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【NEWS】地獄の日々から一瞬離脱! 日本マドンナ、10周年記念ワンマン開催

2019年03月24日

本格再始動の日本マドンナ、渋谷La.mamaでワンマン開催
7月には企画2マンライブも

TEXT:鈴木亮介 

nihonmadonna

日本マドンナが3月23日(土)に東京・渋谷La.mamaにて結成10周年を記念したワンマンライブ『地獄の日々から一瞬離脱!』を開催した。

日本マドンナは2009年3月に当時高校生だったあんな(Vocal & Bass)、まりな(Guitar & Chorus)、さと子(Drums)の3人で結成。同年冬に『COUNTDOWN JAPAN 09/10』に出演し、『卒業制作』、『バンドやめろ』など3枚のアルバムをリリースするが2013年4月に惜しまれつつ解散。その後イベントでの共演などを経て2016年12月よりライブ活動を再開。2018年4月に4thアルバム『ファックフォーエバー』をリリースし、同月にワンマンライブを開催。同じメンバーでの再結成・再始動となった。

この日のワンマンライブは「一曲目から最後まで10年分の魂が込められたライブになると思う」と杏奈が事前にコメントした通り、再結成後初めて演奏する曲も含めて全24曲が披露された。

オープニングアクトのミチノヒの熱気冷めぬうちに登場した日本マドンナのライブは、イベントタイトルでもあり会場限定シングルの表題曲「地獄の日々から一瞬離脱!」からスタート。「(学校の机に)好きなバンドの文字をカッターナイフで刻んだ」から「仕事に税金に毎日襲う憂鬱/缶ビール片手 深夜徘徊」まで、彼女たちの歩んできた10年をギュッと詰め込んだ歌詞が快活なパンクロックサウンドに乗る。

前半は「幸せカップルファッキンシット」、「バンドやめろ」など初期~中期の代表曲を続け、フロアに爆弾を投下する。感情の赴くまま全身を揺らし叩くさと子の鋭さ、一弾入魂のギター・まりなの格好良さ、そして杏奈の全てを包み込む逞しさ。少しも衰えないばかりか、歳月を重ねて生まれるグルーヴから来る説得力が増している。観客にはメンバーと同世代と思しき女性が多いのも、このグルーヴへの共感と憧憬だろう。

個人的ハイライトは「三浦綾子の塩狩峠を読んでやり直せ」から「村上春樹つまらない」への流れだ。バンド解散後、ソロシンガー・アンスナックとしてラップへの造詣を深めた杏奈。再始動後のリリース曲「三浦綾子~」は解散前(特に10代の頃)の楽曲と比べても”言葉に重きを置いて”、はっきり一つ一つの言葉を伝えるべく歌い上げている。対照的に「村上春樹~」は1stアルバム収録の初期作。10代の青い衝動とも言うべき”真っ直ぐすぎる屈折”が歌われているが、この流れでサビの「アメリカの真似か!」が少しも霞むことなく力強さを持って歌われたのには脱帽。思わずガッツポーズをしてしまった。彼女の表現力の幅広さが為せる業である。そこにTHE BEATLES「Let It Be」のカバー「あるがままに」が続き、心がキュッと締め付けられる。

MCでは今回のワンマンに際してレコーディングされた会場限定シングルの話に。ジャケットのインパクト大な水着女性は杏奈の母親がモデルになっているといい、承諾を得る前にジャケットやグッズに使用してしまったのだという。「そんな大好きなママへ贈る歌…『テレビ壊したい』。」…このワードチョイスのセンスもまた、集まったファンを楽しませる。「テレビ壊したい、テレビ壊したい」と連呼するサビのインパクトが先行するが、歌われているのは壊れかけた家族を憂う子どもの悲痛。新生日本マドンナにはこの曲に限らずブルース要素が加わり、深みを増しているのだ。

それは「寿司屋」という曲もそう。「好きな人と食べれれば 本物かどうかは関係ない 本物よりおいしいもの」という多幸感溢れるこの曲が作られたのは解散前。再始動後に音源化され、ライブでも定番曲になっているが、20代となり”仕事””税金”を歌うようになった今の日本マドンナが歌うことで、ブルースが含まれているように思えてならない。もちろん、初めて恋をした10代の「好きな人と食べれれば」というキラキラした曲にもなるだろうし、世代を超えて共感を呼ぶのは人間の根底を歌っているからだろう。

「寿司屋」を弾き終え、キスをする杏奈まりな、後方で見守るさと子に観客から大きな拍手が送られる。ライブ中盤では、チャットモンチーの「満月に吠えろ」を日本マドンナ流にカバー。アーティスト名を聞いて意外な気もしたが、福岡晃子作詞のこの曲は「吠えろ」、「転がる石になれ」、「止めるな」と鋭利な言葉がギュッと詰まっていて、BPMを高めてエレキのボルテージを上げたパンクアレンジとの相性は抜群なのだ。

本編の最後は”生”を悲痛なまでに力強く歌い上げた「田舎に暮らしたい」で締め括る。熱いアンコールの拍手が起こり、追加で披露されたのは新譜収録曲「あなたを待ってる」、そして新生日本マドンナのアンセム「ファックフォーエバー」。とてつもなく濃厚なワンマンライブとなった。

新境地に向けてさらに歩みを進める日本マドンナ。5月と7月にもライブが決まっており、チケットは5月公演のみ販売中。7月に行われるライブのチケット情報はまた後日アナウンスされる。もしライブ会場に足を運ぶ機会があれば、会場限定の新譜『テレビ壊したい』を手に入れ、ぜひ「あなたを待ってる」の歌詞をじっくり読んでほしい。そこにはきっと、日本マドンナに共感する理由、日本マドンナというバンドの意義が書かれているはずだ。

◆セットリスト
M01. 地獄の日々から一瞬離脱!
M02. 幸せカップルファッキンシット
M03. バンドやめろ
M04. 汚したい
M05. ファックデストロイ
M06. 三浦綾子の塩狩峠を読んでやり直せ
M07. 村上春樹つまらない
M08. あるがままに
M09. テレビ壊したい
M10. 社会の奴隷
M11. どうせ血と骨と肉のかたまり
M12. 生理
M13. 死ねと言われて安心した
M14. 満月に吠えろ
M15. おまえを墓場にぶち込みたい
M16. 畜生
M17. 寿司屋
M18. デブス
M19. オデッセイ・1985・SEX
M20. くだらない事で笑ってたい
M21. 私は脳内殺人犯懲役死刑
M22. 田舎に暮らしたい
(アンコール)
E01. あなたを待ってる
E02. ファックフォーエバー

tvJK◆リリース情報
『テレビ壊したい』ネットショップでも販売決定!
https://nihonmadonna.thebase.in/items/18609322
3曲入り¥1,200

<収録曲>
M01. 地獄の日々から一瞬離脱!
M02. テレビ壊したい
M03. あなたを待ってる

◆ライブ情報
「ヒッピハッピシェイク-ダイナマイト3マンSP-」
・2019年05月03日(金祝)【東京】新宿レッドクロス
 時間:op18:00/st18:30
 料金:前売¥2,500/当日¥3,000(別途1D¥600)
 出演:サード・クラス / 日本マドンナ / CAR10 / OA:ハシリコミーズ
<チケット>
・LivePocket
https://t.livepocket.jp/e/190503redcloth
・レッドクロス店頭(4月3日 17時~)
・バンド予約

「おとぼけ♡マドンナ」
・2019年07月06日(土)【東京】新宿レッドクロス
 時間:op19:00/st19:30
 料金:前売¥2,800/当日¥3,000(別途1D¥600)
 出演:おとぼけビ~バ~ / 日本マドンナ
<チケット>
後日発表


◆日本マドンナ 公式サイト
https://2daysrecord.wixsite.com/nippon-madonna
◆日本マドンナ Twitterアカウント
https://twitter.com/nihonmadonna