特集

TEXT:桂伸也

本誌BEEASTが自信を持ってプッシュする太鼓判アーティストの特集!第14弾は、日本嬢メタルブームの火付け役となり、新たなガールズの可能性を広げたガールズ・メタル・バンドAldiousをお届けします!
 
アゲ嬢ルックに硬質で鋭いヘヴィ・メタル・サウンドという意外性でセンセーショナルなデビューを飾ったAldiousがシーンに旋風を巻き起こして約2年、サウンドもルックスも、そしてパフォーマンスも自己のスタイルとして確立し、ガールズというポジションでも、ヘヴィ・メタルというサウンドの特徴でも大きな変革をもたらし、その存在を大きなものとしましたが、今年6月にフロントマンのRamiがバンドを脱退というショッキングな事件がバンドを、そしてファンを襲い、一時は失意の底に沈みました。しかしそこから新ヴォーカリストRe:NO(読み:リノ)が加入、新たな目標に向けて再スタートを切りました。既に2回のステージで復活をアピールし、新たなシングル「White Crow」をリリース。バンドの再始動に、もう何の迷いもない様子がうかがえます。
 
新たな気持ちで再び未来に向けて歩み始めたAldiousRe:NOとともに、いかに彼女らは再度の歩みに至ったのか?その経緯と現在の心境、心に持つ新たな決意をRe:NOとリーダーでありギタリストのYoshi、そしてベーシストのサワに話をうかがいました。

 

Aldious
◆メンバーリスト:
Re:NO(Vocal)、Yoshi(Guitar)、トキ(Guitar)、サワ(Bass)、Aruto(Drums)
 
2008年6月、ヴォーカリストのRamiYoshiを中心に大阪で結成。2008年11月、コンピレーション『Red Hot Burning Hell Vol.16』に参加。2009年1月、トキが加入し、同年11月に、Aldiousの初単独音源となる4曲入りEP『Dear Slave』を自主制作にてリリース、2010年1月、Arutoが加入、3月には初期メンバーであったサワの再加入によりバンドとして結束。4月に、Spinningレーベル初の邦楽アーティストとして契約。ウェブを中心に話題を集める中、7月にシングル『Defended Desire』でデビュー。そして10月、待望のフルアルバム『Deep Exceed』をリリース、2011年1月に4月に2ndシングル 『Mermaid』をリリース。同時に初のワンマン・ツアーを渋谷/心斎橋/名古屋の各クラブクアトロで行い、全公演満員御礼。そして10月には2ndアルバム 『Determination』をリリース。その後、Ramiが6月をもって脱退するも、バンド側は楽曲制作を続けながらヴォーカリストを探し、8月に新ヴォーカリストとしてRe:NOが加入。

 
hana
 

1.私は最初からこの子しかいないと思っていました!可能性があるヴォーカリストを選びたくて。

 

—新しくRe:NOさんが加入され、装いも新たに再始動した新生Aldiousについて、おうかがいさせていただきたいと思います。もともとRe:NOさんがAldiousに加入された経緯をおしえていただけますでしょうか?

 
Re:NO:ギターのトキとはもともと知り合いの知り合い、ちょっと面識があったというような間柄だったのですが、そのつながりからお話をいただきました。
 

—ではオーディションなどは行われなかったのでしょうか?

 
Yoshi:そうです。オーディションという形は取りたくなくて、自分達が「この子だ!」っていう人物を選びたかったので、あまりあちこちに声を掛けませんでした。「あっ、この子いいな」って思えるような、可能性のあるヴォーカリストが欲しくて。
 

—では、トキさんからRe:NOさんを紹介されて、この子がいいんじゃないかと思われたのは、どんなところに惹かれてのことだったのでしょう?何かデモ音源等を聴かれたとか?

 
Yoshi:そうですね。音源をメールで貰って聴いたときに、声やメロディライン等がAldiousに通ずるものがあると思いました。メタルバンドの経験がなかったという面で不安もあったのですが、実際会って話をしながら音合わせをしていく中で、そういう不安な面以外にも「あっ、この子の考え方はすごいな」とか、他にも惹かれるところがたくさんあったので、本当に入って欲しいなという思いがドンドン強くなって、結果的には猛アプローチしました。
 

—今回リリースされる音源を聴いた印象としては、すごくソフトな感じながら、端々でガッと力を入れるような、ダイナミクスの広さを感じましたが、もともとはどのような活動をされていたのでしょうか?

 
Re:NO:J-POPにロックやハード・ロックと、結構いろんなジャンルを混ぜたバンドを過去にやっていたくらいですね。
 

—このバンドからお話があったときの印象って、覚えていますか?

 
Re:NO:最初は不安でしたね。メタルというジャンルはすごく興味はあったけど、やったこともなかったし。メタル・シャウトとか、Aldiousの今までの楽曲の音域が出るのか?っていう部分でも。それを伝えた上で、「じゃ、1回スタジオに入って歌ってみようよ」って感じで言ってもらえたんです。
 

—不安面とは逆に、「このチャンスで自分の可能性を広げられる」と、期待を持ったとことはありませんでしたか?

 
Re:NO:いや~それどころでは。希望を持てるまで時間が掛かりましたね。自分で考え過ぎちゃって落ち込んだ時期もありましたし。すぐにやりたい!っていう気持ちにはなれなかったし、初めてメンバーに会ったときに彼女達が「Aldiousを成功させたい」っていう気持ちをヒシヒシと感じたので、いい加減な答えは出せないと思っていたんです。今までやってきたバンドは、結構ノリで入った感じでしたが、Aldiousは「ああ、じゃあやる」って即答するようなことはできないバンドだと思ったので。だから一人でずっと真剣に考えて、悩んでいました。でも電話でYoshiに「自分にはAldiousに対してこういうところが足りないと思うんだけど」っていう相談をしたら、それには「いや、そういうところには自分の色を出してくれればいい」と相談に乗ってくれたり、親身に考えてくれたりしました。
 

—なるほど、ではやはりバンド側のプッシュが加入の決め手と…

 
Yoshi:そう。やっぱり不安になるのはイコール真剣に考えていてくれるからこそだと、彼女の気持ちが伝ってきましたからね。考え方とか「こういうところが不安だ」とか、そこまで考えてくれているんだっていう真剣さが感じられて、凄くしっかりした子やなという印象があったので。普通はあまり考えていなければ去っていっただろうし、凄く相談してくれたのはちゃんと物事を考える人間だと思いました。そういう部分にも惹かれましたね。
 

—なるほど。サワさんも彼女の声は事前に聴かれていたのでしょうか?

 
サワ:私は一応、Yoshiから「この人を考えている」ということを教えてもらって、そこで歌っている音源を聴いて、「ああ、キレイな声をしているな」とは思ったのですが、正直最初はジャンルが全然違ったから、「この人ちゃんと歌えるのか?大丈夫かな?」という不安はありましたね。
 

—その後、一度音合わせを行った際に感じた印象は、また違ったものでしたか?

 
サワ:いや、そのときはガチガチに緊張して、実力を出し切れていなかった感じで、同じ印象でした。だから「この先も大丈夫かな?」って思って(笑)
 

—実際に合わせたのはいつ頃なのでしょうか?

 
Yoshi:7月くらいですかね。
 

—そこから、Re:NOさんを入れた格好で「いける!」と思ったのは、いつくらいからでしょうか?

 
Yoshi:いや、そういう意味では私は最初からこの子しかいないと思っていました。サワは違うことを思っていたかもしれないけど、(笑)私はずっと。
 
サワ:まあ、Yoshiがそういうのなら、間違いないな、とは思いましたよ(笑)「先の成長を期待」みたいな(笑)
 
Yoshi:やっぱりその変わっていけるものと変わらないものってあると思いますが、人間性や声質みたいな変えられないところにとても魅力を感じていたし、逆に声量等の変えられるものはあとからついてくると思っていたので、それはドンドンつけていこうと。それは私達も同じなので、一緒に成長していければと思っています。
 

—これまで既にライブを2回重ねていますが、ここまでで「おっ、こんなこともできるんや!?」と、新たに発見した部分などはありますか?

 
Yoshi:そうですね、ステージの中でその振る舞いやMCが堂々としてカッコよかったので凄いなって思いました。そのときはまた印象が変わりましたね。尊敬の目に変わったというか(笑)
 
サワ:だからライブをやるまでは不安だったけど、ライブから「あっ、この人でよかった!」って、思いました。
 

—それはリハの段階ではやはり分からなかったと?

 
Yoshi:結構本番になると変わるタイプなんです(笑)。やっぱりたいていの人がそうだと思うけど、リハは恥ずかしがってMCをはしよったりしていたのですが、ステージではオラオラ系でグァーッと(笑)お客を引っ張っていってくれたので、とてもよかったです。
 

—Re:NOさんは実際に7月から初めて、「何とかやれそうだ」と感じたときっていうのはありましたか?

 
Re:NO:いや~やれそうだっていうよりは、「本気でやっていきたい」っていう気持ちが強くなりましたね。やれそうだ、っていうのは、多分いつになってもできないんじゃないかって思います。目標を高く、高く持っていきたいし。だから「できるぞ」っていうことを思ったことはないですね。
 

2.新しい可能性みたいなところはまだ探り探りだけど、一緒に成長していける。

 

—この度、東京のほうへ拠点を移されたとのことですが、それは何か関東圏内でライブを増やす意図等もあるのでしょうか?

 
Yoshi:いえ、ライブは今までどおりというところですが、やはりプロモーション等の活動を行うには関東圏内にいたほうがいいということを以前から考えていたんです。ようやく落ち着いて異動してきたということで。まあ、Re:NOももともと大阪ではないし。
 

—大阪で活躍されていた一バンドの目線から一つおうかがいしたいのですが、大阪のバンドシーン、メタルシーンって、どんな風に見られていましたか?

 
Yoshi:そうですね…もともと大御所の日本のメタル・バンドも数々排出してきた場所なので、逆に関東がどのような状況か分からないのですが、メタルのイベントも盛んにありますし、盛り上がりはあると思います。
 

—バンド活動を行うという観点ではいかがでしょう?

 
Yoshi:やっぱり活動という意味では関東のほうがいいかもしれませんね。関西から移動のたびに作曲等の時間もとられましたし。関東圏内にいたほうが都合がいいかもしれないですね。
 

—では、関西代表として(笑)関西も音楽の発信場所として盛り上がればいいのに、と思われたことってありますか?

 
Yoshi:あ~そうですね。東京に上京したとブログに書いたときには、北海道の方から「大阪で活動し続けて欲しかった」といったメッセージをいただいたことも意外と多かったんです。だから、結構珍しいのかなと思います。まあ、まだ「代表」といわれるほど売れているとも思っていないし(笑)、まだまだペーペーですよ。
 
サワ:でも、上京してきても大阪が発祥のバンドだということは忘れずに思っていますよ。大阪こそ心の故郷というか(笑)
 

—今回、関西方面出身ではないRe:NOさんもおられて、ちょっと様子が変わったりしたことはありますか?Re:NOさんは関西弁が移ったりしたとか?(笑)

 
Re:NO:いや、全然。酔っ払ったときには若干イントネーションが変わったりしますが(笑)
 

—シングルの曲を作り、ライブも行われた今の段階で、Re:NOさんとしては徐々にバンドに馴染みつつあると思いますが、今メンバーをそれぞれどんな感じの人と認識されていますでしょうか?

 
Re:NO:そうですね…Yoshiはまさにリーダーかつお母さん(笑)、それでいてとても女性だなって思いました(笑)。とても細かいところをいっぱい背負っているんですけど、何でも一人でやるんですよ。運転もそうだし、ドレスを黙々とアイロン掛けしたり(笑)、あと、みんなが脱ぎ散らかした洋服を何も文句も言わずに片付けたり、重い機材をバン車(バンドの車)に運んだり。何でも一人でやるから「何か一言いってくださいよ、手伝うから」って言っても、「いや、ええねん」って。すごく強いというか。でも、女の子らしい。もしかしたら、メンバーの中で一番女性らしいんじゃないかって思います。
 
サワ:ピンクが好きやしね(笑)
 

—いや~持ち上げましたね(笑)。サワさんはいかがでしょう?

 
Re:NO:最初のイメージが、やっぱりメンバーの中でフワフワの衣装で、ツインテールのカワイイ系と思っていたんですけど、意外と毒舌で(笑)。ザバッとものを言う感じ。メンバーの中で一番さっぱりしている感じですね。いつかサシで飲んでみたい感じで(笑)。あまりゴチャゴチャ言わないんですけど、「これどうしよう?」って、メンバーがみんなでシーンと静まったときに、「こうしたらええやん!」って、爆弾ボーン!って感じで発言(笑)。そういう役割の人。力がないように見えて、ものすごい根性座っている感じ(笑)
 
Yoshi:裏番やからな(笑)
 
Re:NO:トキちゃんとArutoはんは、セットにしたらムチャクチャ面白いんですよ(笑)。個人個人色々ありますが、最近は5人で行動していた中で、二人の会話が止まらなくてバン車の中でずっと喋ってるんです。凄いナイスコンビだなって。自分が喋りが得意ではないので、うらやましい。回転が凄く速いんですよ。
 

—そういうコンビネーションって、何かプレイにも反映されたりするのでしょうか?

 
Re:NO:そうですね、そういうつながりはあるんじゃないかと思います。パフォーマンスに関しては個人個人ですけど、トキはステージで豹変する感じですよね。MCのときはカワイイけど、演奏のときはドワーッという感じで凄くカッコいい。カッコよくてカワイイ感じかなと。Arutoさんはとにかく面白くて。いるといないとで、場の雰囲気がガラっと変わるんです。空気というか…
 
Yoshi:Arutoが加入するまでは、結構大人しいバンドだったのですが、Arutoが加入してからはメンバーの底にあるものを引き出されて(笑)。トキも、もともと大人しい子で「私、大人しい子だから」って自分で言っていたくらい(笑)。だけどArutoが加入してから、何か凄いことになって(笑)、とにかくあの二人は会話が止まらなくて、ホテルで一緒の部屋になったら朝まで喋っている感じ。すごくバランスが取れたバンドになったなって思います、喋り担当とか(笑)
 
Re:NO:喋りだけで、アルバムが一枚作れそう(笑)
 
Yoshi:一枚じゃ足らないんじゃないかと(笑)
 

—では、例えばサワさんからの視線で、今Re:NOさんを中心としたバンドって、どんな風に見られていますか?

 
サワ:そうですね。Re:NOちゃん自身が凄くしっかりしていて、自分の考えをしっかり持っている子なので、Aldiousも引っ張ってくれると言っているし(笑)、心強いですね、すごく。今はとても安心しています。新しい可能性みたいなところはまだ探り探りだけど、一緒に成長していけると思っています。
 

3.「私を白に染め上げる」、Aldious。今までの倍速で突っ走っていきます。

 

—新しいシングルの話をおうかがいできればと思うのですが、コ・プロデューサーとしてSABER TIGERのギタリストである木下 昭仁さんが参加されたというのは、これは何かきっかけのようなものがあったのでしょうか?

 
Yoshi:もともとセルフ・プロデュースでいきたいと思っていたのですが、サウンド・プロデュースは誰かにお願いしようという話になりまして、メタルに精通している方で誰かいないかと探していたときに御紹介いただいたのが木下さんでした。
 

—今回のシングルを製作するに当たって、どのような助言をいただけたのでしょうか?

 
Yoshi:現役のギタリストということもあって、ギターのプレイに関してはすごくアドバイスをいただけましたので、そういう空気は出たかなと思います、ヴィブラートにしても。ギターのプレイもそうだし、音も。例えばプリプロの段階ですごく細かく音を作り込んでいって、「ギターとベースの音、ここは合っている」とか、「ちょっとこっちの音にしたほうが、キレイに聴こえるよ」とか、キレイな響きのトーンをチョイスしていただきましたね。あとはプレイ面で、バッキングでヴィブラートを掛けると味が出る、みたいな。逆に曲作り等はメンバーのアレンジを尊重したいということで、最低限のギターのヴォイシングを変えたりという部分にとどめて、どちらかというと今までおろそかになっていた、手が回っていなかった部分に色づけするようなことを中心にアドバイスをいただきました。
 

—ではあくまでAldiousの芯の部分はブレさせない、という感じですか?

 
Yoshi:そうですね。そのスタンスで行っていただきました。
 

—2曲の作詞はRe:NOさんで、作曲はYoshiさんということですが、まずタイトル曲の「White Crow」はどのようなイメージを表されているのかをおうかがいできればと思います。今までのAldiousの曲は、どちらかというと自己の内面的というか、自分のことを歌っているようなイメージを感じたのですが、これについては雪とカラスという、何かちょっと位置づけの違う情景的なものを歌っているイメージかと思いましたが…

 
Re:NO:Yoshiから曲が届いて、最初に歌詞が浮かぶより、イメージが映像として頭に浮かんだんです。吹雪の中で皆が演奏して、というような。そんな映像として思い浮かんだ風景にみたいなものに沿って、自分の心境、Aldiousに対する不安と、「やるからにはやってやるぜ!」みたいな思いを込めた感じです。
 
Yoshi:シングルを作る前に「どういう歌詞にすればいい?」という相談を受けていて、私はどちらかというと情景が思い浮かぶような歌詞がいいというのは伝えていたので、それを反映してくれましたね。言葉で説明するよりも、パッと情景が思い浮かべるほうが作りやすいと思うんです。
 

—曲に出てくる「雪とカラス」というのは、何かの象徴のようなものでしょうか?

 
Re:NO:最初に曲を聴いたときに感じたイメージとしては、単純にサビがメロディアスな感じで、ヴァーっと広がりが出るようなイメージが合ったんです。だから季節柄とそのイメージを考えると、雪。それとAldiousは出来上がっているバンドで、自分がそこに加入する形だから、キレイな鳥の中に薄汚れた自分が入るというか(笑)。カラスというのは例えで、私のドレスが黒なので、黒といえばカラスかな?と。自分をカラスとして例えているんです。
 

—そういう意味では内面的ですね。

 
Yoshi:歌詞の中にある「白に染め上げて」っていう部分で、黒いカラスが白になる、みたいな。
 

—なるほど。カップリングの「Suicide」は、これはどちらかというと従来のイメージに近い内面的な方向ですかね?タイトルがなかなかおっかない感じですが(笑)

 
Re:NO:そうですね。自分のすごく好きな曲で、曲ができ田後に仮歌用の歌詞を用意してはいましたが、聴けば聴くほど愛着が湧いてきて、もっと自分の思い入れの強い物を入れたくなりました。それで歌詞を3つくらいのパターンで用意し、歌入れの前日まで悩みに悩み抜いて、自分の心の底にある気持ちって何なんだろう?っていうイメージや、自分に向き合って考えたんです。
 

—彼女の詞、あるいは作詞家としての彼女を、メンバーとしてはどう思われますか?

 
Yoshi:私はその作詞のセンスというものが、私の好みにピッタリ過ぎて感動しました。電話でその歌詞についての話をしたときも、「私はこうしたいんだけど…」っていう意見が凄く一致して、例えば「ここはガッと出る所だから、ちょっと発音のしやすい音にしよう」とか、そういう部分でとても意見が合うので、曲作りもやっていて楽しかったですね。
 

—サウンド的な部分でいくと、「White Crow」は従来のAldiousに近い感じでしょうか?対して「Suicide」はベースをフィーチャーでイントロの入り方からプレッシャーを掛けていますが(笑)なにか想定されたパターンがあったのでしょうか?

 
Yoshi:これはライブをイメージして曲を作ったんです。ベースがこう入って途中からドラムが入り、ここでギターが入ってトキもギターで入り、照明がこう付いて…みたいな(笑)だから、すごくライブ映えする曲で。今までベース始まりっていう曲はなかったし、「この曲はベースをフィー チャーした曲だから」ってサワに伝えて。
 

—それを言われて、サワさんはどう思われました?(笑)

 
サワ:「ああ、頑張るわ」みたいな(笑)。でも最初はすごく緊張しました。
 

—ですよね(笑)。「Deep」を最後にチョイスして入れたのは、「今、Re:NOあってのAldiousだ」というところを、改めて伝えようという意図でしょうか?

 
Yoshi:そうですね。この曲はライブのアンコールで必ず入る曲で、これから何年もやっていく曲だと思っていますが、本当にRe:NOバージョンがないと、例えば新しくファンになった方に「あの曲は何だろう?」と思ったときにアルバムを探したところ、「ヴォーカルが違うバージョンじゃないか?」ってなると、やっぱり面白くないのかなと思いまして。個人的にとても思い入れのある大好きな曲なので、Re:NOバージョンも録ってみたいと思ったんです。やってみると声が凄く合っているんです、むしろこっちのほうが本家じゃないか、というくらいにすごくハマって。だから本当に聴いてもらいたい曲ですね。
 

—このリリースに合わせてツアーが11/28から開始ですが、これに対しての意気込みはありますか?

 
Yoshi:そうですね。初めて福岡にも行くし、新体制のAldiousで初のワンマンツアーなので、全ての力を出し切りたいです。これぞAldiousというところを見せたいと思っています。
 

—アルバムのほうはいかがでしょうかね?構想的なところとかは何らか進めたりされているのでしょうか?トップシークレット?(笑)

 
Yoshi:いや~まだ。ネタばれしちゃうので(笑)。でも次のアルバムこそ勝負だと思っているので、力を入れています。
 

—ちょっと話が変わりますが、レーベルの後輩であるCyntiaCinq Elementも徐々に頭角をあらわしてきていますが、どのように思われますか?

 
Yoshi:そうですね。曲はすごくいいと思うし、演奏力もあるので、いい意味で負けていられないと思っています。向こうが後輩なので、「絶対先輩が勝ってあたりまえ」でないといけないですし。
 

—体育会系の縦社会ですね(笑)。では、最後にAldiousとしての意気込みを一言ずつ語っていただけばと思います。

 
サワ:一度Ramiちゃんが抜けたところで、活動が止まっていたじゃないですか?その止まっていた分もこれからドンドン動けるので、いろんなところにライブで回って、どんどんライブ活動をしていきたいと思います。これからも頑張ります。
 
Re:NO:新生Aldiousとなって、今までの倍速で突っ走っていきますので、みなさんについてきてもらいたい。それと、もっといろんな方に新しいAldiousを知ってもらいたいですね。
 
Yoshi:新しくAldiousは生まれ変わって、これから本当のAldiousというのを確立していきたいなと思いますので、ライブ活動やCDなどもドンドン出していきたいなと思います。
 
hana
 
インタビューに答えたRe:NOの印象は、謙虚かつ真剣さを持った人間であるということでした。「決して自信があるなんて言えない」そう答えた彼女は、バンド加入を引き受けたことに対する責任の重さを十分感じ、それでも受けた以上は全力を尽くす。そんな様子が話している様子からもうかがえました。これはYoshiが彼女をバンドに迎え入れることを決めた要因ともなった彼女の印象そのものではないかと思われます。彼女はその存在自体でそんな印象をバンドに与え、その彼女を信じ、新たに羽ばたこうとしているAldiousというバンドに、大きな未来への可能性を与えています。
 
彼女らが自身の代表曲として挙げる曲に、この日も語られた「Deep」という曲があります。Aldiousのライブでは、アンコールで演奏される曲ですが、その曲が示すものは、「苦難を互いに乗り越えていこう」といったテーマ。歌の最後にはこうあります。
「どんな辛いことも、乗り越えていくから」
新たなヴォーカリストRe:NOが、バンドにとって大きな力となり、新たな生命を吹き込んだ今、次はいよいよAldiousの新しいスタイルを確立するとき。彼女がここにあらわれたことで、Aldiousは新たな希望を見つけました。次にAldiousに待ち構える壁は果たして?たとえ何が来ようと、Aldiousも、それを取り巻く人も、必ず乗り越えていくことでしょう。その動向を、注意深く追っていただければと思います。
 

Photo
Aldious New Single「Wiite Crow」
発売日:2012年11月14日
BSRS-010/¥1,500円(税込)
CD収録曲:
M01.White Crow
M02.Suicide
M03.Deep (Re:NO Version)
M04.White Crow (Instrumental Version)
M05.Suicide (Instrumental Version)


 

【ライブ情報】
「White Crow Tour 2012」
2012年11月28日(水) 福岡・LIVEHOUSE CB
2012年11月30日(金) 広島・広島CLUB QUATTRO
2012年12月1日(土) 兵庫・神戸VARIT.
2012年12月15日(土) 愛知・APOLLO THEATER
2012年12月22日(土) 東京・渋谷O-EAST
 
【オフィシャルサイト】
アーティストオフィシャルサイト
http://aldious.jp/
Spinningオフィシャルサイト
http://www.spinninginc.jp/m_lineup/aldious.html

 



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WOMEN’S POWER 20th Sp. 2012/1/9@渋谷O-WEST
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