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TEXT:児玉圭一 PHOTO:KOJI
2009年10月3日、「福生UZU」でSISTER JET主催のライヴイベント『OUR WORLD』が、andymoriをゲストに迎えて行われました。 ブリティッシュ・ビート〜サイケデリック〜ニューウェイヴ〜インディ・ダンス経由の甘酸っぱくバーストするグルーヴィーなニューエスト・ロックンロールで21世紀の少年少女たちをダンスさせるSISTER 地元福生や、都内のライヴハウスを中心に活動してきた彼らは、2006年のFUJI ROCKフェスティバル「ROOKIE A GO-GO」ステージ出演で脚光を浴び、2008年6月にファーストEP『our first love EP』をドロップ。今年5月に発売されたデビューアルバム『三次元ダンスLP』(プロデュース・GREAT3片寄明人)を引っさげての全国ツアーを大好評のうちに終え、今年11月にリリースされる待望のNEW EP『JETBOY JET GIRL』への期待が高まる、現在大旋風を巻き起こし中のニュー・ジェネレーション・ロックバンドです。 本日のゲストバンドandymoriは、小山田壮平(Vocal&Guitar)、藤原寛(Bass)、後藤大樹(Drums)は、2007年秋、東京・西荻窪のタイ料理居酒屋「ハンサム食堂」で結成され、吉祥寺を中心に都内各所でライヴ活動を開始後、着実に動員を増やし、結成後わずか1年で、ファーストEP「アンディとロックとベンガルトラとウィスキー」を全国発売して話題の的となり、今年2月に他の追従を許さない、きわめてオリジナルな感性の輝きを放つ詩の世界と60〜00年代ロックの間を激しく振幅する、聴く者の心を捉えて離さない圧倒的な熱気を放つバンドサウンドがミックスされたデビューアルバム『andymori』をリリース後の今夏、各地のロックフェスに出演して話題を攫い、名だたるミュージシャン、写真家、映像作家等から絶賛の声を浴びている期待の超新星。 新世代ロックンロールを代表する2バンドの夢の饗宴を観るべく、自転車を駆って、「福生UZU」に着いてみると、既に100人以上の期待に満ちた表情を浮かべたファンが詰め掛けていて、両バンドの人気振りを実感しました。関東近県はもとより、静岡県から高速バスに乗って、福生まで駈け参じた熱狂的な女性ファンの方がいたのには驚きました。 アメリカ空軍横田基地のそばにある「福生UZU」は、SISTER JETが福生のヒッピーやロックンロール・フリークを相手に定期的にライヴを行っていたお店で、1975年のオープン以来、ジャパニーズ・ロックの聖地として、ストリート・スライダーズやZIGGY、JUN SKY WALKER(S)を輩出し、シーナ&ザ・ロケッツ、山口冨士夫、外道、クリエイションのメンバー等、そうそうたるミュージシャンが伝説的なライヴを繰り広げていた名門ライヴハウスです。
午後6時40分。ステージに登場し、シンプルな照明に浮かび上がったandymoriは、たおやかなギターリフが印象的な「アイ・ラブ・ユー・ベイビー」でスタート。続いて軽やかなカントリー&ウエスタン〜ロカビリー・フィーリングが心地よい「CITY LIGHTS」に繋がります。そして間髪入れずに彼らの所信表明的な名曲「everything is my guitar」が始まると、3人が一体となった“グルーヴの魔法”にかかったオーディエンスが、ゆらゆらと揺れ動きます。 ストイックな佇まいのクールなミスター・ベースマン藤原寛は、フェンダー・ジャズベースを指弾きでブンブンと唸らせて、グルーヴメイカー後藤大樹は、細い身体を鞭のようにしならせて強く激しくドラムを叩き、そして、繊細かつアグレッシヴなギタープレイを聴かせる小山田壮平は、澄み切った瞳をカッと見開き、唇をマイクに近づけて吟遊詩人のように蒼い言霊を紡ぎます。そのままバンドは疾走感溢れる「僕が白人だったら」をフルスロットルでプレイ。 「andymori、福生初上陸です!よろしくお願いします・・・今日は18曲やりますので、ゆっくり聴いていて下さい!」硬質なベースラインがスリリングな「サンセットクルージング」、未CD化のナンバー、「Transit in Thailand」「バクダッドのボディーカウント」のあと、鮮烈な印象を受けた新曲が紹介されます。 「次に演る新曲は“1984”ってタイトルなのですが・・・僕は1984年生まれの25歳で、SISTER JETのメンバーもだいたい同い年の筈なのだけど・・・僕等の世代って、何かフワフワしているよなぁって思って、出来た曲です!」ライヴは中盤戦に入り、ダンサブルなモータウン・ビートが跳ねる「ビューティフルセレブリティー」、「モンゴロイドブルース」、新曲の「ずっとグルーピー」、「僕がハクビシンだったら」をスピーディーにプレイ。
「福生にも通っていると思いますが、僕の大好きなオレンジ色の電車、中央線のことを歌った曲です!」アイロニカルなブランニュー・ラヴソング「オレンジトレイン」、「青い空」とミディアムナンバーが続いたあと、「安い安い安いウイスキーで全部、丸1日無駄にしてしまうような」というフレーズが、酒飲みの僕には身につまされる「ベンガルトラとウイスキー」が炸裂し、程無くして後藤大樹が、「FOLLOW ME」の始まりを告げる凄まじいドラムソロを叩き出します。 21世紀のロックンロールに新しい生命感を与えてくれたキラーチューン。凄まじいエネルギーと溢れるパッション、切ないメロディーがほとばしる「FOLLOW ME」は、僕にビートルズやザ・フー、ジミ・ヘンドリクス、ザ・ジャム、クラッシュ、ラモーンズを初めて聴いた時の衝撃と感激を瞬時に思い出させてくれるナンバーです。日々の糧となるロック衝動が色褪せてしまいそうになる時、厄介な日常を乗り切って何とか生き延びてやろうと思う時、僕はandymoriのアルバムに針を落とし続けることでしょう。 パンキッシュなビートが、去り行く夏の刹那的なラヴアフェアを彩る「すごい速さ」、ザ・バーズを思わせるキラキラしたギターサウンドと「10年経ったらオモチャもマンガも捨ててしまうよ。 life is party 気にしないでいいから」という歌詞が切なくも美しい「Life is party」を演奏し終え、新世代ロックンロールの申し子達、andymoriの3人は、全18曲、45分のライヴを全力で駆け抜けました。
【andymori 公式サイト】
andymori セットリスト
1.アイラブユーベイビー 【インフォーメーション】 しばしのインターミッションの後は、いよいよSISTER JETの出番です。彼らの古巣、福生のキャヴァーン・クラブ的な存在である「福生UZU」のステージに帰って来た3人は、ステージ前に詰め掛けた、押さえ切れないほど心を騒がせているオーディエンスに向けて満面の笑みを浮かべ、アップ・リフティング・チューン「I know」でライヴの幕を切って落としました。
「ガールフレンドをDJに盗られてしまった・・・」という内容のマジカルな浮遊感を感じさせる「DJ song」に続いて、タイトなスタックス・ビートとシュガープラムのように甘美なサビのメロディーに持って行かれてしまう「ラヴコメ」へ。ブライアン・ジョーンズ・ヘアカットがよく似合うWATARU.Sは、前のめりになって、テレキャスターを流麗にプレイしながらドリーミーなハーフヴォイス。 キンクスのレイ・ディヴィスよろしくウェイタースタイルの赤い蝶ネクタイがトレードマークのダンシング・ベースマンSHOW.SKBは、フェンダー・プレシジョンベースをぐっと下げ、腰にぴったり押し付けながらメロディアスなベースライン。切れ味鋭いダンサブルなリズムを生み出すKENSUKE.Aのドラミングは、まるでストーン・ローゼズのレニのよう。万華鏡のようにカラフルでユーフォリックなSISTER JETのヴァイヴに煽られたボーイズ&ガールズはビートに合わせて踊りまくりです。 ジョン・レノンがポール・マッカートニーと初めて会ったときに歌ったという、イギリス民謡の主人公をモチーフにした新曲「マギーメイ・ブルース」が披露され、とびきりのコズミック・パーティーチューン「JETBOY JETGIRL」がフロアーの温度を一気に上昇。WATARU.Sが「みんな、今日は何曜日だっけ?そう、土曜日、サタデーナイト!」と告げたあとにプレイされた、ベイシティ・ローラーズ、珠玉のポップナンバー「Saturday night」の日本語ヴァージョンは、とても嬉しいサプライズ!まさに熱狂乱舞。 「いやー、今夜、UZUにこんなに一杯の人たちが来てくれたなんて信じられないよ・・・今日は早めの時間にライヴが始まりましたが、最初の頃は、お客さんが1人2人来てから、ようやく始まることがよくあって・・・そう、そう、前にここで対バンしたバンドのメンバー同士が、ステージでケンカを始めたこともあった。それをSHOW.SKBが仲裁しようとして、とばっちり喰って殴られて、目の周りに青タンを作っちゃったことがありまして。そのバンドは、ライヴ中なのにお店の裏庭でバーベキューをやったりしていて!さすが福生、凄いよね!限りなくアメリカに近い福生・・・ここはアメリカに1番近いライヴハウスです!」
WATARU.Sは、満員の客席を感慨深げに眺め、福生ならではのエピソードを披露。そしてリチャード・バックの小説をモチーフにした新曲「カモメのジョナサン」の緩やかなサイケデリアが店内を極彩色に染め上げたあとは、ライヴ事前に募ったカヴァーソングリクエストで特に人気が高かったザ・キュアーの「Boys Don’t Cry」!WATARU.Sが日本語詞をつけた、ビタースイートな永遠の青春アンセムは、SISTER JETにぴったり。 スタンリー・キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」に出て来るコンピューターのことを歌ったスペーシーな名曲「HAL」、シャッフルビートが豪胆に響き渡る「to you」、そして、とっておきのウイークエンドアンセム「La La Dance」の全能感溢れるダンスビートの熱が沸点に達してオーディエンスを揺れ動かすと、エクスタシー状態のSHOW.SKBはフロアーに飛び降りて、ファンに囲まれながらベースを弾きまくり、その傍らではビートに酔った男性客がポゴダンスを踊り始めるという圧倒的な盛り上がりの中、ライヴ本編は終了しました。
アンコールの手拍子に乗って、再び楽器を手に取った3人は、初期の頃からSISTER JETを応援していた常連客と今夜集まった多くのファンにチャック・ベリーの「Johnny B Good」を捧げ、最後に彼らのホームグラウンドである「福生UZU」のエリコオーナーをステージに招き、アコギを抱えたエリコオーナーと一緒にユーミンの「ルージュの伝言」をとても楽しそうにプレイして、今夜の凱旋ライヴイベントを締めくくりました。 イベント後、店の外で多くのファンと歓談しているSISTER JETとandymoriのメンバーを眺めながら、僕は昨年、福生のライヴハウスで偶然お会いした伝説のギタリスト山口冨士夫さんの言葉を思い出していました。 「世界は日本のロックバンドを待っているのだよ・・・もう10年くらい前からね・・・」 Today is you tomorrow the world……SISTER JETとandymori。未来のロックワールドを制覇するのは、この2つのバンドなのかもしれません。是非彼らの曲を聴いて、ライヴを体験してみてください。彼らが奏でるニュー・ジェネレーション・ロックンロールは、必ず、あなたの胸を撃ち抜くことでしょう。
【SISTER JET 公式サイト】
SISTER JET セットリスト
1.I know en1.Johnny Be Good (Chuck Berry) 【インフォーメーション】 |