特集

JYOJI-ROCK U-22 GRAND PRIX 2012 夏大会

TEXT:chi-chan、鈴木亮介 PHOTO:鈴木亮介

Photo「吉祥寺発、日本へ、世界へ、次世代のロックスターを!」を掲げ、若手バンド発掘の場となっている「JYOJI-ROCK U-22 GRAND PRIX 2012夏大会」。9月23日に、本大会の決勝戦が吉祥寺ROCK JOINT GBにて行われた。
 
従来と異なり「いっそう厳しく審査します」「グランプリなしもあり得る」と事前に予告された今大会。果たしてどんな結果が待ち受けているのだろうか?U-18レーンには10組、U-22レーンには5組という厳選されたバンドたちの、これまでで一番熱くハイレベルなステージバトルの様子をお届けしよう。
 

JYOJI-ROCK U-22 GRAND PRIX
2012年夏大会

スケジュール
4月29日 エントリー開始
6月30日 エントリー終了
7月8日 デモ音源予選通過者発表
8月13日、14日、15日 本選大会
9月23日 決戦大会

 
応募資格
ジャンル不問、プロ・アマ・形態(ソロ・バンド)、国籍、性別問わず。掛け持ちエントリー不可。
U-22 LANE
メンバー全員22歳以下。
U-18 LANE
メンバー全員18歳以下。

【賞金/賞品】

U-22 LANE
グランプリ :賞金¥100,000
準グランプリ:賞金¥50,000
第3位    :賞金¥30,000

U-18 LANE
グランプリ:
楽器券5万円分 + studioLEDAリハーサル15時間無料
準グランプリ:
楽器券3万円分 + studioLEDAリハーサル10時間無料
第3位:
楽器券2万円分 + studioLEDAリハーサル 5時間無料

ロックイン吉祥寺店賞
個人賞:ベストボーカル賞/ベストプレイヤーズ賞

 
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この大会のコンセプトは「完全ライブ主義コンテスト」。審査基準は「熱いライブパフォーマンスを繰り広げること」で、オーディエンス投票と審査員票の合計獲得ポイントによりグランプリが決まる。今回は事前にHP等で「一層厳しく審査します。本戦大会でも決勝進出の「該当者無し」という事もあります」と予告。審査委員長を務めるROCK JOINT GBの藤崎博治店長いわく、「必ず賞を出す、という予定調和ではバンドは育たない。参加者の本気を見せてほしい」と、敢えてこうした厳しいメッセージを突きつけたのだという。
 
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そして残念なことに、8月14日の本選U-22LANEで、本当に「決勝進出、該当者なし」が出てしまった。出演者たちからの「悔しい!リベンジさせろ!」という声を受けて、急遽、決勝前日の9月22日に「敗者復活戦」を開催。自ら志願しステージに立った7組の出場者の中から、HOP☆SCOTCHChroniCloopの2組が決勝進出を決めた。

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通算7回目となる今回も、やはり開演前から雨にもかかわらず入口前には行列!同級生を応援しに来たであろう10代の彼ら彼女らを見ていると、甲子園のスタンドにいる学生とはまた違った、熱いステージを渇望しているような表情や仕草だ。そんな若人を煽るかのように、JYOJI-ROCKではすっかりおなじみのMC、Mr.チャールズが登場!
 
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さぁ、闘いの幕開け!U-18レーン、1組目は制服姿の女子高生4人組、GINGER BOYZ!演奏も終了後のインタビューも終始ハイテンションで、キラキラ目を輝かせる!
 
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自身の高校の文化祭からそのまま来たというだけあり、メンバーの息はぴったりの赤鯱。「完全ライヴ主義」の宣言通り、尋常じゃない熱量を放ち、会場を熱くさせる!
 
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敗者復活戦から見事はい上がってきたHOP☆SCOTCH。伸びやかな歌声とアンニュイな演奏で個性が創り上げられているのは見事の一言!これからの伸びしろの大きさを感じる、目が離せないバンドだ。
 
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バンド名とは真逆に、全員男性の大和撫子。観客に「ロックンロールは好きですか!?」と投げかけると、勢いのある楽曲を立て続けに披露。勢いと若さで会場を凌駕する様は、まさに壮観!
 
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5組目の近代ガールズは第一ボタンまで止めた真面目学生スタイルで登場。「緊張」を逆手に取り「キンチョール」をギターに噴射するというまさかの演出を披露!驚く観客を前にいきなり迫力ある演奏に突入、そのまま彼らの色に持って行く流れに思わずニヤリ。
 
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続いては男女混合の高校生バンドCUBE。フロントのキュートな女子2人をパワフルな男子2人が屋台骨となり支えている、爽快感溢れるステージ。女性ボーカルの会場全体に響きわたる、心地良いクリアボイスに思わず聴き入ってしまう!
 
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花魁のような和服で登場した(株)餓鬼んちょ。本日がこのバンドとして最後の演奏ということで、相当の気合いが感じられる。フラストレーションをぶちまけるかのようなステージに観客も爽快な表情で応える!
 
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カラフルな制服、キュートな笑顔で登場した彗星color。見た目とは裏腹な、完成された歌唱力と演奏力で雰囲気をガラリと変える!宇宙から来たアイドルという不思議少女たちの折りなす世界は中毒性大だ。
 
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男性4人組リディキュラスラビッシュは4回目のエントリーでやっとJYOJI-ROCKのライブ選考に出場できたというだけあり、ここぞとばかりの気合いでぐいぐい観客を押していく。「努力で才能をカバー」という熱い思いが伝わるステージ!
 
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U-18レーンの締めくくりは、バンド演奏もこの日で最後だというStory of the Riot。この日のために新曲を作ってきたという彼女たちは、疾走感ある演奏を披露し、会場に自分たちの勇姿を刻みつける!
 
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若さと勢いで圧倒させるバンドが目立ったU-18とは打って変わって、実力が期待できそうなムードのU-22レーンがスタート!
 
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トップバッターを務めるのはThe Characters。特筆すべきはボーカルの圧倒的な歌唱力。ポップな楽曲で観客を魅了した後は、留学する親友に向けたバラードを熱っぽく歌い上げて会場の雰囲気をがらりと変える!
 
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「皆に聴かせたい歌があるんだ」と登場したTHE激珍ららズ。80年代ロックシーンを彷彿とさせる楽曲と刺激的かつストレート歌詞は、出演陣の中でもひときわ独特の世界観を創り上げる!
 
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3バンド目は3ピースバンド・ChroniCloop。前夜の敗者復活戦で見事返り咲いた彼らはメロディックなメッセージソングを熱演。2曲目では、ビタミン剤のように爽やかな演奏で会場を明るく盛り上げる!
 
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猛攻フルメタルジャケットは重厚なオルタナティヴロックを披露!演奏後のインタビューで「気持ち悪がられたかった」と言っていたが、観客の心に大きなインパクトを残したことは間違いない。
 
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U-22レーンのトリを飾るのはWe Are From You。結成して間もないが、月の半分はライブをしているというだけあり観客を引き込むパワーはダントツ!王道ロックだけでなくテクノやミクスチャーがMIXされた楽曲で観客の心をグッと掴む!
 
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こうして、U-18レーン10組、U-22レーン5組、合計15組の熱演が終了。審査集計の間、ゲストバンドとしてVEGAS TOP GLIDERが登場!Angie(Guitar & Vocal)、Machico(Bass & Vocal)、田中千恵(Drums & Vocal)の女性3人組だ。冒頭「あなたたちが私たちを知らないように、私たちもあなたたちを知りません。知らない者同士、楽しい夜を過ごそうじゃないか」と挑発的なMCに続き、メインボーカルをとるAngieの絶叫と心地良いギターリフが、遠慮という名の幕をぶち破る!順応の早いオーディエンス、あっという間に皆が皆拳を挙げ、全身を上下させてリズムに乗る!
 
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野性的で張り裂けるような田中千恵のドラムス、ドカンと核爆発を起こしたようなMachicoのベースサウンドに象徴されるように、奏でる音楽は高速でパワフルなロックンロール!しかし単にパワフルなだけでなく、3人の情緒的で心地良いハーモニーがそこに加わって、並みの男性ロックバンドとは一線を画す奥深さがある。「私がこのバンドを始めたのは18の時だ。まだやってるぞ!」MCでAngieは、自身がバンドを始めた頃を振り返りつつ、「その情熱は素晴らしい歴史として君たちの中に引き継いでいくと私は思っているぞ」と、ともに闘う同志としてエールを送る。
 
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「私たち誕生日に互いに曲を贈りあっている、気持ち悪いバンドなんです」と言いつつ5曲目に披露した「joyful」では、その愛の溢れる旋律に、オーディエンスもうっとりとした表情で聴き入る。すっかり虜になったオーディエンスからの鳴りやまぬ拍手に「アンコールなんてやるなんて、そんな余力を残すような生き方してないんだ!」と笑顔で返すAngie。最後までVEGAS TOP GLIDER流を貫き、オーディエンスを魅了!
 

◆セットリスト
M01. GO MUSIC GO LIFE
M02. GREATEST HARMONY
M03. Melody
M04. Shymphony
M05. joyful
M06. CALL ME
◆VEGAS TOP GLIDER 公式サイト
http://vegastopglider.com/
 
◆インフォメーション
・2012年10月16日【吉祥寺】Planet K

 

そして、いよいよ審査結果の発表!
 

◆U-18レーン グランプリ
リディキュラスラビッシュ
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◇U-22レーン グランプリ
We Are From You
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◆U-18レーン 準グランプリ
彗星color
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◇U-22レーン 準グランプリ
The Characters
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◆U-18レーン 第3位
大和撫子
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◇U-22レーン 第3位
ChroniCloop
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■ベスト・ボーカリスト賞
柳澤璃李子CUBE

■ベスト・プレイヤー賞 
あすか彗星color

■ロックイン吉祥寺賞
HOP☆SCOTCH
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各レーンでグランプリを受賞した2組のバンドに、喜びの声をインタビュー!
 

U-18レーン グランプリ リディキュラスラビッシュ
http://ridelikyurasurabissyu.jimdo.com/

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●グランプリ受賞について
「2位で呼ばれなかった時点で自信はなくなっていたので、本当に信じられなかったです」(りいどぎたあandこおらす 伊藤優人)
「ライブを純粋に楽しめたので、それだけで悔いはないと思っていました。だけど、グランプリまで獲れたことは本当に嬉しかったです」(べえすandこおらす 稲垣晴也)
「自信は正直半々でした。だけど、呼ばれた時はすごく嬉しかったです」(どらむぅ 岡部元輝)

●リディキュラスラビッシュの強み
「自分たちの音楽は流行のかっこよさとは違うものだと思っています。僕たちの強みは、曲のメッセージ性が強いこと。一曲一曲が一つの『言葉』になっています。なので、伝えたい思いがないと歌う意味がないし、伝わらなくても意味がない。響きの良い言葉よりは、お客さんに『伝わる』言葉がいいですね。歌詞に込められたメッセージがお客さんに伝わり、グランプリにも繋がったんだと思いたいです」(さいどぎたあandぼーかる 五十嵐柊平)

U-22レーン グランプリ We Are From You
http://www.wearefromyou.com/

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●グランプリ受賞について
We Are From Youは、メンバーやお客さんを含め、大切な仲間がたくさんいるからこそできた音楽。そんな音楽をここで演奏することで、『応援してくれる皆のおかげでこんな素敵な音楽ができた』という思いが伝わったと思います。そんな恩返しを提示できたことがグランプリ獲得の決め手になったのでは」(Vo.gt ARATA)
「優勝の自信はあったが、3位、2位と発表されていくうちに『何かが足りなかったんろうな』と思いかけてしまいました。そんな時に自分たちのバンド名が聞こえてきたので、思わず光に包まれました」(Gt.cho hiko☆)
「最初は緊張してメンタルが削られていきましたが、(ステージで)お客さんの良い反応を見た時に『やっぱり俺たちは出来るんだ』と思って頑張ることができました。なので、結果発表の時は自信がありました」(Ba.cho.  SHU?)

●「BEEAST」読者にメッセージ
「結成してから、週2回の練習だけでなく、月の半分くらいをライブに費やしています。もっともっとかっこ良くなっていくはずです。これからもよろしくお願いします!」(Dr.cho HAYAMA)
「そろそろ大きい動きができるようになると思うので、これをきっかけにバンドを知ってもらえると嬉しいです。見た目はそうでもないけど、中身は『BEEAST』(野獣)なので!」(Vo.gt ARATA)

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母校である小学校の放送室で地道に練習を重ねているというリディキュラスラビッシュ。賞金で、放送室にある壊れたシンバルの新調をしたいという。ひたむきな思いを語る彼らの曲が放つメッセージ性…それを受け止めた観客が多かったからこそ、リディキュラスラビッシュは栄光の座に輝いたのだろう。
 
一方、結成してわずか4ヶ月のバンドとは思えない一体感を備えていたWe Are From You。バンドでは信頼のおける仲間同士だが、今は音楽への時間を費やしすぎているので、純粋な友達としても友情を深めてみたいという。そんな彼らは、賞金の一部をメンバーで遊園地へ行く資金にするとのこと。バンドでもプライベートでも仲を深めることで、さらに良い音楽を届けてくれることだろう。
 
次回、通算8回目となる次回、2013年春大会ではどのようなバンドに出会えるのか、今から楽しみでならない!

原点回帰し「ライブ至上主義」を突っ走るJYOJI-ROCK、2013年春大会も開催決定!!
◆JYOJI-ROCK U-22 GRAND PRIX 公式サイト
http://www.rock-gb.com/jyoji-rock/

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今回のJYOJI-ROCK 2012夏大会の模様の1時間特番がJCN武蔵野三鷹チャンネルでON AIR!!
放送局:JCN武蔵野三鷹チャンネル(武蔵野三鷹エリアの地デジ11ch)
番組名:「スポカル!」
放送日時:2012年10月13日(土)21:00~22:00
http://jcntv.jp/index.php?set_station_code=11mit

 
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【特集】JYOJI-ROCK U-22 GRAND PRIX 2012年春大会
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