演奏

TEXT:桜坂秋太郎 PHOTO:桜坂秋太郎・岩崎優

結成から12年、日本のヘヴィメタルシーンを熱く盛り上げてきたX.Y.Z→A。彼らの今年初めてのLIVEであり、『X.Y.Z.→A IS BACK → THE ROAD #2』ツアーのプレ初日に、さかもとえいぞう with 少年ハンサム隊とのカップリングで行われる『横浜メタル地獄スペシャル!』をレポートしよう。天気が少し崩れて小雨がぱらつく中、会場のSUNPHONIX HALLへと向かう。会場入りの順番を待っていると後ろから声が聞こえる。「この2バンドが観れるなんて最高!」このカップリングを待っているファンの熱いテンションが伝わってきて、取材にも気合いが入る。

最初に登場するのは、2年ぶりのライヴだというさかもとえいぞう with 少年ハンサム隊。メンバーは、さかもとえいぞう(Vocal)・内田亮介(Guitar)・坂3(Bass)・マウント藤野(Drums)・GEORGE(MC)。パッと見では、ルックスがバラバラなイメージだが、演奏が始まると凄まじい威力のサウンドを奏でる。このギャップに斬新な印象を受ける。無敵な花を咲かせましょうという歌詞が残る「ロマンスプロムナード」から、シャウト一発「メタルハンサムマン」へ。声色一つで空気を変える実力を、オーディエンスに魅せつける。

 


 


 


爽やかにメタルをというくだりから「Dr.Heavy Metal」。メタルのライヴだけどジャンプしようと「ファイティングマッチョ」。「銀のムチ」では坂3のデスヴォイスとのツインヴォーカルで、オーディエンスをあおる。ファニーな「なんとなくクリムゾン」。「Hearts of Steel」の絶叫シャウト!次から次へと玉手箱を開けたかのようなナンバーに、さかもとえいぞうの懐の深さを思い知る。ドラムソロをはさんで「Forever Young」。白っぽい衣装に着替えたさかもとえいぞうが、ステージに映える。

 


 


 


48歳になったばかりのさかもとえいぞうのMCに、会場は大爆笑。続く「茜色」の古き良き日本の心を感じるメロディに、多くのオーディエンスが一緒に歌っている。熱い友情の歌詞を熱く熱唱する「友情」、さかもとえいぞう風に料理されたVan Halenの「On Fire」。いつの間にか衣装をまた変えたさかもとえいぞう。何を着てもハンサムマンは様になる。今夜最速の「Gutentag」からラストナンバー「紅茶の美味しい床屋さん」へ。80年代に音楽を聞いていた人にはたまらない歌で、今夜のショーを終える。2年ぶりとは思えないほどの楽しいステージ構成だ。

 


 


 

◆さかもとえいぞう 公式サイト
http://eizosakamoto.net/

 


◆インフォメーション
2012年04月14日(土)【江古田】マーキー
2012年04月22日(日)【赤坂見附】J ROCK CAFE
2012年04月29日(日)【日本橋】三越本店
◆セットリスト
M01. ロマンスプロムナード
M02. メタルハンサムマン
M03. Dr.Heavy Metal
M04. ファイティングマッチョ
M05. 銀のムチ
M06. なんとなくクリムゾン
M07. Hearts of Steel
M08. -ドラム Solo-
M09. Forever Young
M10. 茜色
M11. 友情
M12. On Fire
M13. Gutentag
M14. 紅茶の美味しい床屋さん




短めのインターバルをはさみ、QUEENの「We Will Rock You 」が流れる。メンバーが登場し、X.Y.Z.→Aのショーがスタート。今回は『X.Y.Z.→A IS BACK → THE ROAD #2』のプレ初日ということで、気合い十分なオーラがメンバーから漂う。まずは「Z to A」だ!このナンバーは“絶望の風”と“失望の雨”という歌詞とメロディが最高のマッチング!いきなりオーディエンスも全開状態。間髪入れず「Stand Up For Your Belief」へ。サビはもちろん“Stand Up For Your Belief Tonight!”の大合唱!2曲終わるとMCタイム。X.Y.Z.→AのMCの面白さは言わずもがな、今夜も大きな笑いを誘う。

 


 


 


X.Y.Z.→Aのメンバーは、二井原実(Vocal)・橘高文彦(Guitar)・和佐田達彦(Bass)・ファンキー末吉(Drums)。もはや日本のロック界において、説明不要の4人だろう。二井原実のソウルフルなフェイクから「Labyrinth」へ。背筋がゾクゾクする橘高文彦のイントロソロがカッコ良すぎる。目をつぶっても和佐田達彦とわかるベースラインも素敵なナンバーだ。X.Y.Z.→Aはオーディエンスが一緒に歌えるサビが多いので、つい取材中の私も大声を出して撮影をしてしまう!続いて「Razor’s Edge」。渋いこのナンバーは、若いメタルバンドには出せない味がある。特に間奏の歌うようなベースラインに腰がとろけてしまいそう!

 


 


 


オーディエンスのヘッドバンギングが熱い「Faster! Harder! Louder! Deeper!」。曲間では二井原実のコール&レスポンス!それにしてもファンキー末吉のドラミングは信じられないくらいアグレッシブだ。MCタイムになり、新しく発売したUSBメモリのライヴアルバムを紹介。ライヴ音源に撮りおろし映像も収録された超お得な内容となっているとか。しかもメンバーそれぞれ4人別のUSBメモリ(マイク・ギター・ベース・ドラム)というマニア垂涎の逸品だ。ファンなら必ず4つ欲しいという気持ちを考慮して、割安になった4点セットがあるらしい。二井原実が、これからはCDじゃないと冗談で言っていたが、この新しい試みはすごいので、本当にUSBメモリが流行りそうな気がする。

 


 


 


ステージはミドルナンバーの「Maria」から、「Absolutely Wonderful Night!」へ。リズム隊の強力さが日本トップレベルのロックグルーヴを生みだす。流れるような橘高文彦のフレーズが私の琴線に触れる。カッコ良すぎてシャッターを押し忘れてしまいそうになる。そのまま「Go On!」。オーディエンスはもうファンキー末吉の2バスドラムに身をゆだねる以外にない。新譜を出す出さないというMCをはさんで「Yesterday! Today! Tomorrow!」。二井原実のソウルフルかつ高い声が会場に響き渡る。「Miracle」が始まり、会場の後方に目を向けると、サビの“もしも神様が~”を一緒に歌っている多くの姿が!全オーディエンスの一体感が生まれている。

 


 


 


ラストナンバーは強烈な爆発力を含んだ「生きるとは何だ」。オーディエンスは残された力を振り絞って全力で声と腕を振り上げる!“生きるとは何だ!”そしてバンドも、まさにこの瞬間、命燃え尽きても悔いはないというくらいのエネルギーをオーディエンスへ叩きつける!すごいパッション!もちろんこれで終わりにはならない、すぐにアンコール!「俺達はあきらめない、だからお前達もあきらめるなよ!」二井原実が熱いメッセージを残す。アンコールナンバーは「Don’t Let The Sun Go Down」。X.Y.Z.→Aの初心ともいえるこのナンバーに、オーディエンスも歌いまくる!メンバーのうち3人が50歳代でも、これほどまでにパワフルな音楽を演奏できるバンドがいる。そう日本には、X.Y.Z.→Aがいる。この誇るべき事実で、今の日本を動かしている同世代を刺激して、腐った時代を変えていくパワーに繋げたいものだ。

 


 


 

◆XYZ→A 公式サイト
http://www.blasty.jp/xyz/
◆インフォメーション
X.Y.Z.→A IS BACK → THE ROAD #2
2012年03月11日(日)【梅田】ShangriLa<<終了>>
2012年03月17日(土)【千葉】LIVE SPOT LOOK<<終了>>
2012年03月18日(日)【熊谷】HEAVEN’S ROCK<<終了>>
2012年04月07日(土)【豊橋】ell.KNOT
2012年04月08日(日)【名古屋】ell.FITS ALL
2012年04月10日(火)【広島】NAMIKI JUNCTION
2012年04月12日(木)【京都】都雅都雅
2012年04月13日(金)【岡山】MO:GLA
2012年04月14日(土)【神戸】WYNTERLAND
2012年04月21日(土)【渋谷】club asia
◆セットリスト

M01. Z to A
M02. Stand Up For Your Belief
M03. Labyrinth
M04. Razor’s Edge
M05. Faster! Harder! Louder! Deeper!
M06. Maria
M07. Absolutely Wonderful Night!
M08. Go On!
M09. Yesterday! Today! Tomorrow!
M10. Miracle
M11. 生きるとは何だ
-encore-
M12. Don’t Let The Sun Go Down