演奏

Hughes & Kettner 25th Anniversary SPECIAL ROCK NIGHT

TEXT:児玉圭一 PHOTO:KOJI

Alex Lifeson (Rush)、Tommy Thayer(KISS)、Allan Holdsworthなど多くの有名ギタリストが愛用しているブランド“ヒュース&ケトナー”の生誕25周年を祝うライヴイベント『SPECIAL ROCK NIGHT』が、2009年11月29日に下北沢GARDENにて開催されました。ドイツ職人気質ならではのクォリティと信頼性を誇るブランドは、いったいどのようなイベントを展開するのでしょうか!当日の様子をレポートします。

ヨーロッパの「ストラトキング」ことThomas Blug(以下Thomas)は、ドイツではセッションギタリスト兼“ヒュース&ケトナー”のアドバイザー。対するは日本の大御所ロックギタリスト、 BOWWOW山本恭司(以下恭司)。そしてバンドは、theCYCLESupeが出演です。ゲスト予定2名は、クレイジーケンバンド小野瀬雅生が体調問題で残念ながら欠席。もう1名GALNERYUSSPINALCORDで活躍中のSyuを迎えてのイベントとなりました。

ステージにところ狭しと並べられた“ヒュース&ケトナー”アンプの数々が、オーディエンスの期待とテンションをマックスまで高めます!

午後5時。SEが途絶え、暗転したステージに登場したのはSupe。ロサンゼルスのロングビーチを拠点に活動中のラウドメタルバンドです。オープニングナンバー「Divided」が始まるなり、ステージ前に詰め掛けた女性ファンたちは歓声をあげ、高速に髪を振り回すヘッドバンギングをキメてバンドのプレイに応えます。

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続いての「Let Bodies Scream」では、ARI(Guitar)、Takeshi(Guitar)、Toru(Bass)がステージ上をスポーティーに動き回り、RyoZ(Drums)がタイトなリズムを叩き出します。Kihiro(Vocal)は、しなやかさとドライヴ感溢れる歌とステージアクションで聴衆を煽り、曲はメタリックかつ歯切れの良いリズムが印象的な「SPIN」へと雪崩れ込みます。

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そして、ここで早くも大御所が登場。Kihiroが「大先輩をお招きします。みんな、こんな共演はめったに観れないよ!」と紹介したのは、 YAMAHA HR-CUSTOMをカッコよく構えて現れた恭司。壮大なスケールのミディアムナンバー「Manipulated Media」での熟練の殺気と創意に満ちたギターソロは、聴衆を熱狂へと誘います。

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ステージは終盤へ向い、圧倒的なパワークランチャー「Perfect Libra」、「Cyber City」が炸裂し、場内は更にヒートアップ。アメリカで相当数のライヴを重ねてきたSupeの全身に震えが走るようなモダンなラウドメタルショーは、アッパーチューン「Jemini」で鮮烈なエンディングを迎えました。

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【Supe 公式サイト】
http://www.supe-web.com/

【セットリスト】
01. Divided
02. Let Bodies Scream
03. SPIN
04. Manipulated Media
05. Perfect Libra
06. Cyber City
07.Jemini

セットチェンジ後、ステージに現れたのはtheCYCLEPANTHER(Guitar)、M.KENJIROU(Bass)、JOE(Drums)というSEX MACHINEGUNSで活躍したメンバーを中心に、2006年に結成。今年3月にKouzy(Vocal)が新加入したヘヴィメタルバンドです。

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スペーシーなナンバー「天地」がSEで流れ、1曲目「Slave’n’Brave」が始まった瞬間に起こった大歓声。多くのファンがtheCYCLEの登場を待ち焦がれていたのでしょう。オーディエンスの鼓動が会場の空気を揺らします。

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PANTHERの切れ味鋭いギタープレイ、M.KENJIROUの地を這う大蛇のようにうねるベースリフ、ドラム魔神JOEの豪放かつ的確なプレイは、オーディエンスの身体を激しく揺れ動かします。ステージ上を軽やかに飛び回るKouzyは、伸びやかなハイトーンヴォイスでオーディエンスに迫ります。必殺のモッシュナンバー「ラヴポーション」をシャウトするKouzyの前に、女性ファンの振り乱した髪が踊ります。

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メロディアスなバラード「Eternal Rain」がヒートアップした場内を優しく包んだ後は、爆裂チューン「核(コア)ファイター」。容赦なく畳み掛けるようにラスト曲の「Air Force」へ。研ぎ澄まされた凄まじい音の塊が、聴覚を激しく揺さぶり、theCYCLEのライヴは終了しました。

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【theCYCLE 公式サイト】
http://cycle-beat.net/

【セットリスト】
01. Slave’n’Brave
02. ラヴポーション
03. Eternal Rain
04. 核(コア)ファイター
05. Air Force

次は今夜のメインアクト!恭司 & Thomas スペシャルバンドの出番です。恭司Thomasのツインリードに、リズム隊はtheCYCLEM.KENJIROU & JOEという特別な編成。メンバーが登場すると、オーディエンスは割れんばかりの拍手で迎えます。「OK、お待たせ!かなりヘヴィーなバンド達の素晴らしい演奏の後で、僕はインストを中心にギターをたっぷり聴いてもらおうかなと…Are you ready?」

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JOEのドラムを合図に始まったオープニングは、Jeff Beckの名曲「Led Boots」です!ThomasJeff Beckと同じ1961年製のフェンダー・ストラトキャスターを抱え、アーミングを多用した灼熱のプレイ。まさにヨーロッパのストラトキング!対する恭司はブルージーかつスリリングなプレイで応戦。スーパーセッションの火蓋が切って落とされました。

2曲目はThomasのオリジナル「Have You Ever Been To Strawberry Fields」。70年代ロック色の濃いサイケデリック・ジャムの後は、恭司が泣きのギターで魅せる「River Of Time」。渾身のプレイは圧巻の一言。僕はFunkadelicEDDIE HAZELを思い浮かべました。

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M.KENJIROUのファンキーなスラッピングベースから始まるストレート・アヘッドなロックナンバー「FLASH」はThomasの独壇場。「Thank you、Thomas!強力だよね。Thomas凄い!」メロディアスでスリリングな展開を聴かせるM.KENJIROUのベースソロも実に素晴らしい!

白熱のギタープレイの後、感激の面持ちのThomasが日本の聴衆に感謝の言葉を述べます。「まるでヨーロッパの僕の家でプレイしている感じです…とてもフレンドリーな人々の前で演奏出来てとても嬉しい!地球の反対側から、あなた達の為にプレイしに来ました!楽しんでいって欲しいと思います」

続いて恭司が反応します。「僕と“ヒュース&ケトナー”の出逢いは、あるシンガーのプロデュースをマレーシアでやって、ATTAX200というアンプを使い始めた時。僕はTRIAMP MK Iを使っていて、Thomasは新しいTRIAMP MK II。(アンプヘッドで蒼く光るロゴマークを見つめて)・・・綺麗だよね。Thomasはシングルコイルで僕はハムバッカー。全然違うサウンドのキャラクターなのだけど、これがまた良い感じだと思わない?さあ、次は僕とThomasが大好きなJimi Hendrixの曲を聴いてください」

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永遠の名曲「Little Wing」の哀切なギターフレーズが場内を60年代にタイムスリップさせます。恭司が超高速弾きギタリストSyuをステージに招きます。すぐさま、初期BOWWOWの代表曲「Signal Fire」のイントロを弾き出し、恭司とともに鳥肌が立つような凄まじいギターバトルを展開。「Syu!…やったね!今日、初めてリハーサルをやったばかりなのに!これは僕が19歳の時に書いて、相当年季が入った曲だけど、今でもカッコいいよね」

続いてStevie Wonderの「Superstition」では、theCYCLEPANTHERが参加。トリプルギターでのヘヴィーファンクでフロアーが揺れます。そのままBilly Cobhamのジャズロックナンバー「Stratus」へ。Jeff Beckの名演でも名高いこの曲では、恭司Thomasのファンキーなギターの掛け合いがスリルに満ちています。

ライヴ本編の最後は、Steppenwolfの「Born To Be Wild」。定番中の定番、ロックのクラシックソングが華々しくプレイされ、スペシャルバンドがステージを去ります。アンコールの大歓声に応えてステージに登場したのは、恭司ThomasPANTHERM.KENJIROUJOEKouzyARITakeshiKihiroSyu!総勢10人でプレイされたのはLed Zeppelinの「ROCK AND ROLL」。6人のギタリストによる音の壁の波動が、拳を振り上げるオーディエンスを震わせます。超がたくさん付くような盛り上がりの中、“ヒュース&ケトナー”の生誕25周年『SPECIAL ROCK NIGHT』はフィナーレを迎えました。

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【BOWWOW 公式サイト】
http://www.wildland.co.jp/bowwow/

【Thomas Bulg 公式サイト】
http://www.thomasblug.de/

【セットリスト】
01. Led Boots
02. Have You Ever Been To Strawberry Fields
03. River Of Time
04. FLASH
05. Little Wing
06. Signal Fire
07. Superstition
08. Stratus
09. Born To Be Wild
◆アンコール
ROCK AND ROLL

一夜限りのスーパーセッション後のステージ上には、恭司が「アンプの向こうにLAの夜景が見える」と叙述した、ネオンサインのように輝く“ヒュース&ケトナー”のアンプが雄々しくそびえ立っています。

ジャズやフュージョン、ファンクに欠かせない繊細なクリーントーンとファットなドライヴ感に満ちたハーモニックディストージョン。新世代ラウドロックやメタルバンドにぴったりの歯切れの良いクランチと強力な歪みをそなえつつ、決して音痩せしないゲイン。そして、往年のブルース/ハードロックのダイナミックな音質を忠実に再現するオーバードライヴ。幅広い音楽ジャンルに対応するスペックを備えた“ヒュース&ケトナー”アンプが、常により良い音色を追い求めているギタリストたちを、至高のギターサウンド探求の旅に誘っているかのように見えました。

モダンなラウドメタルバンドSupe、ヘヴィメタルの王道を行くtheCYCLE、超人的ギタリストSyu、そして日本が誇るロック界のカリスマ恭司。本国ドイツでアドバイザーも務めるThomas。今をときめくミュージシャンたちがこよなく愛する“ヒュース&ケトナー”の魅力を堪能できた夜でした。この蒼く輝くアンプをパートナーにすると、どのようなサウンドが飛び出すのか、もしあなたがギタリストなら・・・ぜひ楽器店でお試しください!

Hughes & Kettner 25th Anniversary Special movie


http://www.youtube.com/watch?v=xKrukowUTEk

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