コラム
地獄のコラムニスト・トレーニング
小林信一
90年代にTV/CMソングのギター録音、作曲などのスタジオワークを開始。ESP・SCHECTERの7弦ギターの開発に協力。 04年執筆の「地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ」が大ブレイク。現在までに7冊のギター教則本を執筆。10年2月に初のソロ『ネクタイ地獄』を発表。地獄本シリーズの著者による凄腕バンド“地獄カルテット”にて活躍中。

番外編第二弾「国境を越えた音楽への思い」


あけましておめでとうございます!
2013年もヨロシクお願いします(^-^)/
 
ということで、2013年一発目のコラムは、アジア圏をはじめアメリカも新政権が出揃ったところでの今年の展望を語りたいと思います。昨年11月末に行った上海物語にも触れた近況報告新春スペシャル!ちょっと珍しく社会的内容かも。
 
まず、ここ2年ほど仕事をさせて頂いる中国国内で、昨年2012年9月に反日デモが起きました。いわゆる尖閣諸島問題です。日本のTVでは連日に渡って中国での過激な反日デモを報道し続けました。結果としてかなりの日本企業が中国におけるイベントの不参加を表明し、中国においても日本企業主催の中国国内におけるイベントはすべて中止に決定されました。
 
私自身もデモ後の10月、11月に参加する予定だった中国でのイベントがあったのですが、日本企業が不参加を表明したため参加できず、大きい仕事が2ヶ月分も流れてしまいました。暇人決定(笑)
 
その後の日本での報道も皆さんご存知の通り、報道番組では中国で展開する日本企業のリスクを特集し、中国への進出は危険であり、安易な進出はむしろマイナスであるとの見解が多くを占めました。
 
そんな中、私の中国友人達は、最後まで私のイベント出演を諦めず最高のセキュリティ体制を用意している等のメッセージを送ってくれ、中国版Twitterの“微博”で中国人の過激な暴力行為を否定していました。実際に“微博”を見る限りでは、過激なデモ行動に対して否定的である意見が主流で、さらには過激な反日デモの模様は中国国内で一切報道されていないようで、普通に生活していたらデモのことすら知らない様子でした。確かに中国に滞在する知人から上海のコンビニで「日本人には物を売らないから店を出て行け!」なんて冗談交じりに言われたと聞きましたが、過激な行為は身近では起こっていなかったようです。
 
そこで、私は、ある想いを巡らせました。「今この目で本当のリアルな中国を感じたい。」
 
photo_11そして、危険だと心配されましたが、たくさんの知人や業界の協力を得て、11月末に上海へ渡りました。はじめは上海や周辺の都市の音楽関係者や日本企業とビジネスを行っている中国企業と今後の打ち合わせをするだけの予定でした。ところが、せっかく上海に来るのならばと、幾つかお話を頂き、上海にあるイシバシ楽器さんの店舗内にてサイン会&デモ演奏を行うことになりました。これに関しても日本企業の楽器店にて日本人のアーティストが演奏するということは大丈夫なのか?と不安視される懸念はありました。日本人経営のスーパーや工場が襲撃されたのと同様に楽器店も襲撃されたら…と。前述の通り、大きいイベントは国の許可がいるため、大々的には宣伝も出来ないので、イシバシ楽器さん店舗内でのイベントポスターが主な告知。ネットでは?となりますが、皆さんご存知の通り中国国内におけるインターネットの政府による監視というものは非常に厳しいもので、イベント関係者による中国版Twitter“微博”での個人的なつぶやきぐらいがネットによる告知でした。
 
そんなこんなでイベント当日を迎えました。自分はイベント前日から上海に入り、関係者との顔合わせ&打ち合わせを済ませていましたので、不安もなく会場入り。お借りするアンプ選びから始まり、音作り、サウンドチェックへ。通常インストアですとリハーサルからギャラリーが増えてしまいプチ本番状態になるのですが、平日水曜日の昼間ということもあり、終始お客さんは1~2人ぐらいで、しかも何故か欧米人(笑)。お店は東京でよく見かけるごく一般的な楽器店のイメージと品揃えなのですが、どうも中国人にとってそれは高級店の部類に入るようで、あまり中国人が見受けられなかった訳です。逆に欧米人にとっては、欧米の品物が手に入りやすいとのことで頻繁に訪れてくれるようです。興味深い現象ですね。さて話を戻しまして、無事にリハーサルを終える頃には数名の中国人関係者も集まっていただき、店内は少しだけ賑やかになりました。その後、待機中には上海在住の日本人向け雑誌の取材を受けながらも、私は不安を募らせていました…何事もなく無事に本番を迎えられるのだろうか?果たしてお客さんは来てくれるのだろうか?と。
 
そして、いよいよ本番の時間を迎えました。何となく会場がざわついているような…そんな雰囲気を感じながら、恐る恐るステージに上ると、どうでしょう…
 
Photo Photo

なんとギュウギュウに中国のファンが100人ほど集まってくれていました!
色んな不安要素があっただけに、流石に感激で一瞬、目頭が熱くなりました。
 
あとはもう終始大盛り上がりで、ライブ演奏、Q&Aコーナー、プレゼント抽選会、サイン会と、楽しく過ごしました。暴動も罵声も全くなく、あれだけ心配していた尖閣問題のことすら忘れてライブが出来たことを中国のファンに感謝したいし、音楽の力って偉大だなぁと改めて思いました、ギターやって来て良かったなぁと。そして、だからこそ、音楽やギターという楽器の素晴らしさをもっともっとたくさんの人に伝えていかなければならないと強く感じています。そう!だいぶ話が長くなっていますが、これが私の人生の目標だし、宿命または天命だと感じていることなんですよね。大きく出ましたが真面目な気持ちです(笑)。だから色んなことも受け入れて頑張れるし、毎日の行動も毎年の目標も10年後の計画も何も迷わず決められるんです、ブレずに。なんてね!

photp_05ということで今年も音楽やギターの素晴らしさを伝える活動を軸に色々と計画しております。新刊の理論本も3月には発売になりますが、更に先の執筆も面白い本を計画しています。また、中国をはじめ様々なアジアへの活動もありますし、それに関連してのプロジェクトが様々に広がり、寝る時間が惜しくなってます(笑)さぁ時間との戦いですね。更に!ソロ活動の歌やインストに加え新たなメディアにもチャレンジすることが決定しています。こちらのコラムでも随時報告させて頂きますね。すべては、少しでも多くの人に音楽やギターの楽しさを伝えるために、そしてアジアの平和を願って。

イシバシ楽器上海店リンク
http://www.ishibashi-music.cn/?c=jpside
 
中国の動画サイトにて上海でのセミナー模様がアップされております。
動画リンクhttp://t.cn/zjMQlxM
 
小林信一Officialサイト
http://www.nanagen.jp/home/


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