
そしてついに、YouTubeで話題を集めたX JAPANの「紅」だ!むらたたむはブルーの照明、にゃんごすたーは赤い照明が当たる。2人で超高速で気持ち良い!むらたたむは笑顔、にゃんごすたーは困り顔でぶれずに快走!最後は観客も巻き込んで集合写真。ド派手な初共演はあっという間に幕を下ろした。

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一旦休憩を挟んで後半はツインギターに鍵盤も入る、豪華バンドセット。衣装がえし、髪をポニーテールに結ったむらたたむ黒沢ダイスケ(Guitar)、大和(Guitar)、上田哲也(Bass)、池尻喜子(Keyboard)を従え、TRIXの「Double Up」から演奏スタート。ベースソロとシンバルのシンクロ、悠々とした演奏で楽しませる。
 
続いて、ゲストボーカル高橋優介がステージに登場。むらたたむとは高校時代に一緒にバンドをやっていた、元バンドメンバーだという。しかも、当時むらたたむはドラムでなくキーボードだったという意外な事実も明かされると、「盛り上がる曲。音を楽しんでください」という紹介から和田光司の「Batter Fly」を披露。爽快なポップサウンドで会場の熱気をさらに上げる。
 
曲が終わると、むらたたむが「靴紐がほどけた」と話し、観客を笑わせる。紐を結んでいると、バンドメンバーが即興で演奏を披露…バンドメンバーとの息もぴったりだ。そして次の曲が明かされると、この日一番の歓声が!
 
活動休止中のむらたたむのバンド、SORAMIMIの「恋愛警報発令中」だ!ボーカルはなんと、むらたたむがメインパートを歌う。レアなステージに、大きな盛り上がりを見せるが、最後はちょっとしんみりとした空気にもなった気がする。SORAMIMIの4人によるステージもいつかまた観られるだろうか。
 
そしていよいよ本編最後の曲。こちらもYouTubeで「叩く動画」が大人気の「ルパン三世のテーマ」。スネアがクールに、ピシッと決まる。エレキがいい味を出すこの曲、やはり見せ場は後半のドラムソロ。大きな歓声を集めた。

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アンコールの声に応えて再登場。むらたたむが、改めて心境を語る。「きょうはこんなにたくさんの人が来てくださったことを本当に嬉しく思っていて…ドラマーがソロライブするなのってどうなのって?」…普段は比較的目立たないポジションであるドラムを中心にしたワンマンライブに、不安があったと明かす。まして、会場は400人入るTSUTAYA O-WESTだ。それでも、たくさんのファンが、彼女の不安を打ち消した。
 
「バンドが活休してからひとりぼっちだって思ってたんですけど…たくさんの人が来てくれて。ありがたいと思うので、これからも、いろんな人に知ってもらって、もっともっといい景色をみなさんに見せられるように頑張ります」そう笑顔で話すと、「最後、みんないけますか?これが私の魂の叫びです!きいてください、みかんのうた!」…SEX MACHINEGUNSの「みかんのうた」で、最後は一つになった。
 
「ドラムをドコドコ叩く」という表現がよく使われるが、むらたたむのライブはまさに「ドコドコ」と軽快かつパワフルで、ドラムの魅力を大いに堪能できるものであった。YouTube上ではドラムキッズによる「叩いてみた動画」がきょうもアップされ続けているが、そんなドラムキッズたちにもむらたたむのオンステージでの活躍は希望の光をもたらすに違いない。

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◆セットリスト
M01. 24K Magic
M02. KARATE
M03. Some Skunk Funk
M04. NOVA ERA
M05. Ten Thousand Fists
M06. 紅月~アカツキ~
M07. JUMP
M08. (ドラムバトル)
M09. 紅
M10. Double Up
M11. Batter Fly
M12. 恋愛警報発令中
M13. ルパン三世のテーマ
-encore-
E01. みかんのうた
 

◆むらたたむ 公式サイト
http://muratatam.com/
◆にゃんごすたー 公式サイト
http://www.nyangostar.jp/
 
◆インフォメーション
むらたたむソロライブVol.3
・2017年09月11日(月)【東京】TSUTAYA O-WEST

 
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