コラム
ファンタジー私小説「ティーンエイジ・ラブリー」
森若香織
スーパーガールズバンド「GO-BANG'S」のヴォーカル&ギターでデビュー。 "あいにきてI NEED YOU"等をヒットさせ、武道館公演を行う。アルバム「グレーテストビーナス」ではオリコン第1位も獲得。 現在は作詞家として活躍中の他、ソロ音楽活動や舞台ドラマ等の女優活動もしている。

「ラブ・ミー・ライク・アイ・ラブ・ユー」ベイ・シティ・ローラーズ


~Single cut lovely~

BEEASTをご覧のみなさんこんにちWA!
Rock or Die な人生ですか?
ここでは、私がこれまでの人生の中で出逢った「シングル曲」をご紹介します。
どの曲も運命の出逢いDEATH。一曲一会。よロックお願いします。

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~初恋ロック~
「ラブ・ミー・ライク・アイ・ラブ・ユー」ベイ・シティ・ローラーズ

小学校を卒業した後、家が引越しをした。
ので、
中学入学までの春休み、慣れない土地でまわりに友達がいなかった私は、
暇つぶしにラジオをつけた。
DJが早口で「ベイ・シティ・ローラーズの新曲です」
と言い、流れてきたのがこの曲だった。
「誰?」

マイナー調のギターのワン弾き後、数人の男子コーラスから始まるこの曲。
「Do you love me?」ファルセットハモり。続けて甘いヴォイスでセリフ。
「Like I love you」同じくファルセットハモ続けてセリフ悲しげ。
「グッ バーイ~グッバイ~(セリフセクシー)バーイバーイバーイ~」
と、末広がりなってゆくコーラスの後ろから、スタタタタ…とドラムフィル(小さく回している)が入り、曲本編へ突入したその瞬間、私の人生を変える扉がBURN!と開いた。
なんじゃこりゃ!すごい好き!この曲!
ROCKの世界へようこそ~。と私の守護霊が叫んだ(捏造)
こんなところに、こんな世界がああああ!と、私(事実)

ということで、私の「アイラブROCK」な人生は、この曲から始まった。
いわばロックへの「初恋」である。

中学に入学後、ベイ・シティ・ローラーズ(以下BCR)はクラスの女子たちにも人気があった。
BCRファンは「ローラーマニア」と呼ばれ、音楽以外にも、メンバーのグッズを集めたりして遊んだ。私はイアン・ミッチェルが好きだったので、イアンバッジを作ったり、イアン柄のタータンチェックで「ローラーギア」と呼ばれたBCRファッションをキメて「BCRフィルムコンサート(映像に向かってイアン!と叫ぶイベント)」に足繁く通っていた。

当時の硬派なロック好き男子(現在予想おやじロック)は、その「女子的な世界」が気にくわなかったのか、「BCRなんてダメだべや」とバッシングしていた。
「アイドル」しかも「演奏が下手」なのでダメなんだそうだ。
しかし男子諸君、そんなことを言わずにBCRを「聴いて」くれたまえ。
たしかに私はイアン・ミッチェルの「顔」が好きだったが、
一番最初に出逢ったのは「顔」ではなく「ラブ・ミー・ライク・アイ・ラブ・ユー」である。
この曲に惚れ込んだからこそ、の「顔」ですから。
「顔より曲」を証明するために、是非PVではなくCDで聴いてみてくれたまえ。

この曲はメロディーがめちゃくちゃ良いのだ。
「メロディーラインが初恋」なのである。
サビの部分でちょっと「こぶし」を入れるようなレスリーのボーカルスタイルが、甘くせつない。そしてそれを包み込む、儚げなコーラスワーク。
「口で言えるギターソロ」が、壊れやすそうでいてしっかりしたフレーズで、最後のサビへといざなう。(口で言えるギターソロ代表は「ホテルカリフォルニア」です)
などなど「思い入れ」だけではない「楽曲の素晴らしさ」と、BCRにしかできない「表現力」に感動する。

私は、パンクやハードロックやディスコやAORなどなど、たくさんの「衝撃的な出逢い」をしたが、「初恋」は「ラブ・ミー・ライク・アイ・ラブ・ユー」でよかったなあ、うふふ。
と、この期に及んで胸をときめかせるのであった。 おしまい。

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