コラム
タイトルはテキトーによろしく(笑)
大山正篤
元ZIGGYのドラマー。現在はドラム以外にもヴォーカルとアコギ、さらに作詞/作曲/編曲/サウンドプロデュースもこなすマルチアーティスト。ドラムやヴォーカルのレッスンでは、解かりやすく的確な指導と爆笑トークが生徒から人気。天性の話術を活かし、音楽サイトADDICTIONにてパーソナリティー/アドバイザーとしても活躍中。

のーにゅーよーく Vol.1


今を遡る事20年近く前、ほんの暫くの間だがニューヨークに滞在していた事があった。一通りの雑務の日々を終え、暇をもてあましてミュージシャンらしく(一応ね一応)楽器屋巡りなんぞをしていたある日。

ドラム専門店を見つけ、なんとなく冷やかしていると・・・ロン毛でガタイがアメリカ~ンな店員が話しかけてくる。
「あんた、ZIGGYのDr,だろ?」

??な、なんで知ってんだ?アメリカで有名になった覚えは無いぞ?ふと見ると彼の手には「PEARL」(ドラムメーカーね)のカタログが・・・どこの世界にもマニアはいるのねぇ。

「ちょっと俺のプレイを見てアドバイスしてくれないか?」
この外人は(ここではこっちが外人ダロ)18歳で、この楽器屋でアルバイトをしながらプロを目指している、との事。言われてみるとまだ童顔で眼差しがキンラキラだ。

・・・別に構わないよ、好きに叩いてちょーよ。アメリカ~ンな若者達のクオリティにもちと興味有ったし。
「オッケー!じゃぁいくずぇい!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・

ちょっとおまえなにもの???素晴らしいパワー、正確無比なリズム、乱れの無いフォーム、見たことも聞いたことも食べた事も無い高速連打の嵐・・・。い、今どう叩いたにょ?もうちょっとゆっくり・・・。あらすんごい・・お兄さんお口あんぐりだわ・・・いかん、冷静になるのだ・・・こんな時こそ大和魂ポーカーフェイス(なんじゃそりゃ)だぁ!

ほんの3~5分だろうか?息も切らせず汗もかかずにキンラキラの眼差しはこう聞いてくる。
「俺のプレイ、どうかな?」

どうって、アンタ・・・平たく言うと白旗でんがな(脳裏で流れるのはアイサレンダーbyレインボー)
しかぁ~し!、こちらも東洋の島国とはいえプロとしてのプライドがある(ちっせー)。異人種にも関わらず「プロドラマー」として敬意を示してくれるこの少年(推定身長180以上)には真摯な対応をせざるを得まい。更に、ここで下手に持ち上げすぎて天狗になってしまっては彼の今後の音楽人生に悪影響を及ぼしかねない。なによりも、自分がカッコ付けたいのだ(やっぱちっせー)

・・・そーだなぁ、悪くはないよ・・・ただパッションが感じられないね・・(パッションってどういう意味だったっけ?使い方合ってんのか?)

「OH!・・・やっぱりそーかぁ・・良く言われるんだ・・小手先だけじゃぁ伝わらないって・・・一瞬で見抜くなんて、さすがはプロだなぁ」

この時に怪我の功名の意味を肌で実感したのは言うまでも無い
「お願いがあるんだ、ワンコーラスで構わないから貴方のプレイを見せてくれないか?」

??は、はいぃ?いや、あのぉ・・いかん大和魂再び!
・・・ごめんね、プロはノーギャラでオーディエンスの前ではプレイしないのさ、覚えておくといーよ(もちろんポーカーフェイス)

「mmm..それがプロ意識ってやつか・・勉強になったよ!ホントにありがとう!ミスター!」
・・・それじゃぁいつか何処かのステージ上かコンサートホールで会えたらいいね・・・楽しかったよ(当然ポーカーフェイス)

キンラキラの視線を後頭部に感じながら、ワンプレイもしていないこちらが妙な汗をかきつつ店を後にする。大和魂(だからポーカーフェイス)を解き、軽く深呼吸をひとつ。真冬なのに何故か日差しが眩しすぎる・・・。

いんやぁ~やっぱす、本場は層の厚さが違うわぁ!あのアメリカ~ンなボーズはゼッテぇプロになってんな!(爆)

~つづく~


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