特集

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TEXT:鈴木亮介 PHOTO:矢沢隆則

今波に乗るガールズロックバンドにスポットを当てる特集「rock girly parfait」。前回に引き続き、佐賀・唐津出身の5人組、たんこぶちんが登場します。
 
自主企画ライブ「We are the Girls Band !!!!!」Vol.10と11が6月12日(金)に大阪、翌13日(土)に東京で開催されますが、この自主企画ライブはガールズバンドだけを招いた対バンライブという特徴があります。「ガールズバンド」にこだわる理由、そしてその中で目指す「頂点」とは…キュートな笑顔の裏にある、たんこぶちんメンバーの闘志をじっくり聞くことができました。


インタビュー前半記事はこちら
http://www.beeast69.com/feature/130184

「行けるな!」って。もっと大きな会場で
— 引き続きお話を伺ってまいります。2ndミニアルバム『TANCOBUCHIN vol.2』を引っ提げて今年3月に東京・大阪・福岡でワンマンライブが行われました。こちらは振り返ってどんな印象を持っていますか?

 
YURI:ワンマンが初めてソールドアウトできたので、とても心に残っています。私、最初の曲「We are the Girls Band !!!!!」のイントロを最初に一人で弾き始めるんですよ。白幕の向こうにどれだけお客さんがいるかも分からないし、不安の中始まって…
 

— ドキドキですね!

 
YURI:イントロ弾いて、(最初暗転していたのが)パッと照らし出されて、ウオーって歓声が上がったときに「何これ?何人いるんだろう?」って思いながら…
 
CHIHARU:わかる!
 
YURI:弾き始めてから白幕が降りるまでずっとドキドキでした。MADOKAが歌い出して…どうなるどうなる?「(歌詞)不思議な世界を見に行こう!」「イエイ!」って…
 
MADOKA:そのときの景色がね!
 
YURI:今まで見たことのない景色が!見たことのない人数、見たことのない笑顔がそこにあって、しょっぱなからうるっときて。
 
CHIHARU:やばかった!
 
YURI:もう最後までまじぶっ飛ばしてやるぞ!って思いましたね。
 
HONOKA:いやードキドキだった!
 
YURI:本当にこれ頭間違えたら最悪だなと思って死ぬ気で弾いてましたね。
 

— しかも、幕が開く瞬間はまだ演奏中で止められないじゃないですか。だからお客さんに反応したくてもできないし…

 
YURI:「イエイ!」で3人前にいくんだけど…やばかったよね。
 
NODOKA:やばいとしかいえない!
 
MADOKA:みんなのエネルギーがすごすぎて、私たちも負けてられない!って。
 
YURI:飲み込まれないように、5人のパワーでぶつかりました。
 

— そんなソールドアウトのライブで吸収したこと、学んだことも色々あるのではないかと思います。

 
MADOKA:MC中にお客さんの声がいっぱい飛んできました。私が喋ること一個一個反応してくれるので嬉しかったですね。
 
CHIHARU:アンコールで「ヒカリ」をやったらお客さんが大合唱してくださって。それが本当に感動しました!
 

— O-WESTでのワンマンライブを成功させたことで、新たに生まれた目標はありますか?

 
MADOKA:堂々とすること…今までのライブもステージに立っていたので堂々としていたのですが、気持ちで負けないように、会場が大きければ大きいほど動かなくていいのかなと最近と思っていて。動かずに堂々と演奏することでお客さんを乗せられるようになればいいなと思っています。
 

— たとえば高校生の頃に「大きな会場でライブをしたい」と言っていたときに比べると、今の方がより具体的なイメージが湧くようになったのかなと思います。

 
MADOKA:O-WESTのライブをしてから、イメージは湧くようになりました。客席が広がって見えるというか、「行けるな!」って。これより大きいところで私たちはやれるな、って…
 

— 自信に?

 
MADOKA:自信につながりました。
 

「ナメられてる」「やってやったぜ感」 対バン相手への闘志
— 皆さん自身で考える「たんこぶちんのライブの魅力」はどの辺りにあると思いますか?

 
MADOKA:楽しく演奏する姿を見ていて楽しい、一緒になって楽しめる感じ。あとは、曲によってコロコロ表情が変わっていくので、あとはギャップ!自分たちで言うのも恥ずかしいですが…
 
CHIHARU:よく私たちは対バンするときに言われるんですが、演奏を見る前に対バンの相手の方は、何というか…
 
YURI:フレンドリー?
 
CHIHARU:なんか、ナメられてるというか下に見られていることが多いんですよ。その後実際に演奏したら「たんこぶちん良かったよ!すごいね!」って。
 
YURI:やってやったぜ感がありますね(笑)
 

— そういう悔しさも回を重ねて会場が大きくなるにつれて、自信に変わっていきますよね。

 
YURI:そうですよね。
 

— 他と違うぞ、というところはどうやって出すようにしているのですか?

 
MADOKA:端的にどうというのはないと思いますが、それぞれのキャラクターがわかりやすいところはいいなと思いますね。誰が誰だかわからないというバンドではないと思うので。
 
YURI:でもまとまると一体感があって。あ、5人で楽しそうだなっていう「高まり感」が伝わるかなと。
 

— それを言葉にするのは難しいですよね。「楽しい」と一言でまとめてしまうとどのバンドにも当てはまりそうだし…

 
HONOKA:幼なじみだからこそのグルーブ感があると思うし…
 
YURI:自然に出てくる空気感を感じてほしいです。
 

— 対バンした相手からこんな風に言われた、というのはありますか?

 
MADOKA:いつも言われるのは「びっくりしました!」「ビビりました!」「うまいね!」っていうことかな…
 
YURI:ステージ降りて「こんな小さかったんですか?ステージ映えしますね」ってよく言っていただけますね。
 

— 演奏力の高さもたんこぶちんの魅力のひとつだと個人的には思うのですが。

 
YURI:私たちは昔からうまいと言っていただくことが多くて、それはありがたいのですが、でも自分たちではまだまだだと思っています。
 
MADOKA:ガールズバンドでうまい!というとGacharic Spinさんはすごいですよね。あれこそうまいの極みなので…あれを見ちゃうと、自分たちはまだまだだなって思います。
 
CHIHARU:いい刺激を受けています。
 
MADOKA:ガールズバンドが今いっぱいいるし、気になるので、ガールズバンドの話はよく5人でしますね。You Tubeでライブの映像を観たり…
 

— なるほど。自主企画ライブ「We are the Girls Band !!!!!」を始めたのもそうした意識があってのことなのでしょうか。

 
MADOKA:ガールズバンドと対バンをいっぱいしよう!と考えて、始めました。
 

— 男性でなく女性で。そこは最初からこだわりがあったのですか?

 
MADOKA:そうですね。ガールズバンドがいっぱいある中で対バンをして、「自分たちが引っ張っていくぞ」という気持ちで臨んでいます。勝って、勝って、勝って、頂点に行く。
 
YURI:「頂点宣言!」をしているし、その過程です。
 

— それは自信がないとできないですよね。自分たちの土俵に招いて、勝つわけですよね。

 
YURI:でも「We are the Girls Band !!!!!」を始めたばかりの頃は不安だらけでしたね。ガールズバンドの中でも知らない人と対バンすることもあって、事前に動画を見て「めっちゃうまい!」ってビビったり…でも回を重ねるごとに、毎回毎回ライブが良くなってきたと感じられるようになってきて、それも自信になっています。
 

— 「We are the Girls Band !!!!!」を続けたことが自分たちにとって成長になっている?

 
MADOKA:そうですね。相手のいいところは勉強にもなるし、自分たちに足りないもの、ダメなところを見つけることができています。
 

— 普段から色んなガールズバンドを研究しているということで、先ほどGacharic Spinの名前が出ましたが、他に注目しているバンドはありますか?

 
YURI:FLiPさんは最近よく聴いています。
 
MADOKA:演奏がうまいし、なおかつパフォーマンスも堂々としていて、動かなくてもかっこいいところに憧れます。大人な魅力がいつもライブでは感じられて、勉強になっています。
 
CHIHARU:私はSilent Sirenのキーボーディストゆかるんに影響されてます。1月に武道館のライブを観させていただいて、そのときにゆかるんが振り付けをしたり掛け声で客席を煽ったりしているのを見て影響を受けました。今までたんこぶちんのライブではMADOKAが主に掛け声をしていたのですが、私も「5人でたんこぶちんだから支えあわなきゃ」と思って振り付けや掛け声もできるように心がけています。
 

— ゆかるんは曲によってはショルキーを弾きながら走り回ってますよね。

 
CHIHARU:ショルキーは私も去年の「We are the Girls Band !!!!!」で1回挑戦したんです。普段はステージの後ろの方にいることが多いので、お客さんの笑顔が間近で見られて良かったです!
 

— 色んなガールズバンドに影響を受けつつも、自分たちが負けないぞ!っていう気持ちは根底にあるわけですよね。

 
MADOKA:はい。
 

— 皆さんが憧れるようなFLiPや、あるいはSCANDALとかチャットモンチーとか、その世代の「次の世代」にたんこぶちんはなると思います。例えば10年前と今を比べて、ガールズバンドがいっぱい出てきているという中で、今のシーンをどのように見ていますか?

 
MADOKA:最近はお客さんが一緒に歌えたり一緒に振り付けしたり、お客さん参加型の曲が多いなと思っています。
 
YURI:四つ打ちが多いイメージです。
 
HONOKA:乗りやすいリズムとかね。私たちも、初めてたんこぶちんのライブを観た人でも楽しめるようなセトリを工夫しています。
 
NODOKA:掛け声や振り付けは私たちも2ndアルバムで取り入れてみました。
 

— あとは最近だとアイドルユニットも盛り上がりを見せていますが、その辺りはどう見ていますか?

 
MADOKA:お客さんへの対応がすごいですよね。お客さんを中心に考えているところや、あとは自己紹介タイム?個人個人のことがわかって「あの子応援したい」みたいに入り込めるのもすごいなと思います。でもやっぱりお客さん目線で考えるというのはアイドルだからどうとかではなく、バンドでも大事だと思います。私たちも、MCでお客さんが言ったことを拾いながら進めたり、個人個人のキャラクターが分かって親しみやすさを持ってもらえるようにと心がけています。
 

「頂点宣言!」にこだわる理由 描く頂上の景色は
— 改めて、たんこぶちんの「頂点」たる理由は何ですか?

 
NODOKA:一番は幼なじみだということ、かな?
 
HONOKA:ライブのどこがどう楽しいというのを言葉にするのは難しいのですが、たんこぶちんはお客さん参加型でお客さん同士の仲も良いので、初めての人でも仲間に入りやすいと思いますし、そうしていきたいと思います。
 
CHIHARU:とにかくライブに来てください!
 
YURI:たんこぶちん?変な名前!」って、なんだこいつらって思ったら、是非ライブに来てほしいです。
 
NODOKA:絶対ライブに来て損はさせない!1回ライブに来たらたんこぶちんのことが好きになれるライブをしているから、みんなに来てほしい。
 
MADOKA:ガールズバンドとの対バンでは、自分たち自身でも「同じガールズバンド」という視線で見ないように、周りと同じカテゴリーだぞって思わないようにしています。上だぞ!っていうと生意気に聞こえるかもしれませんが、もっと上を目指すという強気で堂々とやることが大事だと思っています。そういう思いや雰囲気がライブに出て、観てくださる方に伝わればいいなと思います。
 

— 上というのは?

 
MADOKA:ガールズバンドはどれもみんな同じじゃない!ということですね。
 
YURI:(他のガールズバンドと比べて)絶対的に何か違うと自信を持っているものは確実にあるのですが、それを言葉に表すのは難しいですね。「5人なら大丈夫!」という自信はあります。
 
MADOKA:最近はセットリストを組む段階から「これは行けるぞ!」って思えるようになりました。前までは精一杯出し尽くして、必死でお客さんを乗せるという感じでしたが、最近はちょっと気持ちが軽くなったというか、「来いよ!」みたいな感じでやれるようになりました。
 

— お客さんとの信頼関係ができて、気持ちの余裕が出てきたということですね。

 
MADOKA:そうですね。演奏に集中できるようになりました。
 

— 「ガールズバンド頂点宣言!」、現時点でその「頂点」はどのような景色を描いていますか?

 
MADOKA:日本でガールズバンドといえば誰だっけ?たんこぶちんだ!って言われるようになる。日本のガールズバンドと言えば!と聞くと、今だとみんなそれぞれいろんなバンドの名前を出すと思うのですが、それがたんこぶちんになれるようにどんどん階段を上がっていきたい。武道館とか横浜アリーナとか、お客さんがあふれるほどいる景色を見たいです。
 
YURI:どれだけ大きくなっても親しみやすいバンドでありたいと思います。とっつきにくいバンドよりみんなに好かれる…100人が100人好きになってくれるわけじゃないですが、より多くの人が「たんこぶちんって名前もいいし、バンドメンバーもいいし、演奏もいいし、最高!」って言ってもらえたらいいなって思います。
 
HONOKA:ずっとこのメンバーでずっとずっと一緒の夢を追い続けられる関係でいたいし、個人としても頂点を目指したいし、みんなとも目指したいです!この5人でどこまでも一緒に、同じ景色をこれからもずっと見ていきたいです。

Photo Gallery





自主企画ライブイベント「We are the Girls Band !!!!!」のテーマソングでもあり、2ndアルバムに収録された同名楽曲「We are the Girls Band !!!!!」には、こんな歌詞が登場します。
 
「ゴールが見えない世界を かき分け進んでゆこうよ」
 
たんこぶちんが目指すガールズバンドの頂点とは?バンドの持ち味とは?ライブの魅力とは?――容易に言葉にしがたいテーマを、5人はしっかりと正面から考え、言葉を紡いでくれました。簡単な言葉に収まらないということは、未知の可能性に満ちあふれた証。実際に、たんこぶちんのライブを観ると「こんな表現もできるのか」と彼女たちの幅広い適応力に感心します。底抜けに明るい曲から、シリアスな曲、ハードロック、バラードまで色んな楽曲に染まり、観客を楽しませてくれます。
 
バリエーションの豊かさを持ち味としつつ、その一つ一つをさらに磨き、突き抜けていってほしいと思います。ライブの「楽しさ」はお墨付き!心の底から楽しいとき、人はひねった言い回し抜きに、シンプルに「楽しい!」と口に出すはず。そんな、シンプルに楽しいたんこぶちんの自主企画ライブは6月12日(金)、13日(土)の開催。是非その「楽しさ」を体感してほしいと思います。
 


ライブダイジェスト動画

◆たんこぶちん presents
 「We are the Girls Band !!!!!」開催迫る!

「We are the Girls Band !!!!!」vol.10
・2015年06月12日(金)【大阪】OSAKA RUIDO
出演:
Split BoB
GIRLFRIEND
たんこぶちん
 
時間:OPEN 18:00 / START 18:30
料金:前売 2,500円 / 当日3,000円(D別)
チケット:
チケットぴあ(Pコード:261-161)
ローソンチケット(Lコード:53952)
e+
OSAKA RUIDO(TEL:06-6252-8301)
 


 
「We are the Girls Band !!!!!」 vol.11
・2015年06月13日(土)【東京】TSUTAYA O-Crest
出演:
Chelsy
たんこぶちん
 
時間:OPEN 18:00 / START 18:30
※SOLD OUT!!

◆たんこぶちん 公式サイト
http://tancobuchin.jp/
◆たんこぶちんモバイルファンクラブサイト「たんこぶちゃん」
https://fc.tancobuchin.jp/
 
◆その他ライブ情報
・2015年06月20日(土)【東京】渋谷CHELSEA HOTEL
・2015年08月01日(土)【佐賀】プラザ656
 
◆リリース情報
たんこぶちん 2ndアルバム 『TANCOBUCHIN vol.2 』
・2015年01月28日(水)発売
『TANCOBUCHIN vol.2 -TYPE A-』/『TANCOBUCHIN vol.2 -TYPE B-』
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【レポート】「TANCOBUCHIN vol.2」リリース記念ワンマンライブ
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