演奏

JADESTER

TEXT:桜坂秋太郎 PHOTO:曲香-mageshang-、桜坂秋太郎

JADESTER、以前にも弊誌ビーストでライヴレポートをしたことがある。その時の様子は「CHALLENGE! THE WEST」この記事で確認できる。すごく印象に残るライヴで、JADESTERの魅力にやられてしまった。メンバーは、蓬田政志(Vocal & Guitar)・青柳慎太郎(Guitar)・土橋直樹(Bass)・広瀬一磨(Drums)。北海道の最高なロックバンドだ。彼らと同じ北海道の読者から、北海道には良質のロックバンドが数多く存在する!という情報をもらっているので、機会があれば可能な限りカッコ良いバンドを紹介してみたいと思う。
 
さて2010年6月24日のJADESTERは、渋谷La.mama。前回観たのは同じ渋谷の大きめの会場である渋谷O-WESTだった。今夜は目の前でどのようなパフォーマンスを展開してくれるのだろうか。JADESTERSIXRIDE青柳慎太郎を中心に、2006年に結成。以後、コンスタントにライヴ活動や音源リリースをしている。コンセプトは“溢れる出る感情を想いのままに、よりワガママに、よりカッコよく”。素晴らしいじゃないか。そんなコンセプトのバンドを他に知らない。しかもそれを具現化している青柳慎太郎のコンポーザーとしての才能には脱帽だ。ジャンルを越えたバラエティ豊かな楽曲は、JADESTERのmyspaceで試聴することができる。
 
12曲入りの1stアルバム『EGOIST』を2009年11月25日にリリースした後、2010年は東京近郊のライヴ本数を増やしてきた。アルバム『EGOIST』は、CD以外にもiTunesで買うことができる。完成度の高いアルバムは聴く者を魅了するが、彼らはライヴのクオリティも半端じゃない。実力派のミュージシャンが良い曲をプレイするのだから当然と言えば当然。激しすぎるロックが苦手な人や、普段ロック以外の音楽を聴いている人にも、JADESTERはお薦めできるバンドだろう
 
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いよいよ開演。1stアルバムのインストナンバー「The Birth of the Beginning」をSEに登場するメンバー。まずはハードドライヴィンな「Liquor and Pussycat, Fool」でスタート。JADESTERはこの厚みのあるツインギターがたまらない。どこか温かくて気持ちが良い。ヘヴィロックやヘヴィメタルのようなエキサイティングなツインギタースタイルではなく、ギターサウンドもそれほど歪んでいない。それなのにパワフルで熱く、これほどエモーショナルなバンドはなかなかいない。

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青柳慎太郎蓬田政志のギターバランスは実に絶妙で、ロックしているのに押し付けがましくない。これはすごい。続いて私の好きな「マゾヒスティック・ドライヴ」へ。このリズムがたまらない。流れるようなベースラインに腰が自然と踊りだす。土橋直樹のベースサウンドは、芯のある極太系でありながら、フレーズがよく聴こえる。潰れてしまいそうな低音フレーズも、すごく良く聴こえる。サウンド作りだけでなく、弾き方が上手い。

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続く「邪悪なJOKER」は、幅広い音楽性を集約したナンバーだが、広瀬一磨は余裕の表情で正確なリズムを刻む。どのようなビートにも対応できるマルチな才能を感じる。そして「I am a Blackstar」へ。このメロディとギターのカッティングは、いかにもJADESTERらしく実にカッコ良い。本当に取材を止めて、冷たいビールを飲んでフロアで踊りたい。蓬田政志の詞の世界は独特で、どのようなタイプのナンバーでも、歌詞が耳にスーっと入ってくる。これもJADESTERの大きな魅力だろう。

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韻を踏んだ「NEIGHBOR PSYCHO」の歌詞がハッキリと聴こえる。ハーモニーが印象的なサビのナンバー。オーディエンスの肩が見渡す限り揺れている。土橋直樹のベースラインも最高だ。そのままアグレッシブな「TRAPSTER」へ。このナンバーがラストのようだ。青柳慎太郎は凄腕のギターテクニックを見せつけるようなことはせず、あくまでJADESTERというバンド全体をオーディエンスに伝えることに専念。実に素晴らしいギタリストだ。本当にJADESTERの演奏は、文句のつけようがない。

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JADESTERというバンドは、青柳慎太郎のコンポーザー・メロディメーカーとしての才能を、広瀬一磨土橋直樹が作り出すグルーヴの上に、蓬田政志が歌うことで完成させている。特に蓬田政志の歌は、一度聴いたら忘れない個性を持っている。JADESTERの私の印象を一言で表現するならば、“新しく、懐かしい”といったところか。今夜のセットリストには入っていないが、「FARAWAY」「River」というナンバーの素晴らしいメロディをライヴで聴きたかった。

この日は他の出演バンドもいたので、JADESTERだけに時間をもらえないことは理解できる。持ち時間でベストを尽くすのもバンドの役目。ただ、オーディエンスの視点で考えると、もっと多くの曲数をプレイしてほしい。セットリストのナンバーが、今夜の倍くらいあってもおかしくないバンドだ。消化不良を解消するには、最低でも10曲以上のステージが観たい。口ずさめるメロディが多いからなのか、なぜか余計に短く感じる。JADESTERのこれからの展開に期待して、ビーストも応援していきたい。

JADESTER/NEIGHBOR PSYCHO



Photo Gallery(写真をクリックすると拡大します)
  • 土橋直樹
    土橋直樹
  • 蓬田政志
    蓬田政志
  • 広瀬一磨
    広瀬一磨
  • 青柳慎太郎
    青柳慎太郎


◆JADESTER 公式サイト
http://www.jadester.net/
◆JADESTER myspace
http://www.myspace.com/jadester1008
◆インフォメーション
2010年08月21日(土)【札 幌】Sound lab mole
2010年09月18日(土)【札 幌】SUSUKINO 810
2010年10月17日(日)【札 幌】KRAPS HALL ★ワンマン

◆セットリスト
M01. The Birth of the Beginning
M02. Liquor and Pussycat, Fool
M03. マゾヒスティック・ドライヴ
M04. 邪悪なJOKER
M05. I am a Blackstar
M06. NEIGHBOR PSYCHO
M07. TRAPSTER


★読者プレゼント★
JADESTERのメンバーが使用したピックとスティックを、1つずつ全メンバー分を1セットに、2セット用意しました。抽選で2名様にプレゼント!(9/15締切)
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