演奏

TEXT & PHOTO:N-yukano

地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズの著者、そして本誌コラムニストとしても知られている小林信一のソロライブ in 赤坂 J ROCK CAFE。タイトルは『アコギによる歌、エレキによるインスト、そして美味しいお酒。~思い出語ってバレンタインデー編~』。店内には、美味しいお酒と食事、そして演奏を楽しむ大人の時間が流れている。

本日の出演者は、主役の小林信一(Vocal,Acoustic Guitar & Electric Guitar)。そして彼の弟子軍団から、田川(Acoustic Guitar & Chorus)・笠原(Acoustic Guitar)福原(Electric Guitar)。ゲストでItch(カホン)が登場する。

   


 
 


開場、そして続々とお客さんが入場。「ようこそ~」と今日の限定配布のCDを渡していく小林信一。今日はトレードマークの裸ネクタイではなく、メガネにハットなオシャレなお兄さんスタイルだ。皆さんドリンク等を注文し、席に着く。フォークソングの本の話や、コーナー紹介、今回はカホンが入っている等のトークが、開演時間まである。フレンドリーな空間が心地よい。メンバー紹介からの1曲目は、コブクロの「君という名の翼」。多くの人が持つ “天才ギタリスト小林信一” のイメージからは想像ができないほどの美声!ギタリストとしてだけでなく、その歌声にも驚かされる。

そして安全地帯の「じれったい」。「高校の時、周りはイングヴェイ(Yngwie Malmsteen)とか好きだったから(安全地帯が好きと)言えなかったんだけど」「歌いたかった曲で、わくわくして眠れなかった」と語る。Mr.Childrenの「名もなき詩」の後は、Bon Joviの「I’ll BeThere For You」だ!このまま時が止まってほしいと思うような素晴らしい歌声!そして演奏。「やったー(Bon Joviを歌う)夢かなえたよ~自分たちでもこういう曲作らなきゃいけないですね~。」と第一部が終了。

   

 
 


第二部は小林信一著作のギター教則本『天國のギター・トレーニング・ソング』から、「君をのせて」と「G線上のアリア」。ギタリストの本領発揮!美しい指から奏でられるプレイに目がくぎ付け。そしてソロアルバム『ネクタイ地獄』から「トキハナテ」。当たり前だが、髪がなびく演出がなくても、裸ネクタイでの演奏じゃなくても、恐ろしくカッコいい。続く「シャツガナイ」は、仮タイトルが四畳半メタルで、親に対する感謝の気持ちを表した曲との解説。そしてYouTubeの小林信一オフィシャル・チャンネルでも公開されている「アイスルコト」!今回はカホン有りの演奏で、聴いていて胸から愛が溢れ出すようなサウンド。とてもいい顔でギターを弾く小林信一。その全てに会場中が魅了されていた。ああ本当に泣ける。「僕たちの愛は伝わりましたかね?」という問いに、観客も強くうなずく。

「遊ぶコーナー!好きな歌を、フォークソングのすべてからワンコーラス歌ってみようかなと思います」と本をぱらぱらとめくりながら余興がスタート。まずは「神田川」をちょいちょい歌詞を間違えつつ歌い会場を和ませる。「次は何を歌おうかな~」と、アカペラから「なごり雪」を歌いだしてからギターを伴奏。続いて「およげ!たいやき君」をなぜかのセクシーボイスでしっとりと歌い上げ、拍手と歓声が起こる。「楽しいな~次はこの前NOVさんも歌ってたこれにしよう~これやろうぜ~あ、いつもね、こういう風に部屋で一人でよくしゃべってるんですよ~」とお茶目な一面をみせる小林信一。名曲「ガンダーラ」を歌い、第二部が終了。

   

 
 


「カホンとゆかいなギタリストたちでーす」と始まった第三部。「Eメジャーのキーの新曲やりたかったんだよね~完成してないんだけど、ちょっと歌ってみます」ハミングで歌う小林信一。そして玉置浩二の「メロディー」へと続く。「うっとりした曲をボサノバで」安全地帯の「月に濡れたふたり」へ。ムード溢れる曲を艶やかに歌う。

「どうやってこういうの(曲を)作ってるのかと気になりますね~。さて、次は、毎回止まるけどメドレー行きます、心のチューニングは出来てますか?」と安全地帯メドレー。「真夜中すぎの恋→マスカレード→ワインレッドの心」。ここで一旦休憩。談笑タイムだ。客席をまわってトークやサイン、写真撮影に応じる小林信一。ファンとの距離が近いイベントをおこなってくれるのも人気の秘訣だろうか。

 

 
 


しばらくして、アンコール。突然、クリスマスに動画で歌声を披露していた「ジングルベル」を歌いだし、会場の笑いを取る。「ちょっと悲しい曲なんですけど、オリジナルでMr.Lonelyという曲を歌います」切ない曲に聴き入る観客。「僕が多感だった頃、ある事件に悲しいと思ったその思いを曲にしたんですね~。これから色々な人に届ける歌をつくって行けたら良いと思います」

ラストはThe Beatlesの「Let it Be」。「前回の赤坂ライブの最後はHey Judeだったけど、今回はこの曲を選んでみました。後ろにマイクがあるでしょ?サラウンド5.1の1が後ろのギターです(笑)。お客さんを囲むっていう新しい感じで。ピアノ曲をギターでやります。最後は皆で歌いましょう!」ラストに相応しい演出で、曲中マイクを回して「Let it Be」のサビフレーズを歌い、会場全体が一つになる。演奏終了。「これからも応援よろしくお願いします」という言葉を締めに、小林信一の素敵なショーは幕を閉じる。この赤坂ライブは定期開催されるようなので、まだ未体験の方はシンガー小林信一の魅力にもぜひ触れてほしい。

 

◆小林信一 公式サイト
http://www.nanagen.jp/
 
◆インフォメーション
地獄の夜獣回帰
2012年04月28日(土)【新宿】Wild Side Tokyo
「〜この世の地獄物語〜完全演奏の夜」
2012年04月29日(日)【新宿】Wild Side Tokyo
「〜旋律の地獄遊戯〜完全演奏の夜」
 
BEEAST presents 39LIVE 第3回小林信一
2012年05月05日(土)【渋谷】Rock Bar Malmsteen
詳細ページ
http://www.beeast69.com/news/beeastinfo/15942

 
◆セットリスト
第一部
M01. 君という名の翼(コブクロ
M02. じれったい(安全地帯
M03. 名もなき詩(Mr.Children
M04. I’ll BeThere For You(Bon Jovi
第二部
M05. 君をのせて(天國1)
M06. G線上のアリア(天國1)
遊ぶコーナー
神田川、なごり雪 etc…
M07. トキハナテ(小林信一
M08. シャツガナイ(小林信一
M09. アイスルコト(小林信一
第三部
M10. メロディー(玉置浩二
M11. 月に濡れたふたり(安全地帯
M12. 安全地帯メドレー
真夜中すぎの恋→マスカレード→ワインレッドの心
-encore-
M13. Mr.Lonely(小林信一
M14. Let It Be(The Beatles