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ロックヘッドライン
【続きは書店で!】Sound & Recording Magazine 2012年12月号
表紙
判型 27.8 x 20.8 x 1.2 cm
ページ数 ページ
定価 980円
JAN
商品コード B009YO6SRC
発行所 リットーミュージック
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目次

■巻頭特集
MPC再生
コンピューターとのコンビネーションにより新たな命を得たMPC Renaissanceの全容
1987年にMPC60が登場して以来、16ドラム・パッドを搭載した独特のインターフェースでヒップホップを中心に数多くのビート・メイカーをとりこにしてきたAKAI PROFESSIONAL MPCシリーズ。サンプルを切り刻んで(チョップ)組み替える(フリップ)手法は、DJプレミアから大沢伸一に至るまでさまざまなジャンルの先鋭的なクリエイターにイノベーションをもたらしてきた。“ハードウェアならではのフィジカルな操作性はコンピューターのマウス操作では得られないグルーブを生み出す”と、今なお多くのユーザーが使い続けている。ソフト・サンプラーが台頭した昨今も一貫して“一台完結”を貫いてきた同シリーズだが、2012年初頭のNAMMにてMPC Softwareと完全同期する新世代MPCのフラッグシップ・モデルMPC Renaissanceを発表。ビート・メイクの“真打ち”登場とクリエイターは色めき立った。今回は、AKAI PROFESSIONALの母体であるinMusicグループ傘下の全ブランドが総力を挙げて製品化したこの新世代MPCのポテンシャルを徹底的に探るとともに、D.O.I.×SUIという日本を代表するMPC使い2人の対談や歴代モデルのギャラリーなどを併載。“何となく触っているうちにビートができてしまう”魔法のインターフェースの秘密に迫る。JAZZY SPORTとのコラボレーションによるオリジナル・ステッカー付き!

■特別企画
「ディレイ」と「リバーブ」の使い分け方
ミックスのときに欠かせないエフェクター「ディレイ」と「リバーブ」。両方ともサウンドに余韻を付加するものですが、プロのエンジニアはそれぞれを巧みに使い分け、各楽器の奥行きや定位をコントロールしています。本企画ではディレイとリバーブの用途をあらためておさらいしつつ、使い分けのコツ、さらには併用のコツを「音の魔術師」ことKim Studio主宰のエンジニア/プロデューサー伊藤圭一氏に解説していただくことにします!
■プロダクション・レポート
MUSE『ザ・セカンド・ロウ~熱力学第二法則』
ドラマティックかつ壮大なスケール感を持ったサウンドで、大物ロック・バンドの仲間入りを果たした英国の3人組=ミューズ。彼らの最新作『ザ・セカンド・ロウ~熱力学第二法則』がリリースされた。前作『レジスタンス』に続いてセルフ・プロデュースで制作された本作は、オーケストレーションを取り入れた大胆な楽曲から、ダブステップのミューズ流解釈まで、さまざまな要素を盛り込んだ意欲作となった。バンドの首謀者であるマシュー・ベラミーに、本作の制作について語ってもらった。

■Cross Talk 山田ノブマサ × 井筒昭雄
Duet 2/Babyface/Track 16
卓上オーディオI/O「3強」対決!
今やオーディオI/Oの主流はコンパクトな卓上モデル。その人気の理由として、省スペース&デザインの良さが挙げられるが、多くのクリエイターを納得させるサウンド・クオリティの高さも魅力の1つだ。そこで今回は、人気のコントロール・ノブを備えたモデルの中から6~7万円の価格帯にあるAPOGEE Duet 2/MOTU Track 16/RME Babyfaceという3機種にターゲットを絞り、A/DおよびD/Aの“音質”を徹底的にチェック。エンジニアの山田ノブマサ、クリエイターの井筒昭雄の両氏を迎え、実際の録音を通してこれらが本当に使える音なのかどうか、プロ目線でシビアに評価してもらった。

■ミックス解剖学
キャット・パワー「Ruin」
by フィリップ・ズダール
海外のトップ・エンジニアに、自身の手掛けたヒット曲のミックス手法を直接解説してもらう本連載。今回登場していただくのはフィリップ・ズダール。伝説的なフレンチ・エレクトロ・ユニット、カシアスの元メンバーである彼は1990年代にアーティストとしての名声を手にし、2000年代に入ってからはビースティ・ボーイズやフェニックス、カインドネスなどのプロデュース/ミックスを手掛けてきた。ニューヨークの女性シンガー・ソングライター/マルチ奏者、ショーン・マーシャルことキャット・パワーが約5年ぶりに発表したオリジナル・アルバム『サン』も彼の仕事だ。今回は昨今のインディー・ロックのムードをたっぷりと詰め込んだ本作から、シングルとしてもリリースされた「Ruin」のミックス・プロセスについて話を聞く。

■Classic Tracks
ニルヴァーナ
「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」
抑えを効かせた平歌と、激しく爆発的なサビが繰り返されるダイナミックな対比。怒りに満ちた歌詞をねじ伏せるように歌うカート・コバーンの苦悩に満ちたボーカルと、4コードのリフを繰り返すディストーション・ギター。このような特徴を持つニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」は、反抗や拒否といった否定的なメッセージをつづりながらも、世界各国のチャート・トップ10入りを達成。オルタナティブ・ロックをメイン・ストリームへと押し上げ、ニルヴァーナのホーム・タウンであるシアトルで“グランジ”シーンの人気を一気に高めたことでもよく知られている。本稿では、この大名曲を含む『ネヴァーマインド』のプロデュースを担当したブッチ・ヴィグをキャッチ。もはや伝説的な人物となっているコバーンは、当時どのようにギターをかき鳴らし、どのようにメンバーと作業を進めていたのか……20年の時を経て明かされるレコーディング秘話は必読である。