演奏

750CC DOGS presents『サタ泥酔ナイトフィーバー Vol.2』

TEXT:丈岡はじめ PHOTO:万年平男

2009年10月24日(土)に新宿スモーキンブギにて『750CC DOGS presentsサタ泥酔ナイトフィーバー Vol.2』が行われた。今回のテーマは「犬バンドVS猫バンド」。フライヤーにも大きく犬と猫のイラストが描かれている。さてどんなイキのいい野良犬、野良猫がみられるのだろうか。小雨の中期待して会場に向かった。

会場に入るとそこは薄暗いランプに照らされて赤黒タイルの床が光る、ライブハウスというより怪しげなバーのよう。何か隠れ家的な良い意味で、ロック特有のいかがわしさがある場所だった。開場時間になると徐々にファンが入場してくる。女性と男性半々くらいだろうか。みんな飲み物を片手にリラックスしてライブの始まりを待っていた。

さてオープニングは女性2人男性1人の3ピースバンド、sixシックス)だ。メンバーのchelio(Vocal & Bass)、Apollo(Guitar & Chorus)、Mat(Drums)がステージに登場。タイトなミニスカートに身を包んだフロントの女性2人が目を引く。そして1曲目の「ウイスキーロック」が間髪いれずに始まる。エッジの効いたビートにchelioのピーキーなボーカルが乗っかる。ネオGS風の2曲目の「chocolate!chocolate!」、ポップでキャッチーなメロディの5曲目の「君はチェリーコーク」、雄叫びで始まるインストの「witch baby」、昭和の歌謡曲をイメージさせる「あいつの噂」など幅広いパフォーマンスで客席をぐいぐい引き込んでいく。

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そして8曲目の「I want you to be my baby」では独特のガレージ&ポップな世界が炸裂。最前列のファンは激しく腰を振りながらそのビートに身を任せる。そして再びchelioの一段と高い雄叫びが響く中、最後の曲「PETER GUNN LOCOMOTION」が始まる。客席に下りてきたchelioとファンが一体となって、盛り上がる中、ステージは終了した。

次に登場するのは本日のライブの主催、750CC DOGSナナハンドッグス)、バンド名からもわかるようにもちろん「犬バンド」だ。メンバーはFUKUDOME”DESTROY”DAISUKE(Vocal & Guitar:以下FUKUDOME)、MANYA−NN”THE
MURAKAMI DOGS
(Vocal & Bass :以下MANYA−NN)、OKAMURA”AGGRESSIVE”DOGS(Drums & Chorus)の3人。FUKUDOMEは黒ずくめのスーツにアフロヘア、サングラス、MANYA−NNはグレーのスーツに赤いネクタイと昔の東映映画に出てくる悪役のようないでたちだ。ますは「ナナハンロック」の掛け声とともに1曲目「ナナハンのテーマ」がスタート。性急なビートが嫌がおうにも緊張を高める。そしてそのまま立て続けに5曲を一気に演奏。MCでは客席からの暖かい野次に答えるなど和気藹々とした雰囲気でライブは進んでいった。

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そして今日が誕生日だというMANYA−NNがボーカルを取る「シェリーな挽歌」では重たいグルーブで客席を支配する。「ロッケンロール」の掛け声で始まるまさにロックンロールとも言うべき「ロックンロール三昧」、うねるようなベースが印象的な「ヘイヘイ」ではFUKUDOMEMANYA−NNが倒れ込むように演奏、足がつりそうになるなどのハプニングもあったが、演奏が進むに連れ客席もヒートアップ、グラスを片手に身をよじらせる。そしてラストまで一気に激しいロックンロールを放ち続けステージは終了した。

しばし休憩の後、ふとステージに目をやると次に登場する「猫バンド」環七スピードキャッツのセッティングがすでに始まっていた。メンバーはリリー・スノコフ(Vo)、トモコ“マリー”ジェット(G)、B(べー)(B)、なつこログ7世(Dr)の女性4人組。特にリリー・スノコフは黒の下着にガーターベルト、そして赤いエプロンととても刺激的なスタイルだ。セッティングが終わったのかいきなり演奏が始まる。まずは下着姿の元祖とも言えるランナウェイズのヒット曲「Cherry Bomb」でライブは始まった。独自の日本語詞でオリジナルとは違った魅力を見せてくれた。その後もUSパンクテイストの激しいナンバーを立て続けに演奏、5曲目の「Calfornia Paradise」ではリリー・スノコフがシンバルを叩き、激しく、シャウトすればファンもそれに答えるように頭をシェイクする。

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そしてMCではバンド名の由来が。環七スピードキャッツとはメンバー全員が環七沿いに住んでいるからという理由らしい。そしてなんと我がBEEASTの紹介もしてくれた。容姿も素敵だが、とても優しいお姉さん方なのだ。そしてラストの「Wild Thing」までごきげんなガールズ・ロックを演奏して客席を多いに盛り上げステージは終了。

残るはあと1バンド、トリを務めるのはTHE YOUNGMAN PHSYCO BLUESワタナベ・ヤング・ヨシオ(Vocal & Bass:以下ワタナベ), ナカムラ・ヤング・サトシ(Guitar & Chorus:以下ナカムラ)、ナカザワ・ヤング・ヨシキ(Drums & Chorus:以下ナカザワ)の3人組だ。メンバーはタイトなスーツに身を固めて颯爽と登場。まずは挨拶がわりとばかりに1曲目の「カレシニナリタイ」を演奏。ワタナベのボーカルにナカムラナカザワのビートルズ風コーラスが被さるポップなナンバーだ。そしてマーチ風のドラムがいかす「In my car」まで5曲を一気に演奏。このころになるとファンも程よく酔いが回ってきて客席はダンスフロア状態。

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メンバーもファンに負けじと激しく踊る。そしてスカビートに乗ってラストの「Everybody Do The Dance」まで一気に突っ走ってステージは終了。が、ここでアンコールの声が起こる。この声にワタナベ「ビールをください」と答える。ワタナベが届いたビールを一気に飲み干しとサム・クックの「ワンダフル・ワールド」の演奏が始まった。速めの8ビートがオリジナルとは違い新鮮だ。そして続いてザ・フーの名曲「マイ・ジェネレーション」でステージを締めくくった。

さてこれで今夜のライブもすべて終了となったわけだが、各バンドともそれぞれ持ち味は違うがゴキゲンなロックンロールを聴かせてくれた。ライブ終了後はバンドメンバーがファンと一緒にグラスを傾けたり、サプライズで今日が誕生日の750CC DOGSMANYA−NNにバースデイケーキが用意されていたり、ファンもバンドもとても楽しんでいると言う雰囲気が伝わってきた。「Vol3」があればぜひ皆さんもぜひいってみてはどうだろう。

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ところで「犬バンドVS猫バンド」の勝敗はどうなったのか? そこが1つ気になる点だが答えは次回まで取っておくとしよう。