特集

Guitar Wolf

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

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世の”チョイ悪”達も、この3人に足を向けて寝ることはできないだろう。ジェット機のごとく、聴く者を芯から震え上がらせる轟音と飛翔感がたまらない、ギターウルフだ。メンバーは、セイジ(Vocal & Guitar “ギターウルフ”)、トオル(Drums “ドラムウルフ”)、U.G (Vocal & Bass “ベースウルフ”)。

昨年11月24日に節目の10枚目となるオリジナルアルバム『宇宙戦艦ラブ』をリリース。ますます勢いに乗り疾走する彼らの、年明け一発目となるライブが1月10日・成人の日に新木場STUDIO COASTで開催された。成人の日にちなんで、10代は696人(ロックンロール)まで無料で招待!永遠に大人になれない現役ロックンンロールチルドレンは、お年玉プライスの2011円+1ドリンク。

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さらには当日までシークレットという共演者についても期待が高まる。10代を多く集めてのライブだけに、ヒットチャートを賑わすような、Teenagerの心をグッとつかむ新進気鋭のアーティストが出るのではないか。アルバムリリースパーティーも兼ねた、ギターウルフのジェット新年会。成人式なんかぶっ飛ばせ!!

午後3時、東京・新木場。STUDIO COASTの入口前には既に100名を超える来場客が今か今かと開演を待っていた。「10代無料」の呼び込みもあって、そのほとんどは若者だ。首都圏在住の方はご存じだと思うが、ウォーターフロントである新木場は東京湾からの強い海風が半端なく冷たい!!凍えるような寒さの中、早々バンドTシャツに着替えるツワモノも!これが若さというやつか。それにしても、彼らは一体どうやって集まってきたのか。話を聞いてみた。

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埼玉から来ました。同じ高校の16~17歳です!mixiのボイスで「10代ライブがある」と知り、さらに友人から「時雨が出るらしいよ~」と噂を聞いて、参加を決めました!
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2人とも17歳で、同じ高校の友人です。凛として時雨のホームページに「某狼のライブに出る」と書いてあって、「狼と言ったらギターウルフしかいないだろう」と思い、調べてここに辿り着きました!
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全員16歳で、このメンバーでバンドを組んでいます。今日のライブはTwitterで知りました。ギターウルフは一度観てみたいと思っていたので、無料と聞いてこれは行くしかない!と思い、メンバーを誘いました!
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今日は杉並と新宿から来ました。2人とも19歳で、大学の友人です。ライブを知ったきっかけは、Twitterです。凛として時雨のファンなので、「時雨が出るらしい」ということで、参加を決めました。
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全員10代です!この4人は住む場所も学校もバラバラなんですが、凛として時雨のライブ仲間として知り合い、よく一緒にライブに出かけます!今日のライブももちろん「時雨」目当てです!
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大田区と横浜市から来ました。同じ学校の17歳です。今日のライブは某アーティストさんがTwitter上で漏らしていて、知りました。今日は「時雨」Tシャツを着てる子が多くてびっくり!でもSISTER JETも負けてないですよ~!

午後4時半、待ちに待った開演!この日は10代無料ということで、10代は入口が別に設けられ、身分証を見せてワンドリンク分の500円を払った上で入場。また、往年のギターウルフファンと思しき世代も続々と入場する。場内には写真家・三島タカユキによるギターウルフのツアーを追った写真パネルも掲示されている。

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会場奥に進むと、ステージが。スタンディングスペースが十分に確保され、巨大なミラーボールが、地球に迫り来る隕石か!と言いたくなるほどの存在感。既にDJブースからは心地良い音楽が流れ、その脇の客席ステージでは、10代と見られる若いバンドがスタンバイしている。

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この日、ギターウルフは事前に「10代オープニングアクト」を募集していた。選考を経て選ばれたのは、千葉の高校生バンド・赤い猫。アマチュアながらその実力が評価され、今宵新木場のステージに立つこととなった。「これだけ大きなステージなので緊張している」と語るも、堂々としたオープニングアクトを務め、会場を温めていた。

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赤い猫

◆セットリスト
M01. Liberate
M02. blue
M03. a world view

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午後5時。いよいよ開演だ!一番手は男性3人組、SISTER JET。メンバーはワタルS(Vocal & Guitar)、ショウサカベ(Bass)、ケンスケアオキ(Drums)。BEEAST読者の中には福生発ロンドン経由のロックンロールバンドとして09年10月のライブレポートをご記憶の方も多いだろう。

冒頭は「宇宙戦艦の出航を記念して」と、THE BEATLESのカバーを披露。「クレイジーにパーティを始めよう!」というワタルSの言葉通り、2曲目は「恋してクレイジー」で一気に会場を乗せる。ショウサカベは時に絶叫し、ベースを直立させ、まるで荒波に向かって舵を取る船員のよう。間髪いれずに「LaLa Dance」を続け、観客も手拍子で応じる。さらに、10代の時にTHE BEATLESの「悲しみはぶっとばせ」というタイトルに衝撃を受け、その時感じたことを詰め込んで作ったという「SAY YES」を披露。「成人」までもう少しというTeenager達に向けて、前のめりになって力強いメッセージを伝えていた。5曲目「MR.LONELY」まで、溢れんばかりの疾走感! あっという間の30分であった。

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SISTER JET 公式サイト
http://www.sisterjet.com/

◆セットリスト
M01. Helter Skelter (THE BEATLES
M02. 恋してクレイジー
M03. LaLa Dance
M04. SAY YES
M05. MR.LONELY

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続いて、オープニングアクトから数えて3組目は、サイドの客席ステージでのパフォーマンス。女性2人組ユニット、HAPPY BIRTHDAYだ。学生時代からの友人であるきさ(Vocal & Guitar)とあっこ(Drums)により2010年3月に結成。間もなく1年を迎える。

今宵はサポートベースを迎えてのバンドスタイルで登場。きさは黄色いインナーにオールインワンジーンズ、あっこは真紅のドレスワンピースという、女の子らしいファッション。1曲目に披露した「K」も、きさのアンニュイなささやきが可愛らしい。しかし、曲の中盤から後半にかけて、徐々にパワーアップしていくあっこのドラムロール。それに合わせてきさのボーカルも力強さを増していく。気づけば、「デリケイトゾーン」「PMS」と、強力なロックンロールが展開されている。豹変するあっこのプレイに観客は熱狂!4曲目は「初恋」。女子の本音をストレートに詰め込んだという歌詞もまたHAPPY BIRTHDAYの大きな魅力の一つと言えるだろう。

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HAPPY BIRTHDAY 公式サイト
http://www.happybirthday1988.com/

◆セットリスト
M01. K
M02. デリケイトゾーン
M03. PMS
M04. 初恋

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休む間もなくメインステージの幕が開かれる。4組目に登場したのは独自のスタイルで新境地を開拓するサムライ・ギタリスト、雅-MIYAVI-だ。普段は54-71のドラマーであるBOBOを率いてのステージが多いが、今宵は一人での登場。ギター一本抱え、断崖絶壁で遠吠えする孤高の狼のようだ。

今宵も登場からいきなりの早弾きでオーディエンスを酔わす。冒頭は新曲を披露したのち、2曲目「MOON」も蒼月のようにクールな演奏。そして3曲目は「今宵限りのスペシャルセッション」ということで、ステージには凛として時雨のドラマー・ピエール中野が登場!サプライズにどよめく会場。「WHAT’S MY NAME?」で、息の合ったステージを披露した。最後は再び雅-MIYAVI-ソロで、ミラーボールの似合う新曲が演奏され、グッとアダルトな空気に変わっていく。月並みな言葉だが、なんとクールなステージなんだろう!

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雅-MIYAVI- 公式サイト
http://www.o-re-sa-ma.com/

◆セットリスト
M01. 新曲
M02. MOON
M03. WHAT’S MY NAME?
M04. 新曲

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転換を待つ客席がにわかにざわつき始める。5組目の登場は、10代から絶大な支持を集める凛として時雨だ!メンバーはTK(Vocal & Guitar)、345(Vocal & Bass)、ピエール中野(Drums)の3名。ハイトーンのボーカルに、鋭利に突き刺さる独自の世界観が魅力。昨年9月には4枚目のフルアルバム「still a Sigure virgin?」でオリコンウィークリーチャート首位を獲得している。

まずは「鮮やかな殺人」。今宵も割れるような高音ギターに、いっそう上回る高音のボーカル。「想像のSecurity」「I was music」と続き、客席も右腕を高く上げ、ステージと一体化し盛り上がる。船は大波に乗り、順風満帆だ。4曲目の「DISCO FLIGHT」では、地鳴りするほどの大熱狂。「illusion is mine」ではギターリフの広がりがまさにイリュージョン。ここまでほとんどMCをせず、徹頭徹尾自分たちの音の世界観を響かせ続けているのが印象的だ。そして6曲目に彼らのファーストシングル「Telecastic fake show」。最後は音を鳴らしっぱなしのまま楽器を下ろし、足早にステージを後にした3名。誰もいないステージ、「時雨」の余韻が鳴り止まない。

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凛として時雨 公式サイト
http://sigure.jp/

◆セットリスト
M01. 鮮やかな殺人
M02. 想像のSecurity
M03. I was music
M04. DISCO FLIGHT
M05. illusion is mine
M06. Telecastic fake show

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時刻は午後7時半を回り、いよいよ大トリ・ギターウルフの登場だ。サイレンは、闘いの狼煙(のろし)。いつものように革ジャン・サングラスでキメた狼たちがステージへ。U.G(Vocal & Bass)、トオル(Drums)に続き、セイジ(Vocal & Guitar)が登場。「オオカミ惑星」から宇宙戦艦出航!セイジの「カモン!」の掛け声に、ボルテージ最高潮の客席は一斉に腕を高らかに掲げ、メロイックサインで応じる。何という一体感だろう。

ギターウルフセイジの「ボディオーバーホール」によりここ数年ライブ活動を休止していたが、2010年8月に完全復活!11月24日には記念すべき10枚目のアルバム『宇宙戦艦ラブ』をリリース。このリリースパーティーを皮切りに、2011年は全国ツアー「フーチークーチースペースツアー」を展開する。今宵も「ボルテージセパハン」「ドーベルマンナイト」と序盤からグングン攻めるセイジ。客席ではダイブも始まり、それに応えてセイジもステージで暴れまくる。

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ニューアルバムの収録曲を中心にステージは展開。「ブラックホールママ」では、打ち上げ花火の用は爆裂音が響き渡る。「ハカタ大作戦」ではツイストを踊る。あっという間に9曲を演奏し、駆け抜けていく3人のウルフたち。当然のごとく客席からはアンコールの大喝采。

再びステージに戻ってきた3人のウルフは「高校生、出てこい!」と呼びかけ、客席から次々と10代男子をステージ上に引き上げる。2人、3人、出てきては四つん這いになり…最終的に、計14名により出来あがったのは人間ピラミッド!頂点に君臨するのは、もちろんセイジ。はじめ、土台の男子たちが崩れそうになり、セイジから檄が飛ぶ。2回目で、見事成功!最後は男子達からもみくちゃにされるセイジ。そのまま「オールナイトでぶっ飛ばせ」になだれ込み、最後まで全力疾走。こんなにパワフルでタフな大人がいるのか。むしろ10代が牽引されているという印象だ。正月ボケの残る「現代社会」に、「最近の若者」に、常に最前線を行くギターウルフから強烈なパンチが見舞われた。

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終演後は増子直純怒髪天)による笑いあり涙(?)ありのDJアクトも披露された。誰もが知るアニソンや、「サトームセン」「ショップ99」など量販店ソングを中心に選曲されたが、集まった10代が案外どの曲も知っていて、コール&レスポンスにしっかり応じていたのが印象的。最後の最後まで新木場の熱気が冷めることはなかった。

こうして10代の音楽を愛する男女がギターウルフのステージに触れ、一つ二つ上の世代の音楽から学んでいく機会は貴重だ。同時に、今日のシークレット出演者たちは、往年のウルフファンに対して確実に爪痕を残したと言えるだろう。良いものを、次の世代へ。目覚めよジャパニーズロック!

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ギターウルフ 公式サイト
http://www.guitarwolf.net/

◆セットリスト
M01. オオカミ惑星
M02. ボルテージセパハン
M03. ドーベルマンナイト
M04. ファイヤーエイティーン
M05. ナミダバイオレンス
M06. 宇宙戦艦ラブ
M07. ブラックホールママ
M08. フーチークーチスペースマン
M09. ハカタ大作戦
M10. 高校生アクション(encore)
M11. オールナイトでぶっとばせ!!(encore)

◆information
フーチークーチースペースツアー
2011年03月17日(木)【名古屋】CLUB QUATTRO
2011年03月18日(金)【心斎橋】SUN HALL
2011年03月27日(日)【新 潟】CLUB RIVERST
2011年04月07日(木)【仙 台】MA.CA.NA
2011年04月10日(日)【福 岡】LIVE HOUSE CB
2011年04月17日(日)【札 幌】BESSIE HALL
2011年04月24日(日)【恵比寿】LIQUIDROOM

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※本記事のライブ写真は、写真家・三島タカユキ提供。
ギターウルフ USツアー2010  FIRE TOUR DIARY」の写真展が、1月30日まで開催され大きな反響を得る。


 
 
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