コラム
JunkoのHollywood Confidential
ジュンコルイス
ロックスター「フィリップルイス(L.A.GUNS,ex GIRL)」の妻にして生粋のロック姉さん。 国内外のロックシーンを網羅し、ロックな日常をハリウッドにて送っている。バンドとともにツアー同行したり、世界中のロックファンと接点を持っている。

Confidential File No.1


皆さんはじめまして、ジュンコルイスです。
これからこちらのコラムを担当させてもらうことになりました。私のコラムではハリウッドの生活情報、主人フィリップルイス(以下フィル)のバンドLA Gunsの活躍、バックステージ裏話やその他のバンドのゴシップ、その他アメリカ生活17年ならではの様々なお話をしていきたいと思います。LA Gunsの活動については、こちらの公式MySpaceをご覧ください。

では私たちの6月の活動からご紹介。この6月の最初の2週間はLA Gunsとしてのツアーはブッキングされていませんでした。というのも、フィルの中学生の娘が夏休みのため、他の州から遊びに来る予定になっていたので、父親業に専念するためにバンドとしての予定は入れていませんでした。

でも、そんな時だからこそフィルは地元での友達バンドのライブに参加しました。6月6日土曜日、ライブハウスが立ち並ぶことで有名なサンセットストリップにある「Viper Room」にて、Black Board Jungle(以下BBJ)が恒例の再結成ライブをしました。彼らは80年代後期から90年代初頭まで盛り上がり、来日公演も果たしているのでバンド名を覚えている人も多いのではないでしょうか?

BBJはここ何年も毎年6月6日に年に一度だけライブをして、昔からのファンの人達との同窓会のように盛り上がっているようです。会場には日本人ファンの顔ぶれも見かけました。会場ではほとんどの人達が歌詞を一緒に口ずさんでいて凄い盛り上がりでした。私はちなみにアメリカに来た当時92年頃に、彼らを「トルバドール」というライブハウスで見た事があります。

DSCN3337その頃の沢山の日本人の友達が彼らの大ファンだったので連れられて行った記憶があります。フィルはセットの最後の方にゲストとして1曲参加し、LA Gunsの「Sex Action」を歌いました。もちろんこの曲の音合わせのために、当日の夕方に会場へサウンドチェックにも行きました。残念ながらライブの時は混雑していて写真を撮れるような状況ではありませんでしたが、そのかわりサウンドチェックでの貴重なショットがあります。

ライブの後はサンセットの某スペースにて、バンド関係者とファン達のための『アフターパーティー』がありました。ここには事前にこの情報を知っている人達しか入れませんでした。ご存知「LA」では午前2時以降はどこのバーでもお店でもアルコール類を売ってくれません。でもこの『アフターパーティー』では、こっそり奥の方に沢山のお酒類のあるバーがあり、皆セルフサービスで飲み放題。日本では朝まで公に飲めることや、路上にビールの自動販売機があることはアメリカ人には信じられないことです。

DSCN3345この日フィルの娘はお友達の家にお泊まりに行っていたので、私たちは明け方まで楽しみました。『アフターパーティ』での写真もアップします。LA Gunsのベースのスコッティとお友達の女性二人も写っています。LA Gunsが活躍始めた頃から同じように頑張っているBBJの皆さん、皆とても感じの良い人達でした。これからもずっと頑張って欲しいです。BBJについてはこちらの公式MySpaceを参照ください。

そして翌週末6月13日土曜日にはフィルLA Gunsのギタリストのステイシーも一緒に、Phil Varoneの『Sex、Stand-up & Rock n’ Roll』のイベントに参加しました。これは元Skid Row/Saigon KickのドラマーであるPhil Varoneが今はコメディアンに転職して、頻繁にやっている若者向けのコメディショーです。もちろんフィルステイシーはコメディアンとしてではなくゲストミュージシャンとして参加し、イベントの最後に2曲演奏しました。

DSCN3347バックバンドはフィルがボーカル、ステイシーがギター、Phil Varoneがドラム、ハウスバンドの女性二人がサイドギターとベースでした。演奏曲はLA Gunsの「Sex Action」と「I Just Want To Make Love」でした。2曲目は1954年にMuddy Watersがレコーディングしたブルースで、LA Gunsも以前に発表したカヴァーアルバム『Rips The Covers Off』の中でFoghatがカヴァーしたバージョンを演奏しています。

フィルがこのコメディのイベントに出演したのはこれで3回目です。毎回4~5人の若いコメディアン達がかわるがわるステージに立って、かなりストレートで下品なネタで笑いを取るため、このショーは21歳以上しか見れませんが、毎回ソールドアウトで話題を呼んでいます。

3606233684_17174968fd観客席の中には有名ミュージシャンの姿が見られることもしばしば。普通のコメディクラブの客層とは違って、ライブ会場でみかけるような派手なロック系のお兄さんやお姉さん達もいっぱいです。どこの国でも下ネタが大ウケするのはかわりないのですね。このイベントについてはフライヤーを参照してください。Phil Varone公式MySpaceもあります。

このようなミュージシャンとしての活動と同時に、フィルは2週間の父親としての任務も無事こなしました。娘がやっと帰ったと思ったら、休む間もなくフィル達もネバダ州へGreat Whiteとのライブで居なくなってしまいました。これから夏にかけて様々な地域で夏のロックフェスティバルがあるので、私もどこかに同行できるといいです。その時はもちろんライブレポートを載せますのでお楽しみに!

ところでミュージシャンといえば華やかな生活を想像するかと思いますが、実際そうでもありません。フィルはいつも、「歌うのは好きだけど、遠くでライブをやるために移動する時間や待ち時間が、実際歌う時間より何十倍も長い。それも全部仕事として考えると僕の時給はものすごく安い。だから僕がもらうギャラはそんな時間への支払いと思い、ライブは無報酬でやっているような感じだね。」なんて言っています。

ちなみにLA Gunsのメンバーそれぞれの待ち時間の過ごし方をご紹介します。
Steve Riley(Drum)……新聞を読む、ジャズを聴く。国内でヴァンを借りて移動する時はいつも彼が運転しないと気が済みません。車内での音楽はもちろんジャズ。コルトレーンとかマイルスデイヴィスが好き。
Stacey Blades(Guitar)……本や雑誌には興味なし、友達に電話したり、15年くらい前の古そうなCDプライヤーでいつも音楽を聴いています。
Scotty Griffin(Bass)……いつどこで発表するのか謎ですが、いつも手書きでノートにツアー日記のようなものをびっしり書いています。バンドで一番字がきれい。読書も好きで、良い本があれば必ず私たちに回してくれます。
Phil Lewis(Vocal)……必ず本やDVDを携帯しています。マックのノートブックパソコンを持っていて音楽や映像を編集しています。今回からは私の「Nintendo DS」を初持参し、ゲームはレンタルで「Grand Theft Auto:China Town Wars」に挑戦中です。

来月7月上旬にLA GunsはSwedenで『Weekend Rock Festival』に出演が決定しています。本当はその前後にUKツアーを入れたかったようですが上手く行かず、結局はこのフェスティバルの1日に35分参加するだけのために、わざわざSwedenまで行くそうです。

私も彼らが他にライブを何本かやるなら一緒に行こうかと思っていましたが、35分のために行くのは疲れるだけで終わってしまうので諦めました。時差ぼけと移動で観光する間もないと思います。バンドの皆様本当にご苦労様です。次回のコラムではこのSwedenのフェスティバルの様子などをお知らせします。それまで皆さんお元気で。