特集

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TEXT & PHOTO:鈴木亮介

国内最大級の音楽事業会社であるソニーミュージックグループが9月2日から6日にかけて行ったインターンシップに密着取材!記事後半はインターン4日目、5日目の模様を紹介する。これから就職活動を始める皆さんにとって「やりたい仕事を考える、見つける」一助になれば幸いだ。
 
「ソニーミュージック」という社名を冠するだけあって、音楽分野が注目されがちだが、その他にも「アニメ」「キャラクター」など様々なエンタメ事業を手がける関連会社を多数抱えており、さらには音楽ファンなら誰もが知る大型ライブハウス、Zeppの運営やイベント企画事業を行う会社(Zeppライブエンタテインメント)もソニーミュージックグループに属している。
 
まるで宝石箱のようなキラキラ、ワクワクが詰まったインターンも残り2日だ。では早速、密着取材を再開しよう。
 

 

 

【4日目】 9月5日(木)
 キャラクタービジネス/メディアクリエイティブビジネス/音楽デジタルビジネス
キャラクタービジネス(ソニー・クリエイティブプロダクツ)

 
インターン4日目も、互いの顔がよく見える会議室での開催だ。集合30分前になると、徐々に学生たちが揃うのだが、この日はなぜか女子メンバーが一人も来ない…と思っていたら集合時間15分前にどっとみんなでやって来た!LINEのグループを作って連絡を取り合い、近くのレストランで”女子会ランチ”をしていたのだというから驚きだ。
 
さて、学生たちの前のテーブルに、誰もが一度は見たことのあるキャラクターのぬいぐるみがずらりと並べられた。4日目の冒頭は株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツの渡辺恵介氏が登壇し、「キャラクタービジネス」についてレクチャーが行われた。
 
「キャラクターを扱うビジネスというと、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべますか?」学生たちに問いかける渡辺氏。目の前にずらっと並んだぬいぐるみに象徴されるような、一般的に言う「キャラクターグッズの商品化」が代表的だが、その他にも広告、出版、映像、テーマーパーク、イベントなどキャラクターを使ったビジネスは多岐にわたる。「実はソニー・クリエイティブプロダクツではキャラクターグッズは(機関車トーマスのDVDを除いて)全く作ってないんですよ」と渡辺氏が話すと、学生たちは一様に意外!という反応を示す。
 
渡辺氏によると、キャラクタービジネスの肝となるのは「ライセンスビジネス」だ。例えばソニー・クリエイティブプロダクツがキャラクターの権利を持つ「ライセンサー」となり、様々な企業に権利を借す(それらの企業を「ライセンシー」と称す)ことで、例えば保険会社の広告に犬のキャラクターが登場したり、遊園地に機関車のキャラクターのテーマパークが登場したりとする。
 
こうした「ライセンサー」であるソニー・クリエイティブプロダクツの社会的意義は、何よりそのキャラクターの権利(ライセンス)をしっかりと守ることだ。加えて、キャラクターの権利を貸与/販売するだけでなく、キャラクターのブランド価値の向上や、自社で新たなキャラクターを開発すること、そして新たにキャラクターの権利を獲得することも彼らの重要な仕事となる。
 
例えば90年代から2000年代にかけてアニメ化されるほど人気を博した「うちのタマ知りませんか?(3丁目のタマ)」はソニー・クリエイティブプロダクツのオリジナルキャラクターだ。「小学生の計算ドリルにキャラクターを起用したのは”タマ”が初めてなんですよ~」と渡辺氏がドリルを見せると、学生たちからは「懐かしい~」「久々に見た!」と声があがった。
 
そして、キャラクターのブランド価値の向上の一例として渡辺氏は大変興味深い話をしてくれた。それは国民的、いや全世界的に愛されているキャラクター・スヌーピーについてだ。スヌーピーでおなじみ、漫画「ピーナッツ」は、本国・アメリカの権利元からソニー・クリエイティブプロダクツが2009年10月に日本国内における独占エージェント権(商品化権、書籍出版権、コミック配信権、アニメーションの放送権など)を獲得した。
 
ソニー・クリエイティブプロダクツでは若年層を中心にスヌーピーファンのさらなる獲得を目指して、伝統工芸品など従来はなかった斬新なコラボレーションを推し進めたという。さらに、「時流は女の子のキャラクターが人気。でもスヌーピーにリボンをつけたりしたら原作のイメージが壊れてしまうし…」と苦悩した結果、スヌーピーのきょうだいとしてコミックに一度登場した女の子「ベル」に注目し新たなアートプログラムを開発したのだという。
 
「キャラクタービジネスは全世界、全業界、全メディアが舞台になる」とその仕事の魅力を語る渡辺氏。ここまで熱心に耳を傾け、メモをとっていた学生たちもその熱意に動かされた様子。終盤の質問タイムでは「ロイヤリティはどうやって決めていくのか」「広告のコラボレーションは同じ業界のものが同時に幾つもあっても良いのか」「海外に売り出すためにどのような工夫をしているのか」等々、具体的な質問が次々と飛び交った。
 

◆プレゼンテーターインタビュー
渡辺恵介氏


 

---学生たちの印象はどうでしたか?

 
渡辺:僕自身キャラクタービジネスがどのようなものか会社に入るまで知らなかったように、学生の皆さんにとってもなじみのある分野ではないと思うのですが、割と興味を持って聞いてくれていたかなと思います。その意味では、すごく可能性のある業界なのかなと思います。
 

---今日の話の中で特に学生たちに伝えたかったポイントは何ですか?

 
渡辺:「キャラクター」というと何をやっている会社か分かりづらいと思いますが、いろんな業種、メディア、全世界が舞台に色んなことができるんだということを中心に話しました。キャラクターグッズを作っているだけの業界ではなくて、色んなことをやっている業界なんだということを伝えたかったですね。
 

---ご自身が就職活動をされていた頃を振り返って、ソニーミュージックという会社に対する当時の印象、またソニーミュージックを選んだ理由を教えてください。

 
渡辺:私が就活をした頃はバブルの絶頂期でした。色んな会社の面接をした中で、ここはちゃんと人を見ている会社だなと思いました。音楽だけでなく色んな可能性があるなと思ったのがソニーミュージックを選んだ決め手ですね。
 

---キャラクタービジネスという分野においてはどのような能力が求められますか?

 
渡辺:「ライセンス」が核になるので、自分一人だけでは何もできない仕事です。今何が流行っているか、どこと話せば何が実現するかということを敏感に感じ取れることが重要だと思います。会社に入ってすぐそうした能力を発揮するのは難しいですが、働きながら鍛えられていくところだと思います。
 

---最後に、これから就職活動を進める学生たちへメッセージをお願いいたします。

 
渡辺:色んな先輩から色々な話を聞いて自分に合った職業をしっかり見て勉強してもらえればと思います。1日、2日で受ける会社を決めなきゃいけない、ということもないと思うので、長い時間を使って色んな話を聞いて判断すると良いと思います。
 

◆株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツ
http://www.scp.co.jp/

創立年:1978年5月
ソニー・クリエイティブプロダクツはキャラクターを中心とした国内外の著作物・商標などの知的財産を開発・使用し、さまざまなマーチャンダイジングやサービス分野へのトータルマーケティングを行うプロパティビジネスを展開しています。
マーチャンダイジングの分野では、ビデオ・書籍・衣料・玩具・雑貨等、サービス分野では、放上映・イベント・アミューズメント・情報通信・セールスプロモーション・流通等を自社で直接、あるいは他企業への使用許諾(ライセンス)により総合的展開をはかっています。
<主要キャラクター一覧>
ピーナッツ/きかんしゃトーマス/ピングー/スポンジ・ボブ/リサとガスパール/ミスターメン&リトルミス/うさぎのモフィ/なまいきヴォルク/タマ&フレンズ/ジョエル・ロブション /ケアベア/ポップルズ/水森亜土 他
メディアクリエイティブビジネス(エムオン・エンタテインメント)

続いては「メディアクリエイティブビジネス」と題して、CSの音楽チャンネル「MUSIC ON! TV(エムオン!)」の運営や『PATi・PATi』『WHAT’s IN?』『デジモノステーション』『and GIRL』など雑誌、その他ウェブ・イベントなどメディア全般の事業を展開する株式会社エムオン・エンタテインメントが登場した。
 
エムオン・エンタテインメントの特長は、テレビ番組、雑誌、ウェブ、イベントなど様々な発信源(メディア)が単独ではなく、一社の中でクロスオーバーして立体的なプロジェクトを行うことができる点にあるという。たとえば「リスアニ!プロジェクト」では、アニメ音楽雑誌「リスアニ!」を中心に、ウェブサイト「リスアニ!WEB」、さらにテレビ番組(MUSIC ON! TVおよび地上波TOKYO MXにて放送中)「リスアニ!TV」などでの情報発信に加え、新人アーティストの発掘・育成やライブイベント「リスアニ!LIVE」ほかを開催し、「リスアニ(=listen animation)」という名の通り雑誌を読むだけでなく見聴きして体感できるような仕掛けが行われている。
 
プレゼンテーションを行った石毛克利氏は冒頭、エムオン!のロゴは佐藤可士和氏が制作したことや、雑誌『PATi・PATi』は拍手の音がその名の由来であることなど、”トリビア”を交えながら自社が手がける事業について紹介。そしてエムオン!の前田敦子を起用したステーションID(チャンネルのCM)シリーズが映画化されること、トヨタ自動車のIsisのCM制作にまつわるエピソードなど、「立体的なプロジェクト」を紹介した。
 
例えばある企業が新商品のプロモーションを様々に展開したいと考えている場合、映像制作力や編集力など得意分野を持つスタッフが結集しているエムオン・エンタテインメントでは「全部うちでできます」と言うことができるのだという。様々なノウハウを持っていることが自社の強みになり、またプロモーションの仕方という点でも各分野の弱点を相互補完することができるのだ。
 
メディアについては日頃なじみのある分野ということもあってか、学生たちからは鋭い質問が相次いだ。中でも「紙媒体がみんな読まなくなっていると言われる中で、これから(雑誌事業は)どうなっていくと思いますか?」という質問は、我々BEEASTにとっても他人事ではない話だ。石毛氏は「悲観はしていない。(『WHAT’s IN?』、『PATi・PATi』の発行部数は)最大で20万部近くだったものが現在は約5万部だが、読者が全部離れてしまったわけではなく、潜在的なファンはいると思っている。紙媒体とウェブはそれぞれに長所があり、持っていたいという「所有欲」や、個人的な思い入れを込めて読む「主体性」を満たすことができるのはウェブではなく紙だと考えているので、これからさらに紙離れが進むとは思っていない」と回答。
 
その上で、創刊から年月が経つとどうしても飽きられてしまうということもあり、この(現在の発行部数である)5万人が何を求めているのか、次に何を提示したら良いかを引き続き考えていきたいと語る石毛氏。発行部数が減少するとどうしてもネガティブなイメージでとられがちだが、決して「紙でできることが減っている」のではなく、むしろ「紙がもう一度盛り返す転換期」という認識なのかもしれない。その意味では、これからまさに就職活動をし、メディアの道に進んでいく学生たちにとっては、大きなチャンスに満ち溢れた時期と言えよう。
 
後半はグループワーク。「女性シンガーソングライター」「22歳」「ジャンルはポップス」という条件で、「新しいアーティストをどう売り出すか」という質問に対して、各グループが真剣討議。クライアントの意向や予算、スケジュール、実現度などを考えていった。
 
 

 

 

◆プレゼンテーターインタビュー
石毛克利氏


 

---学生たちの印象はどうでしたか?

 
石毛:思っていた以上に積極的でした。去年、一昨年と他社の新入社員研修に参する機会があり、その時と比較しても、今日は積極的な学生が多かったです。
 

---今回のプログラムの中で一番伝えたかったことは何ですか?

 
石毛:今は1つのメディアだけで勝負するのが難しくなっている時代ですよね。そんな中、放送があって出版があってイベントがあって…というのを何社かのコラボレーションではなく1社でワンストップでできる会社は日本の中でも稀だと思いますし、それがエムオン・エンタテインメントの強みだと思います。そこを意識してお話ししました。
 

---イベントも様々やってらっしゃるのですね。

 
石毛:30人程度の限定イベントから数万人単位のものまで、幅広く開催しています。ウェブ、SNS、…何かを伝える際に様々な手段に力を入れなければいけないような時代だと思いますが、その点うちは大きな軸になるものが幾つもあるので、イベント開催に関してもどう展開するかが勝負どころになると思います。
 

---そうした幅広いメディアを複合的に手がけるにあたっては、どのような能力・資質が求められますか?

 
石毛:好奇心を持ってアンテナを張ることが一番大切ですね。色んなことに興味を持ってどんどん飛び出るというか、まずは模倣から入っても良いので、それを自分たちなりに考えてオリジナルにしていく、面白いものを作っていく作業です。最終的には自分達の作った企画を売っていくという作業になるので、他の人たちにどう価値を見出してもらえるか。自己満足で終わらないような、「こうすることで売れる」につながるアンテナを張ったり想像力を働かせる仕事だと思います。
 

---プレゼンの中で各メディアの特性というお話がありましたが、改めて、ものづくりをしていく上で各メディアの違いについて、どのように考えていますか?

 
石毛:CSの場合は「お金を払う」という能動的な動作こそありますが、テレビは基本的に受動的なものですよね。つけたら、やっているという。雑誌の5万人に届ける作業とは逆で、テレビは「チャンネルを変えさせない」というか、スピード感を持って映像を作る作業があると思っています。紙とウェブの決定的な違いは…質感ですかね。「所有欲」をくすぐる雑誌に対して、「情報」のツールとしてのウェブ。テレビはその時間その前に座っているというエンタテインメント性の高いものだと思っています。一概に「こうだ」と言いきるのは難しいとは思いますが。
 

---最後に、これから就職活動を進める学生たちへメッセージをお願いいたします。

 
石毛:学生のうちに、今できることをしてほしいですね。業界のことを研究するよりは、いっぱい遊んで学生ならではの経験をたくさん積んでほしいです。何十年も仕事をしている僕らに学生が追いつくのはなかなか難しいし、そうではない違う発想の人に入ってきてほしいので、学生だからこそできる遊びや勉強を頑張ってほしいです。「自分の好きなことをとことん追求する」ということと、「人が好きなものに好奇心を持つこと」、この2つが大事だと思います。失敗してもまだまだ取り返せる年齢ですし、いつか役に立つので、興味のないことを毛嫌いせずに何でも触れてみたらいいと思います。
 

◆株式会社エムオン・エンタテインメント
http://www.m-on.jp
http://www.m-on-books.jp

創立年:1972年2月 株式会社ソニー・マガジンズ設立
1998年3月 株式会社ミュージック・オン・ティーヴィ設立
2012年4月 上記2社が合併し、株式会社エムオン・エンタテインメントに商号変更

「株式会社エムオン・エンタテインメント」は、エンタテインメントと人を繋ぐ、メディア&クリエイティブカンパニーです。
2012年4月1日、株式会社ミュージック・オン・ティーヴィ(存続会社)と株式会社ソニー・マガジンズが合併して誕生しました。
「エムオン・エンタテインメント」の“エム(M)”は、Music、Media、Magazine、Multiなど多様な意味を含有しています。
CS放送上で音楽チャンネル『MUSIC ON! TV(エムオン!)』を展開し、今年2012年にはCS110度上で総務省認可による衛星基幹放送をスタートさせる株式会社ミュージック・オン・ティーヴィと、『WHAT’s IN?』『PATi►PATii』『デジモノステーション』等の雑誌や多様な書籍などを展開する株式会社ソニー・マガジンズが合併することにより、両社が保有する映像制作力、雑誌・書籍編集力、ライブ企画・制作力などのリソースを最大限に活かした事業を展開して参ります。また、音楽を軸にしながらもソニーミュージックグループのアニメ事業、ライブ事業などとの連携を強化することで、メディア形態やコンテンツジャンルを限定しない総合エンタテインメント企業として新たなメディア・コンテンツ事業の展開を進めて参ります。
音楽デジタルビジネス(ソニー・ミュージックネットワーク)

4日目は合計3プログラムを実施する盛りだくさんな一日となったが、最後は「音楽デジタルビジネス」ということでソニー・ミュージックネットワークが登場。野原崇弘氏と屋代陽平氏がプレゼンテーションを行った。冒頭、社員紹介を軸にした会社案内のビデオを流したが、飾らない人柄の中にも「さらっとすごいことをこなす」職人集団のような社風を感じる。
 
さてそんなソニー・ミュージックネットワークが主に行う事業は、社内の様々な部署におけるウェブコンテンツの制作や、「着うた」など楽曲の配信、ストリーミング配信などデジタルコンテンツ全般だ。会社案内ビデオの中でもちょうど新たなホームページを制作している様子や、配信の様子などが収められていた。
 
音楽デジタルコンテンツの大部分は、ミュージシャンやレーベルに自らのプロモーションの一環として利用されている。例えばホームページ上での文書やゲームなどのコンテンツの無料公開や、ミュージックビデオの公開といったもので、音楽ファンにとってそれらを利用することはもはや日常の一部となっている。
 
そこで大きな命題となるのが、「プロモーション」と「ビジネス」の境界線とバランスだ。例えばデパ地下における試食はプロモーション、試食し美味しいと思ってお弁当を買ってもらうことがビジネスとなる。野原氏によると、デジタルコンテンツにおいては、従来は売り物にしていたものも、プロモーションとして利用されたり線引きが個々の解釈によって分かれてくるという。プロモーションとして無償で提供される比重が増えることは、単純にその現象だけを捉えればビジネスのできる領域が減少することになる。一方で「ビジネス」の領域を固持し続けると、ユーザーにとっては退屈なものになってしまう。
 
こうした状況で、どのように「ビジネス」を成り立たせていくか。ここで野原氏は、学生たちに「最近した一番高い買い物は?」と質問した。「欲しいと思った瞬間は?」「どこで買ったか?」も含めて尋ねた上で、「どうやったら欲しいと思ってもらえるか、そのためにどこでどのような宣伝をしたら買ってもらえるか」と考えていく頭が必要、と話す。
 
さらに、デジタルコンテンツにおいては欲しいと思ってから買いに行くまでの導線が極端に短くすることができるとした上で、「お客さんが欲しいと思った瞬間に商品を提示できるような仕組みをいかに作るかが重要」と、デジタル分野の可能性を解説した。普段当たり前のように利用しているものだからこそ、そこに込められた制作者の思いや、「手軽だからこそ、どうやってプロモーションとビジネスのバランスを取るか」といったシビアな話は、これから就活をする学生たちにとって実感しやすい内容であったようだ。
 
そうした話を踏まえた上で、グループワークではバンドメンバーが自らホームページを制作することになったという前提で、「買いたくなるサイト、デザインを説明せよ」という課題が課せられた。普段何気なく利用している様々なミュージシャンのホームページを改めて見直しながら、そこに隠された「買いたくなる」仕掛けや、続きを見たくなる内容・デザインを各々が考えていき、各グループごとに模造紙やパワーポイントを使って具現化。あるグループからは「普段どうやって音楽買ってる?何で情報収集してる?」と積極的に意見の出し合いが行われていた。
 
最後は各グループの発表。ホームページが一つの街のようになっていて、デザインだけでなくユーザーが住民のようにその街でバーチャルな生活をしながら音楽に触れられるといったものや、続きが気になる「じらし型」のコンテンツ、さらにはゲーム感覚で楽しめるものまで、即席で作ったとは思えない本格的かつユニークなアイデアが次々と披露された。
 
 

 

 

◆株式会社ソニー・ミュージックネットワーク
 

創立年:2005年4月
<事業内容>
1. 「着うた(R)」・「着うたフル(R)」などの音楽配信及び、その他関連デジタルコンテンツ商品の企画・販売 。
2. ソニーミュージックグループ公式サイト、アーティストサイト等の企画運営を含む、音楽・映像のデジタルプロモーション。
3. 有料アーティストサイトの運営及び、インターネット配信対応したスタジオ等のソリューションを社内外に提供。
4. 新しいネットビジネスの企画・開発・運営。

 

【5日目】 9月6日(金)
 アニメビジネス/ライブエンタテインメントビジネス
アニメビジネス(アニプレックス)

 
一週間にわたって行われたインターンもついに最終日。この日もアニメビジネスとライブエンタテインメントビジネスの2プログラムが行われた。
 
まず最初はアニプレックスという会社の概要や「アニメビジネス」全般に関する説明。冒頭、プレゼンテーションを行う石川恵子氏が、「今から会社案内のビデオを流しますが、知っているアニメがいくつあるか、心の中で数えてみてください」と学生たちに呼びかけた。スクリーンには今話題のアニメーションが次々と登場する。中には15作以上知っていたという学生も。また、ロスで開催されたアニメエキスポについても写真つきで紹介されたが、その熱狂ぶりは日本国内に留まらず全世界共通だという。会場周辺では日本語で挨拶が飛び交ったり、日本の雑誌や日本語で書かれたライトノベルを熱心に読むファンもいるなど、日本国内と変わらない光景が広がっているということだ。
 
世界を代表するアニメ大国である日本。今日本国内では年間230作前後のテレビアニメ作品が制作され、劇場版アニメは60~70本制作されているという。それらの作品の多くが日本国内はもとより全世界に展開されるわけだが、今や日本のアニメの世界における契約件数は昨年度111ヶ国で約2000件、推定2600億円の売り上げがあるという。ただし、動画サイトへの違法なアップロードが少なくないことを考えると、実際のマーケットの規模はもっと大きくなるだろうとのこと。学生たちにとっては想像しにくいであろう桁の金額だ。
 
そして、売り上げの額面が大きいということは、製作費も当然のこと莫大な額面になる。石川氏はテレビアニメの「製作委員会」方式について説明。「例えば30分番組/半年/26話のアニメシリーズを作ろうと思ったら、どのくらいお金がかかると思いますか?」尋ねられた学生は「1000万」「8000万」…と答えたが、それでは全然足りないといい、むしろ1話を作るのに1200万~1500万円前後かかるとのこと。つまり、全26話では最低で3億円、クオリティの高いものを求めるなら4億~5億円以上が制作に必要な金額となる。
 
そうした莫大な金額を必要とする理由は、アニメ制作にかかる労力だ。30分のTVアニメ1話に対して100名~200名のスタッフが制作に関わり、全て手作業の作画だけでも1話あたり数千枚、多いものでは1万枚。その後も完成に至るまでは様々な作業があり、それを、構想段階を含めて1年から1年半ほどの時間をかけて 制作していくそうだ。
 
1つのアニメシリーズに3~5億円がかかる。となると、ある会社が一社単独でお金を出してアニメ製作(※制作=実作業としてのフィルム作り、製作=出資し放送までこぎ着けるという意味でのアニメ番組作り)をするのは難しく、リスク回避という面から出版社や広告代理店、ゲームメーカーなど何社かが少しずつ出資しあっていくことが現在のアニメ製作の主流となっている。このやり方を「製作委員会方式」と言い、ビデオメーカーが幹事社となって製作委員会をまとめるケースが多いそうだ。
 
そうした話を踏まえて、後半は髙橋祐馬氏から製作委員会の作り方などについて説明があり、いよいよグループワークへ。その内容はズバリ、「アニメの製作委員会を作る」というロールプレイ!24名の学生にはそれぞれ封筒が渡された。中身には「出版社」「映像メーカー」「製作スタジオ」「レコード会社」「玩具メーカー」などそれぞれの立場と出資の上限額、「独占放映権を取ってくることがミッション」「主題歌を担当」などのミッションも書かれている。
 
学生たちはそれぞれ自分の会社のスタンスを把握した上で、他の会社(学生)に話しかけ、交渉していく。おそらく全員が商談初体験だろうが、さすがはコミュニケーション能力の高い面々。活発にセールストークが展開され、次々とタッグが組まれていく。自分がどういう会社にいてどういうものを売っていて、どんな強みがあって、どういうお金を持っているのか…。自社の利益追求と同時にどのようにビジネスを成功させるかと考えること。そうした社会人として必要なスキルをほんの少し体感した学生たち、短時間ながら非常に有意義なロールプレイに、その表情も嬉々としていた。
 
 

 

 

◆プレゼンテーターインタビュー
石川恵子氏/髙橋祐馬氏


 

---学生の印象はどうでしたか?

 
石川:非常に優秀で前向きで勉強意欲のあるいい学生さんたちが集まってきたなというのが率直な印象です。
 
髙橋:思っていたよりリアクションがいいなというのが率直な印象です。頭が柔軟ですね。
 

---特に学生たちに伝えたかったことは何ですか?

 
石川:インターンシップということで、将来的な職業選択をするための一つの研究の場としていると思うので、なるべくミスマッチのないようにアニメビジネスを理解してもらいたいというのはありました。外から見ているいろんなアニメ業界と比べて、実際こういうものだよとなるべくわかりやすく伝えられればな、と。ゲームでのみなさんの動き方を見ていると、思っていたことはできたかなと思いました。
 
髙橋:本当に実務を体験させようと思っても実際のオフィスの中では難しいので、今回のようなゲームで近い感覚を体験してもらえたのかなと思います。学生たちが我々が普段悩んでいることと同じような発言をしていて、そこは面白かったです。「あと何%足りない」とか…勢いで作った割には、いいゲームが発明できましたね(笑)
 

---このゲームはどのくらいの期間で作ったのですか?

 
髙橋:先週末に人事の方と打ち合わせをして、どういう意図を求められているかヒアリングをした上でこういうのかなとぼんやりと考えていたものを、作業自体は1日かけずにつくりました。やる人の顔を想像しながら、なるべくシンプルに、でもうまく擬似体験できるような内容を自分なりに考えました。
 

---今回のゲームの「製作委員会を立ち上げる」といったことに限らずですが、アニメビジネスにおいて求められる能力、素質を挙げるとするとどのようなものがありますか?

 
石川:やはりアニメが好きな方がたくさん応募されますが、好きなだけではなかなか難しいですね。複雑な権利構造と多額の投資が必要なビジネスですので、コミュニケーション能力であったり、一つのアニメを作るためには契約をいくつも交わさないといけないのでそういう事務能力も必要だし…かといってそれだけではなく、ヒットさせて行くための、これはエンタメのどの分野にも共通すると思いますが、発想力、企画力も必要です。マルチな才能が求められるので、そういう人が来てほしいですね。
 
髙橋:僕は今宣伝の仕事を中心にしていますが、そこだけでいうと、アニメが好きな気持ちと同じくらい人を楽しませる気持ちが必要だと思います。エンタメ企業なので当然ですが。好きだけではだめだし、と言ってアイデアはたくさんあるけどアニメが嫌いという人にとっては苦痛でしかないと思います。その両輪の中で、お客さん相手の商売なので、お客さんの顔を浮かべながら、どうしたら楽しんでもらえるかなと考えることが大切です。
 
石川:今はメディアの発達で昔より良くも悪くも簡単に情報を伝えられる時代です。その中で、何を伝えるかだけでなくどう伝えていくのか、ちゃんとユーザーの顔が浮かべて 楽しんでもらえる気持ちがあればいいですね。専門的なことは会社に入ってから学べますので、そういうマインドのある人に入社してほしいですね。

◆株式会社アニプレックス
http://www.aniplex.co.jp/

創立年:1995年9月
日本の「アニメ」は世界商品です。
アニプレックスは「魔法少女まどか☆マギカ」「空の境界」「化物語」「偽物語」「ソードアート・オンライン」「Fate/Zero」「ペルソナ4」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「青の祓魔師」「マギ」などのヒットアニメを世界に発信しています。
さらにDVD/BD/CDパッケージの販売から配信や商品化まで、幅広い事業を展開しています。
2008年からは実写映像の企画・製作を積極的に手がけ、総合映像エンタテインメント・カンパニーを目指してまいります。
ライブエンタテインメントビジネス(Zeppライブエンタテインメント)

休憩を挟んで後半、いよいよ最後のプログラムはライブエンタテインメントビジネスだ。学生たちにとってもなじみのある大型ライブハウス、Zeppを運営している「Zeppライブエンタテインメント」でイベントの運営や企画を行っている行貝竜一氏が登場。まずは会社の概要と仕事紹介を、自身の経歴とともに説明した。
 
Zeppライブエンタテインメントの二大事業は、ホールの運営管理と興行の企画制作だ。Zeppというとロックバンドのライブやアイドルのコンサートといった印象が強いが、音楽以外のイベントも全体の20%行っており、展示会やミュージカル、中には落語も行っているということで、学生たちからは驚きの声があがる。
 
また、全体の65%が国内アーティストの公演で、15%が海外アーティストの公演ということだが、Zeppというライブハウスの特長はステージサイズやPA類が全国どこも同じであるということで、全国で公演を行うバンドや海外アーティストの来日公演で、「Zeppツアー」として日程を組みやすいという利点があるのだという。
 
ライブの企画については、Zeppだからソニーミュージック系列のレーベルのアーティストだけ、またはZeppを使用したといった縛りも一切なく、「やれることが山ほどある」と行貝氏は語る。確かに音楽ファン目線では「どこの会社の所属」ということはさしたる問題ではない。野球やサッカーなどスポーツの世界は「所属チーム」の上に「日本代表」があるのが当たり前となっているが、音楽の世界では全アーティストが日本代表。どこの会社ということを一切抜きにして、シーン全体の発展に貢献することができ、多くの可能性を秘めているのだ。
 
「皆さんが最近見たライブ、コンサートは何ですか?」学生たちに問いかける行貝氏。後半は本インターンで最後のグループワークとして「ライブイベントを企画しよう」というもの。これまで一音楽ファン、リスナー目線では「こんなライブに行きたい」「こんなイベントをやったらどうか」と皆考えたことがあるだろう。しかし、この5日間に様々なエンタテインメント分野のビジネスを学び、多くを感じ考えた学生たちには今までとは違う視野・視座が付加されているはずだ。企画にあたっては19歳から22歳までの男女を対象にしたイベントにすることと、「動員目標」「出演者」「チケット料金」を考えることと、この一週間に扱ったテーマにまつわる以下のキーワードの中から3つを選び、組み合わせることが条件として課せられた。
 
「アプリ」 「ねごと」 「ダンスエンタテインメント」 「ボカロ」 「プロデューサー」 「キャラクター」 「メディア」 「オンラインプロモーション」 「アニメーション」
 
さらに、行貝氏からもう一つ、「自分自身がワクワクする、お金を払ってでも行きたい企画を考えてください」という注文が入った。イベントや興行は、プロデューサー、オーガナイザーが発想・発信するコンセプトがその企画の”哲学”となる。企画自体がこじんまりとまとまっていたり、収益目標が明確であっても、この”哲学”が明確でないと成功しない…というのが、日々現場で行動し、考え続けている行貝氏の持論だ。
 
インターン5日間の最後のプログラムということもあって、学生たちも気合いが入る。制限時間を少々オーバーしつつ、何とかどのグループもプレゼン資料を完成。発表にうつる。学生たちからは「来場者参加型」という言葉が複数挙がったほか、スマホを利用した仕掛け、そしてライブということもあり「ねごと」「ボカロ」をキーワードに使用したグループが多く見られた。
 
中には「学校を会場に使って『授業料(チケット代)』を払ってもらい『学生証(チケット)』を配布、『履修登録(どのアーティストを見たいか選ぶ)』する」というテーマが一貫したフェスを発表したグループや、「各企業の代表取締役が両国国技館で相撲を取る」というユニークな企画を考えたグループもあった。
 
それぞれの発表について、行貝氏は真摯にプロ目線で講評とダメ出しをする。決してうわべだけでなく「ビジネス上成り立つか」「実際に運営できるか」という目線をしっかりと、学生たち、いや未来のエンタメビジネスマンに向けて伝えた。
 
最後は行貝氏からこれから就活戦線に繰り出す学生たちへメッセージ。行貝氏は「音楽が大好きなら、音楽業界は向いてないかも」と語る。文字通りの意味ではなく逆説的な、「自分の思い描いていた理想や楽しいことばかりでないけど、そこに失望せずに続けられるのであれば、音楽業界に飛び込んでこい」という、厳しくも温かいメッセージだ。また、「社会に出たら師匠を持つと良い」「できれば早めに大きな失敗をしておくといい」と、どんな業種に就いたとしても活きてくるであろうアドバイスを、真っ直ぐに学生たちに伝えていた。
 
 

 

 

◆プレゼンテーターインタビュー
行貝竜一氏


 

---学生の印象はどうでしたか?

 
行貝:僕らの時より全然大人じゃないですか?僕らが大学3年生の時は何も考えていませんでしたから(笑)今のうちからこういう(インターンのような)活動をするということで、(就活に時間を費やすことで)遊べないという意味では不憫に思いますが、自分が目指す方向性を定められることもそれはそれでラッキーかな、と、両側面感じます。
 

---今日のお話の中で特に伝えたかったことは何ですか?

 
行貝:ビクビクせずに社会に出てほしいということです。どんな現場でも社会に出れば嫌なこともつらいこともどうせあるので。ですので、「これが正しいです」「こうしましょう」みたいな話はしたくなかったんです。とにかく、社会に出ることに対してワクワクしてくれればなと思ってお話ししたつもりです。
 

---グループワークでは学生たちの活発に話し合う様子が見られましたね。

 
行貝:このようなイベント企画が僕らの日常です。学生たちが一週間やってきたことの最後として、印象に残ったワードを拾ってもらってディスカッションしてもらえればと思いました。企画を考えるパートにおいてはコンセプトがはっきりしているイベントは周りが不十分でも固めれば何とかなるし、逆に、コンセプトが明確でない企画は周りがはっきりしていてもぼやっとしてしまう。それに気づいてもらえたら良かったかなと思います。
 

---普段はお客さんの求めている企画などのアイデアをどのようにしてヒアリングしているのですか?

 
行貝:正直にいうとなかなかできないんですよ。どうしても社会人として働いていると、若い人たちの意見が収集しづらい環境ですし、今の時代はアンケート1つとるのも個人情報などの問題もありなかなか難しいのが現実です。普段学生たちが考えていることや望む企画のアイデアなどを直接ヒアリングできる機会は少ないので、我々としてはむしろ学生さんに集まってもらって講義してほしいくらいです(笑)
 

---ライブの運営や企画においては、どのような能力が求められるのでしょうか?

 
行貝:どんな業種にも言えることかもしれませんが、人好きであることだと思いますね。わかりやすい言葉でいうとコミュニケーション能力ということになるのだと思いますが、僕らの仕事はとにかく日常的に人との関わりで成り立っています。アーティストも含め。そこにストレスを感じない人でないと無理だし、逆にそれさえあればなんでもできると思います。若い人ということでいえば猪突猛進型が昨今は求められているように思います。ガーッと突き進むエネルギーはすごく大事です。企画も、誰かがリーダーシップをとります。バンドも誰かがリーダーシップをとって走るからついていくわけですよね。上司とか部下とか関係なく、リーダーシップをとれる人が重要だと思います。
 

---若いうちから自信を持って突き進むというのはなかなか難しいようにも思いますが。

 
行貝:突き進んでも…足引っ掛けられて、結局進めないんです。それでもいいんですよね。そんな簡単には進めませんが、突き進む意志と強い足腰さえあれば何回転んでもその人は絶対立ち上がりますから。割とロックンロールに近い発想かもしれませんが、「オレはこれが好きだんだよ、これをやるためにソニーミュージックに入ったんだよ」と啖呵を切ってでも言える人がいれば、大歓迎ですね。
 

---最後に、これから就職活動を始める学生たちにメッセージをお願いいたします。

 
行貝:どの企業に入りたい、何の業種に入りたい、ということ以上に、何の職種につきたいのかという意思を持っていてほしいですね。これはライブエンタテインメントに限らずどの分野でも求められていると思います。10年やればバランス取れるようになりますから。最初からバランスが取れていて、後からだんだんとがってくるという人はいないので、若い人については一点集中、猪突猛進型の方が結果として求められていると思います。
 

◆株式会社Zeppライブエンタテインメント
http://www.zepp.co.jp/

創立年:1997年6月 株式会社ホールネットワーク設立
2012年4月 商号変更

事業内容:コンサートホール(Zepp)の運営及び興行の企画・制作
営業所所在地:
Zepp Sapporo 〒064-0809札幌市中央区南9条西4丁目4番地
Zepp Tokyo 〒135-0064東京都江東区青海1丁目3番11号
Zepp DiverCity(TOKYO) 〒135-0064東京都江東区青海1丁目1番10号 ダイバーシティ東京プラザ
Zepp Nagoya 〒453-0872愛知県名古屋市中村区平池町4丁目60番7
Zepp Namba(OSAKA) 〒556-0012大阪市浪速区敷津東2丁目1番39号
Zepp Fukuoka 〒810-8662福岡市中央区地行浜2丁目2番1号
5日間の総括

名残惜しくも、全プログラムが終了。学生たちは5日間を振り返ってレポートを作成。あまりにも濃すぎた5日間を、それぞれに反芻する。レポートを早く仕上げた学生2名をつかまえ、話を聞いた。
 
 

◆参加者インタビュー
江崎文武さん


 

---5日間お疲れさまでした!全体を振り返った感想を聞かせてください。

 
江崎:ソニーミュージックという会社が幅広く事業を展開していることが身をもって体験できました。また、大人になって働くということを身近に感じられました。
 

---今回のインターンに応募したきっかけは何でしたか?

 
江崎:大学で音楽学部に通っていて製作をやっているのと、ソニー創業者の盛田昭夫氏や大賀典雄氏(CBS・ソニーレコード初代社長)などに憧れていて、ソニーという会社に幼少期から関心があったこともきっかけです。事前の案内を見て、特に音楽デジタルビジネスの分野に関心がありました。
 

---5日間の中で特に印象に残っているものを一つ挙げるとすると、何になりますか?

 
江崎:どれも印象的ですが、特に3日目のいしわたりさんの歌詞の講座ですね。ただ歌詞の授業を展開するだけでなく人生のアドバイスが詰まっていて、共感できる話がたくさんありました。これから就活に向けてどのように過ごしていこうかという所にとても響きました。残り1年半の大学生活をもっとたくさんのことを吸収するための時間に充てたいと思いました。

◆参加者インタビュー
中島悠さん


 

---5日間お疲れさまでした!全体を振り返った感想を聞かせてください。

 
中島:エンタテインメントという切り口でたくさんのことを幅広く教えていただいたので楽しかったです!実際に働いている人のお話が聞けたことが、特にいしわたりさんの講座もこのインターンじゃないと経験できなかったことだと思うので、いい経験になったと思います。
 

---このインターンを通して学んだこと、これから活かせそうなことなど、どのような収穫がありましたか?

 
中島:今日(5日目)学んだライブエンタテインメントに関することで「イベントには哲学が必要」といった作り手の思いを知ることができました。これは今私が行っている劇場でのアルバイトにも活かされてくると思いますし、エンタテインメントのお仕事がすごく楽しいものだなぁと思ったので、これからますます勉強していきたいです。

 
このほか、学生たちのアンケートには以下のような感想が書かれていた。
 

・お話ししているみなさんが、自分のやっている仕事が本当に好きでやっているのだと伝わり、エンタテインメント業界、またソニーミュージックグループがとても魅力的なものに思いました。
 
・周りの友人の中にはエンタメ業界にネガティブな印象を持つ人も少なくないので、こんなに楽しかったということを伝えたいです。
 
・普段自分が興味を持っていないことも、全てのプログラムを受けることで知ることができ、それぞれの仕事が関連していると知れたことはすごく良かったです!
 
・今までの人生の中で最も濃度の高い5日間になったことは間違いないです。「人を楽しませる」ということを目的にしたエンタメ業界の原点のようなものを学ぶことができました。
 
・グループだからこそ行える取り組みがあり、またそれらが全て「人の喜び」につながっていることに深く感動しました。仕事をするならば何か社会に還元できること、誰かの喜びに貢献したいという思いに共鳴しました。残りの学生生活はもちろん、今後の日常の過ごし方に大きなショックが加わったと感じます。
 
・自分も楽しんでいないとワクワクするようなことも生み出していけないと思ったので、私もそういう人になっていけるように楽しんで何事にも取り組んでいきたいと思いました。
 
・今回のインターンシップのことを大学などで人に自慢したい気もありますが、情報をひとり占めしたいとも思ってしまいました。

 
このように、学生たちからは一様に満足する声が聞かれた。インターンの感想を聞かれて「楽しかった」というのは、ともするとマイナスな取られ方をする可能性もあるが、彼らのコメントにもあるように、エンタテインメントの根幹は「人を楽しませること」。それを身を持って実感できたこと、そしてその楽しさを生み出すことの奥深さを知れたことは、これから先の彼ら24名の人生にとって大きな財産になったことであろう。
 
 

最後に、今回のインターンシップを企画・運営したソニー・ミュージックアクシス 人事業務グループから、コメントを頂いたので紹介したい。
 

◆ソニー・ミュージックアクシス 人事業務グループ
採用研修部1課 近藤祐希氏

<参加した学生24名の印象>
想像以上に大人で優秀な24人が集まったなと感じました。初めて知るものばかりの中で、限られた時間にも関わらず講義への理解、グループワークでのパワポ作りの早さ、プレゼンのうまさ、どれも非常にレベルが高かったと思います。何よりもよかったのは、それぞれが「これだけは譲れない」好きなものがあるということでした。1つでも心から好きなものがあると胸を張って言える人は強いですし、自信にもつながります。だからこそ良い発表や、積極的な意見交換、質問に結び付いたのではないかなと感じました。1人1人が自信に満ち溢れていて、目がキラキラしてましたからね(笑)逆に元気いただきましたし、大切なものを思い出させてもらった気がします。
 
<インターンの成果、反省など>
今回のインターンシップは、多岐に展開するソニーミュージックグループのビジネスを知ってもらい、その中で魅力に感じてもらったことを彼らから同級生や後輩に発信してもらう、そして、学生の生の意見やアイディアを聞くことで我々のビジネスのヒントにもつながるのではないか、という意図の元の実施でしたが、これは大成功だったと思います。まさに、学生側も社員側もお互いにとって貴重な経験でもあり、いくつかビジネスのヒントにもつながりそうなアイディアも出てきました。我々のようなコンテンツを作り、世に発信していくビジネスは、彼らのような学生の意見をしっかりと素直に受け止めていくことが何よりも今後につながるヒントだと思います。
反省点としては、短期間に詰め込みすぎたため、会社側と学生の間にもっと深いコミュニケーションを実現できなかったことです。嵐のように、次から次へと新しいものがやってきて、学生側も対応することに精いっぱいだったのではないかなと感じています。1つ1つに集中できるゆとりを作ることができれば、お互い、より貴重な意見をたくさん聞くことができたのではないかなと感じました。ただ、我々のビジネスをここまでがっつり直接学生伝えることができたのは初の試みだったので、本当に良い機会だったと思います。
 
<就活生へのメッセージ>
就職活動で勘違いしてほしくないのは、企業を探す活動ではなく、あくまで自分のしたいことが実現できる場所や方法を探す活動です。もちろん、タイミングや縁もあります。中々思ったようにいかないことの方が多いかもしれませんが、あまり深く考えすぎる必要はないと思います。自分の軸さえぶれなければ、必ずそこにあなただけの「魅力」が生まれます。その魅力に惚れた企業や仕事があなたの場所になるのではないかなと思います。世界は広いです。人生は長いです。知らない世界をたくさん経験してください。見たことのない世界をたくさん見てください。そして、1つでも「これが好きです!」と言えるものが見つかれば、それがあなたの軸になり、自信になり、強くてキラキラした自分を形成してくれます。あまり決めつけすぎず、就職活動を1つのワクワクするエンタテインメントだと思って、思いっきり楽しんでください。楽しんでる人はいつでも輝いてますからね!
ソニーミュージックグループは2015年度も新卒採用を実施致します。我々は、そんなワクワクしたあなたをお待ちしております!それでは、新卒の選考でお会いしましょう~~!!
 
Don’t Worry, Be Happy!!
 
 
※「ソニーミュージックグループ新卒採用2015」に関しては、12/1以降に新卒採用ホームページにて情報を出していきますので、随時ソニーミュージックオフィシャルサイトをチェックしてください。↓

 
普段私たちが何気なく使っている「エンタテインメント(entertainment)」の語源は「entertain」、すなわち「楽しませる」「もてなす」ということだ。誰かを楽しませること、喜ばせることは、とことん相手の立場で物事を考えることである。また、同時に自分自身が楽しくないことは、相手にとっても楽しくないだろう。その意味ではまず自分自身が楽しいことが、この分野の仕事を成功させる大前提と言えよう。
 
とは言え、この5日間に様々な分野を通して「楽しさ」を学んだ24名は分かっているはずだ。「楽しさ」を実現させることは決して簡単なことじゃない、そして奥深いものだ、と。どうかその「楽しさ」を心に持ったまま、就職活動を成功させてほしいと願ってやまない。また本記事を最後まで読んでくださった読者の皆さんにも、本記事を通じてエンタメ業界の色んな「楽しさ」が一つでも多く伝わっていれば幸いである。
 


 


 
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