演奏

R&R CIRCUS TOUR 2010

TEXT:桜坂秋太郎 PHOTO:株本和美

2010年5月6日(木)、ビーストではおなじみの渋谷O-EASTへむかうため、渋谷の雑踏を足早に駆け抜ける。直前まで宮益坂のとあるオフィスで打ち合わせをしていた。同じ渋谷とはいえ、何気に時間がかかる。一目でパンクスとわかるファンの列をかき分け会場入り。開場時間を過ぎているため、すでに多くのオーディエンスが詰めかけている。今日は『R&R CIRCUS TOUR 2010』と題されたツアー最終日。日本が誇るパンクバンド、LAUGHIN’NOSEを中心にしたスペシャルな4バンドによるステージだ。
 
80年代から日本のパンクロックシーンを牽引してきたレジェンドクラスのパンクロッカー達を中心にして、これだけのアーティストが集結したツアーの最終日となれば、盛り上がらないわけがない!開演時間が近づくにつれオーディエンスは増え続け、大入り満員で熱気がすごい。連休明けの平日とは思えない風景だ。オーディエンスの層は、リアルタイムで日本のパンクロックを支えてきた感じの人が多いようだが、今の10代や20代前半の若者にも、このレジェンドを体験してほしい、そのためにはどうしたらいいのだろうか。そんなことを考えながら開演を待つ。

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1バンド目はRADIOTS。メンバーは、YOSHIYA(Vocal)・HIROMITSU(Guitar , Mandolin & Vocal)・ANTON(Bass & Vocal)・YUKI(Drums)。スタートは「DREAM OF WORLD」から!これはたまらない。オーディエンスはいきなりの大興奮。以前のレポートにも書いたが、RADIOTSの魅力は楽曲の幅が広く飽きがこないこと。セットリストには、新譜の4th DEMO SINGLEから「BLAST JET TWISTER」と「COULDA WOULDA SHOULDA」が入っているが、これも素晴らしい。RADIOTSの熱演に応えるように、オーディエンスのダイブが続く。ステージ前には6人の男がガードマンをしているが、オーディエンスはおかまいなしだ。2007年の結成から怒涛の活動を続けているRADIOTSは、今もっとも注目すべきパンクバンドだと思う。パンクロックが好きで、RADIOTS未体験の読者は、即体験してほしい。好きになること間違いない!YOSHIYAは完全に会場を暖めて、後続のバンドへバトンタッチ。
 
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■RADIOTS 公式サイト
http://www.radiots.net/
■セットリスト

M01. DREAM OF WORLD
M02. LIFE FOR ME
M03. MILLION MIRRORS
M04. NO NAMED SKY
M05. ALL OR NOTHING
M06. BLAST JET TWISTER
M07. ONLY YOU
M08. COULDA WOULDA SHOULDA
M09. SEXY AND VIOLENT
M10. BORN TO BE CRAZY
M11. DESTROY
M12. UPRISING

■インフォメーション

2010/06/28(月)【下北沢】SHELTER
2010/07/07(水)【十 三】FANDANGO
2010/07/08(木)【今 池】HUCK FINN
2010/07/24(土)【有 明】DIFFER ARIAKE
RADIOTS VIRSUS SUMMER TOUR 2010-ALL 2 MAN LIVE!!!-
2010/08/24(火)【名古屋】ZION
2010/08/27(金)【心斎橋】KING COBRA
2010/09/01(水)【下北沢】SHELTER
2010/09/02(木)【下北沢】SHELTER

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2バンド目はSAaka.Samurai Attack)。メンバーは、TAISEI(Vocal)・NAOKI(Guitar)・KEN(Bass)・SHOHEI(Drums)。SAコールに乗ってメンバーが登場。私が一番最初にパワフルなTAISEIのヴォーカルを知ったのは、BAD MESSIAHというメジャーバンドだったが、彼の歌はSAで完全に花が開いたと思う。この歌の威力は凄まじい。アルバムも聴いてほしいが、生でこの威力を感じてほしい。そして日本のパンク生き字引、NAOKIのギターはなぜこんなにも心を揺さぶるのだろうか。演奏が進むにつれ、缶ビールが次々と宙を舞う。2Fの関係者席から1Fを見ると、黒いパンクTシャツのコーヒーの中に、白いパンクTシャツのクリームが、グルグルと回っている。良く見ると肩車をしてグルグルしているオーディエンスもいる。あっという間にラストナンバーの「YOUTH ON YOUR FEET」。これでもか!という男っぷりを見せつけてくれる。

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■SA 公式サイト

http://sa-web.jp/

■セットリスト


M01. STANDING4
M02. GO BARMY KIDS
M03. サマーホリデイズスカイ
M04. DESTROY No.9
M05. CLIMBER’S SONG
M06. RAIN DOGS
M07. DON’T DENY.GIVE IT A TRY!
M08. DELIGHT
M09. YOUTH ON YOUR FEET

■インフォメーション

2010/06/15(火)【代々木】Zher the ZOO
2010/06/20(日)【豊 橋】ell.KNOT
2010/06/27(日)【高円寺】HIGH
2010/07/02(金)【清 水】JAMJAMJAM
2010/07/03(土)【心斎橋】KING COBRA
2010/07/05(月)【松 坂】マクサ
2010/07/16(金)【岐 阜】BRAVO
2010/07/18(日)【福 岡】DRUM Be-1
2010/07/19(月)【広 島】LIVE CAFE BORDER
2010/07/24(土)【有 明】DIFFER ARIAKE
2010/08/08(日)【名古屋】CLUB DIAMOND HALL

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3バンド目はCOBRA。メンバーは、YOSU-KO(Vocal)・LINA(Guitar)・YUICHI(Bass)・RYU(Drums)。惜しまれつつ、二度の活動停止を経験。そして復活。現メンバーのCOBRAを観るのは初めてだが、思った以上の演奏力だ。そしてCOBRAといえばシンガロング(※サビ等をアーティストと共に歌う行為)大会。演奏するナンバーすべてに、オーディエンスの声が聞こえる。振り向くと2F後方のロビーまでオーディエンスで埋まっている。「SING ALONG TOGETHER」では泣いている女性ファンを見かける。COBRAの楽曲が人生において重要なポジションにあるのだろう。サッカーチームの公式ソングにいくつも起用されるほど、COBRAの歌はポピュラーなものが多い。YOSU-KOという個性的なパンクシンガーは、日本の宝。もっと多くの人にこれからもシンガロングさせてほしい。そして新しい時代をまた作ってほしい。まだまだイケる。

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■COBRA 公式サイト

http://oithecobra.com/

■セットリスト


M01. ON THE STREET
M02. Oi Oi モンキーブルース
M03. TOKIO RIOT
M04. LIFE WAR
M05. オレたち
M06. あの娘はエイリアン
M07. SING ALONG TOGETHER
M08. Oi Oi Oi
M09. Oi TONIGHT

■インフォメーション

2010/06/19(土)【足 利】Club South BBC
2010/06/20(日)【豊 橋】ell.KNOT
2010/06/26(土)【津 山】STUDIO K2
2010/06/27(日)【出 雲】APPLO
2010/07/03(土)【名古屋】CLUB UPSET
2010/07/10(土)【渋 谷】CHELSEA HOTEL
2010/07/18(日)【福 岡】DRUM Be-1
2010/07/25(日)【心斎橋】KING COBRA
2010/08/08(日)【名古屋】CLUB DIAMOND HALL
2010/09/05(日)【和歌山】PREGO -night rush-

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次はいよいよトリ。4バンド目はLAUGHIN’ NOSE。メンバーは、CHARMY(Vocal)・BELLEY(Guitar)・PON(Bass)・KYOYA(Drums)。もはや説明不要、まさに言わずもがな。LAUGHIN’ NOSEが日本のロックシーン(特にインディーズシーンの活性化)を底上げしたことは事実で、功績は計り知れない。私も今まで何度ステージを観てきたかわからない。ライヴハウスと野音(日比谷野外音楽堂)の印象が強いが、大型の室内で観るのはかなり久しぶり。「聖者が街にやってくる」のスタートと同時にオーディエンスは爆発状態!私もプライベートならきっと大爆発!自分自身のメタボが恥ずかしいくらい、LAUGHIN’ NOSEのメンバーはカッコいい。そしてCHARMYのこの色気は何なんだ。80年代から何も変わってないセクシーさ!LAUGHIN’ NOSEが今この瞬間も現役なことに、素直に感謝したい。

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■LAUGHIN’NOSE 公式サイト
http://www.laughin.net/
■セットリスト


M01. 聖者が街にやってくる
M02. SUBMARINE TROUBLE
M03. A SAIN REVOLUTION
M04. ブットバセ
M05. R&R DESIRE
M06. REGENERATION
M07. HELL HOME
M08. SCENE DEATH
M09. BROKEN GENERATION
M10. LAUGHIN’ROLL
M11. PUNK MAN
M12. PARADICE
M13. GET THE GLORY-encore
M14. R&R CIRCUS-encore

■インフォメーション

2010/06/19(土)【安 城】夢希望 RADIO CLUB
2010/06/20(日)【福知山】SOUND RATT
2010/07/02(金)【高円寺】HIGH
2010/07/04(日)【 柏 】PALOOZA
2010/07/14(水)【滋 賀】U★STONE
2010/07/15(木)【岡 山】CRAZYMAMA 2nd Room
2010/07/17(土)【福 岡】DRUM Be-1
2010/07/19(月)【大 阪】KING COBRA
2010/07/20(火)【三 重】KING COBRA
2010/07/30(金)【新 宿】LOFT
2010/08/07(土)【山 形】赤倉温泉スキー場
2010/08/08(日)【名古屋】CLUB DIAMOND HALL
2010/09/05(日)【和歌山】PREGO -nightrush

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『R&R CIRCUS 2010』このツアーがどれだけ最高だったのか、この最終日の出演者の笑顔に表れている。まさに最高の一言につきるだろう。終演後も完全燃焼したオーディエンスが、あちこちで息を整えている。歌いすぎて声が出ないと、かすれた話し声が聞こえる。汗だくで体に張り付いたTシャツを、買ったばかりのアーティストTシャツに着替えている。ビールを2本買って、両手で2本飲んでいる。ライヴは、もちろんその演奏の瞬間が命なのだが、こうして終演後の余韻もまた醍醐味の一つだと思う。
 
LAUGHIN’NOSEで印象に残ったのは、“メンチのナンバー”でダイヴするBELLEYの代わりに、NAOKIがギターを弾いてくれたこと。こういうサプライズがあると、ファンはたまらない。アンコールでは出演者が全員舞台袖に集まったと思ったら、ダイヴしたり歌ったり。そして『R&R CIRCUS』を一緒に作り上げたメンバー全員でのカーテンコールは、まさに圧巻。レジェンドはまだ終わらない。一人でも多くの人に、次の『R&R CIRCUS』へ足を運んでもらいたい。オールスターズによる素晴らしい時間を過ごせることは約束されているのだから。