特集

TEXT:桂伸也 PHOTO:N-yukano

国内のロックシーンの最先端を駆け抜け、輝き続けるフロンティアたちの横顔に迫るインタヴュー特集「ROCK ATTENTION」。通算22回目は今年デビュー30周年を迎えた日本ハードロック界の重鎮、EARTHSHAKERの登場だ。
 
デビュー30周年を超えるバンドは昨今、徐々に増え続けているが、意外にもデビュー当時から不動のメンバーでこの節目を迎えたバンドは少ない。そんな中、EARTHSHAKERは主要の4人が不動のメンバーとして活動を続けているバンドの一つだ。
 
また、80年代に隆盛を誇った日本ハードロック/ヘヴィメタル界は、どちらかというとヘヴィメタルという特色に強く依存し、ハードでヘヴィなリズムとギターリフに比重を置く傾向があったが、彼らはハードなサウンドの中でもよりメロディアスであることを重視し、他とは一線を画すバンドとして君臨、シーンの中でも唯一無二の存在としてその地位を獲得した。
 
デビュー後、一時EARTHSHAKERは解散したが、オリジナルメンバーで復活し独自のサウンドを作り続けている。それはEARTHSHAKERという存在がリスナーにとっても必要な存在であることを暗に物語っているようにも見られる。そしてこの6月には21作目となる彼らのオリジナルアルバム『THE EARTHSHAKER』をリリース。今回はあわせてソロアルバムをリリースしたMARCYSHARAに、デビュー後30年を振り返ってもらうとともに、これからさらに続くバンドの活動に対する思いを語ってもらった。

EARTHSHAKER
メンバーはMARCY(西田昌史 :Vocal)、SHARA(石原愼一郎 :Guitar)、KAI(甲斐貴之 :Bass)、KUDO(工藤義弘 :Drums)。
1978年に結成。当時のメンバーはSHARA(Guitar)、二井原実(現LOUDNESS :Bass &Vocal)、渡辺芳信(Drums)だったが、1979年にKUDOが加入、1980年にMARCY、KAIが加入し現在のメンバー構成となった。1983年に、伊藤政則プロデュースによるファーストアルバム『EARTHSHAKER』でデビューを果たした。キャッチーな楽曲を得意とし、44MAGNUMLOUDNESSなどと共に80年代の、日本のハードロック・ヘヴィメタル界をリード。一時期にはBEEASTのコラムニストの一人でもある永川トシオがキーボーディストとして在籍したこともあったが、1994年に一度解散。その後1999年に4人のメンバーで再結成、現在にいたる。今年デビューより30年を迎え、オリジナルアルバム『THE EARTHSHAKER』をリリース。先立ってMARCY、SHARAそれぞれのソロアルバム『MARCY』『SHARA』を発表した。

 
hana
 

1.(デビュー)30年を振り返っても「よく続いたな」とは思うけど、その時々でやりたいと思ったことを続けてきただけ、それはこれからも。

 

—今年はEARTHSHAKERがファーストアルバム『EARTHSHAKER』をリリースして30周年を迎えるという節目の時期ではありますが、今その30年という時間を振り返るとどんな印象でしょうか?

 
MARCY:いやもう、あっという間というだけですね(笑)
 

—たとえばデビューの際に、このEARTHSHAKERが30年も続くということを考えられたことはありましたか?

 
MARCY:いやいや、それ以前にまだロッカーでいられるということがありえないと思っていたくらい(笑)
 
SHARA:そうだよね。あのころに40~50代でロッカーなんてね。そんな先輩もいなかったし。
 
MARCY:当時はまだ前例がなかった。歴史が浅かったしね。
 

—でも30年という長さはないにしても、大きなバンドになるんだ!という強い思いはあったことでしょう?

 
MARCY:そりゃもちろん!当たり前ですよ!大きなバンドになりたいからやってるんであって、趣味程度でいいやなんて誰も思うわけない!(笑)
 
SHARA:そうだね、「ライヴハウスに出られたらいい」くらいで満足するはずはない(笑)。何か実体のないものだけど、自信みたいなものはありましたね。「もうこの4人であれば絶対やれる、大丈夫だ」というようなね。
 
MARCY:そう、あったね。根拠はなかったけど。今考えると恐ろしい(笑)。今も(自信は)あるけどね(笑)
 

—現在の4人が集まってプレイしたり、練習したりという活動を始めたころから、「この4人であれば」という意識が芽生え始めたのでしょうか?

 
MARCY:そうですね、よそのバンドには出せないスタイルやサウンドを、そのころから僕らには出せたし。今では何かの音楽に一緒くたにジャンル分けされてしまうけど、その中でもEARTHSHAKERにはEARTHSHAKERにしかできない音が、もう出来上がっていた。それがあったから自信はありましたね。「誰々みたい」なんてとても言えない。逆に今じゃ「EARTHSHAKERみたい」とか言ってもらえることもあるけど(笑)
 

—その独自のスタイルができた根源とはどのようなものだったと思いますか?

 
MARCY:それは「この4人だったから」じゃないかな?それだけですね。
 
SHARA:そうだね。いろんなことに挑戦するけど、結局はEARTHSHAKERの音になるのはこの4人だから。4人の個性によるものだと思う。
 

EARTHSHAKERというバンドの活動をする中で、ご自身ではEARTHSHAKERという存在はどのようなものだと考えられますか?

 
MARCY:どのように、と言われると難しいですが…僕らは僕らのサウンドをやるというということを続けているし、常に活動も自分たちのスタイルでやっているだけだから、たとえば「誰々のようにどこの枠に入る」なんてことを考えたことなんてないですよ(笑)。
 

—ただ1994年に一度解散を宣言され、その後再結成という方向に動いたのは、EARTHSHAKERというバンドを「自分たちは続けていくべきだ」という意思がそこにはあったのではないかと思うのですが…

 
MARCY:それはもちろん。一回バラバラになって外からEARTHSHAKERを見たり、EARTHSHAKERだけでは出会えなかったいろんな人と会ったり、いろんな活動をしたことであらためてEARTHSHAKERが見えた、ということがあるんです。逆にあのタイミングがなかったら、今EARTHSHAKERは続いていなかったやろうしね。
 

—その時点で、たとえばロックシーンや音楽シーンに「必要な存在であり、続けていく必要が自分たちにはある」ということをご自身が考えられることもあったのではないかと思いました。

 
MARCY:いや、単純に僕らはファンと再会して待ち望んでいた雰囲気とか、「EARTHSHAKERが出すサウンドってスゴイ」というところを実感して、これをもっとスゴイものにしていこうということを経験として重ねながら続けているというだけです。
 

—ただ、解散すると個々のメンバーそれぞれが活動を続けるということはできますよね?それでも敢えてEARTHSHAKERとして活動をする決意をされたのは、やはりこのバンド自体が特別なものだと考えられたのかと思いまして。

 
MARCY:それは確かにあるね。EARTHSHAKEREARTHSHAKERしか出せない音があるし。
 
SHARA:それに何をしていても、僕らには「EARTHSHAKERの人」という肩書きもあったし(笑)
 
MARCY:そうやね、僕らそれぞれ離れて活動するじゃないですか?それでも絶対に僕は「EARTHSHAKERのヴォーカルの人」なんですよ。だから、その素晴らしい「EARTHSHAKER」を大事にしないと何をやってもダメだと思ったんですね。
 
SHARA:うん、そう。そこでEARTHSHAKERの存在の大きさも知った。解散したときにも、僕は4人のEARTHSHAKERでやり残したことがあったような気がしていて、その気持ちがずっと続いていたような気がしたんですよ。それは未だに続いていますね。
 

—なるほど。その一度解散という出来事はあったけど、ご自身の気持ちとしてはそのブランクの間もずっとEARTHSHAKERをやっているという気持ちが続いて、それが30年間、未だに途切れていないという感じですね?

 
MARCY:というか、あの解散の時期は、EARTHSHAKERにとってみると「EARTHSHAKERの時期」でしたね、僕らにとって。
 
SHARA:あの時期があって良かったよね。あの時期がなければ続いていなかっただろうし。
 
MARCY:それから、ファンの人には本当に感謝していますね、「ずっと待っていてくれたんだ」って。だからあくまでファンのためにも続けています。
 
SHARA:その中で自分たちが面白いと思える音楽をドンドンやっていく、自分たちが良いと思えるライヴをやっていく。そうやって基本に返っているということだけですね。
 

—逆にこの30年を振り返っても、その節目自体が特別というものよりは、「まあここまでよく続いたなぁ」というくらいの思いということですかね?

 
MARCY:まあそうですね。ただ応援してもらったファンのみんなには感謝しています。本当に30年、ありがとうございます!っていう。でも、これからまだまだ僕らはやるし、まだその途中だし、「これからもよろしくね!」というところは変わらない。
 

—では、この節目を超えた次の段階としてEARTHSHAKERをどのような方向へ導こうとしているかというのは、やはり自分たちらしい活動の継続ということですかね。

 
MARCY:そうですね。「アルバムを作ってライヴをやっていく」というのは僕らのやっていかなければならない方向だし。そのときに作るものは、その時点で自分たちが「何をやりたいか」に合わせていくという方針は変わらないです。僕らはずっとそうだったし。今何をやりたいか?っていうのを実現していくことを自分たちのスタイルとしてやってきたんですから。
 

—先程言われた「EARTHSHAKERらしい音」というものは、たとえば自分たちでアルバムを作っているときに「らしいな」という認識をされることはありますか?

 
SHARA:う~ん、どうでしょうね?ハードでメロディアス、そこに尽きるんだけど、そんなひと言ではくくれない部分もあるよね…(笑)。ただ、メロディの持っていき方には一つ特徴があると思っていますね。日本的というか、向こう(洋楽)のマネじゃないもの。
 
MARCY:「和」の部分なんですけどね。僕らのやってきた音が日本のロックにつながってその日本のロック特有のサビメロっていうものを作り、逆に最近では洋楽のほうが真似するようなところまで行くようになってきているのが現状だと思うんです。昔の洋楽にはあんなサビメロが入った曲なんてなかったけど、今じゃ当たり前のように日本のようなサビメロがついている。それは自信じゃないけど、僕らがやっていたからそうなったんだっていう自負はあります。
 

—そのEARTHSHAKERたる最も特徴的な部分を、たとえばこれから次のステップで敢えて「変えてみよう」「壊してみよう」というようなことを考えることもありますか?

 
SHARA:いや、そういう意味では僕らは他のバンドよりいち早く新しい試み、たとえばシンク(同期もの)なんかを取り入れたり、キーボードを大胆にフィーチャーしてみたりということをしてきたから、常に変わった変わったって言われ続けていますね(笑)。でもこうやって振り返ってみると何一つ変わってないし、EARTHSHAKEREARTHSHAKERなんですよ。変わったという印象をアレンジによって受けるかもしれないけど、バンドの本質は何も変わらないし、そこが僕らのいいところなんだから、そこを無理くり変えようとは思わないですね。
 

—では、そこの意識はやっぱりEARTHSHAKERとしてやる、という意識だけで、何か変に身構えて新しいものを作ろうというような意識があるわけではないということですね?

 
MARCY:そう。まあとにかく新しいものは常に作っていますから。そういうことで「変わった」とか言われてバッシングみたいなこともありましたがね。「同期なんか入れやがって!カラオケかよ!?」とか言われたけど、今みんな普通にやっているじゃないですか(笑)。だからそういうことには、僕らは自信があります。
 

—でも近年、MARCYさんとSHARAさんでSMCという別プロジェクトで、EARTHSHAKERの楽曲を大胆にアレンジ変更してプレイする試みが見られますね。そういうところからも、何か大きな変化を求められている向きもあるかと感じていました。

 
SHARA:まあ、あれは遊びやけどね(笑)
 
MARCY:遊びでプラス、あれはものすごく勉強になっているんですよ。「どういう風に新しいことができるんだ?」という。
 
SHARA:自分たちで築き上げて完成されたものを壊すというのは、すごく大変な作業だけど、勉強になるね、本当に。特にその中で「こういう風にしたい」というのは、時期によるからね。
 
MARCY:今やりたいことをやるだけだから、特に自分たちの方向に欲求なんてないですよね。本当に自然。
 
SHARA:本当に自然やね。そういう意味で僕たちはすごくいい環境にいるし、「これをやれ」「あれをやれ」なんて言われるようなこともまったくないし。
 

—では何度も言ってしまいますが、今後もあくまでEARTHSHAKERという恰好で新しものを作っていく、というスタンスは変わらないということでしょうか?

 
MARCY:そうですね。それぞれではいろんなところに足を延ばして活動の幅を広げていって、いろんなことに挑戦している、それをEARTHSHAKERにフィードバックしているっていうのは間違いないし、いろんなところで広げたことをEARTHSHAKERで無理くりやって…(笑)。でも、なんやろうね?なんでか知らないけど違うサウンドにならないですよ。4人のプレイヤーが固まったら。おのずとバンドらしいサウンドになるし。
 

2.進まなきゃ、つまんないよ!「まだまだこいつら行けるわ!」みたいなことを感じてもらいたい!

 

—今回リリースされるニューアルバム『THE EARTHSHAKER』 と、先攻して発表されたソロアルバム『MARCY』『SHARA』の話をお聞かせいただければと思いますが、これはソロリリースと30年という区切りを合わせた明確な意図があったのでしょうか?

 
MARCY:そうですね。やっぱり僕らもアーティストとして30年を迎えたし、それぞれ一人の自分をアルバムに入れて、EARTHSHAKERに持っていく、というようなイメージ。それから個人としてそれぞれ30年間がぎっしり詰まったアルバムを作るのと、EARTHSHAKERの30年間で築き上げた、バンドであり4人のものものを作る、そのそれぞれを一つにしたというのはありますね。
 
SHARA:そういう30年、個人の30年とバンドの30年ではあるけど、それぞれ音楽的には本当に好きなことをやってきたよね。
 

EARTHSHAKERのアルバムについては、一昨年にリマスターのベストをリリースされましたよね?節目というとあのようなベスト盤や、集大成的なものが出るかというイメージもありましたが、今回のリリースは完全なオリジナルアルバムですね。

 
MARCY:いや、別に節目が重要ではないというわけではないですが(笑)、「これから俺ら、まだ進むねんで!」というところを打ち出したいと思いました。「はい!総まとめ!」で終わるのはよくあるパターンだけど、そうではない「ここからまだ始まるんや」というところを見せたいんですよ。
 

EARTHSHAKERとソロアルバムの対比がとても面白いですね。たとえば『SHARA』に収録されている第二期アースシェイカーのサウンドは、どちらかというと80年代のハードロック/ヘヴィメタルのような洋楽を意識されているのではないか?という印象を受けました。

 
SHARA:そうやね。あの当時でLAとかいうと、VAN HALENとかやね。その路線のハードロック。その後にメタルブームが来るから、僕らはもうちょっと前のころだった。あの時僕らは洋楽小僧で、純粋にハードなサウンドがやりたかったし、ギターが弾きまくりたかった。で、ニイちゃん(ニ井原実)が抜けてMARCYが入って、EARTHSHAKERの音は変わった。やっぱりシンガーに合わせて曲を書く、シンガーが一番カッコいいようにバンドを築き上げるのはバンドの基本なんでね。そりゃ音が変わるのも当たり前だと。
 

—ソロのアルバムでは過去の曲も集められていますが、「ソロアルバムを作る」という段階にあたって、その集める方針は何か考えられたことはありましたか?

 
MARCY:それは単純に「個人でやりたいこと」ということを基準に考えたところですね。選曲という点では、今エモ系の音楽が大好きで、そういうアルバムを作りたいと思っていて、かつ「EARTHSHAKERは80年代からそんなことをやっていたんだ」みたいなところを見せたくてデビューアルバムの曲を入れるようなこととか。
 
そういうことをわざとやってみたりはしましたね。「2013年の曲と、1980年の曲を立て続けに聴いても一緒やろ!」みたいな(笑)。そんな感じでぶつけるようなことをやってみるか、みたいなことは考えましたね。
 

SHARAさんのほうでは如何でしょうか?いろんなプロジェクトのプレイがあり、EARTHSHAKER以外の活動でいろんな色が出ると思いますが、ソロアルバムを作る上でこれらの曲を集めることに対し、考えられたことはありますか?

 
SHARA:どうやろうねぇ…まあニイちゃんの曲は、「歌詞が残ってる奴じゃないとダメだ」と彼が言うので(笑)。僕が覚えているだけで、本人は忘れ去っていた、みたいなね(笑)。あとSMC以外はインスト。僕は人生の中でずっとシンガーに恵まれていて、サポートも含めていつもいいシンガーとやれているので、ソロになってまでいいシンガーを探す必要もないかなという思いがあったので、インストでいつもバックに流すギターをメインに出すようなところを狙ってみたんです。
 

—インストの楽曲をお聴きすると、ギターのリードプレイで「まるでヴォーカルじゃないか?」と錯覚するような感覚を覚えることがありました。そういう部分はプレイや曲作り等で何か意識されることはあるのでしょうか?

 
SHARA:僕は、実はインストが嫌いなんですよ(笑)。特にギターインストっていうのは「何でこんなに退屈なんだ?」といつも思っていて。友達が作ったインストアルバムについては、「その人のことを知っているから」ということもあるから、普通の人が気がつかない細かい部分が分かるので聴ける。でも、知らない人のインストは退屈に感じるんですよ。だから、僕のインストナンバーは「インスト」として作っているというよりは、どちらかというとサウンドトラックのようなものとして作っているから、聴こえ方が違うんじゃないかな。曲としていいものを作りたいし、弾きたい。だから曲として成立していないものは、あまり興味がないですね。
 

—そういう意味でも、EARTHSHAKERではやはりMARCYさんという存在があるため、独自のスタイルになるということですかね。

 
SHARA:もちろん。このメロディアスなスタイルがね。これはもう、僕とMARCYのマジックであって、MARCYの歌の泣きは僕が手を入れることによって光るし、僕のギターの泣きもMARCYの歌が入ることで光る。そういう組み合わせ。
 

MARCYさんのソロについても印象的でした。たとえば一曲目の「授かりし命と共に」のようにかなりハードな楽曲は、EARTHSHAKERのファンであればMARCYさんが歌われるというのは想像もつかないのではないでしょうか。そんなサウンドの中でもMARCYさんの歌がとても存在感を失わずに聴こえてくるというのも印象的でした。

 
MARCY:でも、今の音楽はみんなそうじゃないですか?メタルの人って、インストが強いと歌が弱い、歌が強いと歌謡曲だ、って(笑)。そういう考えの人が多い。けど、そうじゃないんだよね。すごいテクニシャンたちといいシンガーっていう組み合わせって、今の音楽ってメチャクチャ多いじゃないですか?時代に合わせた自然な流れだと思いますけどね。
 

EARTHSHAKERとしてリリースされるニューアルバムはタイトルが『THE EARTHSHAKER』ですが、こういうストレートなタイトルにするというのは、なかなか何らかのタイミングがないと付けられない気もしますが…

 
MARCY:当然それは30周年というところが大きい。やっぱりそこに出ますよね。「30年もやれたな」っていう思いもありますし。
 

—ただ、タイトルにこういったテーマが入ると、内容に深くその節目的な内容を織り込む必要を感じさせるなど、難しい部分もある気もします。

 
MARCY:いや、そういう意識したものより、今一番自然に出せるものが30年間積み上げてきたものだから、そういう意味でタイトルが自然に『THE EARTHSHAKER』としただけ。余計なことを入れたら逆に30年がウソっぽくなるじゃないですか?この長い歴史で積み上げたものが一番自然に出せるんだから、それを録音するのが一番いいと思ったんです。
 

—アプローチとして、自然にEARTHSHAKERという部分で出てくるものがある一方で、逆に新たに意識してアプローチしたものはありますか?お聴きした印象としては、やはりEARTHSHAKERらしさというメロディやハーモニーのセンスは感じられながらも、新しいセンスを感じられるような箇所もあります。

 
MARCY:そういう点では、特に今回だからというよりいつもですよ。EARTHSHAKERらしいとかひと言で言ってしまうと「ずっと80年代のことをやっているのか?」「「MORE?」「RADIO MAGIC?」(両曲ともEARTHSHAKER初期の代表曲)って勘違いする人もいっぱいいますけど、決してそんなことはなくていつも新しいことをやっています。やっちゃいけないようなことも平気でやっていますし(笑)。
 

—アルバムのそれぞれの楽曲の中で、たとえばとても思いが強い楽曲というのはありますでしょうか?

 
MARCY:それは一番難しい質問ですね。もうどの曲もいっぱいがんばってやっているから、一番難しいんですよ。
 

—捨て曲なし、という感じですね(笑)。

 
MARCY:当たり前じゃないですか!(笑)。「これでいいや!」とか適当な感じで録音したら、絶対スカスカのアルバムになりますよ、エライことになる。命がけで録音したものばかりやからね。そういう意味でたとえば優劣じゃないけど、「この曲が…」と思うようなところはやっぱり聴く人に判断してもらうほうがいいですね。
 

—楽曲の流れを見ると、最初の曲ではドン!と派手なドライヴナンバーで始まり、途中ではバラードなどで聴かせる曲を入れるなど、ライヴが想像できるようなメリハリのある楽曲構成になっていますね。

 
MARCY:そういうことは特に作っているときに意識していないけどね(笑)。ただアルバムの一枚として楽曲同士が対立しない様に、くらいのことは考えたかもしれません。一曲ずつ聴くといい曲っていうバンドもあるけど、結構同じような曲が続いて、聞いていると退屈してしまうような作品も結構あると思うんですよ。そういう風にはしたくないと思ったので。
 
SHARA:全部聴いて欲しいからね。
 

—では曲の並べ方にまで「30年」が凝縮されているということでしょうか?

 
MARCY:ハハ!(笑)。かもね。こんなアルバムを作るバンドなんて見たことありませんからね(笑)。そういう意味でもベテランだし。
 

—このアルバムをリスナーの方に、どのように聴いてもらいたいと思いますか?やはりそこは聴く人の感性に委ねるというところでしょうか?

 
MARCY:そうやね。その中でEARTHSHAKERを感じられるアルバムということは伝えたいと思います。『THE EARTHSHAKER』やしね。全部新曲で。あらゆる世代の方がこれを聴けば、「ああ、EARTHSHAKERはまだがんばってるわ!」と安心して聴いてもらえるという。「まだまだこいつら行けるわ!」みたいなことを感じてもらいたいです。
 
SHARA:そういうことが音に表れているよね。まだまだ前に進む気のようなものが。
 

—今後の具体的な活動について教えてください。リリースに伴うツアーも計画されていますね。11月まで日本全国をかなり細かくまで回られますね。なかなかここまでツアーで回るバンドも現在あまりいないと思いますが。

 
MARCY:うん、僕らはいろんなところに行って、僕らの音を届けたいしね。ずっとやってきたことだから。デカイ場所で少ない数をこなすというバンドもいるけど、僕らはこっちのほうがいいですね。もう僕らは始まりがこうだったもん。デビュー前からもう何百本とやってきて、それでこの地位をつかんでいるから、このままいきたい。おかげさまでまだ体も元気やし(笑)。
 

—ステージに上がるという欲求も衰えない感じですかね?

 
MARCY:そうやね。一番皆に喜んでもらえる場所だし。
 

—これ以外にもmintmintsTHE MARCY BANDSMC等の活動等盛りだくさんですが、そういう意味ではまったく止まる気はないと?

 
MARCY:元気ですからね(笑)。この先いつ止まるか分からないから、進めるうちには進んどかなきゃ、もったいない。
 

—では最後に、このツアーへの意気込みを含め、今後のEARTHSHAKERが「こうありたい」というメッセージを頂ければと思います。

 
MARCY:EARTHSHAKERは常に、皆が思うEARTHSHAKERであり続けます、今の自分をまっこうから出せるEARTHSHAKERで常にいるというのがあって、それはどう変化していくかは分かりませんが、それに期待してもらっても構いません。僕らはもっと旨くなるし、もっとスゴイバンドになる。下がることはないです。
 
SHARA:今度のアルバムを作ってそれは確信したし、これからまだまだ先が楽しみなんです。
 
MARCY:今はハードな方向にドンドン進んでいるんだよね、こういう方向もファンの方はみんな分かってくれていると思うけど。ずっと騒がれた昔を引きずっていくというのもあるかもしれないし、ファンがあの時代を愛しているのもすごく分かるからそれはあの時代の音を聴いてもらって構わない。でも僕らはそういう風に止まっていたくない。そういうことをしだしたらすぐ解散すると思うんですよ、つまらないし。僕らは未だに前に進んでいるし、そういう自分たちを応援してくれるファンの方もいる。
 

—では、やっぱりEARTHSHAKERとして前に進むだけということですね。

 
MARCY:進まなきゃ、つまんないよ!生きてるんだから僕らは。
 
hana
 
作品に感じられる製作者の「らしさ」。どんな作品にも製作者のカラーは当然入ってしかるべきではあるが、それが果たして万人に認めてもらえるような「その人らしさ」となっているだろうか?この課題は作品作りの全ての過程でのしかかってくる難しい課題だ。
 
EARTHSHAKERの作品には、その「らしさ」という部分が、非常に強く感じられる。それはもちろん、絶対的な存在感を持つヴォーカリストMARCYの声によるものではあるが、その声で紡ぎだすメロディと、それを支えるハーモニー、リズム等、4人で作り出す様々な要素が大きな要因となっていることも間違いない。そんなことが30年という月日を経て発表されたアルバム『THE EARTHSHAKER』からも強く感じられる。
 
バンドという活動を長く続けたという部分で彼らは大きく注目されているが、それ以上にその核となるスタイルを、自然に持ち合わせているということこそ、大きな偉業というべきではないだろうか。しかし、彼らは常に新しいものを作り続けることを自分たちの信条とし、続けることこそが自らのスタイルとしている。
 
MARCYの語った「まだまだいける」という部分は、インタヴューで話しているその空気からも感じられた。またそれはSHARAの語ったとおり、ニューアルバムに収められたアクティヴさを感じさせる音からも強く感じられることだろう。このアルバムから、今度はステージで彼らはどのようなプレイを見せてくれるだろう?きっと「まだまだいける」と思わせてくれるライヴとなることは間違いないだろうが、常に新しいことを自らに取り込もうとする彼らだけに、卓越したステージングの中でどんな新しいEARTHSHAKERを見せてくれるか?まだまだ皆を興奮し続けてくれることを期待して止まない。

Photo
EARTHSHAKER「THE EARTHSHAKER」
発売日:2013年6月21日
KICS-1913/3,150円(税込)
CD収録曲:
M01. 放熱
M02. Hand
M03. 月に叢雲花に風
M04. 僕の詩、その証を君へ
M05. 作りかけのForever
M06. 美しき世界
M07. 約束
M08. エンジン
M09. SING IT NOW TOGETHER
M10. 切り取られた夜

 


 

destrose_jacket
MARCY「MARCY」
発売中
KICS-1907/3,150円(税込)
収録曲:
M01. 授かりし命と共に
M02. Dark Angel(Animals)
M03. One-way Driver
M04. Water
M05. People Life
M06. 傾いた夜に二つの月を見た
M07. Germination
M08. 夜をぶっ飛ばせ
(超音戦士ボーグマン後期オープニングテーマ)
M09. Don’t Look Back
(超音戦士ボーグマン前期オープニングテーマ)
M10. Love Love Love
M11. Treachery

 


 

destrose_jacket
SHARA「SHARA」
発売中
KICS-1908/3,150円(税込)
収録曲:
M01. Phoenix
M02. Fiction
M03. Jet Roll
M04. Ghost
M05. Hell Dance
M06. Space Mints
M07. Driver
M08. Twin
M09. Don’t Cry
M10. T-O-K-Y-O
M11. Touch Me
M12. Sora

 

【ライヴ情報】
EARTHSHAKER 30th Anniversary Tour
 
2013年06月23日(日) 【千 葉】LOOK
2013年06月29日(土) 【東 京】下北沢ReG
2013年06月30日(日) 【神奈川】Thunder Snake ATSUGI
2013年07月05日(金) 【奈 良】LiveHouse NEVERLAND
2013年07月06日(土) 【三 重】四日市CLUB CHAOS
2013年07月07日(日) 【滋 賀】BARI-HARI
2013年07月13日(土) 【兵 庫】神戸CHICKEN GEORGE
2013年07月14日(日) 【京 都】磔磔
2013年07月15日(月) 【愛 知】名古屋ElectricLadyLand
2013年07月20日(土) 【北海道】旭川CASINO DRIVE
2013年07月21日(日) 【北海道】札幌BESSIE HALL
2013年07月27日(土) 【埼 玉】HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
2013年07月28日(日) 【神奈川】横浜7th AVENUE
2013年08月31日(土) 【愛 知】豊橋club KNOT
2013年09月01日(日) 【静 岡】静岡Sunash
2013年09月07日(土) 【東 京】八王子MATCH VOX
2013年09月08日(日) 【栃 木】HEAVEN’S ROCK Utsunomiya
2013年09月14日(土) 【鳥 取】米子AZTiC laughs
2013年09月15日(日) 【岡 山】CRAZYMAMA KINGDOM
2013年09月16日(月) 【高 知】X-pt.(クロスポイント)
2013年09月18日(水) 【兵 庫】姫路Beta
2013年09月19日(木) 【広 島】呉LIVE&SHOTBARケラウスランブラ
2013年09月21日(土) 【鹿児島】鹿児島CAPARVO HALL
2013年09月22日(日) 【熊 本】DRUM Be-9 V1
2013年09月23日(月) 【福 岡】Live House HEART BEAT
2013年09月27日(金) 【山 口】LIVE rise SHUNAN
2013年09月28日(土) 【広 島】ナミキジャンクション
2013年09月29日(日) 【大 阪】umeda AKASO
2013年10月05日(土) 【埼 玉】越谷イージーゴーイングス
2013年10月06日(日) 【宮 城】仙台LIVE HOUSE enn 2nd
2013年10月19日(土) 【長 野】CLUB JUNK BOX
2013年10月20日(日) 【新 潟】GOLDEN PIGS BLACK STAGE
2013年10月26日(土) 【千 葉】柏Thumb Up
2013年10月27日(日) 【東 京】下北沢ReG
2013年11月02日(土) 【石 川】金沢AZホール
2013年11月03日(日) 【富 山】サマーナイト
2013年11月04日(月) 【新 潟】LIVE&ENTERTAINMENT”BiS”
 
EARTHSHAKER 30th Anniversary Special Live決定!!
2013年11月16日(土) 【東 京】赤坂BLITZ
 
オフィシャルサイト
http://earthshaker.jp/index2.htm

 

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EffEXPO ~見て、聞いて、弾いて、学べる、エフェクターの祭典~
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Dos a tres caidas ! ~コンチェルト・ムーン炎の三番勝負~Vol.2 2012/8/26 @Shibuya BOXX
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絆フォーエバー ~素敵にいい夜~ 第2回(石原“shara”愼一郎&大谷令文)
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密着レポート第8弾 EARTHSHAKER「PRAY FOR THE EARTH 」
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