特集

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TEXT:野村佳緒理 PHOTO:幡原裕治

Photo「完全ライブ主義」で22歳以下のバンドが競い合う、若手バンド発掘コンテスト「JYOJI-ROCK U-22 GRAND PRIX」。8度目の開催となる2013春大会決勝戦が4月7日(日)、吉祥寺ROCK JOINT GBにて開催された。
 
今回は大会史上最多となる30組が出場するということで、記事も2回に分けてお届けしているが、本記事では休憩を挟んだ後半戦、15組目から30組目までの出場者の模様ならびにゲストバンドのレポート、そして気になる審査結果も余すところなくお伝えしたい。
 
右上の写真のように、今回のJYOJI-ROCKでは出場者と観客にリストバンドが配られた。これを腕に巻いていれば、入退場自由。10時間超の熱戦ということで、リストバンドを巻いてフェス気分!毎回同じフォーマットのマンネリではなく、開催回を重ねる度に進化していくのも、JYOJI-ROCKの魅力だ。
 
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後半戦のトップバッターは再びU-18レーンに切り替わり、制服で登場のガールズバンド・Cookie Monsters。1曲目、声量ある「バイバイマイシックスティーン」というリフレインに思わず聴き入ってしまう!2曲目はノリのいい曲で、後半戦も疲れを知らず、盛り上がる会場!
 
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All+はヘヴィなイントロと思いきや、曲はなんと聖飢鬼II!細身の体からは想像しがたい迫力あるボーカルと、黙々と指を動かす演奏で見事にGB会場で黒ミサを敢行!演奏後には司会・Mr.チャールズデーモン閣下のモノマネも飛び出した。
 
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Summer Winter Generationはクラッカーとともに元気いっぱいに登場!明るい素直な歌声に一気に会場のテンションがアップ!2曲目、キュートなナンバーでは、ステージも会場もみんな一体となって跳ねまくる!
 
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続いて落ち着いた雰囲気で聴かせたのがsiesta。「飛んだり跳ねたりしないけどその分みんなの心にしっかり届けたい」という言葉通り、発音も音程もしっかりとしたクリアな歌声。滑らかなメロディに観客たちは心地良い横ノリで応じる!
 
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女子スリーピースのゲリラ楽隊の1曲目は「ア・ワ・ア・ワ」のキュートなフレーズが有名な「ラジオ・スターの悲劇」のカバー曲。2曲目もにぎやかに弾きまくり、叩きまくり、ステージも観客も踊りまくりの渦!この時点で夕方の5時だが、そんなことは関係ない!
 
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クマの耳をつけて声優のようなかわいらしい声でゆーとぴあ登場。「盛り上がっていクマー!」と演奏スタート!2曲目「カカオ87%」は洒落たリズムが印象的。「GB、行くよ?」「ワンツー!」のコール&レスポンスも大成功!
 
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この日の昼間に練馬で野外ライブをやってきたというガールズバンド・Planetaria。1曲目はクリープハイプの「オレンジ」をカバー、張り上げる高音のメロディにじんとする。2曲目はFliPの「ワンダーランド」、難曲をこなして完全燃焼!
 
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この春から高校生のDistortion Rhapsody。のっけから激しいシャウトと重低音で会場を圧倒!MCも容赦なく「盛り上がってるかー?!」と観客を煽る、煽る。U-18レーン一番のワイルドな咆哮(ほうこう)に演奏後はヒューヒューと声が飛ぶ!
 
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23組目は敗者復活戦で出場を決めたサンタモニカ。小芝居で笑いを取った後は、クール&アンニュイなバンドに大変身!「ここにいる人もっと頭おかしくなりたいんでしょ?もっと来なよ!」と煽った後は、破壊的な高音で異彩を放つ!
 
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今回ガールズバンドとしては最後の登場となったノベルム。速い回転の演奏に「Catch you!」の指さしでセクシーなステージ!2曲目はブーゲンビリアの花をモチーフにした妖しい楽曲、曲の終わりに向けて狂気が増すような表現力がすごい!
 
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25組目はMarron&squirrels。登場とともに「気合入れて頭振れ!」との指令を勢い良く飛ばして、あっという間に観客をメタルサウンドに引き摺り込む!ギターソロでは男子からの感嘆の声が飛ぶ!しゃがれ声とクリアな声のボーカルも圧巻!
 
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続いて26組目、長身長髪のボーカルを中心に三者三様の個性の羊の群れは笑わない。が登場。バンド名だけでなく、歌詞もアレンジもアマノジャクな展開で、先が読めなくて引き込まれる!けだるいアイロニーを感じさせる独特の歌声、一度観たら忘れられないバンドだ!
 
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そしてとうとうU-18レーン最後の登場となる、ザ・ラリフォーズ!ちょっとレトロなグループサウンズを思わせる陽気なナンバーに体が揺れる!2曲目は「生きてくれ、生き抜くんだ」という熱い熱唱に観客の手拍子が加わり、拳もあがりっぱなしのまま、U-18の14組の全演奏が終了!
 
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ここからは残すところ、U-22レーン後半戦3組の演奏だ。まず登場するのはdei。何かを壊すようなドラム音で、尋常じゃない空気の変化を観客全員が感じ取る!そして激しいヘドバンに地を這うようなデスボイス!激しいサウンドなのに一音一音が鮮やかで、これぞメタル!という圧巻のステージ!
 
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続いてS-ALL、なんと関西からの参戦だ!しかしアウェイをものともせず身を乗り出して煽るパフォーマンスに、あっという間に会場はひとつになってゆく!硬派なサウンドに派手なベースのアクション、そして最後は「It’s all right」の大合唱が響きわたる!
 
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そしてとうとう全30組最後のバンド、女性ボーカルのSUPER NATURALが登場!MCでは「もっと盛り上がろう!今盛り上がらないでいつ盛り上がるんだよ?!」と男前な煽り炸裂!疾走感あるサウンドとソウルフルな歌声に引っ張られ、飛びまくって観客も完全燃焼で決勝戦終了!
 
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全バンドの演奏が終わり、審査を待つ間にはお楽しみのゲストライブ!とっくに外は真っ暗だが、まだまだこれからだ!
 
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ゲストバンドは、前回に続いてVEGAS TOP GLIDERAngie(Guitar & Vocal)、Machico(Bass & Vocal)、田中千恵(Drums & Vocal)のスリーピースだ。「いい景色だねぇ。」ハスキーなAngieの第一声が響くと、「イエー」と応えるまだまだ元気な観客たち!「新しい音楽や新しい時代をつくってこの社会を元気にしていくのはみなさんだと思います。そのお手本になれるかわからないけど1曲目に私が18歳の時に作った曲をやります」。
 
出会ったばかりのAngieの真剣な声に、観客たちも大きな拍手と声援を送り、真剣に体全体で音楽を受け止める。「花吹雪 花吹雪」と繰り返されるAngieの声に体を揺らしながら、女性とは思えない演奏、特にドラムのダイナミックな動きに目を奪われる!
 
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多くの観客が強烈な先制パンチに驚く中、「大人の本気をみせようじゃないか」と演奏されたのはハードなロックナンバー!「ベイビーサンフランシスコ!」の乾いたハモリがめちゃめちゃカッコいい!そしてドラムはさらに激しく暴れまくる!
 
MCで田中千恵が紹介されると、尊敬の念のこもった大歓声が起こる!そこからダンサブルなナンバー、3人全員が激しく演奏しながら歌っている!全員がリードボーカルを取れる歌唱力に驚きながら、観客たちはもうすっかりハマって踊りまくる!
 
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続いて披露したのは、ライブで出会う観客たちに向けてつくったというスローなナンバー「October」。Machicoの女性らしい、それでいて鍛えられた声が会場に響きわたり、熱いメッセージに胸が熱くなる!ここでAngie主導で「千恵ちゃん」コールが巻き起こる!小さく低い声で「はい」と応える田中千恵に、男子陣は大興奮!そして3人で吉祥寺で作った歌だという「joyful」が交互にリードボーカルを取って演奏される。3人の確かな友情に、音楽を続けていくことに希望を見出した観客も多かったのではないだろうか。
 
最後は「CALL ME」。前奏からコーラスが入る疾走感ある演奏。「Very good time Have a good time」の心地良いフレーズをいつか観客も口ずさみながらリズムを刻んでいる。出会ったばかりなのに終わってしまうのが、もう寂しい。音楽を愛し、仲間と生きるそんな素晴らしさを伝えてくれた、掛け値なしにカッコいいステージだった。
 

◆セットリスト
M01. 雨降りの歌
M02. サンフランシスコ
M03. Melody
M04. October
M05. joyful
M06. CALL ME
◆VEGAS TOP GLIDER 公式サイト
http://vegastopglider.com/
 
◆インフォメーション
・2013年05月21日【吉祥寺】ROCK JOINT GB

そして、いよいよ審査結果の発表!
 

◆U-18レーン グランプリ
リディキュラスラビッシュ
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◇U-22レーン グランプリ
S-ALL
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◆U-18レーン 準グランプリ
the Village Papas
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◇U-22レーン 準グランプリ
dei
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◆U-18レーン 第3位
羊の群れは笑わない。
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◇U-22レーン 第3位
FUZZYS
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■優秀賞
夢豚Little Kalaidscopesiestaザ・ラリフォーズthe Post

■ロックイン吉祥寺賞
HSTAR ROAD

 
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各レーンのグランプリ、準グランプリ、3位のバンドに喜びの声をインタビュー!
 

U-18レーン グランプリ リディキュラスラビッシュ
http://ridelikyurasurabissyu.jimdo.com/

「大それたことを言ってしまったと実は後悔していました(「組織票はいらない」という言葉)。僕たち、もともとはロックな人たちじゃないんです。“ダサい人たちの味方”としてこれからもメッセージを伝えることを大切にしていきたいと思います。2連覇させていただいたのをきっかけとして、バンドとしていろんなことに挑戦していきたいです」
U-18レーン 準グランプリ the Village Papas
 
「ライブはすごく楽しかった。でも2位は悔しかったです。夏は1位どころか0位?!くらいな勢いでこれからも頑張ります!」
U-18レーン 第3位 羊の群れは笑わない。
 
「正直悔しいです。1位行けるだろうと勝手に思ってたんで。でも敗者復活戦から出てきたので賞とれたことは良かったです。まぁこういうジャンルなので仕方ないかなと思いますが、これからも自分たちらしく頑張ります」
U-22レーン グランプリ S-ALL
http://sallosaka.web.fc2.com/
 
「まさかグランプリがとれるとは思っていませんでした。とにかく一番後ろまでひとつになりたい、ってそれだけだったんです。ただ持ち時間10分をどう使うかってことはかなり細かく考えました。これから勝ち癖をつけていけたらいいなと思います。また東京来ると思うんで、みなさん、また一緒に遊びましょうね!」
U-22レーン 準グランプリ dei
 
「メンバーの受験があって休んでいて、久しぶりのライブだったので楽しかったです。1位じゃなかったのは残念ですが、それよりもライブ重視だと思ってます。実力重視で、メタルを広めていきたいです」
U-22レーン 第3位 FUZZYS
 
「1位じゃないと意味がないというか、悔しいです……。ただ自分でも演奏が走っちゃったのはわかってたんで……。でもこれからも頑張ります。どこかのライブハウスで会いましょう!」

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U-18レーンは連覇のリディキュラスラビッシュ。素朴で本当に仲の良い4人だ。腹を割って“伝えあえる”仲間と磨きあうからこそ、彼らの等身大の音楽は人の胸に届くのかもしれない。
 
そして、U-22レーングランプリのS-ALL。ベースで華やかなプレイを披露していたShokiによると、「カッコいいじゃ満足できない、カッコいい上に面白くしたい」とのこと。東京進出はなるのか?今後も彼らの動きに乞うご期待!
 
過去最大規模の大会となった通算8回目の春大会はこうして幕を閉じた。翌日は高校の始業式という所が多かったようだが、今回の出演者たちみんなが、これからも学業や仕事と両立して熱いライブに挑戦してくれることを願ってやまない。夏大会も熱いライブを期待する!
 

「ライブ至上主義」を突っ走るJYOJI-ROCK、2013年夏大会も開催決定!!
◆JYOJI-ROCK U-22 GRAND PRIX 公式サイト
http://www.rock-gb.com/jyoji-rock/
 

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