特集

Dream Power ジョン・レノン スーパーライブ2011

TEXT:鈴木亮介

PhotoStarting Over…この言葉が昨年ほど実感を伴う年はないでしょう。3月の震災によって、忘れられない2011年も終わりに近づく12月8日、偉大なる音楽家の命日に、毎年恒例のチャリティライブが行われました。「Dream Power ジョン・レノン スーパーライブ2011」。BEEASTではこのイベントに登場する「音楽(ミュージック)」はもちろん、「言葉(フレーズ)」、そして「行動(アクション)」に着目しました。
 
「Dream Power ジョン・レノン スーパーライブ2011」。これは偉大なる音楽家John Lennonを敬愛する国内のミュージシャンが集い、世界の子どもたちに学校をプレゼントする毎年恒例のチャリティコンサートで、今年で11回目の開催となります。John Lennonが凶弾に倒れたのは、1980年12月8日。また、ライブ開催にあたってはTHE BEATLESが国内で唯一公演をした”聖地”である東京・九段の日本武道館がその会場に選ばれました。
 

 
まずは、今回の出演者の紹介と、出演に当たってのコメントを紹介しましょう。
 

 ■オノ・ヨーコ/11年連続11回目
 (1回目は衛星中継による出演)

 ひとりで見る夢はただの夢、
 みんなで見る夢は現実になる。
 夢は世界を動かす大きな力、夢の力を信じて、
 12月8日に日本武道館でお会いしましょう!

 
■桑田佳祐(初出演)
素敵な機会を与えて頂いてありがとう!!
 

■奥田民生(5年連続8回目の出演)
(ヨーコさん、)いつもありがとうございます。
ジョンが蘇るなんて、なんかすごそう!

 

■吉井和哉(5年連続7回目の出演)
今年はいつも以上にジョン・レノンを想った年でした
ジョンが残してくれた沢山の美しいロックンロールを皆で歌いましょう

 

■斉藤和義(2年連続5回目の出演)
メリークリスマス!
今年も楽しませてもらいます。
ヨロシクリス智子

 

■LOVE PSYCHEDELICO
(7回連続7回目の出演)

All you need is love! 楽しみましょう!!
 ■BONNIE PINK(5年連続6回目の出演)
 12月のお楽しみと言えばこのスーパーライブ。
 また出演できて光栄です。
 みんなの熱い歌声に私もパワーをもらいに行きます。

 

■サニーデイ・サービス (曽我部恵一は2年連続7回目の出演、バンド出演は初)
ジョンの魂が今年も武道館の風に吹かれてやってくる。(曽我部恵一)
 

■ROY (THE BAWDIES)(初出演)
大好きなジョンは僕にとってロックンロールを共に愛する同志!参加出来て本当に嬉しいです!さぁ今こそ皆で歌い、踊り、一つになろう!
 

■OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND(初出演)
We are very excited to have the honor of being a part of this year’s Dream Power John Lennon Super Live!
 

このほか、トリビュート・バンドとして斎藤有太(Keyboard)、和田春彦(Keyboard)、土屋潔(Guitar)、長田進(Guitar)、押葉真吾(Bass)、古田たかし(Drums)が出演。さらに、MCにクリエイターの箭内道彦(5年連続5回目)、朗読で女優の(初出演)、俳優の菅原文太(初出演・声のみ)が出演しました。

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「どんな些細なことでも夢を持つこと。それが世界を変えていく大きな力となるのです」というオノ・ヨーコさんの提唱により始まった、このライブイベント。過去10回の開催で延べ154人のアーティストが参加し、世界28か国・107校の学校建設を支援してきました。

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2011年12月8日、東京。今年のJohn Lennonの命日は、静かに小雨が降り続いています。比較的高い年齢層を中心に、武道館の客席が埋め尽くされていきます。ステージ両脇の大型モニターには「IMAGINE PEACE 平和な世界を想像してごらん」の文字が。
 
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そして午後7時、突然の暗転とともに、ライブがスタート!冒頭、9分間にわたるオープニングフィルムが流れ、John Lennonの生い立ちを紹介。そしてステージにはJohn Lennonにロックを学んだと公言する奥田民生吉井和哉斉藤和義という邦楽ロックのフロンティア3名が揃う豪華布陣。「Gimme Some Truth」を披露しますが、ステージにはおや、もう一人。今宵なんと、武道館の地にJohn Lennonが帰ってきました!最新の映像技術を駆使してJohn Lennonがバーチャル出演。原発事故にまつわる写真が大型スクリーンに映し出される中、「ギミ、サム、トゥルース(真実をくれ)!」を熱唱します。
 
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原発の報道写真をバックに歌うJohn Lennonという衝撃的な幕開けでスタートした今宵のショウ。続いて登場するのはTHE BAWDIESよりフロントマン・ROY!さらに、BONNIE PINKサニーデイ・サービスと続きます。そして屋台骨を支えるトリビュート・バンドDr. Winston O’Boogieを紹介しておきましょう。バンドマスターを務めるのは2005年から6年連続出場の和田春彦(Keyboard)を筆頭に、土屋潔(Guitar)、斎藤有太(Keyboard)、長田進(Guitar)、押葉真吾(Bass)、古田たかし(Drums)という強力な布陣です。
 

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そして午後8時過ぎ。女優・による詩の朗読に続き、過去のライブで建設支援した全107校を紹介。そして、箭内道彦が登場し、今宵初出演となる、スペシャルゲストのこの人を呼び込みます。「桑田さ~ん!」
スタンドが一挙総立ちになり、大歓声とともに、桑田佳祐が登場!バックバンドとともに初期THE BEATLES風スーツ姿の桑田佳祐。熱気溢れる中、冒頭「ラララ」と歌い出したそのメロディは、「勝手にシンドバッド」?すかさず訂正し、「She Loves You」をスタート。この後、「I Feel Fine」「Slow Down」など7曲を熱唱し、風のごとく疾走していく!
 
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この後も、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDLOVE PSYCHEDELICO斉藤和義奥田民生吉井和哉と続きます。中でも注目を集めたのは、「Rock And Roll Music」に自ら訳詞を書き、原発事故と政府批判をシャウトした斉藤和義。そして、奥田民生は没後10年を迎えGeorge Harrisonを追悼しようと提案し、「Savoy Truffle」などGeorgeのナンバーを2曲披露しました。
 
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午後10時をまわり、いよいよライブも終盤。再び登壇した箭内道彦により、来場者全員に手渡された「オノコード」の説明があります。モールス信号にヒントを得たオノ・ヨーコ発案のペンライトにより、日本武道館に1万2千のあかりが灯ります。その壮観な様に、来場者1万2千人の口からため息がこぼれました。さあそして本日の出演者が一斉登壇だ!
 
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最後は出演者全員、そして観客全員で、「Happy Xmas(War Is Over)」、「Power To The People」「Imagine」の3曲を熱唱。オノ・ヨーコと肩を組む吉井和哉。そして、BONNIE PINKの隣でマイクを握るが天真爛漫に飛び跳ねる少女のように、全身で喜びを表現しているのが印象的でした。
 
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John Lennonの曲には、本当に「想像」や「力」を与えられ、それが勇気、希望、自信になる…そんなことを改めて認識することができました。月並みな言葉ですが、でもそれこそが神髄だと思いますし、飾り過ぎずシンプルな言葉で十分だと思いました。
 
今回のライヴでは、フィリピンに2校、カンボジア、ネパール、タイ、ベトナム、エクアドル、グアテマラ、ガーナ、セネガルに1校ずつ、合計9か国10校の学校建設を支援するということです。さらに、会場で販売されたチャリティグッズの売上の一部が東日本大震災で両親を失ってしまった子どもたちの支援に使用されます。
Power to the people!2012年の日本に、世界に、人々にパワーを!
 

◆Dream Power ジョン・レノン スーパーライブ 公式ホームページ
http://www.dreampower-jp.com/



 ■オノ・ヨーコ
 http://imaginepeace.com/

■桑田佳祐
http://www.sas-fan.net/

■奥田民生
http://okudatamio.jp/

■吉井和哉
http://www.yoshiikazuya.com/

■斉藤和義
http://www.kazuyoshi-saito.com/

■LOVE PSYCHEDELICO
http://www.lovepsychedelico.net/

 ■BONNIE PINK
 http://www.bonniepink.jp/

■サニーデイ・サービス
http://d.hatena.ne.jp/sunny_day_service/

■ROY (THE BAWDIES)
http://thebawdies.com/

■OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND
http://www.oau-tc.com/

■箭内道彦
http://www.yanaimichihiko.jp/

■杏
http://www.anne-music.jp/