演奏

“KING-NIKU KOMACHI 2009”中山加奈子ソロ・ライブ With本城聡章『Chapter 3』

TEXT:山崎光尚 PHOTO:万年平男

2009年10月10日「渋谷eggman」にて行われた、元プリンセス・プリンセスのギタリストで現在はソロ・作詞家として活動する中山加奈子さんのライブを、私ライター山崎がレポート!毎回様々な形態で趣向を凝らしたライブを行う加奈子姉さま(以下姉さまと表記させていただきます!)。今回は過去二回行われた、ギターに筋肉少女帯本城聡章(以下おいちゃんと表記させていただきます!)氏を迎えてのシリーズギグ、その名も“KING-NIKU KOMACHI 2009”です。ベースに曽我“JETTSOUL”将之 dragon soul HeadsREGINA)、ドラムに原治武空メカニズム)を従え、怒涛のロックナンバーが渋谷の夜にこだましたぁ!

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弾丸のようなギターカッティングで始まった一曲目は、ファンにはお馴染みの「ヴィシャス・サークル」。サビでは早くも大合唱が起こりました。そしてたたみ掛けるように、ヨコのりのベースラインから始まる定番曲「憂さ晴らし」へ。場内はまさに憂さ晴らしをするかのようにヒートアップ!!大歓声の中、メロウなギターのイントロが印象的な新曲、「無知と執着」を披露。妖艶な雰囲気の中、サビで一気に盛り上がる構成が圧巻!「たくさん新曲を持ってきました。自由に楽しんでください!」と、さらに新曲「凍る花」へと続きます。姉さまのハスキーボイスとおいちゃんの野太い声との絡みが、実に心地よいです。そう、今回お披露目となる新曲はすべて、『作詞:中山加奈子/作曲:本城聡章』によるもので、前述の二曲を聴いただけで二人の相性のよさを抜群に感じ、“KING-NIKU KOMACHI”の無限大の可能性を垣間見ました。

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続くはVooDoo Hawiiansの曲「咲かない花の種を持ってる」。歌詞の綴られた真っ赤なカードを掲げ、演奏に合わせ朗読するという独自のパフォーマンスを見せる重厚なナンバー。続く「ダーリン〜愛は生きているうちに〜」は、女の子のダーリンへの想いを素直に歌った歌詞が、かわいらしいです。ここでMC「私の中にもみんなの中にも闇がある。塞ぐような曲を4曲やります!「キミはゲス」!!!」。この新曲の強烈なタイトルに場内はドッと沸き!重戦車のようなリズムに姉さまの語りが乗り、サビでは「キミはゲス!」と高らかにシャウト!

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間髪入れずに「PINS」へと続きます。この曲はすでに、ニューアンセム的な位置にある楽曲だと思いました。この曲でも語り→シャウトという姉さま得意の手法が取られていますが、これは何よりも“言葉”に重きを置く、姉さまらしいスタイルなのではないでしょうか。さらに新曲の「Sheep want Sleep」。暴力的なベースラインにサイレンのようなギターが絡むイントロが印象的な、ハードコアナンバーでした。そしてこのシリーズギグならではの楽曲、筋肉少女帯の「カーネーション・リンカーネーション」へと突入。おいちゃんとの怒号のようなツインシャウトが、イカしてます!

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「どうもありがとう。暗かったでしょう(笑)?」と、暗黒タイムの終わりを告げ、次はアコースティックタイム。曽我“JETTSOUL”将之氏・原治武氏は一時バックステージに退き、おいちゃんと二人で弾き語りのスタイルに。「私とおいちゃんは昔、雑誌の企画でストリートライブをやったことがあってね。あの時の雰囲気を再現したいと思います」と、「水の懐」へ。艶やかな歌声が響きます。この時の二人の雰囲気は、ハードロック姉さん・兄さんの派手目な弾き語りといった感じです。再びバンドスタイルに戻ると、KISSの往年の名曲「Hard Luck Woman」のカヴァーを披露。二人で交互に歌い、サビではおいちゃんが主旋律を、姉さまがハモリをと、絶妙なコンビネーションを聴かせてくれました。

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そして後半戦。ポップロックナンバー「DIVE INTO THE BLUE SKY」と、攻撃的な新曲「CRASH RIDER」をプレイ。大興奮の渦の中、姉さまは黄色の羽を首に下げ、「ブライアンジョーンズのように」でロック!姉さまから見た、“ロック好きだったおっさん像”を痛烈に歌ったと思われる、痛快ロックンロールナンバーです!そしてリズムと「ドンドンドン!」という掛け声から始まる「BRAIN VS SPILIT」へ。首から下げた羽を客席に投げ込むと、ファンは当然物凄い奪い合い!場内興奮状態もピークに達したと思ったら、「最後の曲です。みんなにもこれがありますように。「バラ色の人生」!!!」と、ラストソングのアナウンス…。バイバイと手を振りながら、切なくも前向きな歌詞がグッとくる味わい深いロックンロールを、場内みんなで大合唱。

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「どうもありがとう!バイバイ!」。そう言い立ち去った姉さまに向け、「アンコール!アンコール!」と、惜しみのない声。数分後、メンバー全員『加奈子Tシャツ』に衣替えし登場してくると、さらに怒号のような声援が。破壊力抜群のパンキッシュな新曲「Break the Wall」、イギー・ポップのカヴァー「Real Wild Child」をバシッとキメると、「最後にもう一曲新曲を!「STARS」!!!」。アッパーなビートにキャッチーなメロディーが絡む、新たな定番曲になるであろうことを感じさせる名曲です。「また遊びに来て下さい。バイバイ!」と姉さまたちが立ち去っても、場内からはさらなるアンコール。

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すると、再びステージへと舞い戻ってきてくれました!「ダブルアンコールやらせていただきます!みんなの知っている曲を。「DEAR SISTER」!!!」とコールし、笑顔で歌う姉さまの姿に、目を潤ませているファンの姿も…。姉さま以外のメンバーが退いた後も、名残惜しそうにステージを離れない姉さま。そして何と「もう一曲やろうかな!」の一言が!しかし本編のMCで「飲んだらギターは弾かない」と言っていたおいちゃんが、「もう、飲んじゃったよ!」とビール片手に出てきて場内大爆笑!メンバー全員三度目の登場をすると、姉さまもビールを手に取り、「かんぱーい!」と、ほがらかなムードに。そして定番のこの曲!「おサケの唄」です。おいちゃんはタンバリン&コーラスで姉さまをサポート。そして「また、一緒に遊びましょ!」と、本当に最後の最後を告げ、遂に宴は終わってしまいました…。往年のファンも若きロックキッズたちも、この人のライブを体感したら、きっと鳥肌が立ったはず。この国には『こんなにカッコいいロック姉さんがいるのだ』ということを、きっと思わずにはいられないでしょう。姉さまの一撃は、本当に強烈です!

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【中山加奈子 公式サイト】
http://www.kanakonakayama.com/

【インフォーメーション】

2009年12月22日(火)横浜 7th AVENUE
2009横浜寿町越冬支援チャリティイベント 1st“Heart&Hertz”

2009年12月24日(木)渋谷 Live Bar 七面鳥
七面鳥クリスマス・パーティ「イブの狂宴」
※問い合わせは各会場まで