演奏

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TEXT:橋本昌浩 PHOTO:岡田祐貴子
JADESTER 10th Anniversary
2016.10.10@札幌 SUSUKINO810

JADESTERは2006年に青柳慎太郎{以下:青柳}(Guitar)を中心にヨモギダマサシ{以下:ヨモギダ}(Vocals)・土橋直樹(Bass)で結成された札幌のROCKBANDだ。2010年ドラマーにLyo。を迎え現在のメンバーとなる。“溢れる出る感情を想いのままに、よりワガママに、よりカッコよく”をコンセプトとし、コンスタントにライヴツアーに出たり音源をリリースする等、精力的に活動をしていたが2012年11月に大きな悲劇が突然JADESTERを襲った。その悲劇と向かい合いながらも、それでもJADESTERは歩み続け、2016年に結成10周年を迎えた。そのJADESTERの 10th Anniversary 【Neogenesis from XXXX】の模様をレポートする。

JADESTER member:
蓬田政志(Vocals & Guitar)、青柳慎太郎(Guitar)、Lyo。(Drum)、山本孝行(Support Bass)

 
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「The Birth Of The Beginning(SE)」がホールに流れ、青柳Lyo。山本孝行{以下:山本}が登場し、オーディエンスの期待と緊張が混じったような空気感の中、ステージに上がったヨモギダの「2006年10月8日、JADESTERはこの曲から始まりました!」の第一声から「ZERO」がプレイされる。Lyo。山本のリズムセクションのドライヴ感は心地良く、青柳のMATCHLESSアンプからは極上のギタートーンが鳴らされ、ヨモギダは表情豊かなヴォーカルで独特な世界観を表現していく。ファンキーなテイストを含んだ「TRAPSTER」からノリの良いロックンロールテイストな「Everything Is All Right」を続けてプレイするJADESTERがオーディエンスの躰を躍らせる。PAから吐き出される音はラウドながらもクリアで、JADESTERのスキルレヴェルの高いプレイとアンサンブルが心地良く体感出来る。
 
MCを挟んでからの「マゾヒスティック・ドライヴ」では怪しげなムードを撒き散らし、「五月風(さつきふう)」「FARAWAY」「LOST」とリリカルでキャッチーな曲をプレイ…音楽性の幅広さを見せつけながらも“JADESTERらしさ”を感じさせる曲達をオーディエンスは躰を揺らしながら聞き入っていた。どの曲でも言える事だが、青柳ヨモギダのツインギターはクリーンからクランチまでニュアンスをコントロールしながら絶妙に絡み合ってヨモギダの唄を生かし、青柳は時折フラッシーなギターソロをキメるが、それは決してテクニックを見せつける為のフレーズではなく、ヨモギダの唄へ繋げる為のギターソロであり、あくまでも曲を生かす為に構成されている。

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そして、ヨモギダはMCでは次回のライヴの告知を。それは2012年11月19日に不慮の事故で急逝したオリジナルメンバー:ベーシスト土橋直樹の命日にJADESTERが追悼ライヴを行う事を意味していた。「草葉の陰で…悔しんでるとしかオレは想えないので…喜んでいるとは…言いたくないこの感じ…」と朴訥に語るヨモギダ
 
そこから、「楽しくヤりましょ!」と「I am a Blackstar」「NEIGHBOR PSYCHO」のキラーチューンで、躍動するリズムと煌びやかなツインギターにヨモギダ独特のヴォーカルを絡めてオーディエンスを魅了する。JADESTERは本編ラストの曲に「邪悪なJOKER」をチョイス。Lyo。の叩くビートはパワフル且つ正確で、そこに山本のベースラインが絡む事でJADESTERのグルーヴが創り出されている。青柳はキレの良いカッティングからフラッシーなソロまで、スキルの高いプレイを笑顔で楽しそうにプレイ。ヨモギダは抜群の存在感で独特な世界観を描く台詞で唄い、JADESTERは一旦ステージを降りる。

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アンコールの声にステージに戻ったメンバー達は「10歳の誕生日だから」とビールで乾杯。ヨモギダは改めて追悼LIVEへの想いを語ろうとするものの、その胸中を的確に表現する言葉を見付けられずにいたように思えた。そして「Down right blue」をプレイするJADESTER。伸びやかでメロディックな曲をオーディエンスは躰を揺らして楽しむ。最後にプレイされたのは「River」…このバラードで唄われる「あの夏も あの秋も あの冬もそう 君と歩いた 雪解けの春が来ればまた新しい唄が流れるから…」の一節に追悼LIVEへの想いを感じるのは考え過ぎだろうか?
 
JADESTERと云う魅力的なBANDは2016年11月19日にLIVEを行う。結成10周年という節目の年に行われる最後のLIVEとなるようだが…その日、JADESTERは「今まで」と「これから」へ、どんな想いを込めながらステージに立つのだろう?

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◆Setlist
M01. ZERO
M02. TRAPSTER
M03. Everthing IS All Right
M04. マゾヒスティック・ドライヴ
M05. 五月風
M06. Faraway
M07. LOST
M08. I am a Blackstar
M09. NEIGHBOR PSYCHO
M10. 邪悪なJOKER
M11. Down right blue(-encore-)
M12. River(-encore-)
◆Official Website
http://www.jadester.net/

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http://www.beeast69.com/gig/782
【レポート】CHALLENGE! THE WEST 2010 Vol.4
http://www.beeast69.com/gig/280